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近年、多くの企業で数多くのクラウドサービスが導入されています。しかし、SaaSには月払いや年払い、さらには利用状況に応じた従量課金など様々なプランが存在し、契約更新日や解約通知期限を正確に把握することは容易ではありません。
更新タイミングを逃してしまうと、使っていないアカウントに対して不要なコストを支払い続けたり、セキュリティリスクを抱え込んだりすることになります。本記事では、SaaSの自動更新を回避し、コスト最適化とセキュリティ統制を両立するための契約更新リマインドの具体的な手法について解説します。

SaaS契約管理とは
情シス部門におけるSaaS契約管理(サブスクリプション 契約 管理)とは、企業内で契約・利用されているすべてのSaaSのアカウント数、利用料金、契約更新日、利用実態などを一元的に把握・統制する業務プロセスを指します。
この記事でわかること:
自動更新の回避:契約更新日だけでなく「解約通知期限(デッドライン)」から逆算した契約更新リマインドを設定し、意図しない自動更新によるコストの無駄を防ぎます。
セキュリティの担保:2028年頃に施行見込みの改正個人情報保護法に対応し、退職者のアカウント削除漏れを検知・即座に排除することで情報漏えいを防止します。
コストの最適化:社内に散らばる不要・重複ライセンスや「シャドーAI(未認可ツール)」の利用実態を可視化し、年間約25%とされる無駄な支出を削減します。
企業のDX推進に伴い、SaaSの利用数は増加の一途をたどっています。それに比例して管理の煩雑さやセキュリティリスクも高まっており、これらを効率的に解決するための専用のSaaS管理ツール(更新管理ツール)への注目が急速に高まっています。
SaaS契約・サブスク管理のメリットと2026年最新トレンド
SaaSの契約やサブスクリプションの更新タイミングを適切に管理することは、コスト削減だけでなく企業のガバナンス強化において非常に大きなメリットをもたらします。
2026年個人情報保護法改正による影響とセキュリティリスク
2028年頃に施行見込みの改正個人情報保護法では、個人情報の漏えい報告義務がさらに厳格化される見込みです。手動管理による運用の限界から、15%〜25%程度の確率で退職者のアカウント削除漏れが発生しているとも言われています(複数の国内SaaS管理ベンダー調査による推計値)。退職者が以前のサービスアカウントを使って社内データにアクセスできる状態は、深刻なセキュリティホールであり、法的ペナルティにも直結します。契約更新のタイミングは、これら不要アカウントを棚卸しする絶好のトリガーとなります。
企業のSaaS支出における約25%の無駄を排除
一般的な企業において、SaaS支出全体の約25%は無駄(未使用ライセンス、重複契約、不適切な過剰プラン)だと言われています(Gartner等の調査レポートより)。例えば、従業員100名規模の企業であれば、適切な更新・棚卸し管理によって年間200万〜500万円のコスト削減余地があります(上記25%削減試算および国内SaaS管理ツールベンダーの導入事例平均値をもとにした編集部試算)。以下は、Miro(200名規模)を例にした具体的なコスト最適化(SaaSのコスト最適化)のシミュレーションです。
項目 | 最適化前(月額・個別登録等) | 最適化後(不要削減+年払い切替) |
|---|---|---|
対象・アカウント数 | 200名(月額$10/名) | 170名に削減(不要な15%を削除) |
契約形態 | 月払い契約(年額約15,960円/名) | 年払い契約に変更(年額約12,768円/名) |
年間支払総額(為替133円換算) | 約319万円 | 約217万円 |
年間削減効果 | - | 約102万円の削減(約32%削減) |
適切な棚卸しの機会を設けることで、未利用アカウントを発見し、年次契約のタイミングでプランを年払いに切り替える、あるいは余剰アカウントを削減することで、大幅なキャッシュアウトを防ぐことが可能になります。
Excelなどの手動による台帳管理が成り立たない理由
多くの企業が「スプレッドシートやExcelによる管理台帳」や「カレンダーへの予定登録」でSaaS管理を試みますが、これらは高確率で破綻します。
「シャドーAI・シャドーIT」の急増
