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※本記事は、ITコンサルタント・DX推進アドバイザーの資格を持つ編集部専門チームが監修しています。
近年、多くの企業でデジタル化(DX)が急速に進む中、「BtoBプラットフォーム」の導入が注目を集めています。しかし、この言葉には「企業間で行われる電子取引の仕組み全般(BtoB-ECやEDIなど)」という一般名詞としての意味と、国内最大手の株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム」シリーズという固有名詞の意味があり、混同されがちです。
さらに、2024年10月に実施された約30年ぶりの郵便料金値上げは、紙の請求書や領収書を郵送し続けている企業にとって、看過できない利益圧迫要因となっています。本記事では、情シス・経理部門の専門的視点から、BtoBプラットフォームの基礎知識、法改正や郵便料金値上げに伴う最新動向、発行側・受取側それぞれの具体的な導入メリット、そして実際の失敗事例に学ぶ対策までをわかりやすく解説します。自社のペーパーレス化と業務効率化を確実に成功させるための一助として、ぜひご活用ください。

BtoBプラットフォームとは?一般名詞と固有名詞の違い
本記事のポイント
BtoBプラットフォームは企業間取引をデジタル化し、郵送費削減と法対応を同時に解決できる。
一般名詞の「企業間取引システム」と、シェア最大のインフォマート社提供「BtoBプラットフォーム」は区別して理解しておきたい。
2024年10月の郵便料金値上げを契機に、紙の請求書からの電子移行は企業の最優先課題となっている。
取引先の未対応や社内フローのアナログ回帰といった「導入の失敗」は、郵送代行やワークフロー連携で回避できる。
一般名詞としてのBtoBプラットフォームは企業間の商取引を電子化するシステム全般を指し、インフォマート社の「BtoBプラットフォーム」はその代表的な電子取引サービスブランドです。
「BtoBプラットフォーム」という言葉を検討する際、まずは言葉の定義を正しく整理する必要があります。この用語には、以下の2つの意味が存在します。
1. 一般名詞としての「BtoBプラットフォーム」
企業間取引(Business to Business)における、発注、受注、請求、契約などの業務をオンライン上で完結させるためのITシステムやWebサービスの総称です。BtoB-EC(電子商取引)サイトや電子データ交換(EDI)システム、ビジネスマッチングサイトなどがこれに該当します。
2. 固有名詞としての「BtoBプラットフォーム」
株式会社インフォマートが提供する、国内最大級の企業間電子取引サービスのブランド名です。「BtoBプラットフォーム 請求書」や「BtoBプラットフォーム 受発注」など、各業務領域に特化したクラウドサービス群を展開しています。
本記事では、この両方の視点を踏まえ、企業間取引のデジタル化がもたらす価値と、具体的なサービス選定・導入手法について詳しく解説します。自社の検討対象が「電子取引の概念」なのか「特定製品の導入」なのかを整理して読み進めてください。
企業間取引のデジタル化(BtoB-EC)が必要とされる背景
企業間取引のデジタル化は単なる業務効率化にとどまらず、2024年以降の郵便料金値上げへの最も手っ取り早い防衛策がBtoBプラットフォームへの切り替えです。
近年、多くの企業が急速に電子取引への移行を進めています。経済産業省が2025年8月に発表した最新の市場調査報告書によると、2024年実績におけるBtoB-EC(企業間電子商取引)の国内市場規模は514.4兆円(前年比10.6%増)に達しました。また、EC化率は43.1%(前年比3.1ポイント増)を記録しており、日本国内の企業間取引の4割以上がすでにデジタル化されています。この急激な市場成長の背景には、主に以下の2つの要因があります。
【2024年10月~】郵便料金値上げによる直接的なコスト増
2024年10月1日、郵便料金が約30年ぶりに改定され、定形郵便が84円から110円(約3割増)に、ハガキが63円から85円に値上げされました。この改定により、毎月数百件から数千件の請求書や納品書、領収書を紙で郵送している企業にとって、郵便コストの急増は無視できない経営課題となっています。例えば、月間1,000通の請求書を発送している企業の場合、年間の切手代だけで約31万円のコスト増となり、印刷費や封筒代、人件費を含めると膨大な損失につながります。この郵送コストを直接的にゼロにする手段として、BtoBプラットフォームによる電子化の需要が爆発的に高まっています。
電子帳簿保存法・インボイス制度の定着と次のステップ
