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CSRF攻撃とは?受ける被害や対策をわかりやすく解説

CSRF攻撃とは?受ける被害や対策をわかりやすく解説

CSRF攻撃とは?受ける被害や対策をわかりやすく解説

HC

Admina Team

2025/02/27

CSRF攻撃とは

CSRF攻撃は、ウェブアプリケーションにおけるセキュリティの脆弱性を利用した攻撃手法です。具体的には、悪意のあるウェブサイトが、認証されたユーザーの権限を利用して、別のウェブサイトで不正なリクエストを送信することを指します。この攻撃は「クロスサイトリクエストフォージェリ」(Cross-Site Request Forgery)の略称であり、ユーザーが意図しない操作を強制される危険性があります。

CSRF攻撃の背景には、ユーザーのブラウザが特定のウェブサイトにログインしている状態で、攻撃者が準備した悪質なサイトを訪問させる仕組みがあります。たとえば、ユーザーがオンラインバンキングにログインした状態で、別のタブで攻撃者のサイトを開くと、知らないうちに金融取引のリクエストが送信されてしまうことがあります。このような攻撃は、セッション情報やクッキーを悪用するため、攻撃者はユーザーが認証された状態であることを前提にしています。

CSRF攻撃の仕組み

CSRF攻撃がどのように行われるのか、具体的な例を挙げて説明します。まず、ユーザーが攻撃者のサイトを訪問すると、ブラウザはそのサイトから特定のコードを実行します。このコードが、ユーザーが別の信頼できるサイトで行えるアクションを模擬する形でリクエストを送信するのです。具体的には、フォーラムの投稿、パスワード変更、あるいは商品の購入などが挙げられます。

攻撃が成功すると、ユーザーは意図せずにその行動を取ったことになり、結果的に個人情報の漏洩や金銭的な被害を受ける可能性があります。このため、CSRF攻撃は特に金融関連のウェブサイトや個人情報を扱うサービスにおいて深刻なリスクとなります。

CSRF攻撃の影響範囲

CSRF攻撃の影響は、ユーザーだけに留まらず、ウェブサイト運営者やサービス提供者にも広がります。仮にユーザーが攻撃を受けた場合、個人情報が漏洩したり、不正なトランザクションが行われたりすると、企業の信頼性が失われ、結果的に顧客離れを引き起こす可能性があります。また、法的な問題や賠償責任が発生する場合も考えられます。

このように、CSRF攻撃はユーザーとウェブサイトの両方に多大な影響を及ぼすリスクを内包しています。サイバーセキュリティの観点から、CSRF攻撃の理解と対策は欠かせません。

CSRF攻撃とXSS攻撃との違い

CSRF攻撃とは、あなたの意図に反して別のウェブサイトでアクションを実行させる攻撃手法ですが、XSS攻撃は、攻撃者が悪意あるスクリプトをウェブページに埋め込み、そのページを訪れたユーザーに対して意図しない行動を強要する手法です。この2つの攻撃は異なるメカニズムを持っており、それぞれ特有のリスクを伴います。

攻撃のメカニズムの違い

CSRF攻撃は、ユーザーのブラウザが認証情報(例えばクッキー)を無意識に使用して、攻撃者が用意した悪意のあるリクエストを送信させることによって成り立っています。一方、XSS攻撃は、あなたのブラウザが悪意あるスクリプトを実行し、その結果として攻撃者が意図した行動を強制する形になります。

ターゲットの違い

CSRF攻撃は、主にユーザーの行動に焦点を当て、そのユーザーがログインしているサイトへのリクエストを利用します。たとえば、銀行のサイトにログインしている際に、攻撃者が仕掛けた偽のメールリンクをクリックすることで、無断で送金が行われる危険があります。対して、XSS攻撃は、特定のウェブサイト自体を狙い、そこで出現する全てのユーザーに対して悪影響を及ぼします。攻撃を受けたサイトを訪れるたびに、悪意あるスクリプトが実行されるのです。

防御策の違い

CSRF攻撃から守るためには、CSRFトークンを使用したり、リファラーチェックを行ったりするのが一般的です。これに対し、XSS攻撃には、コンテンツセキュリティポリシー(CSP)を導入したり、ユーザー入力のサニタイズを行うことで防御できます。つまり、CSRFとXSSでは、それぞれの攻撃方法に応じた異なる防御策が存在します。

CSRF攻撃による被害

CSRF攻撃は、ユーザーが意図しない形で悪意のある行動を取らされることによって、深刻な被害を引き起こす可能性があります。この攻撃の結果、ユーザー自身が知らないうちに情報漏洩や不正な取引が行われることがあります。以下に、CSRF攻撃によって引き起こされる具体的な被害の内容を詳しく説明します。

