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SIEMとは?機能やメリットデメリットをわかりやすく解説

SIEMとは?機能やメリットデメリットをわかりやすく解説

SIEMとは?機能やメリットデメリットをわかりやすく解説

HC

Admina Team

2025/02/20

SIEM(Security Information and Event Management)は、企業や組織の情報セキュリティを強化するための重要な技術です。リアルタイムでの脅威監視やログ管理を通じて、セキュリティインシデントの早期発見が可能になります。本記事では、SIEMの基本的な概念や主な機能、さらにそのメリットとデメリットについて詳しく解説します。また、SIEMとSOAR(Security Orchestration, Automation and Response)の違いについても触れ、より深く理解を深めていただける内容となっています。

SIEMとは

SIEMは「Security Information and Event Management」の略であり、セキュリティ情報およびイベント管理のシステムを指します。SIEMは、企業や組織内のさまざまなデバイスやアプリケーションから収集したデータを、一元的に分析・管理するために使用されます。

SIEMは、セキュリティインシデントの検出、リアルタイムの監視、そしてログデータの保持と分析を行うための強力なツールです。具体的には、サーバー、ネットワーク機器、セキュリティデバイスなどからのデータを集約し、異常な動作やセキュリティ侵害を特定するための機能を提供します。SIEMを活用することで、企業はリスクを迅速に評価し、適切な対策を講じることが可能になります。

SIEMの基本的なプロセス

SIEMは主に以下の3つのプロセスで構成されています。

まずは、データ収集です。これは、さまざまな機器やシステムからログやイベント情報を収集する段階であり、OSI参照モデルのすべてのレイヤーからデータを引き出します。次に、データの解析が行われ、収集した情報の中から意味のあるインサイトを引き出します。この段階では、パターンやトレンドの特定が行われます。最後に、インシデントの検出です。このプロセスでは、リアルタイムでの監視を通じて異常な通信やイベントを特定し、適切なアラートを出すことが重視されます。

SIEMの導入背景

今日、サイバー攻撃はますます巧妙化・多様化しており、企業はその対応に追われています。Statistaのデータによれば、2022年にはサイバーセキュリティに関連するインシデントが前年比で50%以上増加したという報告もあります。このような状況において、SIEMは企業のセキュリティ体制を強化するための重要な要素となっています。

SIEMの活用により、企業はリアルタイムでの脅威への対応が可能になり、インシデント後のフォレンジック作業も円滑に行えるようになります。さらに、法令遵守に必要なログデータの管理も一元化され、効率的な運用が実現します。

SIEMの主な機能

SIEMはセキュリティ情報およびイベント管理のシステムで、多くの重要な機能を備えています。これにより、組織はセキュリティインシデントの監視、分析、対応を効果的に行うことができます。以下に、SIEMの主な機能について詳しく説明します。

リアルタイムモニタリング

リアルタイムモニタリングは、SIEMの最も基本的な機能です。リアルタイムモニタリングにより、システムへのアクセスやデータの変更、疑わしいアクティビティを即座に監視することができます。リアルタイムでのデータ分析により、攻撃や侵入の兆候を早期に検知できるため、迅速な対応が可能になります。例えば、パターン認識アルゴリズムを使用して、通常とは異なる行動が発生した場合にアラートを発信します。

ログ管理

SIEMは、さまざまな機器やシステムからログを収集し、集約・管理する機能も重要です。サーバー、ネットワーク機器、アプリケーションなど、異なるシステムからのログを一元的に管理し、情報の整合性を保つことで、後からの分析や監査が容易になります。最新の統計によると、組織の約80%が効果的なログ管理を行うことが、セキュリティインシデントの初期発見に繋がるとされています。

インシデントレスポンス

SIEMは、インシデントが発生した際に迅速に対応するための機能も有しています。警告が発生した場合、自動的に対応プロセスを立ち上げることができ、具体的な行動を定義することが可能です。例えば、特定のアラートに対して自動的に対策を実行したり、管理者に通知を送信したりすることができます。これにより、インシデントの影響を最小限に抑えることが期待されます。

脅威インテリジェンスの統合

SIEMは脅威インテリジェンスと連携し、外部からの脅威情報をリアルタイムで取り込むことも可能です。これにより、最新の攻撃技術や悪意のあるIPアドレスに関する情報を反映させた上で、より効果的な防御策を講じることができます。脅威インテリジェンスを用いることで、現在進行中の攻撃に対するより正確な予測と対策が行えるため、組織のセキュリティが強化されます。

レポーティングとコンプライアンス

最後に、SIEMはセキュリティイベントやインシデントの詳細なレポートを作成する機能も有しています。このレポートは、ITチームがセキュリティ状況を把握するために役立つだけでなく、セキュリティコンプライアンスを維持するための証拠としても活用されています。多くの業界では、法律や規制により、セキュリティに関する報告が求められるため、この機能は特に重要です。

SIEMのメリット

SIEMは、組織のセキュリティ対策を強化するための非常に有用なツールです。その効果には多くの利点があり、特にセキュリティに関するスキルが低い人にとっても理解しやすい点がいくつかあります。

リアルタイムの脅威検出

まず、SIEMの最大のメリットはリアルタイムで脅威を検出できる点です。従来のセキュリティ対策では、脅威の特定や対応が遅れることが多いですが、SIEMは収集したデータを即座に分析します。リアルタイムの脅威検出では、発生したイベントを監視し、不正アクセスや異常行動を早期に発見することが重要です。実際に、企業の約60%がSIEMを導入することで脅威の検出が迅速になったと報告されています。

