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IPAは「AIセキュリティ短信」でAIセキュリティのトレンドや事例を継続的に公開しており、Claude Code Securityに関連する動向もその対象となり得ます。掲載号は IPA「AIセキュリティ短信」一覧ページで確認できます。製品固有の仕様はAnthropicの一次情報(anthropic.com)を参照し、IPAの短信はAIエージェント運用上の周辺リスク把握の補助資料として使い分けます。
本記事は、生成AIを全社利用する際の統制設計を担う情報システム部門(情シス)担当者に向けて、Claude Code Securityと関連する機能・接続経路を整理します。実行場所、調査対象、外部接続、権限の四つの観点で分けることで、コード調査に必要な設定と外部サービス連携に必要な設定を混同しにくくなります。既存のSASTや依存関係スキャンを置き換える製品ではなく、AIがコードの文脈を読み取る脆弱性診断を多層防御へ追加する選択肢として位置付けます。

Claude Code Securityとは
この記事で確認したこと(確認日: 2026年08月22日):Anthropicが公表したClaude Code Securityの提供開始時の位置付け、Claude Codeのセキュリティレビューとサンドボックス、IPAのAIセキュリティ短信、総務省・経済産業省のAI事業者ガイドライン第1.2版を確認し、情シスが導入判断と運用設計で扱う論点を整理しました。
「Claude Security」は本記事で用いる便宜上の総称であり、独立した公式製品名ではありません。Anthropicは、コードベースの脆弱性を調査し、人のレビュー向けに修正案を提示する機能を「Claude Code Security」として2026年2月20日に発表しています。Anthropicは同機能をClaude Code on the webに組み込まれた限定リサーチプレビューとして案内し、当初の対象をEnterpriseおよびTeamの顧客、ならびに迅速なアクセスを受けるオープンソース保守者と説明しています。([anthropic.com](https://www.anthropic.com/news/claude-code-security?via=aitoolzs&utm_source=openai))
Anthropicの発表では、Claude Code Securityはコードの構成要素、データの流れ、認証・認可のつながりを調査し、検出結果を複数段階で検証したうえで、重要度・信頼度・修正パッチ案をダッシュボードで扱う構成です。修正は自動適用ではなく、開発者が根拠と提案内容を確認して承認します。([anthropic.com](https://www.anthropic.com/news/claude-code-security?via=aitoolzs&utm_source=openai))
用語を分けると、Claude Code Securityは限定リサーチプレビューとして公表されたコードベース横断の脆弱性調査機能、Claude Codeのセキュリティレビュー機能は/security-reviewやGitHub Actionsで実行する変更レビュー、拡張機能・コネクターはClaudeと外部サービスを接続する経路を指します。本記事では「マネージド版」「プラグイン版」という製品分類は用いず、実行場所、調査対象、外部接続、権限の四つを分けて扱います。
IPAは、AIシステム開発者とセキュリティ担当者向けに、AIセキュリティのトレンドや事例を扱う「AIセキュリティ短信」を公開しています。IPAの一覧ページでは、短信の掲載内容は調査時点の情報であり、後から状況が変化する可能性があると明示されています。Claude Code Security固有の仕様確認にはAnthropicの一次情報を使い、AIエージェント運用上の周辺リスクの把握にはIPAの短信を補助資料として使い分けます。IPA「AIセキュリティ短信」
総務省・経済産業省は2026年3月31日に「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」を公表しています(経済産業省公表ページ)。同ガイドラインは第3章でAI利用者の取り組みとして対象データの整理、リスク管理、透明性、責任分界を整理しており、本記事ではこれらの統制論点を整理する枠組みとして参照します。Claude Code Securityの製品仕様そのものを同ガイドラインが認証・保証するものとしては扱いません。
▲ Claude Code Securityによる脆弱性調査から修正までの処理手順
仕組みと既存ツールの比較
Anthropicは、Claude Code Securityでコードベースの調査後に各所見を再検証し、誤検知を絞り込む多段階の検証を行うと説明しています。検証済みの所見には重要度と信頼度が付与され、担当者はダッシュボードで根拠と修正パッチ案を確認します。([anthropic.com](https://www.anthropic.com/news/claude-code-security?via=aitoolzs&utm_source=openai))
Claude Code Security:コードベースを横断して調査し、文脈依存の脆弱性候補を検証して、根拠・重要度・信頼度・パッチ案を人のレビューへ渡す機能です。2026年2月20日の発表時点では限定リサーチプレビューとして案内されました。
