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情シスの効率化手法!繁忙期のパンクを防ぐツールと外注の基準

情シスの効率化手法!繁忙期のパンクを防ぐツールと外注の基準

情シスの効率化手法!繁忙期のパンクを防ぐツールと外注の基準

情シスの効率化手法!繁忙期のパンクを防ぐツールと外注の基準

最終更新日

【監修・執筆者情報】本記事は、情報システム部門の業務改善・IT導入支援に携わる編集部が、公開情報および各種調査レポートをもとに作成しています。

年度末や新年度の入退社シーズン、組織変更に伴うアカウント発行やPCキッティングなど、情報システム(情シス)部門を取り巻くIT繁忙期の業務負荷は限界に達しています。さらに、近年はセキュリティ脅威の高度化やAI推進といった新たな経営課題が情シスに求められており、日常的なノンコア業務の「守り」と、DX推進などの「攻め」を両立させることが極めて困難になっています。本記事では、こうしたパンク寸前の情シス体制を救い、業務効率化を劇的に進めるための最新テクノロジーの活用手法や、丸投げで失敗しないアウトソーシング(BPO)の具体的な判断基準、企業規模別の対策などを解説します。

情シスがツール導入や外注化によってノンコア業務を削減し、生み出した時間をメンバーの人材育成と成長に充てるアプローチを解説するインフォグラフィック。

情シスの業務効率化とは?繁忙期にパンクする背景と重要性

本記事のポイント:

  • 2026年最新データによると、情シスはデータ整備等に年間約3.9億円の工数ロスを抱えている。

  • 入退社対応にかかる時間は社員1人あたり計6〜12時間であり、事前準備を怠ると繁忙期に完全にパンクする。

  • 定型業務(キッティングやアカウント管理)を自動化・外注化し、IT戦略策定などのコア業務に集中することが真の効率化である。



情シスの業務効率化とは、定型業務を自動化・外注化して戦略的IT投資にリソースを集中させるプロセスである。

2026年2月に公開されたSansan株式会社の調査によれば、企業のIT部門(情シス)はデータの整備やクレンジングといった「データメンテナンス」業務に追われており、1社あたり年間約3.9億円相当の工数をロスしているという。さらに、ソフトクリエイトの「情報システムの現状とIT活用実態アンケート 2026」(2026年4月発表)では、情シス人材が不足していると回答した企業は74.0%に達し、全体の74.5%がシステム運用やヘルプデスク対応などの「ノンコア業務」に追われていると回答しています。このような厳しい背景から、ITの繁忙期に備えた抜本的な業務効率化への投資は、情シスにとって今すぐ手を打つことが現実的な選択肢になっています。

特に年度末・年度初めの入退社シーズンは、情シスのパンクが最も発生しやすい時期です。新入社員が入社する際のオンボーディング(アカウント発行やPC調達)には1人あたり2〜4時間、退職時のオフボーディング(ライセンス回収やデータ消去)には1人あたり4〜8時間の工数がかかると試算されます(編集部試算。実際の工数は組織規模・環境により異なります)。100人規模の組織(離職率10%・新規採用10%)の場合、年間で実に60〜120時間もの時間がこの「入退社対応」だけに奪われる計算になります。これが3〜4月や9〜10月の短期間に集中するため、事前のマニュアル化や標準化が不可欠です。

また、繁忙期に生じやすい盲点が「退職PCの放置」です。退職者が使っていたPCを処理せず放置すると、セキュリティの不備、紛失リスク、不要なライセンス料の発生に繋がります。繁忙期前に、PCの返却からデータ消去、再キッティングまでの「LCM(ライフサイクル管理)フロー」を構築しておくことが必須となります。効率的なPCのキッティング手順をあらかじめルール化し、業務フローを可視化しておくことで、繁忙期のパンクを確実に防ぐことができます。

業務効率化で工数を削減する具体的な手法

月10件以上の入退社やアカウント発行があるなら、SaaS管理ツールやRAGによる自動化が最優先である。

IT繁忙期の負担を極小化するために、従来の「マニュアル作成」を超えた、2025〜2026年にかけて特に効果を出しやすい、以下の3つのアプローチを検討しましょう。

1. SaaS管理プラットフォーム(SMP)の導入
ジョーシスやマネーフォワード AdminaなどのSaaS管理プラットフォームを活用し、全社のSaaSアカウントを一元管理します。退職時にすべての連携アカウントをワンクリックで一括削除できるため、削除漏れ(元社員が退職後もアクセスできるシャドーIT問題)を防ぐと同時に、不要ライセンスを自動解約してコストを削減できます。

