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最終更新日
2025/11/11
Office 365は、2020年に名称をMicrosoft 365へと変更し、現代の多様な働き方を支える統合的なクラウドサービスへと進化を遂げました。
この記事では、Office 365の基本的な概念から現在のMicrosoft 365で提供されている主要な機能、従来の買い切り型Officeとの違い、そして自社に最適なプランの選び方まで分かりやすく解説します。
Office 365からMicrosoft 365へ
Office 365は、マイクロソフト社が提供していたクラウド形式のサブスクリプションサービスです。2020年4月21日、マイクロソフトはOffice 365をMicrosoft 365へと改称しました。
この変更は、WordやExcelといった従来のOfficeアプリケーション群だけでなく、高度なセキュリティ機能やクラウドストレージ、コミュニケーションツールなども含んだ、より統合的な解決策であることを市場に明確に示すための戦略的な一手でした。現在、Office 365の新規契約はできず、Microsoft 365が正式なサービス名となっています。
サブスクリプション型のサービスモデル
Microsoft 365は、月額または年額の料金で利用権を得るサブスクリプションモデルを採用しています。サブスクリプションモデルの採用により、利用者は常に最新バージョンのアプリケーションとセキュリティ更新を自動的に受け取れます。
サブスクリプションモデルはソフトウェアを購入して長期間使うのではなく、継続的な支払いでサービスとして利用する形態です。サブスクリプションモデルにより、初期の導入費用を抑えつつ、常に最高の環境で作業できます。
従来の買い切り型Officeとの違い
従来の買い切り型Office(例:Office 2021)は、一度購入すれば永続的に使用できるライセンス形態です。しかし、新しい機能の追加はなく、セキュリティ更新が終了すると安全上の問題が高まります。
一方でMicrosoft 365は、常に最新機能へ更新され、OneDriveのような大容量クラウドストレージやTeamsといった共同作業ツールが一体で提供されます。複数のデバイスへのインストールも可能で、場所を選ばない柔軟な作業環境を整える点で大きく異なります。
Microsoft 365の主な機能とアプリケーション
Microsoft 365は、単にWordやExcelが使えるだけではありません。ここでは、Microsoft 365の主な機能とアプリケーションを紹介します。
Word、Excel、PowerPoint
文書作成のWord、表計算のExcel、プレゼンテーション資料作成のPowerPointは、ビジネスシーンに不可欠なアプリケーションです。Microsoft 365では、これらのデスクトップ版アプリケーションが常に最新の状態で利用できるほか、Webブラウザ上で動作するオンライン版も提供されます。オンライン版を利用することで、PCにソフトがインストールされていない環境でも、ファイルの閲覧や簡単な編集が可能です。
Teams、Outlook
Outlookは、電子メールの管理だけでなく、スケジュールや連絡先の統合管理も行えるツールです。
一方、Teamsはビジネスチャット、Web会議、ファイル共有、そして様々な業務アプリとの連携機能を一つに集約したコラボレーションの中核です。部署内外の円滑な情報共有と迅速な意思決定を促進し、リモートワークやハイブリッドワークにおけるコミュニケーションの中心的な役割を担います。
OneDrive、SharePoint
OneDrive for Businessは、各ユーザーに割り当てられる個人用の大容量クラウドストレージです。PC上のファイルと自動的に同期し、どこからでも安全にアクセスできます。
SharePoint Onlineは、組織やチーム単位でファイルや情報を共有・管理するためのプラットフォームです。ポータルサイトの構築や文書管理システムの土台となり、組織全体のナレッジ共有とデータの一元管理を実現します。
その他の便利なアプリケーション
Microsoft 365には、上記以外にも業務を効率化する多数のアプリが含まれています。例えば、アンケートや小テストを簡単に作成できる「Forms」、チームのタスク管理を視覚的に行える「Planner」、簡単な操作で業務アプリを開発できる「Power Apps」などがあります。これらのツールを組み合わせることで、定型業務の自動化や情報収集の効率化を図ることができます。
