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「代表電話が鳴るたびに作業が止まる」「営業電話の取り次ぎで総務や情シスの時間が消える」という課題には、受電の入口を社内から切り離す方法が有効です。フォンデスクは、電話の一次受付と用件のテキスト化に特化しており、担当者は通知を見て必要な電話だけ折り返せます。
一方で、fondeskはコールセンターではありません。商品説明、予約変更、本人確認を伴う手続き、クレームの解決を任せる用途には設計されていないため、導入前に切り分けが必要です。本記事では、料金だけでなく、自社回線からの転送通話料、営業電話による従量課金、有人対応とIVRを使い分ける基準まで、稟議と実運用の両面から整理します。

フォンデスクとは
フォンデスクとは、会社宛ての電話をオペレーターが一次受付し、発信者情報と用件をチャットやメールへ通知するクラウド型電話受付サービスです。
本記事のポイント
fondeskは、電話をその場で解決するサービスではなく、折り返し前提の一次受付サービスです。
2026年10月1日から料金体系の変更が予告されているため、申込時点の料金確認が必要です。
営業電話の比率が高い企業では、ブロックリストとIVRを組み合わせると超過課金を抑えやすくなります。
平日日中は有人対応、夜間・休日は自動応答に分けるハイブリッド運用が選択肢になります。
通常の運用では、自社の代表電話をfondeskの受付先へ転送します。オペレーターは発信者名、会社名、連絡先、担当者名、用件を確認し、指定したチャットに通知します。通知を受けた社員が必要なものだけ折り返すため、電話が鳴った瞬間に作業を中断する必要がありません。
株式会社うるるは、同社のIR資料(2026年3月末時点)でfondeskの有料契約数が6,224件、公式サイトで累計対応件数が1,500万件超であることを公表しています。契約数だけで導入効果は判断できませんが、代表電話の一次受付という限定用途で継続利用されているサービスであることは、比較検討の材料になります。最新の数値は株式会社うるるのIR資料で参照できます。
対応範囲と対応外の業務
fondeskが担うのは、発信者から情報を聞き取り、社内へ正確に渡すところまでです。オペレーターが専門的な判断をするわけではないため、社内の受付ルールを標準化しやすい反面、複雑な問い合わせには向きません。
業務 | fondeskとの適合性 | 運用上の考え方 |
|---|---|---|
代表電話の一次受付 | 適しています | 用件を聞き取り、担当部署へチャット通知します。 |
営業電話の遮断 | 条件付きで適しています | ブロックリストやIVRの案内文を併用します。 |
採用応募の受付 | 適しています | 応募者情報を聞き取り、人事が折り返します。 |
商品仕様の説明 | 適していません | FAQ、営業窓口、カスタマーサポートへ分離します。 |
クレームの判断・解決 | 適していません | 緊急連絡網や専門のコールセンターを用意します。 |
予約変更・本人確認 | 適していません | 予約システムや認証を備えた窓口で処理します。 |
セキュリティとコンプライアンスの確認項目
顧客名、電話番号、用件を外部事業者が取り扱うため、情シスと法務は価格だけで選べません。株式会社うるるはISO/IEC 27001認証(登録番号IS 593260)を取得し、fondeskはETOC(優良電話事業者認証)を取得していると公式サイトで案内しています。認証の対象範囲や有効期限は更新されるため、導入審査では株式会社うるる公式サイトおよびfondesk公式サイトで最新の認証情報、秘密保持の条件、データの取扱範囲を照合します。最新状況が自社規程に合わない場合は、通知内容の最小化や対象番号の限定を先に検討します。
通知先にSlackやMicrosoft Teamsを使う場合は、受電チャンネルを全社公開にしない設計が必要です。顧客の連絡先を含む通知を閲覧できる人を、担当部署と代理担当に限定できれば、限定導入へ進めます。アクセス権が整理できない場合は、まずメール通知など閲覧範囲を狭めやすい運用から始めます。