2. iPaaS(データ連携プラットフォーム)によるノーコード自動化
YoomやPower AutomateなどのiPaaSを使用し、人事システム(SmartHR等)とIDaaS(Microsoft Entra ID等)を連携させます。これにより、人事データが更新されるだけでSaaSのアカウントが自動発行・削除され、手作業の転記工数がゼロになります。

3. 生成AI(RAG)を活用した「自己解決型(セルフサービス)ヘルプデスク」
社内マニュアルや過去の問い合わせ、インシデントログをAIに学習させ、Microsoft Copilot Studioなどで「AI情シス」を構築します。これにより、問い合わせ件数の約30〜40%を占める「パスワード紛失」や「VPN不通」といった定型的な質問を従業員自身に解決させ、FAQ対応の負担を劇的に削減します。

【実名企業での最新AI導入・成功事例】

  • パナソニック コネクト株式会社
    ・業種・規模:製造・ITソリューション、国内グループ数万人規模
    ・導入時期:2023年〜継続中(2026年時点)
    ・課題→施策→成果:開発現場や社内対応の工数増加が課題。自社専用生成AI「ConnectAI」を全社展開し、プログラミング支援や社内問い合わせに活用。結果、全社で年間44.8万時間の業務削減を達成。

  • セブン銀行株式会社
    ・業種・規模:銀行業、従業員約1,000名(2026年時点)
    ・課題→施策→成果:サポートやヘルプデスク等の問い合わせ対応過多に対し、AIを活用した一次対応の効率化を推進。現場担当者の負担削減・効率化に取り組んでいます。(※導入時期・具体的な手法の詳細は公開情報をご確認ください)

iPaaS導入によるアカウント自動発行・削除の3ステップ

▲ iPaaS導入によるアカウント自動発行・削除の3ステップ

リソース不足を解消するアウトソーシングの活用と判断基準

PCキッティングやヘルプデスク等のノンコア業務は外注し、社内はIT戦略等のコア業務に特化すべきである。

2026年のアウトソーシングトレンドは、単なる人材派遣(SES)ではなく、キッティングから廃棄までをワンストップで代行する「LCM(ライフサイクル管理)サービス」や、夜間休日のセキュリティ監視を行う「マネージドEDR(MDR)」のような「デジタルBPO」の活用が主軸です。

【コア業務とノンコア業務の仕分け基準】

業務分類

具体的な業務内容

判断の理由

外注推奨(ノンコア業務)

PCのキッティング業務、ヘルプデスク一次対応、アカウント発行・削除、ハードウェア資産管理

手順が完全にパターン化されており、自社の高度な経営判断や個別技術知識が不要なため。

内製推奨(コア業務)

IT戦略の策定、ITガバナンス・セキュリティポリシー設計、システム要件定義、IT予算管理

自社のビジネスモデルや経営の根幹に関わり、他社へ切り出すことのできない最重要判断のため。



【やってはいけない!3大失敗パターンと回避策】

失敗パターン

原因

回避策

自動化の「ブラックボックス化」

RPAやiPaaSの設定フローを特定の担当者しか把握しておらず、エラー発生時に誰も修正できない。

導入前に業務フローの可視化と標準化を行い、フロー図と設定内容をチーム内で共有するドキュメントに残す。

丸投げによる「ベンダーロックイン」

業務プロセスが属人化したまま外部ベンダーに一任し、社内に運用ノウハウが一切残らなくなる。

まずは自社でマニュアルを整備し、手順が確立された定型業務(キッティング等)から段階的に切り出す。

外注先からの質問攻めによる「本末転倒」

自社ルールや例外処理の共有が不足しており、委託先からの質問対応で自社の工数がむしろ増加する。

本稼働前に「受け入れ準備期間(PoC)」を確保し、想定される例外や連絡体制、優先順位を明確に定義する。



【実名企業でのアウトソーシング成功事例】

  • 株式会社J-オイルミルズ
    ・業種・規模:食品製造、約1,000名(2026年時点)
    ・導入時期:2023年〜2024年
    ・課題→施策→成果:Windows 11一斉移行とMicrosoft 365導入プロジェクトにおける工数・ノウハウ不足。伴走型アウトソーシング「情シスSAMURAI」を導入。結果、プロジェクトを予定通りに完遂し、自社担当者の負荷を大幅削減。

  • 株式会社fundbook
    ・業種・規模:M&A仲介、約200名(2026年時点)
    ・導入時期:2024年〜継続中
    ・課題→施策→成果:担当者退職による情シス体制崩壊と属人化の不安。チーム体制のアウトソーシングサービスを導入。結果、意思決定は自社で行い、運用実務をチームで巻き取る体制を構築し、担当者はセキュリティ強化等のコア業務に集中。

