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電子帳簿保存法とは?要件緩和への実務対応と失敗しないシステム選定

電子帳簿保存法とは?要件緩和への実務対応と失敗しないシステム選定

電子帳簿保存法とは?要件緩和への実務対応と失敗しないシステム選定

電子帳簿保存法とは?要件緩和への実務対応と失敗しないシステム選定

電子帳簿保存法とは?要件緩和への実務対応と失敗しないシステム選定

最終更新日

2026/02/13

2024年1月の宥恕期間終了を経て、電子帳簿保存法への完全対応が全事業者に義務付けられました。企業におけるデジタル化を推進する立場として、単なる法令遵守にとどまらず、業務効率化やデジタルトランスフォーメーションを加速させる好機でもあります。本記事では、最新の要件緩和の内容から、システム選定の基準、現場での運用上の注意点まで、実務に即して網羅的に解説します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、税法によって紙での保存が義務付けられていた帳簿や国税関係書類を、一定の要件を満たした上でデジタルデータとして保存することを認める法律です。 この法律は、高度情報化社会への対応と事務負担の軽減、さらにはペーパーレス化による経済活動の効率化を目的に制定されました。当初は非常に厳しい要件がありましたが、近年の改正により大幅な要件緩和が進み、企業が導入しやすい環境が整っています。

電子帳簿保存法を構成する3つの区分

電子帳簿保存法は、保存するデータの種類や発生源によって、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引の3つの区分に分けられます。 それぞれの区分で保存要件や義務化の有無が異なるため、実務担当者は自社がどの範囲まで対応すべきかを正確に把握する必要があります。

区分

内容

義務化の有無

電子帳簿等保存

会計ソフト等で自ら作成した帳簿や書類の保存

任意

スキャナ保存

紙で受け取った領収書や請求書をスキャナやスマホで読み取って保存

任意

電子取引

メールやクラウドサービスで受け取ったPDFの請求書等のデータ保存

すべての事業者に義務化

最優先で取り組むべき課題は、2024年から完全義務化されている電子取引への対応です。

導入時に直面する実務上の課題とは?

企業が直面する最大の課題は、法的要件を厳格に満たしながらも、現場の従業員に過度な入力負荷や操作負担を与えないシステム基盤を構築することです。 単にデータを保存する箱を用意するだけでは、検索要件の入力やタイムスタンプの付与といった作業が現場のボトルネックとなり、形骸化やシャドーITの発生を招く恐れがあります。

法的要件と利便性のトレードオフ

電子帳簿保存法への対応は、システムの堅牢性とユーザーの使いやすさのバランスをどう取るかが実務上の焦点となります。 例えば、訂正削除を完全に禁止するシステムは税務上の信頼性は高いですが、誤入力が発生した際の修正フローが煩雑になりがちです。システム上の制限という技術的コントロールと、事務処理規程という運用的コントロールを組み合わせ、最適な運用設計を行う必要があります。

インボイス制度との同時並行対応

多くの企業において、電子帳簿保存法への対応はインボイス制度への対応とセットで検討されるべきプロジェクトです。 インボイス制度では適格請求書の確認と保存が求められますが、これが電子データで届いた場合は自動的に電子帳簿保存法の対象となります。別々のシステムで管理すると二重ログインやデータ連携の手間が発生するため、一元管理できるプラットフォームの選定が推奨されます。

電子取引データの保存要件をどう満たすべきか?

電子取引データの保存には、真実性の確保と可視性の確保という2つの大きな柱を同時に満たす必要があります。 真実性の確保はデータが改ざんされていないことを証明すること、可視性の確保は必要なデータを速やかに検索して表示できることを指します。

真実性の確保:タイムスタンプと訂正削除規程

真実性を確保するためには、タイムスタンプの付与、または訂正削除の履歴が残るシステムの利用が一般的です。 もし高額なシステム導入が難しい場合は、社内で正当な理由がない訂正削除を防止する事務処理規程を策定し、それに沿った運用を行うことで要件を満たすことも可能です。ただし、人的ミスや不正を防ぐ観点からは、システムによる自動的なログ管理が望ましいと言えます。

可視性の確保:検索機能の構築

可視性の確保には、保存されたデータを取引年月日、取引金額、取引先の3つの項目で検索できる機能を備えなければなりません。 税務調査の際に、税務職員からデータのダウンロードを求められた場合に即座に応じられる状態であることも含まれます。