Microsoft 365を導入するメリット
ここでは、Microsoft 365を導入するメリットを解説します。
いつでも最新バージョンのアプリを利用可能
サブスクリプションモデルの大きな特徴は、追加費用なしで常に最新の機能とセキュリティパッチが提供されることです。新しいバージョンがリリースされるたびに買い替える必要がなく、全ての従業員が同じバージョンのアプリケーションを使用するため、ファイルの互換性問題を回避できます。サブスクリプションモデルを利用することにより、IT管理者の運用負荷を軽減し、従業員は生産性の高い作業に集中できます。
場所を選ばない柔軟な働き方の実現
Microsoft 365は、PC、スマートフォン、タブレットなど、1ユーザーあたり複数のデバイスにインストールして利用できます。クラウド上に保存されたファイルには、どのデバイスからでも安全にアクセスできるため、オフィス、自宅、外出先など、働く場所の制約がなくなります。働く場所の制約がなくなることにより、テレワークやハイブリッドワークといった現代の多様な働き方にスムーズに対応し、事業継続性を高めることができます。
高度なセキュリティ環境の構築
法人向けプランには、多要素認証、メールの脅威対策、データ損失防止(DLP)といった高度なセキュリティ機能が標準で備わっています。高度なセキュリティ環境を実現することにより、外部からのサイバー攻撃や内部からの情報漏洩の危険を大幅に下げます。専門のIT部門を持たない中小企業であっても、大企業レベルの堅牢なセキュリティ環境を整えられることは、事業運営上の大きな安心材料となります。
自分に合ったMicrosoft 365プランの選び方
Microsoft 365には、個人向けから大企業向けまで、多種多様なプランが用意されています。自社の規模や目的に合わないプランを選ぶと、費用が割高になったり、必要な機能が不足したりする可能性があります。ここでは、プラン選定の基本的な考え方を解説します。
一般・家庭向けプラン
「Microsoft 365 Personal」や「Microsoft 365 Family」といったプランは、個人や家族での利用を想定しています。WordやExcelなどの基本的なOfficeアプリと、OneDriveのクラウドストレージがセットになっています。主に個人の文書作成やデータ管理が目的であり、法人向けの高度なセキュリティ機能や管理機能は含まれていません。個人事業主などで手軽に始めたい場合に選択肢となります。
法人向けプラン
法人向けプランは、従業員数300名以下を対象とする「Business」プランと、300名以上の大規模組織を対象とする「Enterprise(E3、 E5など)」プランに大別されます。
Businessプランは、中小企業のニーズに合わせて価格と機能のバランスが取れています。一方、Enterpriseプランは、高度なセキュリティ対策、コンプライアンス準拠、データ分析、音声通話機能など、より包括的で大規模な管理機能を提供します。
プラン選定で考えるべきポイント
最適なプランを選ぶためには、まず自社の従業員数を確認します。次に、デスクトップ版Officeアプリが必要か、Web版のみで十分かを判断します。また、業界の規制や自社のポリシー上、どのようなレベルのセキュリティやコンプライアンス機能が求められるかを明確にすることも重要です。Microsoft 365に求める要件を整理し、各プランの内容と比較検討することで、自社にとって最も費用対効果の高い選択が可能になります。
まとめ
この記事では、Office 365の後継サービスであるMicrosoft 365の基本的な概念から、具体的な機能、導入による変化、そしてプランの選定方法までを解説しました。
Microsoft 365は、もはや単なるOfficeソフトではなく、クラウドの力を最大限に活用し、コミュニケーション、共同作業、セキュリティを一体で提供する統合プラットフォームです。Microsoft 365を利用することで、組織は場所やデバイスに縛られない柔軟な働き方を実現し、生産性を高めることができます。自社の事業規模や業務内容、そして将来の成長を見据え、どのプランが最適かを見極めることが、事業を前進させるための重要な一歩となるでしょう。
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監修
Admina Team
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