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SSOを入れたのに、入社のたびにSaaSのアカウントを手で作り、退職のたびに消し忘れを探している。そんな状態から抜け出す手段がSCIMによる自動プロビジョニングですが、「うちが使っているSaaSは対応しているのか」「どのプランなら使えるのか」は、SaaSごとに公式ドキュメントを読まないとわかりません。
本記事では、国内の情シスで利用の多い主要26サービスについて、SCIM(またはIdPからの自動プロビジョニング)の対応条件、公式に手順が案内されているIdP、マネーフォワード Adminaでできるアカウント操作を一覧にしました。あわせて、SCIMに対応していないSaaSを自動化する方法と、一覧を自社用に棚卸しして最新に保つ手順も解説します。
情報は2026年10月23日時点で、各サービスとIdPの公式ドキュメントで確認した内容です
SCIMの多くは上位プラン限定です。対応していても「削除」ではなく「無効化」にとどまるサービスがあります
SCIMで自動化できないSaaSは、SaaS独自のAPI、CSVの定期取り込み、SaaS管理ツールのいずれかで補います
SCIMの仕組みやSAMLとの違いから知りたい場合は、SCIMとは?自動プロビジョニングの仕組みとSAMLとの違いを先にお読みください。
SCIM対応SaaS一覧(カテゴリ別)
主要なグローバルSaaSの多くはSCIMに対応していますが、使えるのはEnterpriseなど上位プランに限られることがほとんどです。国産SaaSでも対応が進む一方、提供を終了したサービスもあるため、契約中のプランと最新の状況をあわせて確認してください。
表の見方は次のとおりです。
SCIM・自動プロビジョニングの条件:SaaS側で必要なプランや前提条件です。SCIM以外の方式(SaaS独自のAPIを使ったIdP連携)で自動プロビジョニングに対応するサービスも含めています
公式に手順があるIdP:SaaSまたはIdPの公式ドキュメントで設定手順が案内されているIdPです。ここにないIdPでも、カスタムのSCIMアプリとして接続できる場合があります
Adminaでの操作:Admina Help Centerの連携仕様に記載された、Adminaから実行できるアカウント操作です。連携したSaaSでは、アカウント一覧の取得と退職者アカウントの検知が共通で使えます
コミュニケーション・Web会議
サービス | SCIM・自動プロビジョニングの条件 | 公式に手順があるIdP | Adminaでの操作 |
|---|---|---|---|
Slack | Business+ または Enterprise プラン | Entra ID、Okta、Google | 作成・無効化(Business+以上) |
Zoom | Business・Education・Enterprise。Vanity URLの承認、SSOの有効化、関連付けドメインの確認が前提 | Entra ID、Okta | 作成・無効化・削除 |
LINE WORKS | 2025年10月にSCIM APIの提供を開始 | Okta(2026年8月にOINへ登録)、GMOトラスト・ログイン | 作成・無効化・削除 |
Chatwork | SCIMによるプロビジョニングは2026年10月1日で提供終了(SSOは継続) | ― | アカウント取得・退職者検知 |
グループウェア・ストレージ
サービス | SCIM・自動プロビジョニングの条件 | 公式に手順があるIdP | Adminaでの操作 |
|---|---|---|---|
Google Workspace(連携先として) | IdPからGoogleのディレクトリへ同期する方式 | Entra ID、Okta、HENNGE One | 作成・無効化・削除、従業員マスター連携 |
Microsoft 365(連携先として) | Entra IDが本来のID基盤。他のIdPからも同期できる | Okta、Google、HENNGE One | 作成・無効化・削除、従業員マスター連携 |
Box | 法人向けプラン。IdPの専用コネクタで自動プロビジョニング | Entra ID、Okta、Google | 作成・無効化 |
Dropbox | チーム向けプラン(Dropbox Business) | Entra ID、Okta、Google | 作成・無効化・削除 |