▲ fondeskを介した電話受電から社内対応までの処理の流れ
fondeskの機能と業務負担を減らす仕組み
fondeskでは、受電内容がテキストで通知されるため、担当者は電話を取らずに振り分けと折り返し判断を行えます。
通知先と担当振り分け
fondeskはSlack、Chatwork、Microsoft Teams、LINE、LINE WORKS、Google Chat、メールへの通知に対応しています。個人宛てではなく、代表電話用のチャンネルへ流すと、担当者の不在時にも代理担当が対応できます。複数の通知先を設け、採用、人事、経理、営業など宛先別に振り分ける構成も可能です。
例えば、通知文に「対応担当」「折り返し期限」「完了時のリアクション」を定めると、電話メモが流れて終わる状態を防げます。対応完了の印をSlackのリアクションに統一するだけでも、夕方に未対応通知を確認する作業が簡単になります。
応答カードによる定型案内
応答カードは、会社所在地、採用窓口、受付時間、よくある間違い電話など、決まった質問への回答をオペレーターに共有する機能です。住所案内のたびに社員へ通知する運用より、定型案内を受付段階で完結させるほうが、通知件数を減らせます。
ただし、応答カードに商品価格、契約条件、個人情報を含む回答を大量に登録すると、更新漏れや誤案内のリスクが上がります。変動頻度が低く、回答内容を一文で固定できる情報だけを登録し、価格や在庫のように変わる情報はWebサイトや担当窓口へ誘導する設計が適しています。
なまえ辞書による聞き取り精度
なまえ辞書は、難読な氏名、固有名詞、同姓の社員名などを登録し、聞き間違いや宛先指定の漏れを減らす機能です。特に、代表電話を複数部署で共用している50〜300名規模の企業では、同姓の担当者や英語表記の氏名が増えやすく、辞書を整備する効果が出ます。
登録時は、社員名だけではなく所属部署、よく呼ばれる略称、退職者名の削除ルールも決めます。人事異動のたびに更新責任者が不明になると、誤通知が再発します。人事システムの更新日後に、代表電話の辞書を点検する運用へ組み込むと管理しやすくなります。
ブロックリストによる不要着信の抑制
fondeskのヘルプページ「着信拒否の設定とブロックリスト」では、ブロックリストに最大10,000件の番号を登録できると明記されています。登録した番号を受付前に遮断できるため、繰り返し届く営業電話や迷惑電話を、受電件数と通知件数の両方から外せます。上限件数や対象条件は更新される可能性があるため、詳細はfondeskのヘルプセンターの該当ページで照合し、上限が変わっている場合は社内台帳の登録方針を見直します。
ブロックリストは、最初から大量に登録するより、導入後2週間で届いた不要着信を集計して追加する方法が現実的です。番号だけでなく、企業名、電話内容、ブロック日、登録者を社内台帳に残すと、取引先を誤って遮断した場合にも解除判断ができます。
AIオペレーターを含むハイブリッド運用
株式会社うるるは2026年6月18日付のプレスリリースで、fondesk IVRに生成AIが発信者と会話して一次受付を行う「AIオペレーター」ベータ版を追加したと発表しています。詳細は株式会社うるるのニュースリリースで確認でき、ベータ版の提供条件が変わっている場合は対象プランの再確認が必要です。固定的な番号分岐だけではなく、名前、会社名、連絡先、用件を対話で確認し、内容を要約して通知する用途を想定した機能です。ベータ版の対象条件や提供状況は変更され得るため、導入対象の電話番号で利用できることが確認できれば、夜間・休日の限定検証に進めます。
平日9時から19時の重要な代表電話は有人受付、営業時間外の定型案内と営業電話はIVR、複雑な問い合わせは専門窓口へ分ける設計が基本です。AI応答を使う場合も、誤認識時の案内、有人窓口の営業時間、緊急時の連絡先を音声で明示します。
fondeskの評判・口コミと国内導入事例
fondeskの評判を判断する際は、公式導入事例による成果と、第三者レビューにある利用者の感想を分けて読む必要があります。
第三者レビューで確認する観点