Claude Codeのセキュリティレビュー機能:ターミナルの
/security-reviewまたはGitHub Actionsで、作業中のコードやプルリクエストを対象にセキュリティ観点のレビューを行う機能です。既存SAST:定義済みのルールや既知パターンを継続的に検査する統制層です。ルールセット、例外処理、CI/CDゲート、チケット連携を既存の開発プロセスに組み込みやすい特性があります。
SCA・シークレットスキャン・DAST:依存関係の既知脆弱性、認証情報の混入、実行環境での挙動をそれぞれ扱います。Claude Code Securityやセキュリティレビューと同一の機能としては扱いません。
Claude Codeには、ターミナルで任意に実行する/security-reviewと、プルリクエストに対して自動レビューを行うGitHub Actionsの案内があります。Anthropicの公式サポートは、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング、認証・認可の不備、不適切なデータ処理、依存関係の脆弱性を検出対象の例として挙げています。([support.anthropic.com](https://support.anthropic.com/en/articles/11932705-automated-security-reviews-in-claude-code/?utm_source=openai))
Anthropicの公式サポートは、セキュリティレビューを既存のセキュリティ対策や手動コードレビューを補完するものと位置付けています。そのため、SASTをClaude Code Securityへ置き換えるのではなく、ルールベースの継続検査、依存関係管理、シークレット検出、動的テストを維持したうえで、文脈依存の調査と修正案検討を補助する層として設計します。AnthropicもClaude Codeを既存のセキュリティツールと併用する位置付けで案内しています。([resources.anthropic.com](https://resources.anthropic.com/hubfs/Scaling%20agentic%20coding%20across%20your%20organization.pdf?hsLang=en&utm_source=openai))
対象・提供状況:Claude Code Securityの提供対象、契約条件、リージョン、管理画面の機能、リサーチプレビューの募集状況は変更され得ます。Anthropicは発表時点(2026年2月20日)の情報をanthropicの公式ニュースページに掲載しており、最新の提供条件はAnthropicのClaude管理画面(claude.ai/settings)および公式発表ページで確認できます。対象プランと管理機能が確認できれば本番候補のリポジトリまで評価を進め、確認できなければダミーデータまたは読み取り専用の検証リポジトリに範囲を限定します。
▲ Claude Code Security・標準レビュー機能・既存SASTの役割比較
Claude Codeのセキュリティレビュー、拡張機能・コネクターとの違い
Claude Code Securityと、Claude CodeやClaude Desktopの拡張機能・コネクターは、同じ「Claudeに外部の情報や操作を渡す仕組み」として一括りにしない方がよい領域です。Claude Code Securityはコードの脆弱性調査と修正支援に焦点を置く一方、拡張機能やコネクターはファイル、カレンダー、メール、社内サービスなどへの接続経路を増やします。([support.anthropic.com](https://support.anthropic.com/en/articles/10065433-installing-claude-for-desktop?utm_source=openai))
情シスでは、導入申請を「リポジトリ調査」と「外部サービス接続」に分けます。前者ではリポジトリ名、データ分類、読み取り・書き込みの別、実行者、利用期間を記録します。後者では接続先、OAuthやAPIトークンの権限、送信されるデータ項目、ネットワーク許可先、停止手順を記録します。この二つを別チケットにすると、コード調査に必要な権限と外部連携に必要な権限を混同しにくくなります。
拡張機能側では、接続先が扱うデータ分類と権限範囲を組織側の基準に照らして判断します。たとえば、社内ドキュメント検索を許可しても、メール送信やカレンダー更新まで同じ接続に含めるとは限りません。接続設定で読み取り専用スコープを選べる場合は読み取り専用から検証を始め、書き込みスコープが業務上必要であることと、操作履歴を取得できることの両方が確認できた場合に限って対象業務を広げます。([support.anthropic.com](https://support.anthropic.com/en/articles/10065433-installing-claude-for-desktop?utm_source=openai))