Notion | Enterpriseプランのみ。Google経由ではグループの同期に非対応 | Entra ID、Okta、Google | アカウント取得・退職者検知 |
kintone(cybozu.com) | 組織・役職・グループは同期対象外。利用サービスの割り当てはIdPにより異なる | Entra ID、Okta、HENNGE One(Pro/IdP Pro) | 作成・無効化・削除 |
プロジェクト管理・コラボレーション
サービス | SCIM・自動プロビジョニングの条件 | 公式に手順があるIdP | Adminaでの操作 |
|---|---|---|---|
Atlassian Cloud(Jira・Confluence) | Atlassian Guard Standardの契約が必要 | Entra ID、Okta、Google ほか | 無効化 |
Backlog | 有料オプションのNulab Pass経由 | Okta | アカウント取得・退職者検知 |
Asana | Enterprise・Enterprise+(ディビジョンは対象外)。SCIMでの再有効化は非対応 | Entra ID、Okta、Google | 作成・削除 |
Miro | Enterpriseプランのみ。IdPからの削除はMiro側で無効化として扱われる | Entra ID、Okta、Google | 作成・削除 |
monday.com | Enterpriseプランのみ | Entra ID、Okta | アカウント取得・退職者検知 |
開発・デザイン・パスワード管理
サービス | SCIM・自動プロビジョニングの条件 | 公式に手順があるIdP | Adminaでの操作 |
|---|---|---|---|
GitHub | GitHub Enterprise Cloud(Enterprise Managed Usersなど) | Entra ID、Okta | 作成・削除 |
Figma | Organization・Enterpriseプラン | Entra ID、Okta、Google | 作成・削除 |
Canva | Canva Enterprise(新規のTeams契約は対象外) | Entra ID、Okta、Google | アカウント取得・退職者検知 |
Adobe | Adobe Admin Consoleのディレクトリ同期を使う | Entra ID、Okta、Google | 作成・削除(Adobeエンタープライズプランの契約が必要) |
1Password | 1Password Business。SCIMブリッジを自社で用意する | Entra ID、Okta、Google | アカウント取得・退職者検知 |
営業・カスタマーサポート
サービス | SCIM・自動プロビジョニングの条件 | 公式に手順があるIdP | Adminaでの操作 |
|---|---|---|---|
Salesforce | Webサービス APIが使えるエディション(Enterpriseなど) | Entra ID、Okta、Google、HENNGE One(Pro/IdP Pro) | 作成・無効化(Professional・Enterprise・Unlimited・Performance) |
HubSpot | SSOの有効化が前提 | Okta、Google(Entra IDはカスタム設定) | 作成・削除(全プラン連携可) |
Zendesk | IdP側のプロビジョニング機能で対応 | Entra ID、Okta、Google | 作成・無効化・削除(スタッフのみ) |
生成AI・AIコーディング
サービス | SCIM・自動プロビジョニングの条件 | 公式に手順があるIdP | Adminaでの操作 |
|---|---|---|---|
ChatGPT | Enterprise・Eduのみ。単体のChatGPT Businessは対象外 | Entra ID、Okta、Google ほか | ChatGPT Businessとの連携は現在停止中。スプレッドシート連携で取り込み可 |
Claude | Enterpriseプランのみ。Teamプランはジャストインタイム(JIT)プロビジョニングまで | Entra ID、Okta ほか | Claude Console:作成・削除。Claude.ai:スプレッドシート連携で取り込み可 |
