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DLPとは?情報漏洩を防ぐ仕組みから機能、製品の選び方まで徹底解説

DLPとは?情報漏洩を防ぐ仕組みから機能、製品の選び方まで徹底解説

DLPとは?情報漏洩を防ぐ仕組みから機能、製品の選び方まで徹底解説

DLPとは?情報漏洩を防ぐ仕組みから機能、製品の選び方まで徹底解説

DLPとは?情報漏洩を防ぐ仕組みから機能、製品の選び方まで徹底解説

最終更新日

2025/12/08

近年、企業の重要データが外部に流出する情報漏洩インシデントが後を絶ちません。このような脅威から組織の機密情報を守るために注目されているのが「DLP(Data Loss Prevention)」です。

本記事では、DLPの基本的な仕組みから、なぜ今DLPが重要視されるのか、具体的な機能、製品の種類と選び方のポイントまで、網羅的に解説します。

DLPとは

DLPとは、組織が定めた重要データの中身を監視し、ルールに違反する操作を検知して自動的にブロックする、データ損失防止のためのセキュリティソリューションです。従来のファイアウォールなどが主に外部からの不正な通信を防ぐことを目的としているのに対し、DLPはデータの中身そのものを検査する点が特徴です。

データの中身を検査することにより、許可されていない個人情報や顧客リスト、開発中のソースコードといった機密情報が組織の外へ送られようとする動きを、送信元が内部の人間であっても防ぐことが可能です。

シャドーITの検知はCASB?SMP?

情シスの管理外で利用される「シャドーIT」は、情報漏えいや不正アクセスなど重大なリスクを招く可能性があります。本ホワイトペーパーでは、シャドーITが生まれる背景や放置によるリスク、そして具体的な可視化・対策方法を事例を交えて解説。社内のSaaS利用状況を正しく把握し、安全で効率的なIT運用を実現するための第一歩となる内容です。

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DLPが情報漏洩を防止する仕組み

DLPは、以下の3つのステップで情報漏洩を防止します。

1. データの識別・分類(ディスカバリ)

まず、組織内のどこに、どのような重要データが存在するのかを特定します。個人情報、顧客リスト、開発中のソースコード、財務情報などを、キーワード、正規表現、フィンガープリント(データ断片のハッシュ値)といった技術を用いて自動的に識別・分類し、「保護すべき対象」を明確にします。

2. ポリシーに基づいた監視

次に、「誰が」「どのデータを」「どのように扱ってよいか」というセキュリティポリシー(ルール)を設定します。例えば、「人事部の社員だけが個人情報にアクセスできる」「財務情報は暗号化せずに社外へメール送信できない」といったルールです。DLPはこのポリシーに基づき、ネットワーク上や個々のPC(エンドポイント)でのデータ操作を常時監視します。

3. 違反行為の制御・ブロック

ポリシーに違反する操作が検知されると、DLPはリアルタイムでその操作をブロックします。具体的には、機密情報を含むメールの送信を中止させたり、USBメモリへのデータコピーを禁止したりします。同時に、管理者へアラートを通知し、インシデントの発生を知らせます。

DLPが重要視される理由

DLPが重要視される背景には、主に以下の3つの要因があります。

テレワークやクラウドサービスの普及

テレワークの常態化や、Microsoft 365、Google Workspaceといったクラウドサービス(SaaS)の利用拡大により、企業の重要データが社内ネットワークの外に置かれることが当たり前になりました。そのため、場所を問わずデータを保護できるDLPのようなソリューションが必要となっています。

内部不正やヒューマンエラーによる漏洩リスクの増大

情報漏洩の原因は、外部からのサイバー攻撃だけではありません。IPA(情報処理推進機構)の調査でも、退職者による機密情報の持ち出しといった内部不正や、メールの誤送信、PCの置き忘れといったヒューマンエラーが常に上位を占めています。DLPは、このような内部からのデータ持ち出しや意図しない情報漏洩を防ぐ上で非常に効果的です。