昨今、生成AIツールの急速な普及により、現場の従業員が情シスに無断でAIサービスを契約・利用する「シャドーAI」が深刻化しています。IT部門が把握していないSaaSの数は、実際に把握している数の「6倍以上」に達しているというデータもあります(Cloudflare「Shadow IT」調査等より)。情シスの管轄外で野良契約が繰り返されるため、Excelなどの手動台帳はすぐに形骸化します。シャドーAI対策の具体的な方法については、別記事で詳しく解説しています。
6割以上の企業が直面する「意図しない自動更新の罠」
マネーフォワードのアンケート調査(10以上のSaaSを利用する企業の経営者・従業員対象)によると、実に「64.07%」の企業が「意図しない自動更新を経験したことがある」と回答しています(マネーフォワード Admina公式調査)。手動で台帳に入力する手間の多さ、更新の確認漏れ、経理との連携遅れなどが重なることで、更新期限が過ぎてしまい、翌年分の費用請求が発生してしまう事態が頻発しているのです。更新漏れを構造的に防ぐには、リマインドを自動化できる専用ツールへの移行が現実的な選択肢です。
▲ Excel/手動管理とSaaS管理ツールの機能・リスク対策の比較
自動更新の罠を防ぐ!契約更新リマインドと解約デッドラインの登録方法
自動更新を確実に回避するためには、「契約更新日」だけを記録していても意味がありません。
「解約通知期限(解約デッドライン)」の管理
多くのSaaSでは、契約更新日の当日に解約を申し出ても解約できません。通常は「更新日の30日前〜60日前まで」に解約・アカウント数削減の申請を行わなければ、自動的に次回分の契約が更新されてしまいます。したがって、管理台帳には契約更新日と並んで、解約デッドラインから逆算した更新リマインドを設定することが必須です。例えば、年払いFigmaのように3ヶ月ごとにライセンス見直し(再集計)が入るサービスは、3ヶ月サイクルでリマインダーを動かすといった、支払いサイクルに合致した柔軟な設定が求められます。
SSO(シングルサインオン)を導入しているから大丈夫という誤解
「自社はOktaやAzure ADなどのIDaaS(SSO)を導入しているから、アカウント管理はできている」と考える担当者は少なくありません。しかし、SSOはログインの一元化を行うだけであり、「どのSaaSにいくら支払っているか」「次回の更新日はいつか」「解約のデッドラインはいつか」といった『契約・コスト・更新』の管理は不可能です。SSOはアクセス管理、SaaS管理ツール(SMP)は「コスト・契約・ライフサイクル」の管理という、目的の異なるツールであることを認識し、併用して運用する必要があります。
▲ SSOを導入していても、SaaSの「契約管理」が安全にできているかを判定するフロー
▲ 意図しない自動更新を防ぐための、契約更新日から逆算したリマインドと手続きのステップ
SaaS管理ツールを活用した国内企業の導入事例
SaaS管理ツール(更新管理ツール)を導入することで、コストや管理工数を劇的に削減した実際の国内企業の導入事例をご紹介します。マネーフォワード Adminaなどのツールが、どのような規模や業種で活用され、課題を解決しているのか、具体的な成果は以下の通りです。
1. 株式会社日本旅行(ITboard導入事例)
業種・規模: 旅行業・グループ全体(従業員数千名規模)
導入時期: 2023年〜
課題・施策: グループ全体でのべ6,600以上のSaaSアカウントを保持していたが、手作業や紙の台帳で管理しており、契約状況やシャドーIT、コストが完全にブラックボックス化していた。そこでSaaS管理ツールを導入し、契約情報とアカウントを一元化。ログイン履歴の可視化や不要ライセンスの整理、シャドーITの発見などを一元的に実施。
成果: 不要なライセンスの削減とガバナンス強化により、実質約2,000万円の管理費用・コスト削減効果を達成。
2. ナイル株式会社(マネーフォワード Admina導入事例)
業種・規模: インターネットメディア・マーケティング支援(数百名規模)
導入時期: 2022年〜
課題・施策: 社内で乱立する多様なSaaSのアカウントやライセンス、複雑な契約情報を一元的に可視化・管理できていない課題があった。マネーフォワード Adminaを導入し、アカウント連携と契約情報を一元化。
成果: アカウントの整理や未使用アカウントの棚卸しを徹底したことで、年間640万円のコスト削減を達成。