2023年10月のインボイス制度開始、および2024年1月の電子帳簿保存法(電子取引データ保存の完全義務化)を経て、企業は法令対応のためのシステム整備を完了したフェーズにあります。しかし、単にPDFファイルをメールに添付して送受信し、フォルダに保存するだけでは、真の業務効率化とは言えません。現在は、PDFを仲介しない「DtoD(Data to Data:会計データ同士がシステムを跨いで直接連携する仕組み)」や、国際標準規格「Peppol(ペポル)」に準拠した電子インボイスを活用し、仕訳から支払処理までを完全に自動化する「次のステップ」への移行が始まっています。
▲ 郵便料金値上げに対抗するための電子化移行3ステップ
株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム」シリーズの特徴
国内シェア最大のインフォマート社提供「BtoBプラットフォーム」は、日本の主要企業をつなぐ事実上の業界標準インフラです。
国内のBtoB電子化を牽引する代表的なサービスが、株式会社インフォマートの提供する「BtoBプラットフォーム」シリーズです。同社の最新公開データ(2026年6月時点)によると、シリーズ全体の利用企業数は1,296,460社(2025年8月に120万社を突破)にのぼります。これは日本の全企業(約368万社)の約3分の1に相当し、東証プライム上場企業の利用率は約99%という圧倒的な実績を誇ります。プラットフォーム内を流通する年間流通金額は71兆7,304億円(2025年度実績)に達しています。
同シリーズは、業務領域ごとに以下のラインナップを展開しており、これらを連携することで一貫したデータ処理を可能にしています。
BtoBプラットフォーム 請求書(利用企業128万社超)
請求書の発行・受取の双方をデジタル化する、シリーズ中最も高いシェアを持つ電子請求システムです(2026年時点で導入社数1,288,103社)。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応し、既存の会計システムや販売管理システムとシームレスにデータ連携できます。
BtoBプラットフォーム 受発注 / 契約書 / 見積書
受発注:飲食業やホテル業、卸売業などを中心に広く普及しており、発注作業と受注処理をWeb上で完結させ、誤発注の防止と在庫管理の最適化を実現します。
契約書:契約締結から保管までをWeb上で一元管理する電子契約サービスです。「脱ハンコ」による業務迅速化と印紙税削減をもたらします。
見積書:見積書の依頼、作成、提出、履歴管理をWeb上で完結させ、商談状況をリアルタイムで可視化します。
規格書 / 商談
規格書:食品業界に特化したサービスで、商品の成分情報、アレルギー情報、原産地情報などの「商品仕様書(規格書)」をデータベース化し、安全管理体制の構築を効率化します。
商談:食材卸や食品メーカー、バイヤーなどをつなぐビジネスマッチング機能を提供し、Web上での効率的な商談と仕入れルート開拓をサポートします。
BtoBプラットフォームを活用するメリット(発行側・受取側)
プラットフォームを活用した取引電子化で、発行側・受取側それぞれで削減できるコストと工数を整理します。
BtoB電子取引システムを導入する効果は、帳票を「送る側(発行側)」と「受け取る側(受取側)」で異なります。自社がどちらの業務に課題を抱えているかを明確にし、それぞれのメリットを理解することが導入成功の鍵となります。
発行側におけるメリット(送る側の価値)
印刷・封入・郵送コストの完全廃止:紙での発行にかかっていた資材代や郵便切手代が完全に不要となります。2024年10月の郵便料金値上げ以降、この削減インパクトはさらに大きくなっています。
発行リードタイムの極小化:システム上で作成・承認されたデータは即座に相手方に届くため、従来の郵送による「発送から到着まで中2〜3日かかる」といったタイムラグがゼロになります。
紛失や誤送リスクの防止:宛先ミスによる個人情報漏洩や、郵便事故による不達といった物理的リスクを排除できます。
受取側におけるメリット(もらう側の価値)
データ入力手間の削減と仕訳の自動化:PDFやCSVで届いた取引データをそのまま会計システム等に取り込めるため、手作業での転記ミスがなくなり、確認作業の手間が大幅に軽減されます。
月次決算の早期化:取引先からデータが即日届くことで、月初に集中していた請求書の回収・確認作業が分散され、財務状況の早期把握(月次締め日の前倒し)が可能になります。
社内ワークフローのデジタル化とテレワーク対応:届いた帳票に対する承認ルートをシステム上で構築できるため、「判子を押すためだけに出社する」必要がなくなり、完全なリモートワーク環境を構築できます。業務の効率化を強力に推し進めることができます。