ITreview、Gレビュー、Capterra、G2など法人向けSaaSのレビューサイトでは、fondeskへの投稿として「電話当番が不要になった」「チャットで受電履歴を共有しやすい」という肯定的な意見が見られます。一方、個別の会話スクリプトへの対応、専門的な回答、リアルタイム転送を期待して利用した場合には否定的な意見が出やすい傾向があります。ただし、各サービスのレビューサイトごとに投稿数・対象期間・利用企業の規模が異なり、投稿数が数件〜数十件にとどまるサービスも多いため、評価スコアだけを全体の評判として読み替えることはできません。
口コミを読む際は、評価点よりも、自社と同じ受電量、業種、通知ツール、対応時間を持つ企業のコメントを探します。BtoBの代表電話を平日日中だけ受けたい企業の評価は、24時間の予約受付を求める店舗の評価とは分けて判断します。
株式会社ウィルゲートの導入事例
株式会社ウィルゲートの公式導入事例(fondesk公式サイト「導入事例」ページ掲載、2020年取り組み分)では、月間約400件の電話のうち約320件、約8割が営業電話だったと紹介されています。同社はfondeskの導入と固定電話機の見直しを行い、月額約6万円の固定費削減につながったと公表しています。この事例は2020年時点のものであり、現在のfondesk料金体系・同社の運用状況とは異なります。事例の詳細はfondesk公式の導入事例一覧で参照できます。
このケースをそのまま費用対効果に当てはめることはできません。固定電話の契約本数、ビルの電話設備、回線契約、転送先の構成が異なるためです。ただし、月400件のうち8割が不要着信なら、有人受付の導入前に営業電話を区分し、ブロック対象とIVR誘導対象を決めるという手順は再現できます。
株式会社セレブリックスの導入事例
株式会社セレブリックスの公式事例では、誰宛ての電話か分からない状態で折り返しが発生する負荷や、同じ問い合わせへの対応が重複する課題を挙げています。同社は受電内容をテキストで確認できるようにし、折り返し前に発信者と要件を調べる運用へ切り替えました。住所案内や間違い電話には応答カードを活用し、社内への不要な通知を減らしています。
営業代行やコンサルティングでは、電話を即時に取るより、発信者と要件を確認してから担当者が折り返すほうが商談準備に向きます。営業部門が多い企業では、通知先を代表チャンネルに一本化せず、事業部ごとに分けるほうが未対応電話を追いやすくなります。
株式会社キャップドゥー・ジャパンの導入事例
クラウド構築支援を行う株式会社キャップドゥー・ジャパンは、fondeskの有人対応とfondesk IVRを併用する事例を公開しています。営業時間や問い合わせ内容に応じて受付方法を切り替え、業務中の電話中断を減らす運用です。有人対応か自動応答かを二者択一にせず、時間帯と問い合わせ種別で入口を分ける実例として参考になります。
この構成は、日中に取引先や採用応募など丁寧な対応が必要な電話があり、夜間には営業時間案内や定型問い合わせが多い企業に適します。夜間にも専門判断が必要な電話がある場合は、IVRではなく緊急連絡網やオンコール体制を別途用意します。
リモートワークを支える活用例
サッポロビール株式会社、株式会社オロ、株式会社ビビッドガーデンなどの公式導入事例では、電話当番のための出社や、固定電話の不在着信確認を見直す目的での利用が紹介されています。公開事例は導入企業と提供会社が公開を許可した成功事例であるため、効果が出なかった事例まで含む統計ではありません。
電話番のための出社をなくすには、着信確認者、折り返し期限、不在時の代理担当をオンライン上で決める必要があります。これらを事前に決められる企業は、出社ルールの見直しまでつなげられます。
fondeskの料金と見落としやすい費用
fondeskの費用は月額基本料だけでは確定せず、超過受電と自社回線からの転送通話料を合算して判断します。
2026年時点の料金情報