Cursor | Enterpriseプランのみ。SSOの構成が前提 | Entra ID、Okta、Google | アカウント取得・退職者検知(Enterpriseプランのみ連携可) |
一覧を見ると、SCIMが使えるかどうかはSaaSそのものより契約プランで決まることがわかります。Slack、Notion、Miro、Canva、ChatGPTはいずれもSCIM自体には対応していますが、多くの企業が使う中位プランでは利用できません。SCIMのためだけにプランを上げるのか、別の方法で補うのかは、後半の「SCIMに対応していないSaaSを自動化する3つの方法」で整理します。
IdP別に見た対応の違い(Entra ID・Okta・Google Workspace・HENNGE One)
同じSaaSでも、どのIdPから接続するかで使える機能と同期のタイミングが変わります。特にGoogle WorkspaceとHENNGE Oneは、自動プロビジョニングできる連携先が限られるため、導入前の確認が欠かせません。
IdP | 自動プロビジョニングできる範囲 | 同期のタイミング | 押さえたい制約 |
|---|---|---|---|
Microsoft Entra ID | ギャラリーに登録されたアプリに加え、ギャラリー外のアプリもSCIMで接続できる | おおむね40分ごとの定期実行 | 入れ子のグループはプロビジョニングされない |
Okta | OIN(Okta Integration Network)のアプリに加え、カスタムのSCIMアプリを作成できる | 変更をほぼ即時に反映 | アプリごとに対応する操作(作成・更新・無効化・グループのプッシュ)が異なる |
Google Workspace | Googleが事前に連携したアプリのみ。カスタムのSAMLアプリはSCIM非対応 | 数時間おき | Business Starterは最大3アプリ、Business Standard以上は最大100アプリまで |
HENNGE One | Microsoft 365・Google Workspaceへの同期と、SalesforceとCybozuへのプロビジョニング | 管理画面から同期を実行し、結果を確認する | SalesforceとCybozuへのプロビジョニングはPro/IdP Proプランで利用できる。その他のSaaSはSAML連携時のJITで作成のみ |
Entra IDは、SCIM 2.0に対応したSaaSであれば、ギャラリーに載っていなくても接続できる柔軟さがあります。設定方法はMicrosoft Entra IDの基本機能と導入メリットで概要を押さえたうえで、IdP別の設定手順と失敗パターンを解説したSCIMプロビジョニングの設定手順を参照してください。
Google Workspaceは、SSOは幅広いアプリで組めるものの、自動プロビジョニングはGoogleが事前に連携したアプリに限られます。一覧にあるサービスでも、Notionのようにグループの同期まではできないケースがあります。Google Workspace側でユーザーを受け取る仕組みについては、Google Workspaceのインバウンド SCIMで解説しています。
国内で利用の多いHENNGE Oneは、2024年7月にユーザープロビジョニング機能を追加しましたが、プロビジョニングの連携先はMicrosoft 365・Google Workspaceの同期と、SalesforceとCybozuに限られます。それ以外のSaaSは、SAML連携時に初回ログインでアカウントを作るJITプロビジョニングが中心で、退職時の無効化は各SaaSで行う必要があります。HENNGE Oneを使っている企業ほど、IdPの外側に残るアカウントを別の仕組みで管理する重要性が高くなります。AdminaはHENNGE Oneとも連携できるので、詳しくはHENNGE Oneとの連携をご覧ください。
IdPそのものの選び方や機能の違いを整理したい場合は、IDaaSとは?主な機能と導入メリットが参考になります。
対応表を読むときに押さえたい4つの注意点
「SCIM対応」と書かれていても、入社から退職までのすべてを自動化できるとは限りません。プラン、退職時の処理、同期される情報の範囲、提供状況の変化の4点を確認しておくと、導入後に「思っていたのと違う」となるのを防げます。
1. 上位プランでしか使えないことが多い
