HC
Admina Team
2024/04/19
最近、ビジネスの現場で頻繁に聞くようになった「クラウドサービス」。その中でも特に注目を浴びているのが、全世界多数の企業や組織で利用されている「Microsoft Azure(アジュール)」です。しかし、具体的な機能や料金、利用するメリットについて全て知っている方は案外少ないかもしれません。
この記事では、Microsoft Azureの全貌を解明し、あなたのビジネスにどのように活用できるかを考えてみましょう。
Microsoft Azureとは
Microsoft Azure(アジュール)はマイクロソフト社が提供するパブリッククラウドプラットフォームであり、膨大なサーバーが設置された強力なWANバックボーンを持つ世界55拠点のデータセンターからサービスを展開しています。
日本国内では東日本と西日本の2拠点から、企業や個々のユーザーへとサービスを提供しています。 この"クラウド"とは、マイクロソフトが運営するこれらの巨大なデータセンターの一部を、利用者に提供するサービスのことを示しています。つまり、ユーザーは自社でサーバーなどを運用・管理する必要なく、必要な時に必要なものだけ利用することができます。
また、Microsoft Azureが提供するプラットフォームは、一般的に「IaaS」(基盤となるインフラを利用)と「PaaS」(プラットフォーム自体を利用)の2種類に分類され、これらはクラウドサービスの提供者であるMicrosoft社とユーザーとの間で、管理負担を分担することが可能です。
Azureが提供するサービス形態とは
Microsoft Azureは、クラウドサービスの一角を担う業界の大手企業です。
一般的にクラウドのサービス形態は、IaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)の3種に分類されます。Azureはこれらの中で、IaaSとPaaSを提供しています。
IaaSではインフラストラクチャーを、PaaSでは開発や運用のプラットフォームを、それぞれ提供し業務の効率化を実現します。それぞれの機能について、改めて深掘りしてみましょう。全てはお客様のビジネスの成功のため、Azureが最適なサービスを提供しています。
IaaSとは
IaaSは、マイクロソフト社のAzureが提供するクラウドサービスで、仮想化マシンをインターネット経由でクラウド上に作成し、利用するサービス形態を指します。このシステムにより、利用者は仮想マシンのOS以上の管理を自身で行い、仮想化レイヤーより下の全体的なインフラ管理はマイクロソフト社が責任を持って請け負います。これにより、企業はシステムの導入や運用をよりシンプルにして業務効率化を図ることができます。
PaaSとは
PaaSは、仮想マシンのOSも含め、アプリケーション開発に必要なプラットフォーム全体をクラウドサービスとして提供するもので、 Azureなどのクラウドサービスプロバイダーがその運用・管理を担当します。
企業がPaaSを利用することで、自社でのシステム設計や運用負荷が大幅に軽減されます。アジャイル開発やDevOpsに適した環境も提供され、ビジネスのスピードを上げるための支援を受けられます。しかし、システムがAzureの提供するPaaSの機能(種類)に依存するため、それらを理解し適切に選択することが重要です。
Azureを利用するメリットとは
それでは、Amazon AWSやGoogle Cloud Platformなど他にもパブリッククラウドのサービスがある中で、「Microsoft Azure(アジュール)ならではの強み」についてご紹介します。
一番の魅力は、Microsoftのエコシステムとの深い関連性です。すでにOffice365やOutlookなどMicrosoftの製品を企業内で利用している場合、それらとAzureがシームレスに連携し、利便性と効率性が格段に高まります。また、Azureは全世界にデータセンターを展開し、そのスケールの大きさからコストパフォーマンスにも優れています。
更に、Microsoftが提供する豊富なサポートや教育プログラムもAzureの強みの一つです。
強大なネットワーク
Azureを利用する一連のメリットの中で、特筆すべき点は強大なネットワークです。
世界中に60以上のリージョンで構成されたAzureデータセンターが拡張され、140ヵ国以上でサービスが提供されています。これらが連携するネットワークは、他のクラウドサービスと比較できないほどの強力さです。この信頼性の高いネットワークを経由して、リージョン間のデータ通信が円滑に行われるのです。 さらに揚げ足取るなら、このMicrosoftのバックボーンネットワークは、Microsoft 365へのアクセスにも活用できます。
