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CASBとは?導入メリットや選定ポイントをわかりやすく解説

CASBとは?導入メリットや選定ポイントをわかりやすく解説

CASBとは?導入メリットや選定ポイントをわかりやすく解説

HC

Admina Team

2025/04/02

近年、企業のデジタル環境が複雑化する中、データのセキュリティ確保がますます重要になっています。そこで注目されているのがCASB(クラウドアクセスセキュリティブローカー)です。CASBは、クラウドサービスの利用におけるリスクを軽減し、安全にデータを管理する役割を果たします。本記事では、CASBの概要から導入のメリット、選定時のポイントまでを分かりやすく解説します。これにより、企業が自社に最適なセキュリティ対策を講じる手助けを行います。

CASBとは

CASBは、クラウドアクセスセキュリティブローカーの略称で、企業がクラウドサービスを安全に利用するために、セキュリティ機能を提供するソリューションです。近年、リモートワークやクラウドコンピューティングの普及によって、企業データがクラウドに移行する中で、セキュリティリスクが増大しています。CASBは、これらのリスクを軽減し、企業が安全にクラウドサービスを利用できる環境を整えます。

具体的には、CASBは組織の網の目をかけるように、企業内のネットワークやクラウドアプリケーションの利用状況を把握し、不正アクセスやデータ漏洩といったセキュリティの脅威に対抗するための機能を提供します。これにより、企業はクラウドサービスを安心して活用できるのです。

CASBの機能

CASBにはいくつかの主要な機能があります。これにより、企業はクラウドサービスをより安全に利用できるようになります。

まず一つ目は、可視性の確保です。CASBはさまざまなクラウドサービスの利用状況をトラッキングし、どのデータがどのように利用されているのかを明らかにします。これにより、企業は自分たちのデータがどのように管理されているかを把握でき、不正利用を防ぐ手助けとなります。

次に、データの保護機能です。CASBでは、暗号化やデータ損失防止(DLP)技術を利用して、センシティブなデータを保護します。これにより、万が一データが不正に流出した場合でも、内容が保護されることが期待できます。

さらに、CASBはユーザー行動分析(UBA)機能を持ち、通常とは異なる行動を検出し、異常を知らせることができます。これにより、リアルタイムでの脅威に対する対策が可能になります。

CASBの重要性

デジタル化が進む現代において、企業がクラウドに依存する姿勢は避けられません。IDC JAPANの調査によると、2024年から2029年の年間平均成長率は16.3%で推移することが見込まれています。このような中で、CASBはクラウドサービスを利用する企業にとって欠かせない存在となっています。

具体的に言うと、CASBはセキュリティポリシーの適用を助け、企業が遵守すべき法律や規制に対しても対応することができます。GDPRやHIPAAなどの法律が求めるデータの保護基準を満たす手助けをするため、CASBの導入は企業の信頼性を高める一助となります。

CASB導入のメリット

CASBの導入は、企業にとって多くの利点があります。特にクラウドサービスの利用が増加する中で、セキュリティの強化やコストの削減が可能です。

1. セキュリティの強化

初めに、CASBはクラウドサービスにおけるセキュリティ対策として非常に効果的です。例えば、多くの企業がクラウドを利用する際に直面するリスクとして、データ漏洩や不正アクセスがあります。CASBはこれらの脅威を検出し、リアルタイムで対処するための機能を提供します。

さらに、CASBはユーザーの行動をモニタリングし、異常な活動を早期に発見することができます。これにより、万が一の事故や攻撃に対して迅速に対応できる体制を整えることができます。

2. コストの最適化

次に、コスト削減について述べます。CASBは、複数のクラウドサービスを一元管理するためのツールです。これにより、各サービスに個別にセキュリティ対策を講じる必要がなくなり、管理や運用のコストを削減することができます。企業は予算をより効率的に使用できるようになり、余剰な経費を他の重要な施策に振り向けることが可能です。

3. ガバナンスとコンプライアンスの強化

また、CASBは企業のガバナンスやコンプライアンスへの対応を助けます。多くの業界において、データ保護やプライバシーに関する規制が厳しくなっています。CASBを利用することで、規制に準拠したデータ管理が可能になります。具体的には、データの保存先やアクセス権限を把握し、適切に管理するための機能を持っています。これにより、企業は法令遵守を果たしながらもスムーズに運営することができます。

4. ユーザー体験の向上

最後に、ユーザーの体験を向上させることができる点に触れます。CASBはアクセス制御やセキュリティを強化しつつ、ユーザーに快適なクラウド環境を提供します。使いやすさを保ちながら高いセキュリティを確保することができるため、社員の業務効率も向上します。これにより、企業全体の生産性を高める効果も期待できます。

CASB選定のポイント

CASBを選定する際には、いくつかの重要なポイントを考慮することが必要です。これにより、自社のニーズに最適なソリューションを見つけることができます。

ニーズの明確化

まず最初に、CASBを導入する目的や必要な機能を明確にすることが重要です。例えば、データ漏洩の防止を重視するのか、クラウドサービスの利用状況を監視したいのか、目的によって選ぶべき機能は大きく異なります。近年、データ漏洩は企業の信頼性に大きな影響を与えるため、適切な保護機能が備わったCASBの選定が極めて重要です。