株式会社うるるの案内では、2026年7月時点のfondeskは**初期費用0円**、**月額基本料金10,000円税抜**で**月50件まで**の受電を含み、**51件目以降は1件200円税抜**です。**解約料は0円**と案内されています。最新の料金はfondesk公式料金ページで照合でき、基本枠・超過単価が変わっている場合は以降の試算を更新します。また、同社は2026年10月1日以降の契約更新日から新しい料金を適用すると事前告知しています。改定後の料金はfondesk公式料金ページおよびfondeskヘルプセンターで確認でき、改定前後で基本枠・超過単価が変わる場合は稟議額の修正が必要です。
本記事の金額は2026年7月時点の比較用の数値です。以降の各試算は同時点を前提としており、申込日・契約更新日・料金改定日のいずれかが変わると変動します。本記事内で「公式サイトで確認」と案内している箇所はすべて、fondesk公式料金ページおよびfondeskヘルプセンターが共通の参照先です。確認した料金が本記事の数値と異なる場合は、以降の試算表を実際の単価で更新することで、稟議額の精度が上がります。申込日が2026年10月以降の場合は、見積書または申込画面で基本料金・含まれる受電件数・超過単価・最低利用期間を照合します。
費用項目 | 2026年7月時点の案内 | 予算化時の注意点 |
|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 転送設定に伴う社内作業は別途発生します。 |
月額基本料金 | 10,000円税抜 | 月50件までの受電を含みます。 |
超過料金 | 51件目以降、1件200円税抜 | 営業電話も受電として計上され得ます。 |
解約料 | 0円 | 回線側の契約条件は別途確認します。 |
転送通話料 | 自社回線・PBXの契約による | fondesk利用料とは別に発生します。 |
超過受電の費用シミュレーション
月間120件を転送した場合、基本枠50件を超える70件が従量課金の対象です。超過料金は70件×200円で14,000円税抜となり、fondesk利用料は月24,000円税抜です。ここに、固定電話やクラウドPBXから受付先へ転送する通話料が加わります。
株式会社うるるは、2027年3月期第1四半期決算短信等のIR資料においてfondeskのARPUが14,523円であったと公表しています。平均値は企業ごとの受電量や契約条件を示すものではありませんが、基本料金だけで収まる企業と超過分を払う企業が混在していることを読み取れます。最新の数値は株式会社うるるのIR資料で照合でき、時点が変わっている場合は数値も更新されている可能性があります。
転送通話料の試算方法
見落としやすいのが、自社の電話回線からfondeskの受付番号へ電話を転送している間の通話料です。NTTのボイスワープ、クラウドPBX、キャリア転送サービスなど、どの仕組みを使うかで料金体系が変わります。発信者が支払う料金ではなく、自社が転送発信した分の料金として計上される点に注意が必要です。
試算は「月間転送件数×平均通話時間×転送先までの通話単価」で行います。仮に月120件、平均2分、転送単価を1分20円とした社内試算なら、転送通話料は120件×2分×20円で4,800円です。この場合、fondesk利用料24,000円と合計して月28,800円税抜が比較の出発点になります。実際の単価は回線契約で異なるため、請求明細で転送先番号への通話単価を確認できれば精度の高い稟議額を出せます。
fondesk IVRとAI応答の費用
fondesk IVRは月額基本料金2,980円税抜(電話番号レンタル込み)から利用でき、AIオペレーター利用時は1分22円税抜の従量課金が加算されます(2026年6月18日付プレスリリースおよびfondesk公式料金ページの案内より)。AI応対が月100分なら、月額2,980円に2,200円を加え、5,180円税抜が目安です。AIオペレーターはベータ版のため、fondesk公式料金ページまたは申込画面で対象プランと利用条件を照合し、単価・対象プランが変わっている場合は上記試算を実際の単価で更新します。
電話代行・IVRサービスの比較基準
サービス選定では、受付後の処理内容、対応時間帯、月間受電数、設定変更の頻度を比較表に並べます。有人か自動かは、それらの条件を満たす手段として選びます。