一覧のサービスの多くは、SCIMを上位プランに限定しています。ChatGPTは単体のBusinessプランではSCIMが使えず、ClaudeもTeamプランではJITまでです。Canvaは新規のTeams契約ではSCIMを提供していません。SCIMを使うためにプランを上げると、ID単価が大きく上がることもあるため、自動化で減らせる工数と比べて判断します。
2. 退職時は「削除」ではなく「無効化」になることがある
IdPでユーザーを止めても、SaaS側ではアカウントが残り、ライセンスも消費し続けることがあります。Miroは、IdPから削除の指示を受けてもMiro側では無効化として扱います。ClaudeはIdPでアプリの割り当てを外すとログインできなくなりますが、管理者が削除するまでメンバー一覧に残り、シートも使い続けます。IdPを止めた後に残るアカウントの確認手順は、退職者のアカウント削除|IdP停止後のSaaS確認手順で詳しく解説しています。
3. グループ・権限・ライセンスは同期されないことがある
SCIMで同期できる項目はSaaSごとに異なります。cybozu.comは、Entra IDやOktaから組織・役職・グループの情報を同期できません。Entra ID経由の場合、kintoneやGaroonの利用サービスの割り当ても同期されないため、アカウント作成後に別途設定が必要です。Zoomも、SCIMで割り当てられるのはZoom側に既にあるライセンスや設定に限られます。部署異動のたびに権限を手で直す運用が残るなら、その部分は定期的な見直しで補います。全ユーザー・全SaaSを対象にした見直しの進め方は、アクセス権限の棚卸しの進め方で解説しています。
4. 対応状況は変わる
SCIMの対応状況は、追加も終了も起こります。LINE WORKSは2025年10月にSCIM APIを公開し、2026年8月にはOktaのOINにも登録されました。反対にChatworkは、2026年10月1日でSCIMによるプロビジョニングの提供を終えています。一度作った対応表は、定期的に見直さないとすぐに実態とずれていきます。
SCIMに対応していないSaaSを自動化する3つの方法
SCIMが使えないSaaSでも、手作業のまま放置する必要はありません。SaaS独自のAPI、CSVの定期取り込み、SaaS管理ツールの3つから、SaaSの数と社内の開発リソースに合った方法を選びます。
方法 | 向いているケース | 主な負担 |
|---|---|---|
① SaaS独自のAPIをスクリプトで呼ぶ | 対象が数サービスで、社内にスクリプトを保守できる人がいる | SaaSごとのAPI仕様の把握、仕様変更への追従、担当者の異動時の引き継ぎ |
② CSVの一括登録・削除を定期実行する | APIがなく、管理画面からCSVで一括操作できる | 毎回の出力・加工・取り込みの手作業、作業漏れ |
③ SaaS管理ツールで入社日・退職日をきっかけに実行する | 対象のSaaSが多い、またはIdPに載らないSaaSが多い | ツールの導入費用と初期設定 |
① SaaS独自のAPIをスクリプトで呼ぶ
ユーザーの追加・削除のAPIを公開しているSaaSなら、人事システムやIdPの変更をきっかけにスクリプトでアカウントを操作できます。iPaaS(業務自動化ツール)を使えばコードを書かずに組むこともできますが、SaaSごとにAPIの認証方式やレート制限が異なり、仕様変更のたびに直す手間がかかります。対象が数サービスのうちは有効ですが、SaaSが増えるほど保守の負担が膨らみます。
② CSVの一括登録・削除を定期実行する
APIがないSaaSでも、管理画面にCSVでの一括登録や一括削除の機能があれば、入退社をまとめて処理できます。月初と月末に作業日を決めておけば、依頼の取りこぼしは減らせます。ただし、出力・加工・取り込みは毎回の手作業で、退職から削除までに数週間の空白ができやすい点に注意が必要です。
③ SaaS管理ツールで入社日・退職日をきっかけに実行する
SaaS管理ツールは、IdPを経由せずにSaaSのAPIと直接つながるため、SAMLやSCIMに対応していないSaaSや、上位プランでないとSCIMが使えないSaaSもまとめて自動化の対象にできます。マネーフォワード Adminaの場合、人事システムやGoogle Workspace・Microsoft Entra ID・Oktaを従業員マスターとして連携し、入社日や退職日をきっかけにアカウントの発行と削除を予約しておけます。作業日を任意に設定できるので、月末月初に集中しがちな入退社の作業も分散できます。アカウントの作成・削除に対応するSaaSも多く、連携できるSaaSの数は国内トップクラスです。機能の詳細はオートメーションと従業員IDライフサイクルマネジメントのページで紹介しています。
