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2026年4月1日、クラウド勤怠管理システム「AKASHI(アカシ)」は「マネーフォワード クラウド勤怠Plus」へと正式にブランド統合・リブランディングされました。労働基準法の遵守やコンプライアンスの強化が厳しく問われるなか、客観的で精緻な勤怠データ管理は企業の重要なリスクマネジメントです。
本記事では、従業員51名以上の中堅・エンタープライズ企業やIPO準備企業向けに、最新の打刻手法、料金体系の変更点、PCログ連携による未払い残業リスク対策、導入失敗を防ぐパラレルランの手順までを徹底解説します。各種勤怠管理システムからの移行や選定を検討されている方はぜひご活用ください。
監修・執筆:マネーフォワード Admina編集部(社会保険労務士・情報システム担当者との共同監修)。労務コンプライアンス・クラウドシステム導入支援の実務知見をもとに作成しています。

マネーフォワード クラウド勤怠Plus(旧AKASHI)とは
本記事のポイント
2026年4月1日より「AKASHI」は「マネーフォワード クラウド勤怠Plus」に正式統合・リブランディングされました。
従業員51名以上の中堅・エンタープライズ企業やIPO準備企業に特化し、複雑な就業規則対応と労務ガバナンスを強力に支援します。
標準版「マネーフォワード クラウド勤怠」とは異なり、四則演算による集計定義や監査ログ、PCログ連携などを標準で備えています。
旧AKASHIのログイン画面(atnd.ak4.jp)からの遷移もスムーズに完了でき、従来の利便性を維持したまま運用が可能です。
マネーフォワード クラウド勤怠Plusは、改ざん防止ログと独自集計ロジックを一体化した、中堅・大企業向けのクラウド型勤怠管理システムです。
2026年2月に発表されたソニービズネットワークス株式会社からの事業承継に伴い、2026年4月1日より従来の「AKASHI(アカシ)」から「マネーフォワード クラウド勤怠Plus」へ正式にリブランディングされました。2025年12月時点で課金顧客数1,468社、ARR(年間経常収益)約6億円規模の基盤を持ち、年平均成長率(CAGR)15.3%で拡大するクラウド勤怠管理市場を牽引する主要プロダクトの一つです。
なお、旧AKASHIで利用されていたログインURL(atnd.ak4.jp)へアクセスした場合でも、自動的に新しいマネーフォワードの認証画面へリダイレクトされるため、既存ユーザーやアプリ利用者が混乱することなくログインできます。
システム選定においては、スタートアップ・中小企業向けの標準版「マネーフォワード クラウド勤怠」とのターゲット層および機能の違いを正しく把握することが重要です。
比較軸 | クラウド勤怠(標準版) | クラウド勤怠Plus(旧AKASHI) |
|---|---|---|
主な対象企業規模 | 1名〜50名程度(スタートアップ・中小企業) | 51名〜数千名規模(中堅・エンタープライズ・IPO準備企業) |
適用する就業規則 | 標準的・定型的な就業ルール | 複数拠点、変形労働時間制、時間帯別割増など複雑な規則 |
計算カスタマイズ性 | 標準テンプレートに準拠 | 四則演算機能により独自の集計ロジックを完全自動化 |
ガバナンス・客観的記録 | 基本ログ管理 | 監査ログ保持(最大5年)、PCログオン/ログオフ連携、改ざん防止 |
料金体系 | 月額基本料金+ユーザー従量課金 | 要問合せ(企業規模・構成に応じた個別見積もり) |
従業員数が100名を超え、拠点ごとに異なるシフト制度や独自手当の算出が必要な企業においては、従業員100名超・複数拠点・変形労働制のいずれかに該当するなら、標準版ではなくPlusを選ぶべきです。
クラウド勤怠Plus(旧AKASHI)の独自機能・強み
四則演算機能と監査ログを活用することで、集計作業の属人化を排除し労務コンプライアンスを強固に確立できます。
独自の「四則演算機能」による完全自動集計