下表の料金と対応条件は、2026年7月時点で公開情報を確認できる範囲の目安です。IVRy、e秘書、Business Assistはプラン、オプション、回線構成で価格や時間帯が変わるため、正式な比較では同一条件の見積もりを取得します。
サービス | 対応方式 | 料金目安・参照時点 | 対応時間の考え方 | 向く用途 | 導入時の制約 |
|---|---|---|---|---|---|
fondesk | 有人による一次受付 | 月額10,000円税抜、50件まで。2026年7月時点 | 平日9時〜19時の受付を基本に設計します。 | BtoB代表電話、採用、士業、リモートワークの電話番廃止 | 専門回答、クレーム解決、即時転送は対象外です。 |
fondesk IVR | 自動音声・AI対話 | 月額2,980円税抜から。AIは1分22円税抜。2026年7月時点 | 夜間・休日を含む自動受付に使えます。 | 営業時間案内、定型振り分け、営業電話の事前フィルタリング | 発信者が人との会話を求める場合は離脱の可能性があります。 |
IVRy | IVR・AI電話応答 | 公開プラン・オプションにより変動。契約時に公式見積もりを取得 | 24時間の自動応答を設計しやすいサービスです。 | 店舗、予約、営業時間案内、部署振り分け | 分岐や案内文が複雑だと、利用者が迷いやすくなります。 |
e秘書 | 電話秘書代行 | プランにより変動。契約時に公式見積もりを取得 | 受付時間は選択プランに依存します。 | 個別スクリプトや秘書品質を重視する受付 | 定型受付だけなら、設定・費用が過剰になる場合があります。 |
Business Assist | 秘書代行・電話代行 | 要問い合わせ | 受付時間は契約内容に依存します。 | 柔軟な受付設計や応対品質を重視する企業 | 短期間の小規模検証では費用対効果を測りにくい場合があります。 |
有人受付を選ぶ条件
初回相談、採用応募、法人顧客からの連絡など、電話口で丁寧に受け止められること自体が信頼に影響する場合は、有人受付が合います。担当者が折り返すまでの間に、発信者名と要件を正しく聞き取れるため、担当者は準備してから対応できます。
一方で、電話内容の大半が営業時間案内、アクセス案内、配送状況、営業電話など、一定のパターンに収まる場合は、有人受付だけに寄せる必要はありません。定型問い合わせをIVRへ移せば、有人対応は重要な電話に集中できます。
AI・IVRを選ぶ条件
夜間、休日、店舗営業中など、有人での一次受付を常時置く費用が見合わない場合は、IVRやAI自動応答が候補になります。予約や部署振り分けが中心なら、発信者が入力・選択できる導線を先に設計するほうが、受付件数を減らせます。
ただし、IVRの分岐数を増やしすぎると、発信者が途中で離脱します。最初の音声は「新規のお問い合わせは1番、既存のお取引は2番、その他は3番」のように3択程度に抑え、選択できない人が残らないようにオペレーターまたは留守番電話への逃げ道を用意します。
ハイブリッド運用を選ぶ条件
平日日中に重要電話があり、夜間には定型問い合わせが多い企業では、fondeskとfondesk IVRの併用が合理的です。50名未満の企業は代表番号を有人受付へ一本化し、夜間だけIVRへ切り替える構成から始めます。50〜300名の企業は部署別の通知先と応答カードを整備し、300名超の企業は既存PBXで部署分岐した後、必要な着信だけを有人受付へ送る構成が費用を管理しやすくなります。
▲ 自社の受電ニーズに合致する電話対応サービスの選定フロー
fondesk導入で起きやすい失敗パターン
fondeskの導入失敗は、受付に任せる範囲を決めずに全電話を転送することと、通知後の社内対応を設計しないことから起きます。
営業電話を放置した超過課金
やってはいけないのは、営業電話、間違い電話、FAXの自動発信まで無条件に転送し、毎月の請求額が増えてから対策することです。基本枠を超えると受電単位で費用が発生するため、不要電話もコストになります。