APIが提供されていないSaaSや社内ツールは、Googleスプレッドシート連携で取り込めます。SaaSの管理画面からダウンロードしたアカウント一覧をシートに貼るだけで、夜間の同期でAdminaに反映され、直接連携したSaaSと同じように退職者アカウントのアラートや棚卸しの対象になります。一覧表で「アカウント取得・退職者検知」となっているSaaSや、ChatGPT Businessのように連携を停止しているSaaSも、この方法で管理を一か所にまとめられます。対応しているSaaSは連携サービス一覧で確認できます。
SCIMとSaaS管理ツールは、どちらか一方を選ぶものではありません。SCIMが使えるSaaSはIdPで自動化し、IdPに載らないSaaSをSaaS管理ツールで補う分担にすると、プランを無理に上げずに入退社の処理を自動化できます。
自社のSCIM対応状況を棚卸しする手順
一般的な対応表は、自社の契約プランやIdPに当てはめて初めて使えるものになります。利用中のSaaSをすべて洗い出し、SaaSごとに自動化の方法を決め、優先順位をつける3ステップで進めます。
ステップ1:利用中のSaaSとアカウントをすべて洗い出す
最初に、契約しているSaaSだけでなく、部門が独自に契約したSaaSや無料プランで使われているSaaSまで含めて一覧にします。IdPに登録されているアプリだけを見ると、SSOを通していないSaaSが抜け落ちます。経費精算のデータ、IdPのログイン履歴、ブラウザの利用状況などを突き合わせると、把握できていないSaaSも見つかります。洗い出しの進め方はSaaS棚卸しの手順、部門が勝手に導入したSaaSの見つけ方はシャドーITの検知方法で解説しています。
ステップ2:SaaSごとに自動化の方法を決める
洗い出したSaaSごとに、次の項目を確認して記録します。
確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
契約プラン | SCIMが使えるプランか。使えない場合、上位プランとの差額はいくらか |
IdPとの接続 | 自社のIdPで公式の手順があるか。カスタムのSCIMアプリで接続できるか |
退職時の処理 | 削除されるのか、無効化にとどまるのか。ライセンスは解放されるか |
同期される範囲 | グループ・権限・ライセンスの割り当てまで同期されるか |
自動化の方法 | SCIM、SaaS独自のAPI、CSV、SaaS管理ツールのどれで対応するか |
ステップ3:ID数と扱う情報の重要度で優先順位をつける
すべてのSaaSを一度に自動化しようとすると、設定とテストの負担で止まりがちです。ID数が多いSaaSと、顧客情報やソースコードなど重要な情報を扱うSaaSから先に自動化すると、工数の削減とリスクの低減の両方で効果が出やすくなります。ID数が少なく扱う情報の重要度も低いSaaSは、退職時の確認リストに載せて手動で処理する判断もあります。
一覧を最新に保つ運用
対応表は作った時点から古くなり始めるため、見直す時期と、新しいSaaSを入れるときの確認項目を決めておきます。年2回の定期見直しと、導入時のチェックを組み合わせるのが現実的です。
定期の見直しは、年2回を目安にします。各SaaSのリリースノートや管理者向けのお知らせで、SCIMの追加や終了、プラン条件の変更がないかを確認し、対応表を更新します。契約の更新月に合わせて見直すと、「SCIMのために上位プランに上げるか」という判断も同時にできます。
新しいSaaSを導入するときは、利用申請の段階で次の点を確認しておくと、後から自動化の対象に組み込みやすくなります。
SAMLによるSSOとSCIMに対応しているか。対応しているならどのプランか
退職時にアカウントを削除できるか、無効化にとどまるか
管理者がユーザー一覧をCSVやAPIで取得できるか
アカウント管理の全体像や、台帳での管理から仕組みでの管理へ移る考え方は、アカウント管理の手法と工数削減のポイントにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. SCIMに対応しているかどうかは、どこで確認できますか?