VDI on Azure環境からMicrosoft 365上の大容量ファイルへも、迅速にアクセスが可能となります。これが示しているのは、Azureの優れたネットワークによる立体的なデータアクセスが、複雑な業務環境でもリアルタイムに成果を出せるソリューションを提供してくれるということです。
オンプレミス連携
Microsoft Azureの大きな特徴は、全サービスをクラウドに完全移行することを必要としない点にあります。
従来通り全てをクラウドへ移行する"フルクラウド"を選ぶことも、一部はオンプレミスのまま維持しつつ一部をクラウドで運用する "ハイブリッドクラウド"を選ぶことも可能です。
以前のシステムを保つことで安定性を確保しつつ、新たなクラウドサービスを利用することで進捗と柔軟性を確保できます。これにより、組織のニーズや状況に応じた最適なクラウド移行を実現できるのがMicrosoft Azureの魅力です。
セキュリティ
Azureを利用するメリットの一つが、その強力なセキュリティ体制です。Microsoft Azureは、コンプライアンス対策やネットワークセキュリティ対策といった業界標準のセキュリティフレームワークを備えています。
脅威はデータセンターの外だけでなく、内部の悪意のあるオペレーションによっても発生します。しかし、Azureデータセンター自体には「入館者の制限」「多層のセキュリティゲート」「自動化による人為的作業の削減」といった安全対策があり、適切に防御できます。
更に、常に最新の脅威に対応するアップデートが行われています。これらはオンプレミス環境では高いハードルとなるものですが、Azureならクリック一つでこれらの対策をすることが可能です。これらはAzureが提供するセキュリティのメリットです。
コストメリットが高い
Azureを利用する最大のメリットは、確実にコストパフォーマンスが高いという点です。
スケーラブルなクラウドプラットフォームであるAzureは、オンデマンドで使用できるので、必要な分だけの利用料を支払うだけでいいので、余計なコストを削減することが可能です。
また、Azureを使用する際には、既にオンプレミスで利用しているライセンスを適用できるので、ライセンス購入のコストを削減できます。更に、Azureは様々な特典も用意されており、マルチテナント環境・長期的な利用に対する割引など、ユーザーに合わせた柔軟なサービスプランが用意されています。
これらを活用することで、一層のコストパフォーマンスの良さを実感することができます。これら全てがAzureのコストメリットを大いに高めています。
日本の法律が適用/パートナーの力を借りられる
Azureの利用には大きなメリットがあります。
第一に、Azureは日本の法律を準拠法とし、裁判の管轄も東京地裁であるため、日本を拠点とする企業の方は安心して利用できます。
つまり、法律問題や紛争が生じた場合でも国内の法律で対応できるという安心感があります。
また、AzureはマイクロソフトのパートナーであるCloud Solution Provider(CSP)から購入するため、請求書は日本円表記で、為替変動の影響を受けることなく一定コストで利用が可能です。さらに、CSPにはクラウドに関するノウハウが豊富にあり、自社のリソースだけで導入や運用をする必要がなく、CSPが提供するサービスを活用することで、クラウド活用がスムーズに進みます。
これらのメリットは、Azureを利用する日本の企業にとって大きな魅力となるでしょう。
詳細はこちら
Microsoft Azureの料金体系とは
Microsoft Azureの料金は、利用したサービスの種類と時間により変動します。
固定料金ではなく、例えば、仮想マシンを使用した場合、利用容量と利用時間で料金が決定します。
また、ストレージやネットワークの利用料は、それぞれの保存データ量や送信データ量に比例して増えます。さらに、有償サポートのオプションを付けると、利用件数に応じて料金が増えるシステムになっています。
Azureを低料金で利用するには、不必要な仮想マシンを停止させ、不要なデータを外部に保存するなど、効率的に利用する必要があります。つまり、Azureの料金体系は「必要なものを必要な分だけ使う」という原則に基づいています。これがAzureをコストを効率的に運用するコツといえるでしょう。
おすすめのAzure機能とは
Microsoft Azure(アジュール)は、PaaS・IaaS・Security&Management・Hybrid Operationsの4つの分野で250以上のサービスを展開している実力派です。
その中でも特におすすめの機能の中には、具体的な用途や目的に対応してよく利用されるものがあります。 まず、PaaS(Platform as a Service)の一環として注目すべきは、WebサービスやAPIの開発・運用を効率化する「App Service」です。