ウィルゲートの公開事例のように、月400件のうち320件が営業電話なら、全件を有人受付へ流した場合、基本枠を除く350件が超過対象になり得ます。単純計算で350件×200円は70,000円税抜です。実際にはブロック対象や受電の定義により変わりますが、導入前に営業電話の比率を測る理由になります。
導入初月は、通知に「営業」「顧客」「採用」「誤着信」「その他」のラベルを付けて集計します。2週間で同じ番号からの営業電話が複数回あればブロックリストへ入れ、定型営業の入口にはIVRでWebフォームを案内します。これにより、翌月の超過件数を減らせます。
コールセンター機能への過度な期待
fondeskは、問い合わせを受けてから解決まで進めるカスタマーサポートではありません。商品仕様の説明、返金判断、予約変更、アカウント照合、クレームの一次判断まで任せると、発信者の期待と実際の対応がずれます。
カスタマーサポートが必要な企業は、代表電話とCS窓口を分けます。代表電話はfondeskで要件を受け、契約内容や個人情報に触れる問い合わせは、本人確認機能を備えた専用窓口へ誘導します。緊急障害の連絡は、通常の受電チャンネルではなく、オンコール担当へ通知する経路を別に作ります。
折り返し責任者が決まらない状態
チャット通知を導入しても、誰が折り返すかを決めなければ未対応電話が残ります。電話番を外部化した結果、責任が曖昧になるのは本末転倒です。
社内ルールは、通知先ごとに一次担当、代理担当、折り返し期限、完了記録の4項目を決めます。例えば営業チャンネルでは「営業企画が30分以内に担当者をメンションし、担当者が折り返し後にチェックマークを付ける」と定義します。期限内に担当者が決まらない場合だけ管理部門へエスカレーションすることで、全通知を情シスが追う状態を避けられます。
転送通話料を含めない予算計画
月額10,000円という基本料金だけで稟議を作ると、回線側の転送通話料が請求されたときに予算差異が出ます。特に、地方拠点の固定電話、複数キャリアの携帯転送、クラウドPBXを併用している企業では、転送元ごとに単価が異なることがあります。
契約前に直近1か月の請求明細から転送関連の通話単価を確認し、着信件数と平均通話時間で試算します。転送設定後に実測値が想定の1.2倍を超えた場合は、不要電話のブロック、IVRの前段設置、代表番号の統合を順に検討します。
情シス・総務が稟議で示すべき判断材料
稟議では、fondeskの月額料金ではなく、電話中断による人件費、固定電話の維持費、情報管理の条件を同じ表に置くと判断しやすくなります。
中断コストを使ったROI試算
電話対応の損失は通話時間だけではありません。電話に出る、担当を探す、内容を伝える、元の作業に戻るまでの時間が発生します。以下は受電量が異なる2つのシナリオで試算した例です。
【シナリオA:月400件の場合】1日20件、1件あたりの応対と取り次ぎが3分、作業復帰に5分かかる場合、1件あたり8分です。月20営業日なら20件×8分×20日で3,200分、約53時間となります。担当者の人件費を時給3,000円で社内試算すると、53時間は月159,000円相当です。ただし、ウィルゲートの公開事例のように月400件のうち8割が営業電話であれば、受電量自体をブロックリストとIVRで減らすことが先決になります。
【シナリオB:月120件の場合】fondesk基本枠50件を超える70件が従量課金の対象となり、fondesk利用料は24,000円税抜、転送通話料を4,800円と置くと月28,800円税抜が比較の出発点です。このシナリオで削減できる中断コストは上記シナリオAの約3割に相当するため、費用対効果の試算は自社の実際の受電量に合わせて行います。いずれのシナリオでも、導入前後で「電話件数」「折り返し件数」「営業電話比率」「未対応件数」を比較して効果を測定します。
固定電話コストとの比較
ウィルゲートの公開事例では、固定電話機の廃止を含む見直しにより月額約6万円の固定費削減が紹介されています。この金額は同社固有の回線・設備構成によるものであり、他社へ一律に適用できません。
