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SQLインジェクションとは?仕組みや対策について解説

SQLインジェクションとは?仕組みや対策について解説

SQLインジェクションとは?仕組みや対策について解説

HC

Admina Team

2025/01/16

SQLインジェクションは、データベースを使用するウェブアプリケーションに対する一般的な攻撃手法です。SQLインジェクションは、攻撃者が不正なSQLコードを入力することで、データベースに対して予期しない操作を実行することを可能にします。

企業にとって、SQLインジェクションのリスクは見過ごせないものであり、情報漏洩やサービス妨害など、深刻な被害をもたらすことがあります。本記事では、SQLインジェクションの仕組みや主な種類、企業が直面するリスク、そして効果的な対策について詳しく解説していきます。

SQLインジェクションとは

SQLインジェクションは、Webアプリケーションのセキュリティ脆弱性を利用した攻撃手法の一つです。SQLインジェクションは、攻撃者が悪意のあるSQLコードを入力フォームやURLなどの入力ポイントに挿入し、不正なデータベース操作を引き起こすことで実行されます。

具体的には、攻撃者はユーザー認証のバイパス、機密データの抽出、さらにはデータベースの改ざんや削除といった犯罪行為が可能です。実際、OWASP(Open Worldwide Application Security Project)が発表したデータによると、SQLインジェクションは最も一般的なウェブアプリケーションの脆弱性の一つであり、2023年現在も多くの企業にとって重要なリスクを招いています。

SQLインジェクションの仕組み

この攻撃がどのように実行されるかを理解するためには、SQL(Structured Query Language)の基本的な仕組みを知っておくことが重要です。SQLは、データベースに対してデータの問い合わせや操作を行うための言語であり、通常はデータベース管理システムで使用されます。攻撃者は、SQLクエリを不正に改変することによって、意図された操作とは異なる結果を引き起こすことが可能です。

SQLインジェクションの脅威が増加する中、多くの企業がこの脆弱性に対しての対策を講じる必要性を感じています。攻撃を防ぐためには、セキュリティの基本をしっかりと理解し、適切な対策を講じることが非常に重要です。

SQLインジェクションの主な種類

SQLインジェクションにはいくつかの主要な種類があり、それぞれ異なる攻撃手法を用いてデータベースシステムを狙います。

1. ベーシックインジェクション

ベーシックインジェクションとは、最も一般的なSQLインジェクション手法で、攻撃者がSQLクエリに特定のコードを埋め込むことによって、データベースの情報を不正に取得したり、変更したりする方法です。たとえば、ユーザーが入力した内容に直接SQLクエリを結合することで発生します。このタイプの攻撃が成功すると、攻撃者はユーザーアカウントの情報や、その他の機密情報にアクセスできる可能性があります。

2. ブラインドインジェクション

ブラインドインジェクションは、攻撃者がデータベースから直接情報を取得することはできませんが、真偽を確認するための問い合わせを行うことで情報を推測していく手法です。この攻撃は、完全なエラーメッセージが表示されない場合や、データベースが何も返さない場合でも行われます。攻撃者は「はい」または「いいえ」の質問を用いて、システムの挙動を分析し、データを引き出そうとします。この手法は時間がかかるものの、セキュリティ対策が不十分なシステムでは非常に効果的です。

3. 時間ベースインジェクション

時間ベースインジェクションは、特定の条件に基づいて実行される遅延を利用した攻撃です。ここでは、攻撃者がデータベースの応答時間を操作することで、システムからの情報を確認します。たとえば、ある条件が真であればデータベースは一定時間遅れて応答し、偽であれば即座に応答するといった仕組みです。この攻撃手法を使うことで、攻撃者は情報を得るための条件を徐々に明らかにしていくことができます。

4. UNIONベースのインジェクション

UNIONベースのインジェクションは、複数のSELECT文を組み合わせることによってデータを抽出する方法です。攻撃者は、対象のクエリに UNION 演算子を挿入することで、自分が指定した他のテーブルのデータを引き出すことが可能になります。この手法は、データベースの構造やテーブルの内容を知らない場合でも、他のデータを取得する手段として非常に強力です。

このように、SQLインジェクションには多様な攻撃方法が存在し、それぞれが異なるリスクをもたらします。これらの手法に対する理解は、適切な防御策を講じるための第一歩と言えるでしょう。

SQLインジェクションが企業に与える被害

SQLインジェクションは、企業に深刻な被害をもたらす可能性があります。データベースに不正アクセスされることで、情報の漏洩やシステムの破壊などが引き起こされることがあります。