また、IaaS(Infrastructure as a Service)では、物理的な負荷を気にせずクラウド上でのITインフラを実現できる「Virtual Machines」が利用価値が高いです。 セキュリティ面では、「Azure Security Center」がおすすめです。
一元的な管理を可能とするこの機能により、セキュリティ状況の確認から攻撃の防止までを一手に行えます。
リモートワーク・在宅勤務向き
急激に広がるリモートワーク時代。Microsoft Azureの機能はまさに在宅勤務を圧倒的に支えるツールです。その中でもおすすめなのが「Azure Virtual Desktop」です。
自宅のPCからクラウド上のデスクトップを安全に利用できるため、実質的にどこからでも作業が可能となります。更に、個々のデバイスのセキュリティ対策も不要で、IT部門の負担軽減にも繋がる優秀な機能です。また、「Azure AI」と「Azure Bot Service」によるAIとチャットボットの機能は、自動化とコミュニケーションの円滑化に役立ちます。
Azure Virtual Desktop
リモートワークや在宅勤務を実現するために必要なツールの一つとして、マイクロソフト社が提供しているAzure Virtual Desktop(AVD)が注目を集めています。
AVDはVDI(Virtual Desktop Infrastructure)サービスで、Microsoft Azureの管理画面を通じて多機能なデバイス管理が可能です。
これにより、従来面倒でコストがかかっていた管理コンポーネントのメンテナンス業務を軽減することができます。
また、AVDでは「マルチセッション」機能を用いて複数人でリソースを共有できるため、業務の効率化とコスト削減に貢献します。テレワークの普及や、従来型のオンプレミスVDIからの移行ニーズの高まりとともに、AVDの導入が進んでいます。
Windows 365
リモートワークや在宅勤務が一般化する昨今、その作業をサポートするAzureの新機能、Windows 365 をご紹介します。
2021年夏に発表されたWindows 365は、AzureからWindowsのPC環境を提供する世界初のSaaSソリューションです。この新機能は「クラウドPC」と呼ばれ、月額固定料金で手元の端末からAzure上に構築されたWindows 10、またはWindows 11環境に接続できます。
構成はAVD(Azure Virtual Desktop)に似ていますが、Windows 365はその機能や管理面でシンプルさが際立ちます。これにより、導入や運用管理を楽にしたい、手軽に導入したいと考えている中小企業でも現実的に利用できるメリットが大きいです。
ウイルスの影響下で求められるリモートワーク・在宅勤務のニーズに応え、Windows 365の導入を検討する企業が増えています。
アプリケーションを作成したい方向き
次に、アプリケーションを作成したい方に特におすすめするAzure機能についてご紹介します。
まず挙げられるのが「Azure App Service」です。このサービスでは、C#、PHP、Node.jsなど多様な言語を利用してアプリケーションを作成することが可能です。
自動スケーリングやパフォーマンス管理といった豊富な機能があり、手軽に各種アプリケーションの開発から運用までを一元的に管理できます。 次におすすめするのは「Azure Functions」です。これはサーバーレスアーキテクチャを非常にシンプルに扱えるサービスで、処理負荷を気にすることなく機能の実装に集中することができます。
そして「Azure Logic Apps」は、面倒なコーディング無しにシステムを連携することが可能なので、独自のビジネスロジックの開発がより簡単になります。これらAzureの機能を駆使して、多様で効率的なアプリケーション作成に挑戦してみてください。
Azure App Service
アプリケーションの作成を考えているなら、「Azure App Service」の強力なサポート機能に注目すべきです。この機能は短時間でのアプリ作成を可能にするPaaS (Platform as a Service)で、WebアプリやAPIを迅速に構築、デプロイ、そしてスケールアップするのに役立ちます。
このAzure App Serviceの特徴の一つとして、多様な言語やフレームワークに対応している点が挙げられます。
これによりエンタープライズ向けのwebアプリからモバイルアプリまで、あらゆるニーズに応じたアプリケーションの作成が実現可能です。時間とコストを大幅に削減できる画期的な機能をぜひ活用してみてください。
