HC
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橋爪兼続
2023/07/26
RBAC(Role-Based Access Control)は、現代のビジネス環境でデータ保護と効率的なリソース管理を実現するための重要なセキュリティ手法です。 この記事では、RBACの仕組みや導入が求められる理由、メリットを詳しく解説します。 この記事により、RBACがどのようにデータアクセスを適切に制御し、企業にとって有益であるかを理解できるようになります。
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ロールベースのアクセス制御(RBAC)とは?
RBACとは、コンピュータ内でのリソースへのアクセス権限を管理する手法の一つです。RBACでは、利用者が定められた役割(ロール)に割り当てられ、関連付けられた権限によってリソースへの接続が制限されます。 例えば、複数の人が一緒に暮らすシェアハウスを考えてみましょう。 各住人は、玄関のドアを開けるための合鍵を持っていますが、その合鍵のデザインや形状は住人全員で共通です。 しかし、シェアハウス内には、例えば共用の物置や個別の部屋など、別の鍵が必要な場所があります。 物置の鍵や個別の部屋の鍵は、一人ひとり異なるデザインや形状の鍵が付与され、ある一定の住人だけが接続できるようになっています。 このため、誰もが共有スペースに接続できる一方で、プライベートな場所への接続は制限されています。 このシェアハウスの例からわかるように、RBACにより個々の利用者が必要なリソースに適切に接続できるようになります。
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システムにRBACが必要な理由
RBACが求められる理由は、適切なセキュリティを維持しながら業務効率を向上させるためです。 企業内にある重要な情報を守る際に、最も保護が強い状態は誰もアクセスできなくするという状態ですが、業務で何もできない状態が生まれてしまいます。 反対に、誰でもアクセスできると不必要な者がアクセスして情報漏洩等が発生する可能性があります。 そのため、アクセス制御を適切に行い、業務をセキュリティを維持しながら進めていくためにもRBACが重宝します。
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ロールベースアクセス制御(RBAC)とは具体的に何か?
RBACは、効果的なアクセス制御を実現し、セキュリティと業務効率のバランスを達成する手法です。 その中核的要素として、以下のものが共有されています。
ユーザー:システムやアプリケーションのエンドユーザー
ロール: 特定のユーザーグループに割り当てられる特権やアクセス権を表す抽象的な概念。例えば、「管理者」、「エンジニア」、「従業員」など
アクセス許可 : ロールがアクセスできるリソースやアクション
これにより、RBACシステムが情報セキュリティと業務効率を両立する上で重要な役割を果たしていることがわかります。
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RBACにおけるロールの仕組み
RBACシステムのロールは、アクセス制御と業務効率の最適化のために、権限、責任、コンピテンスにもとづいて明示される大切な概念です。 ロールは、以下の要素で定義されます:
権限:異なる職位や役割に対して求められるアクセス権が変わります。
責任:各役割は、異なるコア機能に対して個別に責任を持っています。
コンピテンス:利用者の技能や経験に対して、適切なアクセス制限を設けることが大切です。
ロールは、重複した責任と権限を所有できます。
例えば、ある金融機関で「ローン担当者」の役目のある人が、「投資アドバイザー」や「カスタマーサポート」として働く可能性もあります。
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RBACの種類
ここでは、4種類RBACのについて紹介します。
Flat RBAC(フラット)
フラット型は、最も単純な形態のRBACで、利用者は直接ロールに割り当てられ、ロールはアクセス許可と関連付けられます。
Hierarcharcal RBAC(階層)
階層型は、ロールが階層構造を持ち、上位のロールが下位にアクセス許可を継承できます。
Constrained RBAC(制約付き)
制約付きRBACでは、特定の制約やルールを設定可能です。そのため、特定の状況や条件下でのみアクセス可能になります。
対称
制約付きRBACをベースに、アクセス許可のレビューが定期的に行われ、変更されるケースがあります。
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ロールベースアクセス制御(RBAC)におけるアクセス許可とは?