情シスが内製すべき「コア業務」と外注すべき「ノンコア業務」の仕分け基準

▲ 情シスが内製すべき「コア業務」と外注すべき「ノンコア業務」の仕分け基準

ひとり情シスや少人数体制でパンクを防ぐマインドセット

「あの人しかわからない」属人化を断ち切るには、トラブル対応と同時にマニュアル化を行うドキュメント・ファーストの徹底が必要である。

少人数体制の情シスが繁忙期にパンクしないためには、ツール導入やアウトソーシングを「単なるコスト(経費)」として捉えるのではなく、「時間創出への投資(考える時間を買う)」という切り口で経営層への投資提案を行うことが有効です。「時間がないからマニュアルが書けず、外注も新人教育もできない」という負のスパイラルを断ち切るために、1回対応したトラブルはその場で簡易でもドキュメント化する「ドキュメント・ファースト」の思想を浸透させます。

また、自社の状況に合った現実的な解決策を導き出すために、以下の「企業規模別の対策分岐」を参考に、取るべきアプローチを最適化しましょう。

【企業規模別の効率化対策分岐フロー】

  • 従業員50名未満のフェーズ:セルフサービス化の徹底
    低予算で効果を出すために、Windows等の標準的なセルフサービスパスワードリセット(SSPR)の有効化や、簡易なFAQサイト構築に集中します。少人数の問い合わせは自己解決に誘導し、人的リソースを温存します。

  • 従業員50〜300名のフェーズ:SaaS管理・iPaaSによる自動連携
    SaaS管理プラットフォーム(SMP)やiPaaSを活用し、人事システムとID管理(アカウントの自動作成・削除)を徹底的に連携します。手作業によるライセンス管理や入社手続きの転記ミスをゼロにします。

  • 従業員300名超のフェーズ:デジタルBPO・LCMの完全外注
    PCのキッティング、資産管理、配送から廃棄にいたるライフサイクル管理(LCM)のプロセス全体、およびヘルプデスクの一次対応を外部ベンダーに全面委託し、自社の情シスはコア業務であるIT戦略、セキュリティ設計、AI推進にリソースを集中させます。

企業規模に応じた最適な情シス効率化アプローチ判断フロー

▲ 企業規模に応じた最適な情シス効率化アプローチ判断フロー

よくある質問

Q:情シス業務を効率化するための最も簡単な第一歩は何ですか?

A:最も容易なのは「よくある問い合わせ」のFAQ化です。パスワードリセットなど週に複数回発生する定型質問をFAQとして公開し、ユーザーが自己解決できる導線を作ることで、即座にヘルプデスクの工数を削減できます。

Q:アウトソーシング(BPO)を導入すると自社のノウハウが失われませんか?

A:自社で業務プロセスを可視化しないまま丸投げするとノウハウは失われます。まずは自社でマニュアルを作成し、手順が確立された定型業務(キッティング等)のみを段階的に委託することで、ノウハウ流失を防ぎながら業務負荷を減らせます。

Q:少ない予算でも導入できる効率化ツールはありますか?

A:Windowsに標準搭載されたセルフサービス機能や、既存のグループウェア(Microsoft 365等)の標準機能を活用した簡易な自動化・FAQ構築から始めるのが有効です。初期費用を抑えながら効率化の手応えを確認できるので、まずはそこから試してみてください。

まとめ

ソフトクリエイトの2026年調査によると、情シスが現在最も関心を寄せ、時間を割きたい業務の中に「情シス人材の育成・教育」が挙がっています。エンジニア・IT採用が極めて困難な現代において、ノンコア業務を外注や自動化ツールで削ぎ落とし、そこで浮いた時間を自社メンバーのITスキル底上げや教育の「成長の機会」に充てることが最大のメリットです。

明日から取り組める最初の一歩として、まずは本日、もっとも時間を取られた定型業務を1つだけピックアップし、その作業フローをマニュアルとしてテキスト化することから始めてみてください。小さな仕組み化の積み重ねが、繁忙期でも業務が回る、再現性のある体制づくりの第一歩になります。

✅ 今週中に取り組むアクションチェックリスト

  • ✅ 最も時間を取られている定型業務を1つ特定する

  • ✅ その作業フローをテキストでマニュアル化する

  • ✅ FAQ化できる問い合わせを3件リストアップする

  • ✅ SaaS管理ツールまたはiPaaSの無料トライアルを1つ申し込む

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina±Team

情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。

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