Azure Functions
アプリケーション開発を手軽に始めたい方には、Azure Functionsがオススメです。あらゆるコード(関数)をサーバレス環境で扱うことが可能な画期的なサービスで、C#、JavaScript、F#、Java、Python、PHP、TypeScript、そしてバッチ(.cmd、.bat)、Bash、PowerShellまで、様々なプログラミング言語に対応しています。 また、Azure Functionsを導入することで、例えば画像がストレージに格納された際に自動でメールを配信するといった機能も簡単に実装することができます。これにより、開発者は困難な設定や管理から解放され、よりクリエイティブな作業に集中できます。
5分でわかるAdmina Device倉庫プラン
詳細はこちら
仮想化基盤(VMware vSphere環境)をクラウド化したい方向き
「Azure VMware Solution」をご紹介します。これは、Microsoft Azureの中でVMware vSphere環境を運用できるサービスです。既存のVMwareベースのワークロードをそのままクラウドに持ち込むことが可能で、オンプレミスのVMware環境と一貫した運用体験を提供します。既存のスキルとツールを最大限に活用できるため、仮想化基盤をクラウド化したいと考えている方々におすすめです。
AVS
Azure VMware Solution(AVS)は、クラウド基盤としての要素を利用したい方に最適なAzure機能です。このサービスを通じて、既存のオンプレミスのVMware vSphere、vSAN環境をvMotionを活用して無理なくAzureに移行することができます。しかもIPの変更をすることなく、Azure上での運用管理を実現します。この移行をあっさりと実現する該当機能はマイクロソフト社が提供しているため、サポート体制についてもVMwareからマイクロソフトに一元化し、サポート面でも安心感を提供します。
ファイルサーバーをクラウド化したい方向き
ファイルサーバーをクラウド化したい方向けにそのニーズに応えてくれる機能をご紹介します。Azureには多数の有用な機能が存在しますが、なかでも「Azure File Sync」は強くおすすめできます。これはローカルのファイルサーバーとAzureのクラウドストレージを連動させ、データの同期やバックアップを自動で行える機能です。
Azure Files
「ファイルサーバーをクラウド化したい」と考えている方は、Azure上で提供されるサービス「Azure Files」の利用を是非ご検討ください。Azure Filesは、どのOSからでもインターネット経由でアクセスできる万能なファイル共有サービスです。これは、遠隔地からの同時アクセスを可能にし、ビジネスの効率化に貢献します。その上、Azure FilesはSMB(Server Message Block)プロトコルを使用しています。
Azure File Sync
ファイルサーバーのクラウド化を検討する中で必須のAzure機能:Azure File Syncに注目したいと思います。Azure File Syncは、Windowsサーバー上の任意のフォルダや共有フォルダをAzure Filesファイル共有と同期することができる優れたサービスです。これにより、場所を問わずに同じファイルを取り扱うことができます。 Azure File Syncの重要な機能は、さまざまな種類のファイルサーバー(オンプレミスサーバーやクラウドサーバーも含む)とAzure Filesをシームレスに同期することです。このサービスを利用することで、Windows ServerとAzure Filesが連携して、それぞれが持つ機能面での不足点を補完し合うことができます。Windows Serverの強力な機能とAzure Filesのクラウド特性の融合により、より効率的なファイル管理が可能となります。Azure File Syncは、具体的なファイルサーバークラウド化の解決策を提供する最適な選択と言えるでしょう。
BCP/DR対策をしたい方向き
ビジネスの継続性を保つため、BCP/DR対策は必要不可欠です。その際、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure」の高度なバックアップ機能を活用することがおすすめです。Azureでは、システム全体のバックアップと復元が可能であり、障害時でも迅速にシステムを復元できます。また、AzureのGeo-replicationにより、データは地理的に分散された複数地点で保管され、災害時におけるリスク管理が行えます。さらにパブリッククラウドの強みを生かした災害対策が可能で、物理的な設備投資や運用負荷を軽減します。
Azure Backup