A. 各SaaSの管理者向けヘルプで「SCIM」「ユーザープロビジョニング」と検索するのが確実です。IdP側では、Microsoft Entra IDのアプリギャラリー、OktaのOIN、Google Workspaceの自動プロビジョニング対応アプリの一覧で確認できます。プラン条件はSaaS側のヘルプに書かれていることが多いので、両方を確認してください。
Q. Google WorkspaceをIdPにしている場合、どのSaaSでもSCIMを使えますか?
A. 使えません。Google Workspaceの自動プロビジョニングは、Googleが事前に連携したアプリに限られます。カスタムのSAMLアプリとして登録したSaaSは、SSOはできても自動プロビジョニングには対応していません。
Q. HENNGE Oneでも自動プロビジョニングはできますか?
A. できますが、対象は限られます。Microsoft 365とGoogle Workspaceへの同期に加え、Pro/IdP ProプランではSalesforceとCybozuへのプロビジョニングが使えます。それ以外のSaaSは、SAML連携時のJITプロビジョニングでアカウントを作成する形が中心です。
Q. SCIMを設定すれば、退職者のアカウントは自動で削除されますか?
A. SaaSによります。多くのSaaSは、IdPでユーザーを止めると「無効化」までは自動で行いますが、アカウントの削除やライセンスの解放までは行わないことがあります。SCIMの設定後も、退職者のアカウントが残っていないかを定期的に確認してください。
Q. SCIMに対応していないSaaSは、どう管理すればよいですか?
A. SaaS独自のAPI、CSVの一括操作、SaaS管理ツールのいずれかで補います。対象のSaaSが多い場合は、入社日・退職日をきっかけにアカウントを発行・削除できるSaaS管理ツールを使うと、IdPに載らないSaaSも含めて一か所で管理できます。
まとめ
SCIMは入退社のアカウント作業を自動化する有力な手段ですが、使えるのは上位プランに限られることが多く、退職時も無効化にとどまるサービスがあります。対応表は「SCIMに対応しているか」だけでなく、プラン、退職時の処理、同期される範囲まで確認して初めて判断材料になります。
自社で取り組むときは、利用中のSaaSをすべて洗い出し、SCIMで自動化するSaaSと、SaaS管理ツールなど別の方法で補うSaaSを分けるところから始めてください。
利用中のSaaSを、部門が独自に契約したものや無料プランのものまで含めて洗い出した
SaaSごとに、契約プランでSCIMが使えるか、自社のIdPで接続できるかを確認した
退職時に削除されるのか無効化にとどまるのか、ライセンスが解放されるかを確認した
SCIMで自動化できないSaaSについて、API・CSV・SaaS管理ツールのどれで補うかを決めた
ID数と扱う情報の重要度で、自動化する順番を決めた
対応表を見直す時期(年2回、契約更新月など)と、新規導入時の確認項目を決めた
参考にした公式ドキュメント
Microsoft Learn「Tutorials for integrating SaaS applications with Microsoft Entra ID」および各アプリのプロビジョニング手順
Google Workspace 管理者ヘルプ「ユーザーの自動プロビジョニングについて」
HENNGE One サポートサイト「[Access Control] ユーザープロビジョニング機能概要」
各サービスの管理者向けヘルプ(Slack、Zoom、Notion、Atlassian、Asana、Miro、monday.com、Figma、Canva、HubSpot、Zendesk、OpenAI、Claude、Cursor、cybozu.com)
LINE WORKS株式会社・Okta Japan株式会社・株式会社ヌーラボのプレスリリース
Admina Help Center「連携可能SaaS・機能対応一覧」および各SaaSの連携ガイド
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。
SaaS・アカウント・デバイスの管理を自動化し、IT資産の可視化とセキュリティ統制を実現。
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