SQLインジェクションによる被害の中でも特に影響が大きいのがデータ漏洩です。顧客情報、個人情報、機密情報などが流出すると、企業の信頼性が損なわれるだけでなく、法的な問題にも発展することがあります。たとえば、データ漏洩が発生した企業の約60%が顧客の信用を失い、その後の業績に悪影響が出たとする調査結果もあります。

また、コンピュータシステムへの攻撃が成功した場合、サービスの停止やシステムの損傷が発生することもあり、企業は営業停止を余儀なくされ、金銭的な損失が生じるだけでなく、ブランドイメージにも悪影響です。さらに、復旧作業には多くのリソースと時間が必要となり、業務運営に大きな障害をもたらします。

法的リスクと賠償責任

SQLインジェクションによって引き起こされたデータ漏洩は、法的なリスクを伴います。多くの国では個人情報保護法が施行されており、企業は漏洩したデータに関して厳しい罰則を受ける可能性があります。たとえば、EU圏のGDPR(一般データ保護規則)では、不正アクセスによる情報漏洩が発生した場合、企業は最大で年間売上高の4%または200万ユーロの罰金が科されることがあり、企業にとって大きな財務的負担です。

競争力の低下

SQLインジェクションによる被害は、企業の競争力を低下させる要因にもなります。顧客や取引先との信頼関係が築けなければ、新たなビジネスチャンスを逃す可能性が高いです。また、企業内部でも安全対策に多くのコストをかける必要が生じ、資源が分散されることで、他社と比べて競争力を維持することが難しくなります。

このように、SQLインジェクションは単に技術的な脅威だけでなく、企業の存続や成長にも影響を及ぼす深刻な問題であることを理解しておくことが重要です。

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SQLインジェクションの対策

SQLインジェクションに対する対策は、データベースの安全性を確保するために非常に重要です。対策を講じることで、攻撃者による不正アクセスやデータ漏洩のリスクを大幅に低減できます。本項では、具体的な対策を説明します。

1. プレースホルダーの利用

プレースホルダーを活用することは、SQLインジェクション対策の基本的な方法の一つです。プレースホルダーを使用することで、SQL文に直接的にデータを埋め込む必要がなくなり、悪意あるコードが実行されるリスクが低くなります。

SQL文を形成する際には、プレースホルダー変数を使用し、データベースから取得したデータをプレースホルダー変数に格納する方法を取ります。この手法により、入力データに悪意のあるSQLコードが含まれていても、安全に処理することができます。

2. 入力値の検証とサニタイズ

入力値を徹底的に検証し、不正なデータがデータベースに渡るのを防ぐためのサニタイズも重要です。正規表現を使用して入力データのフォーマットを確認し、不要な文字や予想外の入力があった場合にはエラーメッセージを返すように設定します。

具体的には、数値型のフィールドには数字のみを許可し、文字列型のフィールドには特定の文字種だけを許可するのが効果的です。このように、期待されるデータの範囲を明確に定義することが、SQLインジェクションを防ぐ鍵となります。

3. データベースの権限管理

データベースへのアクセス権限を厳格に管理することは、セキュリティの基本です。アプリケーションが使用するデータベースアカウントには、必要最低限の権限のみを付与します。たとえば、SELECT文だけを実行する場合、INSERTやDELETEの権限は与えないようにします。

このようにすることで、万が一SQLインジェクション攻撃が成功した場合でも、攻撃者が行える操作を制限することができ、被害を最小限に抑えることが可能です。

4. エラーメッセージの管理

エラーメッセージの内容も、SQLインジェクション対策に役立ちます。デバッグ情報やシステム内部の詳細を公開しないように心掛け、一般的なエラーメッセージにとどめます。たとえば「不正なリクエストです」といったシンプルなメッセージが有効です。

これにより、攻撃者がシステムの詳細を知ることができず、効果的な攻撃手法を模索する難易度が上がります。

5. セキュリティパッチの適用

システムやデータベースソフトウェアに対するセキュリティパッチは、常に最新の状態に保つことが求められます。新たに発見される脆弱性を早急に修正し、システムを安全に保つために、定期的にアップデートを行うことが重要です。

システム運用を通じてこれらの更新を怠らないことで、SQLインジェクションの脅威に対しても十分な防御手段を確保できます。

まとめ

SQLインジェクションは、データベースを狙った深刻なセキュリティ脆弱性であり、企業においては情報漏洩や財務的損失の原因となる可能性があります。今回取り上げたように、その主な種類や被害、さらに対策を理解することは、システムを守るために不可欠です。適切な対策を講じることで、企業の信頼性を高め、ユーザーの安全を確保することができるため、SQLインジェクションに対する意識を常に持つことが重要です。

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