個人情報の漏洩

CSRF攻撃は、ユーザーがログインした状態のウェブサイトに対して、攻撃者が設定した不正なリクエストを送り込むことで、個人情報を盗むことが可能です。例えば、オンラインバンキングやショッピングサイトなどにおいて、ユーザーが意図せずに他人の口座情報を取得したり、自分のアカウント情報を変更したりする可能性があります。これにより、攻撃者は、アカウントが保持している価値情報に不正にアクセスし、損失を引き起こすことがあるのです。

財務的損失

CSRF攻撃によって、ユーザーが意図しない金銭の送金や購入が行われることがあります。この場合、攻撃者は、ログインしているセッションを利用して、ユーザーのアカウントから不正に資金を移動させることができます。例えば、オンラインショッピングサイトでは、ユーザーが全く気づかないうちに高額な商品が購入されることがあります。これにより、被害者は実際の購入を行っていないにもかかわらず、請求書を受け取ることになります。

信頼性の低下

企業やサービス提供者にとって、CSRF攻撃による被害は顧客の信頼を失う事態を引き起こすことがあります。例えば、あるオンラインサービスがCSRF攻撃の被害に遭い、多くのユーザーのアカウント情報が流出した場合、それはそのサービスに対する信頼を大きく損なう結果となります。結果的に、顧客の離脱や新規顧客の獲得が難しくなることから、企業にとって経済的な損失が生じることにもなります。

法的リスク

CSRF攻撃によって発生した被害に対して、企業は法的な責任を問われることがあります。特に、顧客の個人情報が流出した場合、著作権やプライバシーの侵害に関連する法律に抵触する可能性があり、訴訟を起こされるリスクを伴います。これにより、経済的な負担が増すだけでなく、企業の評判にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

以上のように、CSRF攻撃は個人、企業問わず様々な被害を引き起こします。この攻撃がもたらすリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。

CSRF攻撃への対策

CSRF攻撃に対する対策は、ウェブアプリケーションの安全性を高めるために非常に重要です。これらの対策は、ユーザーのデータを守るだけでなく、信頼できるサービスを提供するためにも不可欠です。

トークンの利用

CSRF攻撃を防ぐ最も効果的な方法の一つは、セキュリティトークンを使用することです。このトークンは、各リクエストに追加され、サーバー側で検証されます。正しいトークンが含まれていないリクエストは、無効と見なされます。これにより、悪意のあるリクエストを排除することができます。

SameSite属性の使用

CookieのSameSite属性を設定することも、CSRF攻撃の防止に役立ちます。この属性を「Strict」または「Lax」に設定することで、他のサイトからのリクエストによってCookieが送信されないように制御できます。特に、「Strict」モードでは、全てのクロスサイトのリクエストからCookieが送信されなくなります。

リファラーチェック

リファラーチェックは、HTTPリクエストの「Referer」ヘッダーを確認し、その値が信頼できるドメインであるかどうかを判定する方法です。この方法を使うことで、敵対的なサイトからのリクエストをフィルタリングすることができます。ただし、この方法だけでは完全に攻撃を防ぐことは難しいため、他の対策と併用することが推奨されます。

ユーザー教育と意識向上

最後に、ユーザーに対する教育も重要です。強力なパスワードの設定や、フィッシング攻撃に対する警戒を促すことが、CSRF攻撃のリスクを低下させます。ユーザーが自分のアカウントや情報を守る意識を持つことで、攻撃に対する防御力が大幅に向上するでしょう。

まとめ

CSRF攻撃は、ユーザーが意図しない操作を行わせる悪意のある手法であり、そのリスクを軽視することはできません。特に、ウェブアプリケーションが広く利用される現代において、CSRFからの防御は重要です。適切な対策を講じることで、個人情報や資産を守ることが可能です。この記事を通じて、CSRF攻撃の仕組みと対策を理解し、自身のシステムを守る一助としていただければ幸いです。

執筆者:

Admina Team

CSRF攻撃(Cross-Site Request Forgery)は、ユーザーが正規のウェブサイトにログインしている状態を悪用し、不正なリクエストを送信させる攻撃手法です。この攻撃により、ユーザーの意図しない操作が実行される可能性があり、個人情報の漏洩や不正な取引が引き起こされる恐れがあります。本記事では、CSRF攻撃の基本的な概念や、XSS攻撃との違い、具体的な被害、そして効果的な対策に至るまで、詳しく解説していきます。

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