企業がデータ損失の影響を最小限にするためのBCP(事業継続計画)/ DR(災害復旧)対策に注目が集まっています。その一環として、Azure Backupをおすすめします。Azure Backupは、Azureが提供するPaaSのバックアップ・リストアサービスで、保存先を気にすることなく確実にデータをバックアップできます。しかも、IaaS VMやAzure VM内のデータだけでなく、オンプレミスのVMやファイルなどもバックアップが可能です。このようにAzure Backupはあらゆる環境でのデータ保護を可能にします。更に、エージェントを導入する必要がないエージェントレスバックアップも可能で、使い勝手も一層向上します。
Azure Site Recovery
BCP/DR対策が必須となる現代、その実現にはますます進化するクラウドテクノロジーが欠かせません。私たちが特におすすめするのが、Microsoftのクラウドサービス"Azure"の中の"Site Recovery"機能です。この機能は、障害発生時の即時復旧を可能にする先進的なディザスタリカバリーソリューションです。これにより、データセンター、仮想マシン (VM)、そして物理サーバーに至るまで幅広い環境に対応できます。ネットワーク遅延を最小限に抑え、データ損失のリスクを大きく減らすことができます。
SSO(シングルサインオン)や認証を実現したい方向き
現代のビジネス環境では、数多くのシステムやアプリケーションが必要となりますが、その都度ログイン情報を入力するのは手間のかかる作業です。そこでおすすめしたいのが、Microsoft AzureのSSO(シングルサインオン)機能です。SSOを導入することで、一度のログインで複数のシステムやアプリケーションを利用できるようになり、効率化を実現します。 また、Azureは認証機能も強化しており、二段階認証や条件付きアクセスなど多様なセキュリティ対策を提供しています。これらの機能により、特定の条件下でユーザーを認証することが可能となり、情報漏洩のリスクを防ぐことができます。
Microsoft Entra ID (旧称 Azure AD)
IT戦略の中核となるSSO(シングルサインオン)や認証機能の解決策として注目されているのが「Microsoft Entra ID (旧称 Azure AD)」です。Microsoft Entra IDは、クラウドアプリケーションのシングルサインオン、二要素認証などを通じて強固な認証体系を構築します。また、オンプレミスのActive Directory(AD)との連携を図ることで、パスワードの同期ができます。 さらに、Microsoft Entra IDは、セキュリティ対策としてリスクのあるログインを制限するあらゆる機能を提供します。その中でも、特定のIPアドレスや端末からのアクセス制限、パッチ未適用の端末からのログイン制限、特定の場所からのログイン制限などが可能です。これらの機能を駆使することで、セキュリティ強化と利便性向上を両立することが可能です。 既にMicrosoft 365を導入している企業にとっては、Microsoft Entra IDは身近な存在でしょう。
セキュリティを強化したい方向き
セキュリティを強化したい方におすすめのAzure機能についてご紹介します。まず第一に挙げられるのは、Azure Security Centerです。この機能は、Azureだけでなく他のクラウド環境も含めたセキュリティ管理が可能で、漏洩リスクを発見し、未然に防ぐための対策を提案してくれます。次に注目すべきはAzure Active Directoryです。これはID管理機能で、不正なアクセスを防ぎます。さらにAzure Key Vaultによる暗号キーの安全な管理も重要な要素と言えます。
Microsoft Sentinel(旧Azure Sentinel)
セキュリティ強化に役立つMicrosoft Sentinelの活用をお考えなら、その効果を体感できる特徴を紹介します。Microsoft Sentinelは、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)とセキュリティオーケストレーション自動応答(SOAR)の機能を備え、迅速かつ的確なセキュリティ対策が可能です。Microsoft 365 / Azureとシームレスに連携し、ユーザーのセキュリティ状況を一元管理でき、さらに多様なログからAIが自動的な相関分析を行い、通常では見過ごす可能性のある脅威を自動で検出します。
オンプレと接続したい方向き