レビュー責任の分界も分けます。Claudeの所見は開発者が一次確認し、脆弱性の優先度と例外の妥当性はセキュリティ担当が確認し、修正を本番ブランチへ取り込む判断はリポジトリ所有者が行う形です。AIが提示した修正案をそのままマージする経路を作らず、プルリクエスト、レビュー記録、承認者を結び付けると、調査・判断・変更の主体を追跡できます。
情シスが押さえるデータガバナンスとシャドー利用対策
統制設計では、まず対象リポジトリを業務システム、顧客情報を扱うシステム、公開リポジトリなどに分類し、利用を許可する環境とアカウントを定義します。調査対象のコードには認証情報、接続文字列、個人情報に関わる処理、社内固有の業務ロジックが含まれ得るため、閲覧権限とログの保管先を既存の開発・セキュリティ運用とそろえます。
公開リポジトリ:個人情報、秘密鍵、未公開の脆弱性情報が含まれないことを確認できれば、読み取り中心の検証対象にします。
社内一般リポジトリ:社内限定の業務ロジックを含む場合は、承認済み組織アカウント、指定ネットワーク、読み取り専用の初期設定で扱い、書き込みはプルリクエスト経由に限定します。
機微・規制対象リポジトリ:顧客情報、決済情報、医療・人事情報、認証基盤、秘密鍵の管理コードを含む場合は、データ持ち出し条件、契約条件、監査ログ、隔離環境を確認できれば限定検証に進み、いずれかを確認できなければ対象外にします。
Claude Codeでは、ファイルシステムとネットワークの境界を設けるサンドボックス機能が案内されています。Anthropicは、許可したディレクトリへのアクセスを制限するファイルシステム分離と、承認済みサーバーへの接続に絞るネットワーク分離を組み合わせる設計を説明しています。([anthropic.com](https://www.anthropic.com/engineering/claude-code-sandboxing?utm_source=openai))
申請票には、少なくとも「利用目的」「対象リポジトリと分類」「利用者・サービスアカウント」「読み取り・書き込み権限」「外部接続先と送信データ」「CI実行の有無」「ログ保管先・保管期間」「停止日」「リポジトリ所有者とセキュリティ承認者」を記載します。対象が機微区分であれば、秘密情報の除外方法、インシデント時の連絡先、例外の失効日も追加します。
権限モデルは、人の利用者、CIサービスアカウント、管理者を分けます。CIでプルリクエストをレビューするだけなら、サービスアカウントには対象リポジトリの読み取り権限と、レビューコメントに必要な限定的なプルリクエスト権限だけを与え、管理者権限、組織全体のトークン、恒久的な書き込み権限は付与しません。GitHub Actionsのワークフロー設定でこの最小権限が確認できれば自動レビューを対象リポジトリへ展開し、確認できなければ手動実行または読み取り専用の検証に戻します。
ログ保全は、AIへの投入内容、実行者、対象リポジトリ、実行時刻、外部接続先、権限変更、所見、承認・却下、最終差分を相互に追跡できる形にします。保管期間の例として、公開区分は90日、社内一般区分は180日、機微区分は365日とし、調査中のインシデントや法的保全の対象は通常の削除期限から除外する運用が考えられます。期間は自社の監査規程、委託契約、インシデント対応手順と照合して決めます。
例外承認は、申請者が利用目的・対象・追加権限・外部接続・期限・代替手段を記載し、リポジトリ所有者とセキュリティ担当者が承認し、期限到来時に自動失効または再承認へ進む流れにします。たとえば、本番障害で一時的な書き込み権限が必要な場合でも、対象ブランチ、実行時間、承認者、作業後の権限削除をチケットに残すことで、恒久例外へ変わることを防げます。
実運用では、Claude Codeの設定画面、組織のID管理画面、GitHub Actionsのワークフロー設定を確認し、対象リポジトリ、実行主体、外部送信先、書き込み権限が申請内容と一致している場合にのみ利用対象へ含めます。一致しない場合は、読み取り専用の検証環境へ限定する、対象リポジトリを外す、または接続設定を見直すという判断につながります。
シャドー利用への対応では、禁止だけを掲げるよりも、利用可能な公式アカウント、申請窓口、対象データの区分、レビュー記録の残し方を明示すると、個人契約や未承認の外部連携へ流れる理由を減らせます。検出した脆弱性、Claudeが提示した修正案、最終的に採用した差分をプルリクエストやチケットに結び付けて残すことで、AIの出力と人の承認を分離して追跡できます。
▲ 情シスにおけるClaude Code利用許可の判定フロー
まとめ
Claude Code Securityは、Anthropicが2026年2月20日に限定リサーチプレビューとして発表した、コードベースの脆弱性調査・検証・修正案作成を支援する機能です。既存SASTの代替ではなく、ルールベース検査を補完する文脈調査・修正支援として整理します。情シスでは、対象リポジトリ、外部接続、実行権限、修正承認、監査記録を分けて管理し、Claude CodeのサンドボックスやCI連携の設定を組織の統制に合わせます。IPAのAIセキュリティ短信で周辺動向を把握し、総務省・経済産業省のAI事業者ガイドライン第1.2版を統制論点の整理に使うことで、製品固有の仕様確認と組織側の運用判断を分けて扱えます。IPA「AIセキュリティ短信」 経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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