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AIOpsとは?読み方・MLOpsとの違いや製品比較を解説

AIOpsとは?読み方・MLOpsとの違いや製品比較を解説

AIOpsとは?読み方・MLOpsとの違いや製品比較を解説

AIOpsとは?読み方・MLOpsとの違いや製品比較を解説

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最終更新日

Straits Researchは、IT運用プラットフォーム向けAI(AIOps)市場について、2025年に69億4,000万米ドル、2026年に81億3,000万米ドルへ拡大し、2034年には289億5,000万米ドルに達すると予測しています(CAGR 17.2%)。

同調査は対象をIT運用プラットフォーム向けAI全般と定義しており、2025年の69億4,000万米ドルはレポート内の評価額として扱われています(出典:Straits Research)。クラウドやマイクロサービスが混在する環境では、監視対象とアラートが増え、人手だけでの原因調査に限界が生じます。

本記事は、運用改善や監視基盤の見直しを担う情シス担当者向けに、AIOpsとは何か、AIOpsの読み方、MLOpsとの違い、比較・選定の基準を実務の順番で整理します。

AIOpsの基本概念やMLOpsとの違いをはじめ、ITシステム運用における障害対応の自動化と再現性向上に向けた導入手順を視覚的にまとめたインフォグラフィック。

AIOpsとは

この章では、AIOpsの定義、読み方、監視基盤との関係を把握できます。

本記事のポイント

  • AIOpsの読み方は「エーアイオプス」です。Gartnerが2016年に示した当初の名称は「Algorithmic IT Operations」でした。

  • AIOpsは、監視データを分析し、障害対応を支援・自動化する手法です。

  • MLOpsはAIモデルの運用、DevOpsは開発と運用の連携を対象にします。

  • 導入効果は、収集データと運用プロセスの設計で決まります。

AIOps(エーアイオプス)はAIを活用してIT運用の自動化と効率化を図る手法です。現在はArtificial Intelligence for IT Operationsの略として使われることが一般的ですが、Gartnerは2016年に「Algorithmic IT Operations」としてこの概念を示しました。

Gartnerが示したAIOpsの考え方は、ログ、メトリクス、トレース、イベント、障害チケットを横断して分析し、異常の検知、関連アラートの集約、原因候補の提示、定型対応の実行を支援するものです。ITインフラの状態を一つの画面で見るだけでなく、データ間の関係から優先順位を付ける点に特徴があります。

Straits Researchの2026年版「Artificial Intelligence for IT Operations (AIOps) Market」では、AIOps市場は2025年に69億4,000万米ドルと評価され、2026年の81億3,000万米ドルから2034年に289億5,000万米ドルへ拡大すると予測されています。同レポートは2026年から2034年を予測期間とし、年平均成長率(CAGR)を17.2%としています。2025年の数値は予測値ではなく、同レポートにおける評価額として扱います。

オブザーバビリティとの関係

AIOpsの精度は、オブザーバビリティで取得したデータの網羅性に左右されます。メトリクスだけでは原因候補が絞れない場合でも、ログ、分散トレース、構成情報を時系列で結び付けられれば、影響範囲と起点を調査しやすくなります。代表的な構成要素は、データ収集・集約、アルゴリズム、機械学習、オートメーション、可視化です。

▶ 関連記事: AI導入方法とは?|情シス担当者が成功させる5つのステップと選定基準

AIOpsとMLOps・DevOpsの違い

AIOps、MLOps、DevOpsは連携できますが、直接管理する対象と成果指標が異なります。

AIOpsとMLOpsの違いは、AIOpsがITサービスを安定稼働させるための運用技術であるのに対し、MLOpsは機械学習モデルを継続運用するための開発・運用技術である点です。DevOpsは、開発と運用の分断を減らして提供速度と品質を高める組織・プロセスの考え方です。

概念

主な目的

対象領域

代表的な成果指標

AIOps

運用の自動化・高度化

インフラ、アプリケーション、監視イベント

MTTR、アラート件数、障害件数

MLOps

AIモデルの継続的な品質管理

学習済みモデル、データ、デプロイ工程

モデル精度、再学習時間、再現性

DevOps

開発と運用の連携改善

開発工程、リリース、運用体制

リリース頻度、変更失敗率、復旧時間

情シスが障害時の情報過多や調査時間を減らしたい場合はAIOpsを中心に検討します。社内でAIを開発しており、モデル劣化や再学習の管理が課題ならMLOpsを別途整備します。