▲ 発行側と受取側におけるBtoBプラットフォーム導入メリットの対比
主なBtoBプラットフォームの機能比較
自社に最適なシステムを選定するには、対象となる取引業務の範囲とシステム連携の互換性を軸に比較検討する必要があります。
企業間取引プラットフォームには、特定の帳票(請求書や契約書)に特化した専門的なシステムから、受注から請求までを一気通貫でカバーする総合型まで様々な製品が存在します。以下に、主要な電子取引システムの機能や特徴を比較表としてまとめました。
システム名 | 主な対象業務 | 主な特徴・強み | 法改正対応 | 他システム連携 |
|---|---|---|---|---|
BtoBプラットフォーム(インフォマート) | 請求書、受発注、契約書、見積書、規格書等 | 国内最大規模のシェア。129万社超のネットワークがあり、取引先と同じプラットフォーム上でデータ連携可能。 | インボイス・電帳法対応、Peppol準拠 | 主要な会計・販売管理システムと多数実績あり(API/CSV対応) |
マネーフォワード クラウド請求書 | 請求書、納品書、支払調書、電子保管など | マネーフォワードシリーズとの強力な連携。バックオフィスのSaaS一括管理に最適。API連携も充実。 | インボイス・電帳法対応 | マネーフォワードERP、その他外部API連携 |
楽楽明細(ラクス) | 請求書、納品書、支払明細、領収書の発行 | 帳票発行に特化。既存のレイアウトをそのまま再現しやすく、直感的に操作可能な使いやすさが強み。 | インボイス・電帳法対応 | CSVデータ連携推奨、各種販売管理連携 |
このように、単にコストを下げるだけでなく、すでに取引先が導入している割合や、自社で使用している基幹システムとの連携実績を多角的に評価することが、導入をスムーズに進めるポイントになります。
実際の導入・成功事例(サッポログループ物流、いわき市など)
先行して電子取引を導入した企業や自治体では、業務時間の削減やコストの半減など極めて高い実質効果が報告されています。
紙主体の業務プロセスをBtoBプラットフォームに移行させた実在の日本企業・自治体の事例を紹介します。それぞれの業種や規模に応じて、どのように課題を解決したかを参照し、自社の導入プランの参考にしてください。
事例1:福島県いわき市(自治体におけるDX推進の先駆例)
業種・規模:地方自治体(職員数 約3,000名)
導入時期:2025年1月導入(実証実験を経て本格稼働)
課題:年間10万件を超える膨大な紙の請求書処理による職員の業務負荷、手入力転記ミスによる差し戻しの多発、年間約100万円に上る紙の保管コストの発生。
施策:実証実験を通じて「BtoBプラットフォーム 請求書」を用いたオンライン受取を推進。
成果:1件あたり平均約18分かかっていた請求処理が約10分に短縮され、業務効率化を実証。市役所全体に普及させることで、年間約1万3,000時間の業務効率化につながると試算されています。
事例2:サッポログループ物流株式会社(請求書発行の電子化)
業種・規模:物流・倉庫業(全国1,000社以上の取引先)
導入時期:2022年導入
課題:取引先ごとにFAX、PDF、Excel、郵送などバラバラの手法で月700件近い請求書を手作業発行。毎月の月初4日間が請求書作業で完全に忙殺されていた。
施策:請求書発行業務のデジタルプラットフォーム化を推進。未対応の取引先に対しては郵送代行機能を併用。
成果:導入から2年弱で発行する請求書の9割を完全にデジタル化。紙の封入・郵送作業は実質ゼロになり、毎月の請求作業時間を半日から1日短縮することに成功しました。
事例3:株式会社弘益(家具の企画・製造・販売)
業種・規模:卸売・製造業(取引先2,000社以上)
導入時期:2016年導入
課題:取引先への郵送コスト、封入にかかる膨大な作業工数の圧縮。
施策:「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入し、仕入先および販売先との双方向で電子化の案内を展開。
成果:導入わずか4ヶ月で取引先の50%以上を電子化。郵送にかかっていたコストを50%削減し、印刷から発送にかかる作業時間を「5時間から1.5時間」へ大幅短縮しました。
BtoBプラットフォーム導入時のよくある失敗と対策
BtoBシステム導入における最大の障壁は取引先の協力拒否と社内のアナログ習慣であり、これを事前に組み込んだ運用設計が成功の前提です。
システムを導入するだけで簡単にデジタル化が進むわけではありません。実務で陥りがちな2つの代表的な失敗パターンと、その具体的な回避策を解説します。