標的型攻撃など外部からの脅威の巧妙化

特定の組織を狙って機密情報を盗み出す標的型攻撃は、年々巧妙になっています。攻撃者は、マルウェア(ウイルス)を使って従業員のPCを乗っ取り、内部からデータを外部へ送信しようと試みます。DLPは、たとえマルウェアによる操作であっても、機密データが外部に送信される動きを検知し、最終的な情報流出を食い止める役割を果たします。

SaaSという情報資産をISMSでどう管理するか

クラウドサービスの利用拡大により、SaaSも今や重要な“情報資産”の一つとなりました。本ホワイトペーパーでは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の観点から、SaaSをどのように識別・分類・管理すべきかを具体的に解説。台帳整備やリスクアセスメント、運用プロセスの設計まで、実践的な管理手法を紹介します。ISMS担当者・情シス必読の内容です。

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DLPと他のセキュリティ対策との違い

DLPはデータの中身に焦点を当てる点で、その他のセキュリティ対策と異なります。ファイアウォールやEPP/EDRなどが通信経路やデバイスを保護するのに対し、DLPはデータそのものを保護対象とします。それぞれのソリューションは守備範囲が異なり、組み合わせることで多層的な防御が実現します。

セキュリティ対策

保護対象

主な目的

DLP

データの中身

機密情報の特定と、不正な送信・持ち出しの防止

ファイアウォール/UTM

ネットワーク通信(境界)

外部からの不正なアクセスや通信のブロック

WAF

Webアプリケーション

Webサイトの脆弱性を悪用した攻撃からの保護

EPP/EDR

エンドポイント(PC/サーバー)

マルウェア感染の防止と、感染後の検知・対応

CASB

クラウドサービス利用

クラウド上のデータの可視化と制御、脅威防御

DLPの主な機能

DLP製品には、主に「データの識別・分類機能」「監視・制御機能」「検知・通知機能」「レポート機能」という4つのコア機能が備わっています。

これらの機能が連携することで、組織内のどこに重要情報があるかを把握し、その情報がどのように扱われているかを監視し、ルール違反があれば即座に対応し、事後的に監査・分析するという、情報漏洩対策の一連のプロセスを実現できます。

機能分類

概要

具体的な機能例

データの識別・分類機能

組織内のどこに重要データが存在するかを特定し、ラベリングする。

・キーワード検索
・正規表現(マイナンバー、クレジットカード番号など)
・フィンガープリント(完全一致/部分一致検知)

監視・制御機能

設定したポリシーに基づき、データのあらゆる操作を監視し、違反行為を制御する。

・メール/Web通信の監視・ブロック
・USBメモリなど外部デバイスへのコピー制御
・印刷の制御
・アプリケーションへのアップロード制御

検知・通知機能

ポリシー違反を検知した際に、管理者やユーザーにリアルタイムで通知する。

・管理者へのアラートメール送信
・ユーザーへの警告ポップアップ表示
・SIEM製品との連携

レポート機能

監視ログや違反イベントを集計・分析し、監査やポリシー見直しのためのレポートを作成する。

・インシデントレポート
・データ操作の監査ログ
・ポリシー違反の統計分析

DLP製品の種類

DLP製品は、監視する対象領域によって主に「ネットワーク型」「エンドポイント型」「クラウド型」の3種類に分類されます。

それぞれ得意とする監視領域が異なるため、自社のIT環境や保護したいデータの保管場所に応じて、最適なタイプの製品を選択、あるいは組み合わせて利用することが重要です。