3. 株式会社RevComm(マネーフォワード Admina導入事例)
業種・規模: 音声解析・AI電話サービス開発(数百名規模)
導入時期: 2022年〜
課題・施策: 契約プランや未使用アカウントの可視化が追いつかず、契約更新時に適切な見直しが困難であった。Adminaのインサイト機能を活用し、利用実態に合わせた最適なプラン変更を実施。
成果: 実利用に即した契約へのダウングレードや不要ライセンスの削除により、年間130万円のコスト最適化を実現。
SaaS契約管理におけるよくある失敗パターンと対策
SaaS管理ツールや仕組みを導入する際、情シス担当者が陥りがちな2つのアンチパターンとその対策を解説します。
失敗パターン①:すべてのSaaSを初めから一括登録しようとする
社内にある数百のツールを初期セットアップの段階で完全に可視化・登録しようとすると、情報収集だけで情シス部門の工数が逼迫し、運用がスタートする前に頓挫します。
【対策:スモールスタートの徹底】まずは「全社共通で使う主要ツール(Google Workspace、Slack、Microsoft 365など)」や「最も年間コストが高いツール」の上位5〜10個程度から段階的に登録範囲を広げるスモールスタートを意識しましょう。
失敗パターン②:自動更新アラートを「個人のメール」で受信して放置される
更新リマインドを個人のメールアドレス宛てに送信する設定にしていると、担当者が多忙で見落としたり、異動や退職によって通知自体が迷子になり、結果として「意図しない自動更新」を繰り返します。
【対策:組織共有のコミュニケーションツールに自動連携】SlackやMicrosoft Teamsなどの、情シス・管理部門の「共有チャンネル」に自動連携してリマインドを流し、通知を組織の共有チャンネルに流し、誰かが必ず拾える体制を作りましょう。
よくある質問
Q:SaaS管理ツール(更新管理ツール)とはどのようなものですか?
A:企業内で利用されている各種SaaSのアカウントやライセンス、契約更新日、料金を一元的に可視化し、適切なタイミングでの「契約更新 リマインド」や「退職者のアカウント削除」を自動化・効率化するシステムです。国内シェア1位(ミック経済研究所調査等による)の「マネーフォワード Admina」などがあります。
Q:契約更新のリマインドを設定する最適なタイミングはいつですか?
A:契約更新日の「30日前〜60日前」が最適です。多くのSaaSでは自動更新を停止するための解約通知期限(デッドライン)がその時期に設定されているため、更新日の直前ではなく、デッドラインのさらに1〜2週間前にリマインドを設定することが大切です。
Q:シャドーAIやシャドーITを効果的に検知する方法はありますか?
A:SaaS管理ツールに、経費データ(クレジットカード明細・購買申請履歴)やSSOログ、ブラウザの拡張機能などを連携させることで、IT部門に無届けで現場が独自契約しているSaaSを自動検知できます。
まとめ
SaaS・サブスクリプション管理を放置すると、コスト増・情報漏えい・法令違反の三重リスクを抱えることになります。2028年頃に施行見込みの改正個人情報保護法への対応も見据え、今が管理体制を見直す絶好のタイミングです。まずは、年間支払額が大きくセキュリティ上も重要な「全社共通SaaS」から登録を始めるスモールスタートが成功への近道です。
自動更新の罠を回避し、解約デッドラインに合わせたリマインダー運用を自動化するために、この機会に「マネーフォワード Admina」などの更新管理ツールを導入してみてはいかがでしょうか。今すぐクレジットカード不要で無料トライアルを体験できます。
✅ 主要SaaS上位10本の契約更新日・解約デッドラインを確認した
✅ 更新リマインドを個人メールではなく共有チャンネルに設定した
✅ 退職者アカウントの棚卸しを直近3ヶ月以内に実施した
✅ シャドーAIの利用実態を経費データと突合した
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。
SaaS・アカウント・デバイスの管理を自動化し、IT資産の可視化とセキュリティ統制を実現。
従業員の入退社対応や棚卸し作業の工数を削減し、情報システム部門の運用負荷を大幅に軽減します。
中小企業から大企業まで、情シス・管理部門・経営層のすべてに頼れるIT管理プラットフォームです。