▶ 関連記事: AI 情シス完全ガイド|業務効率化の4領域と導入事例・失敗パターン【2026年最新】

AIOps・MLOps・DevOpsの目的・対象領域・主要指標の対比

▲ AIOps・MLOps・DevOpsの目的・対象領域・主要指標の対比

AIOpsツールの比較と選定基準

AIOpsの比較では、製品名よりも自社の課題、既存データ、対応フローとの接続点でタイプを絞ります。下表の分類は製品の導入起点を示すものであり、各製品が持つ機能全体を限定するものではありません。

Datadog、Dynatrace、Splunk、IBM Instanaなどは代表的なAIOpsプラットフォームです。ただし、同じAIOpsを掲げる製品でも、収集するデータと強みは異なります。

タイプ

主な起点

得意な課題

代表例

APM・可観測性発

メトリクス、ログ、トレース

性能劣化の調査、依存関係の可視化

Datadog、Dynatrace、New Relic

インシデント管理発

既存監視ツールのアラート

通知の集約、担当者へのエスカレーション

PagerDuty、BigPanda

ITSM・ITOM発

チケット、CMDB、変更管理

障害対応フローと構成情報の連携

ServiceNow、IBM Cloud Pak for AIOps

ログ解析発

大量ログ、イベント

横断検索、相関分析、運用状況の把握

Splunk、Elastic Stack

選定時の判断軸

選定では、①既存の監視ツール、SlackやTeams、ITSMとの連携、②オンプレミスを含む対象環境、③原因候補の根拠と依存関係を表示できるか、④自動実行前に承認を挟めるか、⑤データ量増加時の費用管理を評価します。ServiceNowやJira Service ManagementなどのITSMと統合する製品が多いため、チケット起票から復旧後の記録までを対象に含めると比較しやすくなります。

比較項目

確認する内容

確認結果による判断

対応データ

ログ、メトリクス、トレース、イベント、チケット、構成情報のうち、取り込み可能なデータと保持条件

必要なデータを同じ時系列で扱えるなら相関分析まで評価し、欠けるデータがあるなら連携追加または対象範囲を限定します。

分析機能

アラート集約、相関分析、根本原因候補、依存関係表示に加え、各結果の根拠を画面で追跡できるか

根拠を運用担当者が確認できるなら調査支援をPoC対象とし、確認できなければ通知集約など判断の影響が小さい用途に絞ります。

自動化の範囲

チケット起票、担当者呼び出し、Runbook実行、承認フロー、実行履歴の取得可否

承認と実行履歴を組み合わせられるなら限定的な自動化を評価し、組み合わせられなければ分析結果の提示までを対象にします。

対象環境

クラウド、オンプレミス、ハイブリッド環境、ネットワーク分離環境への対応条件

対象システムを接続できるなら同一PoCで比較し、接続できない環境があるなら監視基盤を分けたまま運用設計を検討します。

契約・費用

契約単位、データ保持、追加取り込み、連携機能、サポート範囲と見積もり条件

想定データ量と保持期間で費用を試算できるなら年間運用費で比較し、試算できなければPoCのデータ量を制限して増加時の条件を整理します。

料金モデルと管理方法

AIOps製品の契約単位や課金条件は、取り込むデータ、監視対象、利用機能、契約プランによって異なります。製品ごとの公式価格表、ライセンス案内、見積書で取り込み対象、保持期間、追加利用時の条件を確認し、想定データ量で費用を試算できればPoCの対象範囲を決めます。試算できない場合は、エラーログが急増する環境を含めず、除外ルールと保持期間を定めた限定検証にします。必要な連携が現行仕様で利用できるなら限定検証に進み、利用できないなら既存監視を残して連携方式を見直します。

