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ゼロタッチデプロイメント導入ガイド|MDMとAutopilotでキッティング自動化を実現

ゼロタッチデプロイメント導入ガイド|MDMとAutopilotでキッティング自動化を実現

ゼロタッチデプロイメント導入ガイド|MDMとAutopilotでキッティング自動化を実現

ゼロタッチデプロイメント導入ガイド|MDMとAutopilotでキッティング自動化を実現

最終更新日

2026/03/12

現代の情シス業務において、デバイス管理の効率化は最優先課題の一つです。ゼロタッチデプロイメントの導入は、物理的なキッティング作業を排し、ユーザーが箱を開けて電源を入れるだけで業務環境を整える「自動展開」を実現します。本記事では、主要OS別の仕組みや導入手順、実務上の注意点を専門的な視点から網羅的に解説します。

ゼロタッチデプロイメントとは?導入で変わるデバイス管理の在り方

ゼロタッチデプロイメントとは、IT管理者が端末に直接触れることなく、ネットワーク経由でOS設定やアプリインストール、セキュリティポリシーの適用を自動で完結させる仕組みのことです。

従来のキッティング手法であるマスターイメージの流し込み(クローニング)とは異なり、ハードウェア構成に依存せず、常に最新のクラウド設定を反映できるのが最大の特徴です。この手法を導入することで、情シス担当者は物理的な配送作業や、一台ずつOS設定を行う手作業から解放されます。

ゼロタッチデプロイメントの定義と従来手法との違い

ゼロタッチデプロイメント(ZTD)は、デバイスのシリアル番号をクラウド管理ツールに紐付けることで、初回起動時のセットアッププロセスを自動化する技術です。

従来のキッティングでは、PCやスマートフォンを一度情シス拠点に集約し、マスターイメージをコピーしたり、手動で設定値を入力したりする必要がありました。しかし、ZTDでは端末をメーカーや販売店からユーザーの自宅へ直送しても、電源を入れてWi-Fiに接続するだけで、会社指定のポリシーが自動適用されます。これにより、物流コストの削減とセットアップ時間の短縮が同時に達成されます。

実現に不可欠なMDMの役割

ゼロタッチデプロイメントを成立させるための司令塔となるのが、MDM(モバイルデバイス管理)ソフトウェアです。

MDMは、各OSが提供する自動登録プログラムと連携し、構成プロファイルをデバイスに配信します。ZTDは単なる「初期設定の自動化」に留まらず、導入後の紛失時のリモートロックや、アプリケーションのアップデート、セキュリティパッチの適用といったライフサイクル全体の管理をクラウドから一元化するための入り口となります。

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なぜ今ゼロタッチデプロイメントが必要なのか?情シスが抱える課題と解決策

ハイブリッドワークの普及やデバイスの多角化により、従来の拠点集約型キッティングは限界を迎えています。ゼロタッチデプロイメントの導入は、情シスのリソース不足解消と従業員の生産性向上を両立させる不可欠な戦略です。

キッティング作業の工数削減とヒューマンエラーの防止

ゼロタッチデプロイメントを導入する最大のメリットは、単純作業の排除による業務効率化と設定ミスの撲滅にあります。

手動キッティングでは、1台あたり数十分から数時間を要し、台数が増えるほど情シスの工数を圧迫します。また、人間が設定を行う以上、パスワードの設定漏れやWi-Fi構成のミスといったヒューマンエラーを完全に防ぐことは困難です。ZTDでは、クラウド上の定義に基づいてプログラムが機械的に設定を行うため、1台でも1000台でも、同じ精度で均一なセットアップを瞬時に完了させることができます。

ハイブリッドワーク・リモートワークへの柔軟な対応

物理的な場所に縛られないデバイス配布が、現代の柔軟な働き方を支えるインフラとなります。

リモートワークが標準化された現在、新入社員のPCセットアップのためにわざわざ出社したり、退職者のPCを回収・再設定するために多額の送料をかけたりすることは非効率です。ZTDを活用すれば、デバイスを倉庫から直接ユーザー宅へ送付し、ユーザー自身が数クリックするだけで「業務可能状態」に移行できます。この「配送リードタイムの短縮」は、採用力の強化や入社初日のエンゲージメント向上にも寄与します。

主要OS別:ゼロタッチデプロイメントを実現する仕組みとツール比較

ゼロタッチデプロイメントは、使用するOSによって利用するプログラムが異なります。各プラットフォームの特性を理解することが、導入成功の第一歩です。

Windows環境:Windows AutopilotとMicrosoft Intuneの連携

Windows 10/11におけるゼロタッチデプロイメントは、Windows Autopilotによって実現されます。

Autopilotを利用するには、Microsoft IntuneなどのMDMと、Microsoft Entra IDのライセンスが必要です。特に、自動MDM登録機能を利用するためには Microsoft Entra ID P1またはP2 が必要となります(Microsoft 365 E3/E5やEnterprise Mobility + Security E3/E5に含まれています)。ハードウェアIDをクラウドに登録しておくことで、ユーザーが初回起動時に組織アカウントでサインインした瞬間、企業ポリシーやMicrosoft 365などのアプリケーションがバックグラウンドで自動インストールされます。