失敗パターン①:取引先が登録してくれず、電子化率が上がらない
【原因】
BtoB取引では、自社だけでなく取引先にも同じプラットフォームにアカウントを登録(あるいはWeb画面での受け取り操作)してもらう必要があります。しかし、取引先からすると「自社の都合で面倒なシステム登録を強要された」と受け取られ、協力を拒まれて結局郵送を続けざるを得なくなるケースが多発します。
【対策】
インフォマート社などが提供する「郵送代行サービス」を必ず併用してください。自社からは電子データをシステムにアップロードするだけで、システム提供会社が自動的に紙に印刷して封入・郵送してくれる仕組みです。これにより、自社側の作業は100%デジタルに一本化され、郵送コストを考慮しても大幅な人件費削減を達成できます。
失敗パターン②:社内の「紙と判子の承認フロー」が残り、二度手間になる
【原因】
請求書は電子データで届くようになったものの、社内の支払申請や決裁稟議が「画面から印刷した紙の請求書に上司がハンコを押す」というアナログ運用のまま放置されてしまうケースです。これにより、電子化のメリットが打ち消され、単に「紙を自社で印刷するコストが増えただけ」という形骸化を招きます。
【対策】
システムの選定・構築時に、プラットフォーム内部にある「ワークフロー機能(電子承認)」を同時に設計・有効化する必要があります。また、組織規模に合わせて以下のような導入分岐を意識することが重要です。
【50名未満の企業】:複雑なルートは設定せず、システム上での簡易な「2段階承認(担当者→決裁者)」にとどめ、スピードを優先します。
【50〜300名の企業】:部門別のフォルダやアクセス権限を設定し、部門長が承認した後に経理部門に回るフローをシステム内に構築します。
【300名超の企業】:既存の独立した稟議システム(ワークフローSaaS)が存在することが多いため、プラットフォームと社内ワークフロー、そして基幹会計システムをAPI連携させ、シームレスな自動データ連携を構築します。
▲ 取引先の対応状況に応じた、電子化率100%を達成するための意思決定フロー
よくある質問(FAQ)
導入前に多く寄せられる疑問を以下でまとめて解説します。
導入検討中の企業からよく寄せられる代表的な質問と回答を解説します。
Q:BtoBプラットフォームを導入する際、取引先のセキュリティ審査は通過できますか?
A:インフォマート社等の主要なBtoBプラットフォームは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマーク等の国際規格・第三者認証を取得しており、金融機関等でも採用されています。また、暗号化通信や不正アクセス防止策が標準で施されているため、大企業の厳しいセキュリティ基準も十分にクリア可能です。
Q:Peppol(ペポル)や電子帳簿保存法に対応していますか?
A:はい、対応しています。「BtoBプラットフォーム 請求書」などは電子帳簿保存法の要件を満たした「JIIMA認証」を取得しているほか、日本におけるデジタルインボイスの標準規格である「Peppol(ペポル)」にも完全準拠しています。これにより、将来的なデータ直接送信(DtoD)も視野に入れた最新の法令対応が可能です。
Q:ITリテラシーの低い取引先に対して、どのように電子化への移行を案内すればよいですか?
A:まずは取引先に対して「登録にかかる費用は無料であること」や「受け取るだけであればシンプルなWebブラウザ操作のみで済むこと」を丁寧に説明します。また、システム提供会社が用意している登録マニュアルや、移行手続きの代行説明会、専用サポート窓口などを積極的に活用し、自社だけの負担ではなくベンダーのリソースを頼るのが最も効果的です。
まとめ
企業間取引のデジタル化は、2024年の郵便料金値上げへの有効な対策であり、2026年以降のビジネスの前提条件になりつつあります。まずは自社が毎月「何枚の紙の帳票(請求書や契約書)を発行・受取しているか」のボリュームと、それに伴う郵便費用・人件費を棚卸しすることから始めてみましょう。削減可能な具体的な数値が見えてくれば、最適なプラットフォーム選びと導入ステップが自ずと明確になります。自社のペーパーレス化とDXを今すぐ前進させましょう。
✅ 月間の紙帳票発行枚数と郵便コストを集計した
✅ 主要取引先がすでに使っているプラットフォームを確認した
✅ 自社の会計・販売管理システムとの連携可否を確認した
✅ 郵送代行サービスの要否を検討した
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監修
Admina Team
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