RBACのアクセス許可は、利用者が接続できる対象や実施可能な操作を定めます。 アクセス許可は、アクセス、読み取り、書き込み、共有、財務などの要素に関与し、管理者が定めたロールに基づいて実施されます。 以下の例について見てみましょう。
アクセス:営業部門の社員は、顧客情報データベースに接続できますが、経理部門の情報はできません。
読み取り:一般社員は、部門レポートを参照できますが、内容を変えるのは不可能です。
書き込み:プロジェクトリーダーは、プロジェクトに関連する文書を編集し、承認する権限を持ちます。
共有:営業担当者は、顧客情報を自分のチーム内で共有が可能ですが、他の部門や外部には共有できません。
財務:経理部門の担当者は、請求書の発行や支払いの処理を行う権限を持ちます。
各ロールに対して適切なアクセス許可を設定し、必要な情報や機能にのみ接続できるようにすることで、情報漏洩や不正利用のリスクを軽減できます。
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ロールベースアクセス制御(RBAC)のメリット
RBACは導入により組織に様々な利点をもたらします。
ここでは、RBACの利点について4つ紹介します。
管理の負荷軽減
大規模な組織がRBACを使用して、新入社員や異動者のアクセス権限を迅速かつ正確に設定することで、IT部門の作業負担の軽減が可能です。
職務の分離
たとえば、金融機関がRBACを導入して、取引承認と取引監査を異なるロールに割り当てる職務の分離をすることにより、内部不正のリスクを軽減しています。
コンプライアンスの向上
RBACは、組織が、データ保護とプライバシーに関連するコンプライアンスの向上を促進させます。
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属性ベースのアクセス制御(ABAC)とは?
ABACは、従来のRBACよりも細かい制御が可能であり、利用者の属性や接続状況に基づいた動的な制御を実現可能です。 そのため、組織は、より精密なアクセス制御ポリシーを設定し、情報漏洩などのリスクを軽減できます。
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RBACとABACとの比較:優れているのはどちらか?
RBACとABACはよく似ていますが、実際どちらの方が優れているのでしょうか。
ここでは、お互いの長所と短所について解説します。
RBACとABAC: 長所と短所
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RBACシステムの実装方法
RBACシステムは、下記の手順で設定します。
1. システムのインベントリ作成:
program、server、document、file、recordを特定
ミスが生じないように注意深く検討
2. ロールの特定:
マネジメントや人事と連携
ロール数を見定め、アクセス許可の特定
3. 統合のタイムライン作成:
必要な時間を判定し、同僚に用意する時間を与える
業務が止まらないよう社員に通知
4. FBの受け入れ:
計画を社内に伝達
マネージャーからのFBに応じて調整
5. 計画の実行:
ネットワークを監視し、問題が生じたら修正
RBACシステムの実装は、組織のセキュリティと効率化を向上させるための重要なプロセスです。
適切な計画、連携、調整、そして実行を行うことで、効果的なアクセス制御を確立できます。
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まとめ
RBACは、利用者の役目に基づいてリソースへのアクセスを管理・制御するシステムです。RBACは、データの機密性と効率性を向上させるための最小特権と責務の分離の原則に基づいています。
ABACと比べ、RBACはシンプルで管理が容易ですが、柔軟性に欠ける場合があります。
RBACの実装は、リソースや利用者の特定、計画立案、FBの受け入れ、そして実行を含むプロセスです。
適切な計画とベストプラクティスに従った実装により、組織全体のセキュリティと効率性を向上できます。
成功のためには、十分な時間をかけ、慎重な検討を行いましょう。
ロールベースのアクセス制御(RBAC)とは?
RBAC(Role-Based Access Control)は、現代のビジネス環境でデータ保護と効率的なリソース管理を実現するための重要なセキュリティ手法です。 この記事では、RBACの仕組みや導入が求められる理由、メリットを詳しく解説します。 この記事により、RBACがどのようにデータアクセスを適切に制御し、企業にとって有益であるかを理解できるようになります。
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RBACとは、コンピュータ内でのリソースへのアクセス権限を管理する手法の一つです。利用者が定められた役割(ロール)に割り当てられ、関連付けられた権限によってリソースへの接続が制限されます。 例えば、複数の人が一緒に暮らすシェアハウスを考えてみましょう。 各住人は、玄関のドアを開けるための合鍵を持っていますが、その合鍵のデザインや形状は住人全員で共通です。 しかし、シェアハウス内には、例えば共用の物置や個別の部屋など、別の鍵が必要な場所があります。 物置の鍵や個別の部屋の鍵は、一人ひとり異なるデザインや形状の鍵が付与され、ある一定の住人だけが接続できるようになっています。 このため、誰もが共有スペースに接続できる一方で、プライベートな場所への接続は制限されています。 このシェアハウスの例からわかるように、RBACにより個々の利用者が必要なリソースに適切に接続できるようになります。
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システムにRBACが必要な理由
RBACが求められる理由は、適切なセキュリティを維持しながら業務効率を向上させるためです。 企業内にある重要な情報を守る際に、最も保護が強い状態は誰もアクセスできなくするという状態ですが、業務で何もできない状態が生まれてしまいます。 反対に、誰でもアクセスできると不必要な者がアクセスして情報漏洩等が発生する可能性があります。 そのため、アクセス制御を適切に行い、業務をセキュリティを維持しながら進めていくためにもRBACが重宝します。
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ロールベースアクセス制御(RBAC)とは具体的に何か?