Apple製品:Apple Business Managerの活用

iPhone、iPad、MacBookなどのApple製品では、Apple Business Manager(ABM)という無料のWebポータルを利用します。

ABMに組織の管理情報を登録し、Jamf ProやLANSCOPE CloudといったMDMと連携させることで、ユーザーが製品のアクティベーションを行った際に、組織の管理下に強制的に置くことができます。これにより、ユーザーによるプロファイルの削除を禁止したり、App Storeを介さずにアプリを配信したりする高度な管理が可能になります。

Android端末:Google Zero-touch Enrollmentの仕組み

Androidデバイスでは、Googleが提供するゼロタッチ登録プログラムを利用します。

Android 9.0(Pie)以降の対応端末に加え、Android 8.0(Oreo)対応の互換デバイス、およびAndroid 7.0(Nougat)以降のPixelデバイスであれば、専用のオンラインポータルを通じて、購入した端末を一括でMDMに紐付けることができます。これにより、初期設定ウィザードの一部をスキップさせ、企業用プロファイルを自動でインストールさせることが可能です。

【比較表】OS別ゼロタッチデプロイメントの主要プログラム

OS

自動登録プログラム

主なMDM

認証基盤

Windows

Windows Autopilot

Microsoft Intune

Microsoft Entra ID

iOS / macOS

Apple Business Manager

Jamf, Iru(Kandji), LANSCOPE

管理対象Apple Account

Android

Zero-touch enrollment

Intune, MobileIron

Google Workspace

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ゼロタッチデプロイメント導入の具体的な手順と成功のポイント

ゼロタッチデプロイメントの導入には、技術的な設定だけでなく、ハードウェア調達ルートの整備が極めて重要です。以下の3つのステップで進めるのが一般的です。

STEP1:ライセンスの選定とMDMの導入

まずは、自社のデバイス環境に最適なMDMを選定し、必要なライセンスを確保することから始めます。

Windows中心であればMicrosoft 365 E3/E5ライセンスに含まれるIntuneが第一候補となりますが、Macが混在する場合はApple製品に特化したJamfなどを併用する場合もあります。MDMを選定する際は、自社が将来的にどれだけの台数を管理し、どのレベルのセキュリティ制限(USB使用制限、Webフィルタリング等)を求めるかを明確に定義する必要があります。

STEP2:ハードウェアベンダー・販売代理店との連携確認

ゼロタッチデプロイメントは、デバイスの購入ルートが「認定販売店」である必要があります。

ZTDの肝は、デバイスのシリアル番号やハードウェアハッシュを自動的に管理ポータルへ登録することにあります。個人向けの家電量販店や一般的なECサイトで購入した端末は、この登録作業をベンダー側で行えない場合が多いため、注意が必要です。必ず「Autopilot対応」や「ABM連携可能」と明記している法人向け販売代理店から調達する契約を結んでください。

STEP3:プロファイル設定と配布テストの実施

管理コンソール上で「構成プロファイル」を作成し、実機を用いたパイロットテストを行います。

具体的には、Wi-Fi設定、パスワードポリシー、インストールすべき標準アプリを定義します。テスト時には、「ユーザーが自宅のWi-Fiに接続した際に、通信制限に引っかからずスムーズにアプリが降ってくるか」「プロファイルの適用順序に矛盾はないか」を確認します。特に大規模導入の前には、少人数の部署で先行して試行し、ユーザー体験を検証することが推奨されます。

導入前に知っておくべき注意点と運用のデメリット

ゼロタッチデプロイメントは魔法の杖ではありません。設計を誤ると、かえって情シスへの問い合わせが増えるリスクも存在します。

ネットワーク環境やプロキシの影響によるエラーへの対策

ゼロタッチデプロイメントの成否は、端末がインターネットに安定して接続できるかに依存します。

特に、社内のプロキシ環境下や強固なファイアウォールがある環境でキッティングを行う場合、MDMとの通信が遮断され、セットアップが途中で止まってしまうトラブルが頻発します。また、ユーザーの自宅回線が低速な場合、数GBに及ぶアプリケーションのダウンロードに数時間を要し、「故障ではないか」という問い合わせに繋がることもあります。事前に必要なドメインのホワイトリスト化や、ユーザー向けクイックマニュアルの整備が不可欠です。

購入ルートの制限:正規販売店経由での調達が必須

先述の通り、中古PCや個人向けモデルを安く調達しようとすると、ZTDの恩恵を受けられなくなります。

Apple Business ManagerやWindows Autopilotは、正規の商流を介して購入されたデバイスであることを前提としたエコシステムです。既存の保有端末を後からZTDの管理下に置くことは、手動での登録作業が必要になり、かなりの工数を要します。導入を決定した後は、組織内の「デバイス調達フロー」そのものを見直し、情シスが関与しない野良買いを禁止するルール作りが求められます。

ゼロタッチデプロイメントで実現する次世代のIT運用

ゼロタッチデプロイメントの導入は、単なる「作業の自動化」ではなく、情シスがより付加価値の高い業務に集中するための「働き方改革」です。

本記事で解説したように、OSごとの特性を把握し、適切なMDMと販売パートナーを選定することで、キッティング工数は劇的に削減されます。また、導入後のセキュリティ水準が均一化されることで、シャドーITの抑制やコンプライアンス遵守も容易になります。

これからのデバイス管理は「作って配る」から「定義して配信する」へと進化します。まずは、現在使用しているPCの販売店に「AutopilotやABMの登録代行は可能か」を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。スモールスタートとして、次回のPCリプレイスの数台分からテスト導入を検討することが、情シス業務のモダン化に向けた確実な第一歩となります。

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

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