集中管理による効率化

次に、SIEMはセキュリティデータを中央集約的に管理する機能を提供します。これにより、複数の機器やシステムからの情報を一元化し、管理が容易になります。

セキュリティ担当者は、個別にログを確認する手間を省き、効率的に脅威に対応可能です。また、中央管理によって異常の分析も一層正確になり、組織全体のセキュリティレベルが向上します。

法令遵守のサポート

SIEMは法令遵守の面でも重要な役割を果たします。特定の業界ではデータの取り扱いやセキュリティに関する厳しい規制がありますが、SIEMは自動的にログを保存し、必要な報告を迅速に生成可能です。監査や規制当局への対応がスムーズに行えるようするためや、データ漏洩に対する罰則を回避するためにも、SIEMの導入は非常に大切です。

インシデント対応の最適化

インシデントの発生時、SIEMは迅速な対応を可能にします。異常が検知されると、自動的にアラートが発信され、セキュリティチームが速やかに行動を開始できるようになり、潜在的な被害を最小限に抑えることが可能です。ある調査によれば、SIEMを使用している企業の約70%が脅威に対する対応時間を短縮できたとしています。

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SIEMのデメリットや注意点

SIEMは強力なセキュリティツールですが、それだけではなくいくつかのデメリットや注意点も存在します。ここでは、SIEMを導入する際に知っておくべきポイントを説明します。

コストの問題

SIEMシステムの導入は、初期投資が高額になる可能性があります。ソフトウェアのライセンス費用だけでなく、ハードウェアやインフラの整備、さらには運用に関わる人材の育成や維持コストも考慮する必要があります。コストの問題は、中小企業にとっては導入が難しいと感じる要素の一つです。

運用の複雑さ

SIEMは多機能であるがゆえに、その運用は複雑になることがあります。特に初めて利用する場合は、フィルタリングやルール設定、アラートの管理など、多岐にわたる作業が必要です。そのため、スタッフに十分なトレーニングを行うことが求められる場合もあり、これが追加的な負担となることがあります。

誤検知の可能性

SIEMシステムはセキュリティイベントを収集し分析するため、時には誤検知が発生することもあります。具体的には、正当なアクティビティを脅威として判定し、警告を出すことがあり、運用チームの負担が増加する可能性があります。

スケーラビリティの課題

企業の成長に伴い、生成されるデータ量が増えることがあり、SIEMがそのデータを効率的に処理できないことも考えられます。スケーラビリティの問題が発生すると、システムのパフォーマンスが低下し、分析の精度や速度に影響を及ぼすため、適切なリソースの調整が必要です。

技術の進化への対応

サイバー攻撃の手法は常に進化しており、SIEMが最新の脅威に対応するためには、定期的なアップデートが欠かせません。新しい脅威に対して適切に対応し続けるためには、SIEMの機能や設定を見直す必要があります。技術の進化への対応には時間やリソースがかかり、従業員の負担となることも少なくありません。

SIEMとSOARの違い

SIEMはSecurity Information and Event Managementの略で、主にセキュリティ情報の収集や分析を行うツールです。これに対し、SOARはSecurity Orchestration, Automation and Responseの略で、セキュリティ運用の自動化や効率化を図ることに特化したシステムです。

本項では、SIEMとSOARのそれぞれの機能や役割、そして両者の違いについて詳しく解説していきます。

SIEMの役割

SIEMは、大量のデータをリアルタイムで解析し、セキュリティインシデントの早期発見を目的としています。SIEMは、ログデータの収集、相関分析、警告の生成などを行い、セキュリティチームが迅速に対応できるようサポートします。例えば、SIEMを用いることで、異常なログイン試行やマルウェアの兆候を見つけることが可能です。

SOARの役割

一方、SOARは、セキュリティの運用プロセスを統合し、自動化するためのプラットフォームです。SOARでは、インシデント発生時に適切な対応策を自動的に実行することができ、手動での作業を減少させることで、セキュリティチームの負担を大幅に軽減します。また、 SOARはさまざまなセキュリティツールやプロセスを連携させることができるため、全体的なセキュリティ対策の効率を向上させることができます。

主な違い

SIEMとSOARの最も明確な違いは、その目的とアプローチにあります。SIEMはデータの収集と分析を通じて脅威を発見することが中心であるのに対し、SOARはその発見した脅威に対してどのように対応するかに注力しています。具体的には、SIEMがインシデントを識別する際に、SOARはその後の効果的な対応を自動化することで、問題解決を迅速に行います。

また、SIEMは主に歴史的データに基づいてサイバー攻撃を識別しようとしますが、SOARは実際のインシデント発生時にその場で自動的な対応を行います。これにより、SIEMが警告を出した後、SOARがその指示に基づいて対応を実行するという形で、両者が補完関係にあることも重要なポイントです。

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まとめ

SIEMは、情報セキュリティの強化に不可欠なツールであり、リアルタイムでの脅威検知やイベントログの解析を通じて、企業のセキュリティ体制を一層強化します。主な機能として、さまざまなデータソースからの収集・分析、インシデントの管理が挙げられ、SIEMを活用することで迅速な意思決定が可能です。

ただし、導入にはコストや専門知識が必要であるため、慎重な検討が求められます。SIEMを効果的に活用することで、企業はサイバー攻撃に対する防御力を高めることが可能です。

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