就業規則に存在する複雑な労働時間計算を、プログラミング不要で設定できる「四則演算機能」が最大の特徴です。「所定労働時間が8時間を超えた場合に特定の控除を行う」「特定の時間帯の残業を手当に自動換算する」といった、従来のSaaSではCSVエクスポート後にExcelで二重計算していた処理をシステム内で数式化できます。2026年4月の統合に伴い、本機能は標準プラン内で利用可能となりました。
J-SOX・労基署調査で求められる「監査ログ」
上場企業やIPO準備企業における内部統制対応として、いつ・誰が・どの打刻データや手動修正を行ったかを完全に記録する「監査ログ」を保持します。記録されたログは改ざん不能な状態で最大5年間保存され、労働基準監督署の調査や内部監査においても客観的な証拠として提示できます。
他社SaaS・マネーフォワード エコシステムとのシームレス連携
マネーフォワード クラウド給与とのシームレスなデータ連携はもちろん、SmartHRからの従業員情報取り込み、給与奉行クラウドやfreee人事労務とのAPI・CSV連携に対応しています。人事データの二重入力を防ぎ、給与連携の手入力工数をゼロにできます。
組織変更(事前予約)機能
組織改編や人事異動が多い大企業向けに、新組織図や所属マスタを事前に登録しておける「組織変更(事前予約)機能」を備えています。改編当日に自動でマスタが切り替わるため、月次締め作業中の設定エラーや手動更新の手間を大幅に削減できます。
クラウド勤怠Plusの打刻アプリとデバイス別運用
働き方に合わせてマルチデバイス打刻を組み合わせることが現場の打刻漏れと問い合わせを最小化する鍵です。
単一の打刻手段を一律適用すると、現場の環境差異によって打刻漏れや管理者へのエラー報告が多発します。外勤、内勤、工場、テレワークなどの勤務スタイルに応じた打刻手段の割り当てが必要です。
打刻手段 | 適した勤務スタイル | 特徴および労務管理上の強み |
|---|---|---|
スマホアプリ(AKASHIアプリ) | 営業職、現場直行直帰、外勤社員 | iOS/Android対応。GPS位置情報と連動してスマートフォンからの打刻情報を記録。出張先での打刻不正を防止。 |
PCブラウザ(Webログイン) | デスクワーカー、内勤者、情シス | ログイン後ワンクリックで打刻。マイページから有休申請や残業申請も完結。 |
PCログ連携(ez-PCLogger等) | テレワーク、客観的記録が必須の部署 | PCのログオン/ログオフ時間を自動取得し、自己申告打刻との乖離を検知。労基署ガイドラインに準拠。 |
AI顔認証(AIZE Biz連携) | 店舗、工場、医療・介護現場 | 共用タブレットに顔をかざすだけで本人確認と打刻が完了。代理打刻などの不正を完全に防ぐ。 |
チャット打刻(Slack/Chatwork) | IT企業、リモートワーク中心の組織 | 日常的に利用するチャットツール上で「出勤」「退勤」コマンドを送信するだけで完了。 |
ICカード(FeliCa/PitTouch Pro2) | カードキー導入拠点、共通受付 | 社員証や交通系ICカードを専用リーダーにかざして打刻。カード1枚で打刻が完結するため、端末操作を省ける。 |
特に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」への対応として、2017年の厚労省ガイドライン改定以降、使用者による客観的記録の取得が義務水準に引き上げられました。PCログ連携はその最短経路であり、サービス残業や隠れ残業の発生を未然に予防できます。
【2026年最新】料金プラン体系と未払い残業リスクの回避策
四則演算や自動集計の初期設定精度を高め、並行稼働(パラレルラン)を実施することが未払い残業リスクを防ぐ実務上の定番手順です。
2026年最新の料金構造
2026年4月のリブランディング以降、旧AKASHI時代に機能別で分かれていた各種設定(時間帯別集計、カフェテリア機能等)は基本機能へ一元化されました。プロジェクト別の収支分析を行う「工数管理機能」のみがオプション扱いとなります。費用は従業員数や利用モジュールに応じた個別見積もり(目安:1ユーザーあたり月額数千円規模の中堅〜大企業向け設定)となります。
自動計算設定の不備が引き起こす未払い残業リスク