自社の稟議では、電話機リース、PBX保守、回線基本料、電話番の出社交通費、転送通話料を分けて棚卸しします。代表電話が固定電話機に依存していないこと、またはクラウドPBXへの移行で代替できることが確認できれば、電話機の更新費用まで含めた比較が可能です。既存回線を維持する必要がある場合は、電話機廃止の削減額を見込まず、受電工数の削減だけで採算を評価します。
セキュリティ審査の確認テンプレート
情シス部門では、次の項目をベンダー確認票へ入れると、利用部門との認識差を減らせます。
オペレーターが取得する情報の種類と、取得しない情報の範囲
受電内容の保存期間、閲覧権限、削除方法
ISO/IEC 27001認証の対象範囲と有効期限
秘密保持契約、再委託先、事故発生時の連絡手順
Slack、Teams、メールなど通知先のアクセス制御方法
ブロックリストと応答カードを更新できる権限者
顧客情報を含む通知の閲覧者を部署単位で限定でき、退職・異動時の権限削除手順もあるなら、限定した電話番号で無料トライアルへ進めます。保存期間や再委託範囲が自社規程に合わない場合は、通知内容を最小化するか、外部委託の対象を代表電話以外へ変更します。
電話対応ストレスを含む組織面の説明
株式会社うるるは2024年3月29日付のプレスリリースで、20〜59歳のビジネスパーソンを対象とした「TELハラ」調査において75.3%が会社への電話応対にストレスを感じると発表しています。この調査は2024年時点のものであり、現在の全就業者の状況を示す統計ではありません。詳細は株式会社うるるのTELハラ調査に関する発表で内容と調査条件を照合できます。
稟議ではこの数値を電話代行の効果として断定せず、電話対応が特定の若手社員や総務へ偏っていないかを測る補助材料として扱います。月次で担当者別の受電件数を把握できない場合は、まず代表電話の着信件数を記録し、偏りが見えた段階で受付の外部化を判断します。
導入前チェックリストと規模別の運用設計
導入前に受電内容と折り返し体制を可視化すれば、fondeskを導入してから通知が増えるだけの失敗を防げます。
導入判断チェックリスト
以下は、無料トライアルや限定導入の前に管理部門と利用部門で埋める項目です。空欄が残る項目は、サービス設定より社内ルールの整備を先に行います。
直近1〜2か月の代表電話の着信件数を把握している
営業電話、顧客問い合わせ、採用応募、取引先、誤着信の比率を分けている
転送元回線、転送先、転送通話料の請求先を把握している
通知先チャンネルと閲覧権限を決めている
一次担当、代理担当、折り返し期限、対応完了の記録方法を決めている
応答カードに登録する定型案内と、その更新責任者を決めている
ブロックリストに登録する営業電話番号の判断基準を決めている
夜間・休日をIVR、留守番電話、オンコールのどれで受けるか決めている
導入から定着までの進め方
期間 | 実施内容 | 判断基準 |
|---|---|---|
導入前1〜2週間 | 着信履歴を分類し、平均通話時間と営業電話比率を集計します。 | 月50件以内か、超過費用を予算化するかを判断します。 |
初週 | 代表番号1本を転送し、通知先を1〜2チャンネルに限定します。 | 通知漏れ、誤宛先、折り返し遅延の有無を確認します。 |
2〜4週目 | 応答カードとなまえ辞書を更新し、不要電話をブロックします。 | 営業電話比率と未対応通知が下がるかを測定します。 |
2か月目 | 夜間・休日の着信を分析し、IVR併用の必要性を判断します。 | 夜間着信が定型中心ならIVRへ分離します。 |
3か月目 | 料金、転送通話料、削減時間、折り返し品質をレビューします。 | 費用対効果が確認できれば対象部署や番号を拡大します。 |
50名未満の企業に向く構成
50名未満では、代表電話をfondeskへ転送し、SlackまたはTeamsの1チャンネルへ通知を集約する構成が扱いやすくなります。担当者が少ないため、複雑な部署分岐より「今日の一次担当」と「不在時の代理担当」を当番表で決めるほうが運用できます。
月間受電が50件を大きく下回り、営業電話の割合が高い場合は、ブロックリストを優先します。夜間に電話がほとんど来ないなら、最初からAI応答を追加せず、有人受付と留守番電話で受電量を測定します。