具体的には、以下の検索機能が求められます。

  • 取引年月日、金額、取引先による検索ができること

  • 日付または金額の範囲指定で検索ができること

  • 2つ以上の任意の項目を組み合わせた条件で検索ができること

ただし、税務職員によるダウンロードの求めに応じることができる体制を整えている場合には、範囲指定検索および項目組み合わせ検索の要件は不要となります。さらに、判定期間に係る基準期間における売上高が1,000万円以下の事業者については、ダウンロードの求めに応じる場合、検索機能の確保の要件がすべて不要となります。

このように、検索機能の実装には複数の選択肢があり、自社の規模やシステム投資の状況に応じて、適切な対応方法を選択することが可能です。

自社に最適なシステム選定の比較ポイントは?

システム選定においては、JIIMA認証の有無、既存のERPとの連携性、そして将来的な拡張性を軸に比較検討することが重要です。 現在、市場には多くの対応ツールがありますが、単機能のストレージサービスなのか、ワークフローを含むパッケージなのかを見極める必要があります。

JIIMA認証の有無とその信頼性

JIIMA認証を受けたシステムを選択することは、法的要件の確認コストを大幅に削減する有効な手段です。 この認証は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が、市販されているソフトウェアやサービスが国税庁の定める電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満足していると判断したものを認証する制度です。認証を受けたソフトウェアは、個別に細かな要件チェックを行う手間が省けます。社内での起案時も、経営層や監査部門への説明が容易になります。

ただし、JIIMA認証はソフトウェアの機能要件を満たしていることを示すものであり、事務処理規程の策定や運用体制の整備など、機能以外の要件についても別途対応が必要である点に注意してください。

既存システムとの連携性

新しく導入する保存ツールが、既存の会計システムやERPとAPIなどでシームレスに連携できるかを確認してください。 データの手動アップロードやCSVの入出力が発生する運用は、データ欠落のリスクや工数増大を招きます。理想的なのは、経費精算や購買システムで承認が完了した時点で、自動的に要件を満たしたストレージへ格納される仕組みです。

比較項目

クラウド型サービス

オンプレミスまたは自社開発

初期費用

低い

高い

法改正対応

迅速で自動更新される

自社で改修が必要

カスタマイズ性

制約がある場合が多い

非常に高い

運用負担

インフラ管理が不要

保守やバックアップが必要

運用開始後のトラブルを防ぐための対策は?

システムを導入して終わりではなく、全社的な事務処理規程の策定と、現場ユーザーへの徹底した教育が運用の成否を分けます。 技術的な対策が万全でも、現場がどのデータをどこに保存すべきかを理解していなければ、要件を満たさないデータが散在する結果となります。

事務処理規程の策定と周知

システムですべての要件をカバーできない部分を補完するために、事務処理規程の備え付けは必須です。 国税庁が公開しているサンプルをベースにしつつ、自社の組織構造や承認フローに合わせた内容にカスタマイズしましょう。この規程は、税務調査時にどのようにデータを管理しているかを説明する重要な根拠書類となります。

現場での電子取引の定義の共通認識

何が電子取引に該当するのかという定義を、専門外の現場社員でもわかる言葉でマニュアル化してください。

  • メールに添付されたPDF請求書

  • ECサイトからダウンロードした領収書

  • EDIシステムを通じた取引

  • チャットツールで送られてきた証憑

これらはすべて電子取引に該当します。データの紛失や放置を防ぐため、専用の受取窓口を設置するなどの工夫が効果的です。

電子帳簿保存法対応をDXの足がかりにするために

電子帳簿保存法への対応は、単なる法制度への適応という枠を超え、企業のペーパーレス化と情報の透明性を高める大きなチャンスです。法的要件を満たす堅牢なシステム基盤と、現場がストレスなく利用できる運用フローを構築することで、全社的な業務スピードは確実に向上します。今回解説した電子取引の義務化対応を最短距離でクリアしつつ、蓄積されたデータを分析して活用できる環境づくりを目指しましょう。

まずは、自社の各部署でどのような経路で電子データが届いているか、簡単な棚卸し調査を実施してみてください。現状のフローを可視化することが、最適なシステム選定とスムーズな移行への確実な道標となります。

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

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