各タイプのDLPの特徴とメリット・デメリットは以下の通りです。

ネットワーク型DLP

社内ネットワークと外部インターネットの出入り口(ゲートウェイ)に設置し、ネットワーク上を流れるすべての通信を監視するタイプのDLPです。

メリット

  • 組織全体の通信を一元的に監視できる。

  • 個々のPCにエージェント(監視ソフト)を導入する必要がないため、導入・管理が比較的容易。

デメリット

  • 暗号化された通信(HTTPSなど)の中身を監視するには、別途復号する仕組みが必要。

  • 社内ネットワークを経由しない通信(例:カフェのWi-Fiからクラウドへのアップロード)は監視できない。

  • USBメモリへのコピーなど、オフラインでのデータ持ち出しは防げない。

エンドポイント型DLP

従業員が使用するPCやサーバーなどの端末(エンドポイント)にエージェントを導入し、端末内でのデータ操作を直接監視するタイプです。

メリット

  • オンライン・オフラインを問わず、あらゆるデータ操作(USB、印刷、Webアップロードなど)を監視・制御できる。

  • テレワークなど、社員が社外でPCを利用する場合でも保護が可能。

デメリット

  • 監視対象となるすべての端末にエージェントを導入・管理する必要があり、運用負荷が大きい。

  • エージェントがPCのパフォーマンスに影響を与える可能性がある。

  • スマートフォンやタブレットなど、エージェントを導入できない私物端末(BYOD)は保護できない。

クラウド型DLP

Microsoft 365やSalesforceなどのクラウドサービス上のデータを監視・保護するタイプです。CASB(Cloud Access Security Broker)に分類される製品は、こちらの機能を提供しているケースが一般的です。

メリット

  • クラウドサービスに特化したきめ細やかな制御が可能。

  • 物理的なサーバーの設置が不要で、スピーディに導入できる。

デメリット

  • 保護対象が特定のクラウドサービスに限定されることが多い。

  • 社内サーバーやPC上のデータは保護対象外となる。

近年では、これらの機能を統合したハイブリッド型のDLP製品も増えてきています。

DLPを導入する際の選び方

DLP導入を成功させるには、目的を明確にし、自社の状況に合った製品を慎重に選定することが最も重要です。多機能な製品が必ずしも最適とは限らず、運用が形骸化しないように計画的に進める必要があります。

1. 導入目的と保護対象を明確にする

まず、「何を」「何から」守りたいのかを具体的に定義します。「個人情報を守りたい」「技術情報が競合に流出するのを防ぎたい」「メールの誤送信をなくしたい」など、目的によって優先すべき機能は異なります。

2. 必要な機能と製品タイプを検討する

目的が明確になったら、それを実現するために必要な機能(例:マイナンバーの検知機能、Webアップロードのブロック機能)を洗い出します。また、保護対象データが主にどこにあるか(社内サーバーか、クラウドか、各PCか)を考慮し、前述の「ネットワーク型」「エンドポイント型」「クラウド型」から最適な製品タイプを選びます。

3. 既存システムとの連携性を確認する

すでに導入しているセキュリティ製品やIT資産管理ツール、ID管理システムなどとスムーズに連携できるかを確認します。連携によって、より高度なセキュリティ対策や効率的な運用が実現できる場合があります。

4. 運用負荷とサポート体制を評価する

DLPは導入して終わりではなく、継続的な運用(ポリシーのチューニング、アラートの分析など)が必要です。自社の情報システム部門の体制で無理なく運用できるか、また、導入時や運用時にベンダーや販売代理店からどのようなサポートを受けられるかを確認しましょう。

5. スモールスタートと段階的な導入を検討する

最初から全社的に厳格なポリシーを適用すると、業務に支障が出たり、従業員から反発を招いたりする可能性があります。まずは特定の部署や特定のデータに限定して導入し(スモールスタート)、効果を見ながら段階的に対象を拡大していくアプローチが有効です。

まとめ

本記事では、DLPとは何か、その基本的な仕組みから重要性、機能、そして自社に合った製品の選び方までを詳しく解説しました。

DLPは、テレワークやクラウド化が進む現代において、企業の情報資産を内部・外部の多様な脅威から守るための強力なソリューションです。情報漏洩対策は一つの製品だけで完結するものではありませんが、データそのものに着目するDLPを対策の軸に据えることで、より堅牢なセキュリティ体制を構築する第一歩となるでしょう。

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

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