高度な四則演算や端数丸め設定は強力な反面、初期設定を1箇所でも誤ると「毎月全自動で誤った労働時間が集計され続ける」というリスクを伴います。割増賃金の未払いが発覚した場合、過去2〜3年分に遡って未払い賃金を請求された事例が厚労省の是正勧告事例でも報告されています。
リスクを排する「パラレルラン」4ステップ
システム刷新時の計算エラーを完全に回避するため、旧システムと1〜2ヶ月並行稼働させる「パラレルラン」を必ず組み込んでください。
Step 1:要件定義と初期設定(移行前):就業規則を精査し、変形労働・フレックス・独自手当のロジックを四則演算機能に組み込む。
Step 2:並行稼働の開始(1ヶ月目):旧システム(またはタイムカード)とクラウド勤怠Plusの双方で同時に打刻・集計を行う。
Step 3:集計データの完全突合(1ヶ月目締め):両者の基本給対象時間、時間外労働時間、深夜残業時間を1分単位で比較し、乖離の原因となる丸め設定や条件分岐を修正する。
Step 4:微調整と本稼働移行(2ヶ月目):突合結果の不整合が0になるまでチューニングを行い、完全に安全な状態で旧システムを廃止する。
▲ 計算エラーと未払い残業リスクを防ぐ「パラレルラン」移行の4ステップ
導入・リプレイスにおける失敗パターンと回避策
事前検証の欠如や社内運用の放置はトラブルの原因となるため、回避策を表とチェックリストで整理して運用に臨む必要があります。
よくある4つの失敗パターンと回避策
失敗パターン | 生じるトラブルの内容 | 未然に防ぐ回避策 |
|---|---|---|
① 標準版とPlusの選定ミス | 「マネーフォワードならどれも同じ」と誤解し、標準版を選んで複雑な独自集計が組めなかった。 | 従業員数51名以上や就業規則が複雑な企業、IPO準備企業は必ず「Plus」を選択する。 |
② PCログ乖離の運用放置 | PCログ連携を導入したものの、電源付けっぱなし等による乖離アラートを放置し労基署から指摘を受けた。 | 「乖離〇分以上は理由申請を必須とする」など、システム設定とセットで社内規程を整備する。 |
③ 集計式のブラックボックス化 | 四則演算機能で非常に複雑な計算式を作り込み、担当者の退職後に設定を直せなくなった。 | 設定仕様書(マニュアル)を残すとともに、可能な限り就業規則側を標準仕様へ寄せる。 |
④ 旧AKASHI変更の周知不足 | 2026年4月の名称変更に伴い、社員が旧アプリや旧ログイン名を探して現場が混乱した。 | 社内マニュアルの表記を更新し、「マネーフォワード クラウド勤怠Plus」への名称変更を事前周知する。 |
導入・リプレイス成功のための実務チェックリスト
プロジェクト推進時には、以下の項目を順に確認しながら進めてください。
[ ] 自社の就業規則・賃金規程における特殊な集計ルールをすべて洗い出したか
[ ] 従業員・拠点ごとに適切な打刻手段(スマホアプリ・PC・ICカード・顔認証)が割り当てられているか
[ ] PCログオン時間との乖離許容時間(例:前後15分以内)と申請フローが定義されているか
[ ] パラレルラン(並行稼働)期間を最低1ヶ月間スケジュールに組み込んでいるか
[ ] 給与計算ソフト(マネーフォワード クラウド給与等)とのデータ連携テストを実施したか
▲ 自社の条件に合った「標準版」と「Plus」の最適な選び方
導入事例:労働時間削減・業務効率化の実績
定量的効果が実証された導入事例を知ることで、自社導入時の費用対効果を明確に予測できます。
株式会社アサヒメッキ(製造業)
業種・規模:製造業・約100名
導入時期:2022年
課題:現場作業員の能率管理や工程ごとの作業工数が可視化されておらず、手作業での集計に膨大な時間を費やしていた。
施策:工数管理機能を導入し、作業内容ごとの時間をリアルタイムに記録・集計。徹底した能率管理を実施。
成果:導入わずか1ヶ月で従業員1人あたり週11時間の作業時間を削減することに成功。
フォー・フュージョン株式会社(IT・Webサービス)
業種・規模:IT・Webサービス・約50名
導入時期:2021年
課題:テレワーク環境下における正確な労働時間の把握と、だらだら残業による生産性の低下。
施策:テレワーク対応の打刻機能とリアルタイム勤務状況把握を活用し、勤務時間を可視化。