50〜300名の企業に向く構成
50〜300名では、営業、人事、総務、経理などの通知先を分け、なまえ辞書と応答カードを整備します。代表電話を一つのチャンネルに集めると、通知が流れて担当判断が遅れるため、用件別の振り分け基準を定義します。
部署ごとに受付時間や折り返し期限が異なる場合は、fondeskに任せる受付文言を統一し、社内側だけで優先度を判断します。部署ごとに異なる専門説明をオペレーターへ求めるのではなく、専門窓口へ折り返す設計にします。
300名超の企業に向く構成
300名超では、既存のPBXやIVRで部署・拠点・問い合わせ種別を先に分岐し、有人受付へ送る電話を絞ります。全着信をそのまま転送すると、超過費用と通知ノイズが増え、担当部署が折り返し責任を持てなくなります。
情シスは、代表番号、部門直通番号、緊急連絡番号、カスタマーサポート番号を台帳化します。個人情報や障害連絡を含む番号は通常の代表電話と分け、アクセス権、エスカレーション先、保存期間を個別に設計します。
▲ fondeskの失敗を防ぎ運用を定着させる4つのステップ
よくある質問
フォンデスクの料金、対応範囲、IVRとの使い分けに関する質問へ簡潔に回答します。
Q:fondeskの費用はいくらですか?
A:2026年7月時点の案内では、月額10,000円税抜で月50件までの受電を含み、51件目以降は1件200円税抜です。自社回線からの転送通話料は別に発生するため、利用料と合算して予算化します。
Q:フォンデスクとは何をしてくれるサービスですか?
A:会社宛ての電話をオペレーターが一次受付し、発信者名、会社名、連絡先、用件をチャットやメールへ通知するサービスです。商品説明、クレーム解決、予約変更までを代行するコールセンターではありません。
Q:fondeskの評判で多いメリットは何ですか?
A:電話当番を減らせること、受電内容をSlackやTeamsで共有できること、折り返し前に要件を確認できることが評価されやすい点です。ただし、口コミは利用企業の業種や受電量で評価が変わるため、自社に近い条件のレビューを確認します。
Q:fondesk IVRと通常のfondeskはどう違いますか?
A:通常のfondeskは有人オペレーターが一次受付し、fondesk IVRは自動音声やAIオペレーターが応答します。丁寧な一次受付を求める平日日中は有人、営業時間案内や夜間受付はIVRという使い分けができます。
Q:IVRyとfondeskはどちらを選ぶべきですか?
A:法人顧客、採用応募、初回相談など、人が受ける印象を重視する場合はfondeskが候補です。営業時間案内、予約の振り分け、24時間の自動対応が中心なら、IVRyを含むIVRサービスを同じ受電条件で比較します。
まとめ
フォンデスクは、代表電話を有人で一次受付し、用件をテキスト通知へ変えることで、電話当番と作業中断を減らすサービスです。2026年10月1日の料金体系変更が予告されているため、月額10,000円税抜・50件までという現行案内だけで契約判断をせず、申込時点の料金と転送通話料を合算します。
明日から着手するなら、まず直近1か月の代表電話を「営業電話」「顧客」「採用」「取引先」「その他」に分けて数えます。営業電話が多ければブロックリストとIVRを先に設計し、重要な電話が多ければ有人受付を中心にします。通知先、折り返し担当、期限を決めたうえで限定導入すれば、費用だけでなく顧客対応の品質も測定できます。
✅ 直近1か月の着信を「営業電話・顧客・採用・取引先・その他」に分類し、超過費用の試算根拠を作る
✅ 請求明細で転送先番号への通話単価を確認し、fondesk利用料と合算して予算枠を確定する
✅ 通知先チャンネル、一次担当、代理担当、折り返し期限を決めてから転送設定へ進む
✅ 申込日が2026年10月以降の場合はfondesk公式料金ページで改定後の基本枠と超過単価を照合する
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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