機能と対応するクラウドサービス

次に、提供される機能の充実度や、対象とするクラウドサービスの範囲を確認しましょう。CASBは通常、アクセス制御、データ保護、脅威検出の各機能を備えていますが、これらの機能が実際にどのように適用されるかは、選定する製品によります。また、主要なクラウドサービス(例えば、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなど)に対応しているかどうかも重要なポイントです。これにより、自社が利用しているクラウド環境においても効果を発揮できます。

使いやすさと統合性

選定時には、ユーザーインターフェースの使いやすさや、既存のITインフラとの統合がスムーズに行えるかどうかも考慮すべきです。特に、セキュリティ管理者が迅速に操作できるかどうかは、運用の効率を大きく左右します。また、他のセキュリティソリューションとの連携も重要です。例えば、SIEM(Security Information and Event Management)と組み合わせることで、セキュリティインシデントをより効果的に管理することが可能になります。

サポート体制と導入後の運用

さらに、導入後のサポート体制も重要な要素です。製品のトラブルが発生した際や、アップデートを行う際のサポートが充実しているかどうかを確認しておきましょう。特に、クラウド環境は常に変化しているため、サポートがしっかりしていることが安心につながります。運用中に必要なトレーニングや教育が用意されているかも、選定基準の一つとして考えるべきです。

CASBとSASEの違い

CASBは、クラウドサービスにおいてデータの安全性を保つための重要な技術である一方、SASEはセキュリティとネットワークの統合を目指すフレームワークです。両者には異なる役割と機能がありますので、それぞれの違いをしっかりと理解することが大切です。

SASEの基本的な考え方

SASE(Secure Access Service Edge)は、ネットワークとセキュリティを統合的に管理する新しいアーキテクチャです。クラウドサービスやモバイルユーザーの増加に伴い、従来のネットワークとセキュリティの分離では不十分となってきました。SASEは、ユーザーのアクセスを一元的に管理し、適切なセキュリティポリシーを適用することで、リスクを減少させます。具体的には、SD-WANとセキュリティ機能を組み合わせて提供することが一般的です。

主要な違いに関する比較

CASBとSASEの主な違いは、その焦点と機能にあります。CASBは主にクラウドアプリケーションの利用に特化したセキュリティ対策を提供しますが、SASEは広範なネットワーク環境におけるトラフィックのセキュリティとパフォーマンスの最適化を目指します。このため、CASBは具体的なクラウドサービスに関するデータの保護に重点を置いているのに対し、SASEは全体的なアクセス手段を安全に保つことを目的としています。

さらに、実装の様式も異なります。CASBは通常、クラウドアプリケーションにアクセスするユーザーやデバイスの挙動を監視し、ポリシー違反時にアラートや制御を行う形で機能します。一方、SASEは、全体的なネットワークトラフィックをリアルタイムで監視し、異常な動きが検出された際には即座に対策を実施します。こうしたプロセスの違いも、両者の特性として挙げられます。

CASBとCIEMの違い

CASBはクラウドアクセスセキュリティブローカーの略であり、CIEMはCloud Infrastructure Entitlement Managementの略です。これらはどちらもクラウド環境におけるセキュリティ対策に関連していますが、その役割と機能には明確な違いがあります。

CIEMの役割

CIEMはクラウド環境におけるアイデンティティとアクセスの管理に焦点を当てたソリューションです。CIEMは特に、ユーザーやサービスアカウントの権限を管理し、誰がどのリソースにアクセスできるかを制御します。この管理を通じて、不正アクセスや過剰な権限付与を防ぐことが目的です。

機能の違い

CASBとCIEMは、それぞれ異なる側面からクラウドセキュリティを強化します。CASBはデータのセキュリティやコンプライアンスを重視するのに対し、CIEMはアクセス権限の管理を重視しています。このため、CASBはデータ暗号化やトラフィックの監視を行う一方で、CIEMはアイデンティティのロール管理や権限の適切性を検証します。

相互補完的な関係

CASBとCIEMは別個のソリューションですが、相互に補完し合う関係にあります。企業がクラウドを安全に利用するためには、CASBによるデータ保護とCIEMによるアクセス管理の両方が重要です。これにより、クラウド環境内でのデータ漏洩や不正アクセスのリスクを大幅に軽減することが可能になります。

このように、CASBとCIEMの違いを理解することで、企業はそれぞれのソリューションを有効に活用することができ、総合的なセキュリティ対策を講じることができるようになります。

まとめ

CASB(Cloud Access Security Broker)は、クラウドサービスのセキュリティを強化するための重要な役割を果たします。企業がクラウドプラットフォームを利用する中で、データの保護やコンプライアンス遵守は不可欠です。CASBを導入することで、セキュリティリスクを軽減し、適切なアクセス管理を実現できます。

さらに、CASBはSASEやCIEMとの組み合わせによって、より効果的なセキュリティ対策を提供します。選定にあたっては、自社のニーズに合った機能やサービスを重視することが重要です。最終的には、CASBを活用することで、企業のデータを安全に守り、ビジネスの成長を支える基盤を作ることができるでしょう。

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