自社の最優先課題から最適なAIOpsツールタイプを導く判断フロー

▲ 自社の最優先課題から最適なAIOpsツールタイプを導く判断フロー

AIOpsの導入事例と効果測定

AIOpsのROIは、導入前後でアラート件数、MTTR、調査時間を同じ条件で測定して判断します。

New Relicは2026年7月8日付の発表で、株式会社エアークローゼットがNew Relic MCP Serverとマルチエージェントを連携させた「New Relic Analyzer」を開発した事例を紹介しています。問題調査時間の短縮を比較する際は、対象サービス、障害の種類、調査の開始・終了時点、比較期間、生成AIが担った処理と担当者が担った判断をそろえます。これらをそろえられるなら調査支援の効果を導入前後で比較し、そろえられない場合は短縮率を他社の導入計画へそのまま当てはめません。

PagerDutyは、オープンハウスグループにおけるAIアラート自動グルーピングの活用事例として、直近45日間の総アラート数が1,885件から884件へ減少したと公表しています(出典:PagerDutyプレスリリース)。これは通知件数の比較であり、障害件数そのものの減少やMTTRの短縮と同義ではありません。MTTRだけを追うと、障害の発生件数や重大度の違いで判断がぶれます。情シスでは、削減した通知数、一次切り分け時間、手動介入数に加え、集約前後の対象アラート、比較期間、重大度の構成を記録すると、運用負荷の変化を説明できます。

AIOps導入における注意点と失敗パターン

AIOpsは導入直後に全障害を自動復旧する仕組みではなく、データと権限を段階的に整備して使う運用基盤です。

データ不足と誤った相関

よくある失敗は、監視対象ごとに時刻、サービス名、重要度の表記が異なるままデータを投入することです。AIは不足したログや古い構成情報からも原因候補を出しますが、その候補を正解として扱うと誤対応につながります。サービス名、環境名、変更履歴、依存関係をそろえられるなら異常検知から始め、そろわない場合はログ形式とタグの標準化を先に実施します。

ブラックボックス化と自動復旧

原因候補の根拠、参照したログ、実行予定の手順を担当者が確認できない状態で、自動復旧を本番へ広げてはいけません。再起動やスケール変更など影響が限定された手順は承認付きで検証し、データ削除や設定変更は人が実行します。生成AIでログを要約する場合も、機密ログの送信範囲、利用権限、生成したスクリプトのレビュー環境を分けます。

▶ 関連記事: 【2026】生成AIセキュリティのベストプラクティスと情シス対策

AIOps導入による次世代IT運用への最初の一歩

最初のPoCは、全社統合ではなく、効果を数値で比較できる一つの運用課題に限定します。

導入開始時は、次のチェックリストで対象を決めます。

  1. 直近1か月のアラート件数、夜間呼び出し件数、MTTRを記録します。

  2. アラート過多、原因調査、チケット連携のうち、最も損失が大きい課題を一つ選びます。

  3. ログ、メトリクス、構成情報、変更履歴を取得できる範囲を棚卸しします。

  4. PoCではアラート削減率と調査時間を測り、承認付きの自動化だけを対象にします。

PoCから本格運用までの期間は、対象範囲、データ品質、既存ツールとの連携、権限設計、組織内の承認プロセスで変わるため、一律の期間目安では判断しません。開始前に評価基準を定義し、アラート削減率は「(導入前の対象アラート件数-導入後の対象アラート件数)÷導入前の対象アラート件数」、MTTRは「対象インシデントの復旧時間合計÷対象インシデント件数」として、対象期間と重大度を固定します。監査ログと承認履歴を取得できるならアラート集約など可逆性の高い用途で限定検証に進み、取得できなければ自動実行を含めず、分析結果の確認と運用データの整備を先行します。RFPでは、対応データ、根拠表示、オンプレミス接続、承認付き自動化、契約単位、データ保持、サポート範囲を同じ質問票で確認します。運用改善の計画設計には、AI導入の進め方も参考になります。

▶ 関連記事: 情シス主導のAI業務効率化ロードマップ|業務棚卸しから運用まで【2026年版】

リスクを抑えて段階的に成果を出すAIOps導入の4ステップ

▲ リスクを抑えて段階的に成果を出すAIOps導入の4ステップ

まとめ

情シスがAIOpsを導入する目的は、AIを導入すること自体ではなく、障害対応を再現可能にし、運用担当者が判断すべき事案へ時間を使えるようにすることです。明日からは、直近1か月のアラート件数とMTTRを可視化し、最も負荷の大きい一つのサービスをPoC候補に定めます。データ品質、判断根拠、承認手順を先に整えれば、AIOpsを安全に運用改善へつなげられます。

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

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