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SDP(Software Defined Perimeter)とは?仕組みやVPNとの違いを解説

SDP(Software Defined Perimeter)とは?仕組みやVPNとの違いを解説

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SDP(Software Defined Perimeter)とは?仕組みやVPNとの違いを解説

SDP(Software Defined Perimeter)とは?仕組みやVPNとの違いを解説

最終更新日

2025/10/14

テレワークやクラウドサービスの利用が当たり前になった現代、社内は安全で社外は危険という従来の境界型防御の考え方は通用しなくなりつつあります。従来のネットワークの境界やネットワーク 境界は、物理的な場所や機器で守るものでしたが、クラウドやリモートワークの普及によりその境界は曖昧になっています。巧妙化するサイバー攻撃から企業の重要な情報資産をどう守るのか、多くの企業が新たなセキュリティ対策を探しています。

こうした課題を解決する手段として、近年注目されているのがSDP(Software Defined Perimeter)です。sdp とは、ソフトウェア 定義によってネットワーク の 境界を仮想的かつ動的に構成し、ユーザーのアイデンティティに基づいてアクセス制御を行う新しいアプローチのセキュリティ技術です。SDPは、何も信頼しないことを前提とするゼロトラストの考え方を具体的にする技術であり、従来のVPNなどの境界型防御に代わる柔軟かつ厳格なアクセス制御を実現します。この記事では、SDPの基本的な仕組みから、なぜ今必要とされているのか、そして従来のVPNと何が違うのかを、分かりやすく解説します。最後に、SDPの全体 像についても簡単にご紹介します。

SDP(Software Defined Perimeter)とは

SDPは、ネットワーク上に仮想的な境界線を作り、認証されたユーザーとデバイスだけが特定の情報資産へアクセスできるようにするセキュリティの枠組みです。SDPのネットワークは、従来の物理的なネットワーク境界に依存せず、仮想化された環境で動的にアクセス制御を行う点が特徴です。従来の対策がネットワーク全体を守ることを考えていたのに対し、SDPは個々のユーザーやアプリケーション単位でアクセスを細かく制御します。アクセス権も厳格に管理され、必要最小限のリソースへのアクセスのみが許可されます。これにより、万が一不正アクセスが発生しても、被害を最小限に食い止められます。企業ネットワークの安全性も向上し、クラウドやリモート環境でもリスクを低減できます。

従来の境界型防御との違い

これまでの境界型防御は、社内ネットワークと外部インターネットの間にファイアウォールなどを設置し、その内側を守る考え方でした。外部ネットワークからのアクセスは、マルウェア感染や情報漏洩などのリスクが高まるため、従来は厳重な制御が必要とされてきました。城壁を築いて城内を守るイメージです。これは、ネットワークの内部と外部を明確に分け、内部ネットワークの安全性を確保するという従来のネットワークの考え方に基づいています。しかし、テレワークなどで城の外から城内の資産を利用する機会が増えると、その防御壁は役割を果たせなくなります。

SDPは、そもそもサーバーやアプリケーションの存在を隠し、認証された者以外には見えなくするという点で、考え方が根本的に異なります。SDPはネットワークの境界を物理的なものからソフトウェアによる仮想的・動的なものへと再定義し、従来の境界型セキュリティの限界を克服します。

SDPの原則

SDPの最大の特徴は「まず認証、次に接続(Authenticate Before Connect)」という原則です。ユーザーがリソースにアクセスしようとすると、最初にSDPコントローラがユーザー本人であることや、使用しているデバイスが安全かどうかなどを多角的に確かめます。SDPコントローラは、認証や接続の承認、ネットワーク情報の開示、全体のセキュリティポリシーの適用を一元的に管理し、initiating SDP(接続元となるユーザー端末やホスト)とaccepting SDP(接続先となるリソース側のホスト)間の通信を制御します。

SDPホストには、initiating SDPホスト(接続元)とaccepting SDPホスト(接続先)があり、SDPホストとSDPホストとの間で、SDPコントローラを介して認証・認可が行われます。initiating SDPホストは接続元としてSDPコントローラに接続要求を送り、accepting SDPホストは制御チャネルを通じて認証やアクセス制御を受け、セキュアなネットワーク接続を確立します。このように、SDPでは接続元と接続先の明確な役割分担があり、各ホスト間の接続の流れが厳格に管理されます。

認証を通過して初めて、initiating SDPホストからaccepting SDPホストへの接続を確立し、ネットワーク接続を安全に実現します。SDPは、従来のVPNとは異なり、ネットワーク接続をセッション単位で動的に制御し、個別の接続の安全性を高めます。これにより、未認証ユーザーからの不正な接続の試みは、接続先に到達する前に遮断されます。

この仕組みによって、SDPはゼロトラストや動的なアクセス制御を実現し、柔軟かつ高いセキュリティレベルのネットワーク接続を提供します。

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SDPの仕組みを支える3つの要素

SDPのシステムは、主にクライアント、コントローラー、ゲートウェイという3つの要素で成り立っています。SDPの構成要素としては、sdp ホスト が重要な役割を担っており、sdp ホスト としては「initiating sdp」(接続を開始する側のSDPホスト)と「accepting sdp」(接続を受け入れる側のSDPホスト)に分類されます。initiating sdpはユーザーのデバイスやホストとして接続要求をsdp コントローラに送信し、accepting sdpは制御チャネルを通じて認証やアクセス制御を行い、セキュアな通信を確立します。これらが連携することで、安全で柔軟なアクセス制御が動きます。また、コントローラーはsdp コントローラとして、認証や接続承認、ネットワーク情報の開示、セキュリティポリシーの適用など、SDP全体の制御と管理を担っています。