RBACは、効果的なアクセス制御を実現し、セキュリティと業務効率のバランスを達成する手法です。 その中核的要素として、以下のものが共有されています。
ユーザー:システムやアプリケーションのエンドユーザー
ロール: 特定のユーザーグループに割り当てられる特権やアクセス権を表す抽象的な概念。例えば、「管理者」、「エンジニア」、「従業員」など
アクセス許可 : ロールがアクセスできるリソースやアクション
これにより、RBACシステムが情報セキュリティと業務効率を両立する上で重要な役割を果たしていることがわかります。
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RBACにおけるロールの仕組み
RBACシステムのロールは、アクセス制御と業務効率の最適化のために、権限、責任、コンピテンスにもとづいて明示される大切な概念です。 ロールは、以下の要素で定義されます:
権限:異なる職位や役割に対して求められるアクセス権が変わります。
責任:各役割は、異なるコア機能に対して個別に責任を持っています。
コンピテンス:利用者の技能や経験に対して、適切なアクセス制限を設けることが大切です。
ロールは、重複した責任と権限を所有できます。
例えば、ある金融機関で「ローン担当者」の役目のある人が、「投資アドバイザー」や「カスタマーサポート」として働く可能性もあります。
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RBACの種類
ここでは、4種類RBACのについて紹介します。
Flat RBAC(フラット)
フラット型は、最も単純な形態のRBACで、利用者は直接ロールに割り当てられ、ロールはアクセス許可と関連付けられます。
Hierarcharcal RBAC(階層)
階層型は、ロールが階層構造を持ち、上位のロールが下位にアクセス許可を継承できます。
Constrained RBAC(制約付き)
制約付きRBACでは、特定の制約やルールを設定可能です。そのため、特定の状況や条件下でのみアクセス可能になります。
対称
制約付きRBACをベースに、アクセス許可のレビューが定期的に行われ、変更されるケースがあります。
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ロールベースアクセス制御(RBAC)におけるアクセス許可とは?
RBACのアクセス許可は、利用者が接続できる対象や実施可能な操作を定めます。 アクセス許可は、アクセス、読み取り、書き込み、共有、財務などの要素に関与し、管理者が定めたロールに基づいて実施されます。 以下の例について見てみましょう。
アクセス:営業部門の社員は、顧客情報データベースに接続できますが、経理部門の情報はできません。
読み取り:一般社員は、部門レポートを参照できますが、内容を変えるのは不可能です。
書き込み:プロジェクトリーダーは、プロジェクトに関連する文書を編集し、承認する権限を持ちます。
共有:営業担当者は、顧客情報を自分のチーム内で共有が可能ですが、他の部門や外部には共有できません。
財務:経理部門の担当者は、請求書の発行や支払いの処理を行う権限を持ちます。
各ロールに対して適切なアクセス許可を設定し、必要な情報や機能にのみ接続できるようにすることで、情報漏洩や不正利用のリスクを軽減できます。
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ロールベースアクセス制御(RBAC)のメリット
RBACは導入により組織に様々な利点をもたらします。
ここでは、RBACの利点について4つ紹介します。
管理の負荷軽減
大規模な組織がRBACを使用して、新入社員や異動者のアクセス権限を迅速かつ正確に設定することで、IT部門の作業負担の軽減が可能です。
職務の分離
たとえば、金融機関がRBACを導入して、取引承認と取引監査を異なるロールに割り当てる職務の分離をすることにより、内部不正のリスクを軽減しています。
コンプライアンスの向上
RBACは、組織が、データ保護とプライバシーに関連するコンプライアンスの向上を促進させます。
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属性ベースのアクセス制御(ABAC)とは?
ABACは、従来のRBACよりも細かい制御が可能であり、利用者の属性や接続状況に基づいた動的な制御を実現可能です。 そのため、組織は、より精密なアクセス制御ポリシーを設定し、情報漏洩などのリスクを軽減できます。
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RBACとABACとの比較:優れているのはどちらか?