Azureの機能の中から、特に「オンプレと接続したい方」にオススメなのは「Azure ExpressRoute」です。オンプレミス環境とAzureを専用ラインで直接つなぎ、低遅延で安定した通信を可能にするこの機能は、データ移行やバックアップ、災害復旧など、さまざまな場面で活躍します。また、データのプライバシーとセキュリティも高度に保たれるため、機密情報を扱う企業に適しています。この機能と併せて「Azure VPN Gateway」を使用すれば、オンプレミスからAzureへの安全な接続をより一層強化することができます。
Azure Load Balancer
オンプレとの接続におすすめのツールとして、Azure Load Balancerが挙げられます。このツールは、利用者が煩雑な設定を行うことなく、短時間で処理性能と可用性に優れた負荷分散環境を構築できる優れた機能を備えています。Azure Load Balancerは、4つのレイヤーで動作するTCP/UDP向けのロードバランサーであり、Azure VM(仮想マシン)などのインスタンスへの通信をスムーズに負荷分散します。これにより、システムの安定性や効率性が大幅に向上します。また、費用を気にせず始められるのも魅力の一つで、無償で利用できるプランも存在します。
Azure ExpressRoute
Azure ExpressRouteは、オンプレミスとクラウドの間で必要なデータ通信を安全に行うための最適なサービスです。ネットワークサービスプロバイダーによって用意された専用回線を利用することで、Microsoft Azureへの直接接続が可能となります。 既存のWAN回線や新規回線を用いて、お客様のデータセンターからプライベートなネットワークで通信が行えます。このため、帯域の確保やセキュリティリスクの回避が期待できるので、大規模な企業へ導入されることが多いです。
VPN Gateway
オンプレと接続したい方におすすめの機能にVPN Gatewayというサービスがあります。Azure上の仮想ネットワークとオンプレミスネットワークなど、自社の全ネットワークとの間を、VPN Gatewayによって繋げることが可能なのです。これはサブネット設定や構築を行い、それらをVPNで連携させるための仮想ネットワークゲートウェイとして活用できます。特別な場合を除き、通常はExpressRouteの導入は不要です。オンプレミスとAzure間の接続に問題を感じているならば、是非ともこのVPN Gatewayを試してみてください。
データ分析したい方向き
データ分析をしたい方におすすめのAzure機能といえば、クラウドベースの分析サービス「Azure Analysis Services」です。膨大なデータを独自の基準に従ってグループ分けしたり、パターンを見つけたりするのに便利です。また、SQLデータウェアハウスは、大規模なデータを格納、分析するためのパワフルな機能です。データ取得からビジュアライズまで一貫した作業をクラウド上で実現します。さらに、Azure Machine Learningは、意味のあるビジネスインサイトを提供するための予測モデルの開発・デプロイを可能とします。
Azure Data Factory
データ分析を行う上で欠かせないツールとして、Azure Data Factoryの名前をよく耳にします。Azure Data Factoryとは、データ統合・加工の機能を持つサービスであり、その魅力は何といっても機能の多さと汎用性にあります。オンプレミスからSaaS、クラウドまで、あらゆるソースデータを統合できるのが特徴です。そして、そのデータソースは90以上のコネクタでつながるため、自由度の高い分析が可能です。
Azure SQL Database
データ分析に関心がある方々に、おすすめの機能があります。その名も「Azure SQL Database」です。SQL ServerのPaaS版サービスであり、このサービスを利用すると、WindowsサーバーへMicrosoft SQLのソフトウェアをインストールし設定する手間が無くなります。早速、必要に応じて使い始めることが可能です。 Azure SQL Databaseは、Microsoft SQL Management Studioなどの既存のデータベース管理ツールからも接続可能な、非常に便利な機能です。さらに、Azure DataFactoryで収集したデータや、加工したデータを保管・管理する際にも利用できます。 また、既存オンプレミスにSQL Serverからの移行も可能です。
まとめ
Microsoft Azureは多機能かつ柔軟性に富んだクラウドサービスで、セキュリティも万全です。料金は使用したリソースに応じて課金され、必要なだけ支払うことが可能です。世界中の大企業からスタートアップまで信頼して利用しており、ビジネスの効率化、拡大を実現します。
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。