SDPクライアント

ユーザーが使うPCやスマートフォンなどに導入されるソフトウェアです。このクライアントが、端末のセキュリティ状態、例えばOSのバージョンやアンチウイルスソフトの状況などを確認し、ユーザー情報とあわせてコントローラーへ送ります。

SDPコントローラー

システム全体の頭脳であり、アクセスの司令塔となる部分です。SDPコントローラは、認証や接続承認、ネットワーク情報の開示、全体のセキュリティポリシーの適用などを一元的に管理します。これにより、ゼロトラストセキュリティの原則に基づき、発信ホストと受信ホスト間の安全かつポリシー駆動型の通信を実現します。クライアントから送られてきた情報を確かめ、あらかじめ決められたルールに沿ってアクセスを許可するかどうかを判断します。許可する場合、どのゲートウェイに接続すべきかをクライアントに指示し、すべてのアクセス制御をまとめて管理します。

SDPゲートウェイ

コントローラーの指示を受けて、クライアントと保護対象のリソース、つまりアプリケーションやサーバーとの間に安全な通信経路を作る役割を担います。コントローラーから接続許可の指示が来るまで、外部からの通信を一切受け付けません。これにより、リソースの存在をインターネット上から隠し、攻撃を受ける危険性を下げます。

SDPとVPNの違い

テレワーク対策として広く使われてきたVPNですが、SDPとはいくつかの決定的な違いがあります。両方の特徴を理解し、自社の環境に合った方法を選ぶことが大切です。

比較項目

SDP

VPN

接続単位

アプリケーション単位

ネットワーク単位

アクセス制御

許可されたリソースにのみ接続

一度接続すると広範囲にアクセス可能

公開範囲

認証されるまでサーバーの存在を隠す

接続口であるVPN装置を常に公開

攻撃リスク

攻撃対象となる面が非常に小さい

VPN装置の脆弱性が大きなリスクになる

運用

クラウド中心で柔軟性が高い

利用者の増減や構成変更の管理が複雑

SDPを導入することで、柔軟なアクセス制御やセキュリティ強化、コスト削減などが可能です。また、SDPはゼロトラストセキュリティや動的な通信制御を実現し、従来のVPNよりも安全かつ効率的なリモートアクセス環境を提供します。

接続方式の違い

VPNは、一度接続すると社内ネットワーク全体にアクセスできるネットワーク単位の接続が基本です。VPNのネットワーク接続は広範囲に及ぶため、アクセス制御が難しい場合があります。一方、SDPはネットワーク接続をユーザーごと、アプリケーションごとに個別に制御し、必要なリソースへのみネットワーク接続を確立します。SDPは許可された特定のアプリケーションやサーバーにしか接続できないアプリケーション単位のアクセス制御を行います。これにより、必要最小限の権限だけをユーザーに与え、より強固なセキュリティを実現できます。

さらに、SDPは各ユーザーやセッションごとに接続を確立する仕組みを持っており、従来のVPNと比べて柔軟かつ安全なネットワーク接続の運用が可能です。

脆弱性のリスク

VPNは、外部からの接続を受け付けるためにVPN装置をインターネット上に公開しなければなりません。この装置自体が攻撃対象となり、脆弱性が見つかると大きなセキュリティ問題に直結します。対してSDPは、コントローラーが認証するまでゲートウェイの存在を隠すため、攻撃者から見つかりにくく、攻撃対象となる面を大幅に減らせます。

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SDPの導入を成功させるためのポイント

SDPは強力なセキュリティ機能を持っていますが、デバイス管理の効率化やアクセス制御の強化、コスト削減などが可能です。ただ導入するだけでは十分な効果は得られません。成功させるためには、事前の計画と明確な目的設定が求められます。

1. 導入目的を明確にする

まず、なぜSDPを導入するのかという目的をはっきりさせることが重要です。テレワークのセキュリティを強化したい、クラウドサービスへのアクセスを安全にしたい、社内システムのアクセス管理を厳格化したいなど、自社が抱える課題を具体的にし、SDPで何を解決したいのかを決めましょう。

2. 対象範囲とルールを決める

次に、SDPで保護する情報資産、例えばアプリケーションやサーバーなどの範囲を決定します。すべてのシステムに一度に導入するのではなく、まずは重要なシステムや特定の部署から小さく始めるのが現実的です。そして、誰が、どの端末から、どの情報資産にアクセスできるのかというアクセスルールを具体的に作ります。このルールがSDP運用の中心になります。

3. 製品やサービスを選ぶ

SDPの解決策は、様々な会社から提供されています。クラウドで利用するか自社で構築するか、既存の認証システムと連携できるか、管理画面は使いやすいかなど、選ぶ基準は様々です。自社の導入目的と運用体制に合った製品やサービスを、複数の視点から比べ考えることが、導入後の安定した運用につながります。

まとめ

SDPは、従来の境界型防御の限界を乗り越え、ゼロトラストセキュリティを実現するための効果的な解決策です。まず認証、次に接続という原則は、テレワークやクラウド利用が前提となる現代のビジネス環境において、企業の重要な情報資産を保護する上で大きな力を発揮します。

VPNと比べて、より細かいアクセス制御と高いセキュリティ水準を提供し、攻撃対象となる領域を最小にできる点が大きな特徴です。2025年現在、AIを活用した脅威分析機能や、SASEと呼ばれる他のクラウドセキュリティ機能と統合された形で提供されることも増えており、その重要性はますます高まっています。この機会に自社のセキュリティ課題を見直し、次世代の対策としてSDPの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

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