RBACとABACはよく似ていますが、実際どちらの方が優れているのでしょうか。
ここでは、お互いの長所と短所について解説します。
RBACとABAC: 長所と短所
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RBACシステムの実装方法
RBACシステムは、下記の手順で設定します。
1. システムのインベントリ作成:
program、server、document、file、recordを特定
ミスが生じないように注意深く検討
2. ロールの特定:
マネジメントや人事と連携
ロール数を見定め、アクセス許可の特定
3. 統合のタイムライン作成:
必要な時間を判定し、同僚に用意する時間を与える
業務が止まらないよう社員に通知
4. FBの受け入れ:
計画を社内に伝達
マネージャーからのFBに応じて調整
5. 計画の実行:
ネットワークを監視し、問題が生じたら修正
RBACシステムの実装は、組織のセキュリティと効率化を向上させるための重要なプロセスです。
適切な計画、連携、調整、そして実行を行うことで、効果的なアクセス制御を確立できます。
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まとめ
RBACは、利用者の役目に基づいてリソースへのアクセスを管理・制御するシステムです。RBACは、データの機密性と効率性を向上させるための最小特権と責務の分離の原則に基づいています。
ABACと比べ、RBACはシンプルで管理が容易ですが、柔軟性に欠ける場合があります。
RBACの実装は、リソースや利用者の特定、計画立案、FBの受け入れ、そして実行を含むプロセスです。
適切な計画とベストプラクティスに従った実装により、組織全体のセキュリティと効率性を向上できます。
成功のためには、十分な時間をかけ、慎重な検討を行いましょう。
よくある質問
RBACとはどういう意味ですか?
ロールベースのアクセス制御RBACは、企業のITシステム内でユーザーが行える操作を制御する方法です。この制御方法では、各ユーザーに1つまたは複数の「役割(ロール)」が割り当てられます。それぞれのロールに異なる権限を与え、リソースへのアクセスが許可されることでアクセスを制御します。ユーザーは、複数のロールを持つことができ、それぞれのロールには権限が付与されています。属性ベースのアクセス制御を利用して、ユーザーがデータへのアクセス権を持つかどうかを判断し、アクセス許可を効果的に管理することができ、データへのアクセスに役立ちます。この制御方式は、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションに対して適用可能です。
RBACの仕組みは?
このシステムでは、システム内のユーザーに対して異なるロールが割り当てられます。それぞれのロールは特定の権限セットを持ちます。例えば、管理者、編集者、閲覧者などのロールがあります。
同じロールを持つすべてのユーザーは、そのロールに関連付けられた同じ権限を持ちます。これにより、特定の役割や職位ごとに必要な権限を一括して管理することができます。
異なるロールを持つユーザーは、それぞれのロールに割り当てられた異なる権限を持ちます。例えば、管理者は全ての機能にアクセスできる一方で、閲覧者は閲覧のみの権限を持つ可能性があります。
このように、ユーザーの役割や職位に応じて事前に定義されたロールとそれに紐付く権限を利用することで、アクセス制御を効果的に行います。
RBACのメリット・デメリットは?
メリット
柔軟性と効率性: ユーザーアカウントの追加や部門異動に迅速に対応でき、管理が効率的です。
セキュリティ向上: 権限をロールごとに一元管理するため、セキュリティが強化され、アクセス制御が容易になります。
簡潔なアクセス権限管理: アクセス権限の管理が簡潔でわかりやすく、混乱を防ぎます。
デメリット
動的な権限付与の不向き: ロールごとに権限が一意に定義されるため、動的な権限の付与や変更が難しい場合があります。
細かな制御の困難さ: 細かな制御や特定のユーザーへの個別権限の付与が難しく、場合によっては制御が過剰または不十分になる可能性があります。
過度の権限付与リスク: ロールごとに一律に権限が割り当てられるため、あるユーザーにとって不必要な権限が含まれる可能性があります。
執筆者:
橋爪兼続
ライトハウスコンサルタント代表。2013年海上保安大学校本科第Ⅲ群(情報通信課程)卒業。巡視船主任通信士を歴任し、退職後、大手私鉄の鉄道運行の基幹システムの保守に従事。一般社団法人情報処理安全確保支援士会の前身団体である情報処理安全確保支援士会の発起人。情報処理安全確保支援士(第000049号)。
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