成果:残業時間を6割削減。同社公式発表によると、利益率が2.4倍に改善したと報告されています。
株式会社トレタ(飲食店向けSaaS開発)
業種・規模:SaaS開発・通信・約150名
導入時期:2023年
課題:給与計算の内製化とテレワーク導入に伴い打刻エラーが多発し、月次の集計作業が圧迫されていた。
施策:他社SaaS連携およびリアルタイムのアラート機能を活用し、打刻漏れを自動通知。
成果:勤怠集計および給与計算にかかる作業時間を月20時間から10時間以内へ半減(50%削減)。
株式会社サンジゲン(アニメーション制作)
業種・規模:アニメーション制作・約200名
導入時期:2021年
課題:プロジェクト横断の変形労働時間制や2段階申請承認があり、毎年の組織改編のたびにマスタ更新エラーが多発。月次締め作業に丸1日を費やしていた。
施策:2段階承認権限の設定と「組織変更(異動予約)機能」を活用し、改編マスタを事前に登録。
成果:組織改編時の締め作業エラーが解消し、人事部門の月次管理工数が大幅に削減された。
よくある質問
クラウド勤怠Plus(旧AKASHI)の導入や運用に関してよく寄せられる疑問に回答します。
Q:AKASHI(アカシ)からマネーフォワード クラウド勤怠Plusへの変更でログインURLやアプリは変わりましたか?
A:旧AKASHIのログインURL(atnd.ak4.jp)へアクセスした場合でも自動的に新しい認証画面へリダイレクトされます。スマートフォンアプリについても既存の「AKASHIアプリ」から順次アップデート対応が行われており、従来のログイン情報でそのまま利用可能です。
Q:無料トライアルやデモ画面の確認は可能ですか?
A:はい、公式サイトから問い合わせることで実際の操作感や四則演算機能を検証できる無料トライアル環境が提供されます。自社の就業規則が再現可能か事前にテストできます。
Q:PCログ連携(客観的記録)はどのような仕組みで動作しますか?
A:ez-PCLoggerなどの連携ツールやPC側のログオン/ログオフ情報を取得し、勤怠システム上の打刻時間と照合します。設定した時間以上の乖離がある場合は自動でアラートを発行し、理由の申請を促します。
Q:他の労務ソフトや給与計算ソフトとの連携は可能ですか?
A:マネーフォワード クラウド給与はもちろん、SmartHR、給与奉行クラウド、freee人事労務などの主要なSaaS・給与ソフトとAPIまたはCSV形式でデータ連携が可能です。
Q:ユーザーからの口コミや評判にはどのようなものがありますか?
A:ITreview等のレビューサイトでは「Excelでの二重計算がゼロになった」「管理者権限と一般権限の切り替えがログインし直さずにスムーズに行える」といった操作性とカスタマイズ性に関する高い評判が得られています。
▲ PCログ連携による乖離検知と労務コンプライアンス強化の仕組み
まとめ
マネーフォワード クラウド勤怠Plus(旧AKASHI)の導入を検討するにあたり、まず確認すべきは「標準版とPlusのどちらが自社に合うか」です。従業員51名以上・複数拠点・変形労働制・IPO準備のいずれかに該当する場合は、Plusが選択肢となります。
2026年4月のリブランディングにより、各種機能の標準化とマネーフォワード エコシステムとの連携がさらに強化されました。PCログ連携による客観的記録やAI顔認証打刻などを組み合わせることで、労基署対応や未払い残業リスクの回避を確実なものにできます。
自社で導入を検討する際は、まず現在の就業規則と集計ロジックを整理し、1〜2ヶ月間のパラレルラン(並行稼働)計画を立てることからスタートしましょう。
✅ 標準版とPlusのどちらが自社に合うか確認した
✅ 就業規則の複雑なルール(変形労働・独自手当等)を洗い出した
✅ パラレルラン期間をプロジェクト計画に組み込んだ
✅ 無料トライアルで自社の就業規則が再現できるか検証した
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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