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固定IPアドレスのデメリットとは?メリットや手動設定を解説

固定IPアドレスのデメリットとは?メリットや手動設定を解説

固定IPアドレスのデメリットとは?メリットや手動設定を解説

固定IPアドレスのデメリットとは?メリットや手動設定を解説

公開日

ネットワーク管理において、「固定IPアドレス」の導入はセキュリティ強化や業務効率化に直結する重要な選択肢です。一方で、固定IPアドレスの仕組みや「動的IPアドレス」との違い、さらには手動設定における注意点を正確に理解しておかなければ、予期せぬ通信トラブルを招く恐れがあります。本記事では、BtoBやIT管理者層をターゲットに、2026年現在の最新技術トレンドを踏まえた固定IPアドレスの基礎知識から、具体的なメリット・デメリット、OS別の手動設定方法、さらにはトラブル対策まで専門的な視点で徹底的に解説します。自社に最適なネットワーク構築に向けて、ぜひお役立てください。

固定IPアドレスのメリット・デメリットや手動設定のポイント、ゼロトラスト環境における送信元IP認証について図解したインフォグラフィック。

固定IPアドレスとは

この記事でわかること

  • 固定IPアドレスは常に不変のIPを割り当てる仕組みであり、接続元の特定やサーバーの安定運用に役立ちます。

  • メリットが豊富な一方、グローバルIPの固定にはプロバイダの追加料金が発生し、プライベートIPの手動設定には「アドレス重複」のリスクが伴います。

  • 2026年現在は高速通信(IPv6 IPoE)と固定IPを両立するための回線・機器選びのジレンマが存在し、事前のプラン確認が必須です。

  • ゼロトラスト環境でも固定IPによる送信元制限は多層防御の一手として有効です。

固定IPアドレスとは、インターネットやローカルネットワーク上で、特定の通信機器(ルーター、サーバー、PCなど)に常に同じアドレスを割り当てる設定・運用方法のことです。インターネットサービスプロバイダー(ISP)から割り当てられる「グローバルIPアドレス」と、社内や家庭内のローカル環境でのみ通用する「プライベートIPアドレス」の2つの階層に分けて考える必要があります。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

グローバルIPアドレスは「インターネット上の住所」であり、世界中で重複が許されません。これを固定することで、外部から特定のWebサーバーや社内システムへ、迷うことなく接続できるようになります。一方のプライベートIPアドレスは「社内・宅内LAN内の住所」であり、社内ルーターによって割り当てられます。これら2つの領域において「IPアドレスの固定化」がそれぞれ異なるメリットとデメリットを生み出します。

固定IPアドレスと動的IPアドレスの違い

サーバー公開やVPNアクセス制御には固定IPが使われますが、一般的な通信では動的IPが標準です。

固定IPアドレスが「変わらない住所」であるのに対し、動的IPアドレスは「機器の再起動や再接続のたびにプロバイダ等から自動的に割り当て直される、変動する住所」です。多くのプロバイダでは追加費用をかけずに動的IPが割り当てられますが、IPアドレスが変わるため、外部から特定の端末を指定してアクセスを続けることができません。両者の主な特徴は以下の通りです。

比較項目

固定IPアドレス

動的IPアドレス

アドレスの変動

常に同じ(不変)

接続のたびに変動する

主な用途

自社サーバー運用、外部からのVPN接続、アクセス制限

一般的なWebサイト閲覧、動画視聴、ゲーム等

コスト目安

月額数百円〜数万円(別途追加オプション契約が必要)

通常料金に含まれる(実質追加コストなし)

IP手動固定の要否

グローバルはプロバイダ契約、プライベートは手動設定

DHCPによる自動割り当て(手動設定不要)

管理負荷

重複防止、セキュリティ対策が必要

プロバイダやルーターに任せるため極めて低い

このように、ビジネス用途において特定の通信先やデバイスを把握しアクセス制御を行う必要があるかどうかが、使い分けの最大のポイントとなります。

固定IPアドレスと動的IPアドレスのメリット・デメリットおよび用途の対比

▲ 固定IPアドレスと動的IPアドレスのメリット・デメリットおよび用途の対比

固定IPアドレスのメリットとデメリット

固定IPアドレスは通信相手の特定を容易にしセキュリティを高める一方で、ハッキングの標的になりやすいリスクや追加コストといった明確なデメリットを伴います。

固定IPアドレス(グローバルIP)のメリット

最大のメリットは、社外やテレワーク環境からのアクセスを特定のIPアドレスだけに限定する「送信元認証」をかけられる点にあります。クラウド上の重要な社内システムやサーバーに対し、許可された固定IP以外の通信をすべて遮断することで、ID・パスワード漏洩に伴う不正侵入リスクを最小限に防ぐことができます。また、自社でWebサイトやWebシステムを公開する、あるいは社内メールサーバーをホスティングする場合にも、安定したDNS設定がスムーズに行えるという恩恵があります。

固定IPアドレス(グローバルIP)のデメリット

一方で、コスト面は無視できません。通常の動的IP接続とは異なり、プロバイダの固定IPオプションや法人向けプランを別途契約する必要があるため、毎月の維持費が高くなります。また、IPアドレスが一切変わらないため、サイバー攻撃者から継続的なポートスキャンやブルートフォース(総当たり)攻撃のターゲットにされやすい傾向にあります。これには、ファイアウォールやUTM(統合脅威管理)の導入、多要素認証(MFA)の実装など、適切なセキュリティ運用の併用が必要になります。

プライベートIPアドレスを手動固定(手動割り当て)するメリットとデメリット

社内LAN内のネットワークプリンターやファイルサーバー、監視カメラなどの固定デバイスにおいて、プライベートIPアドレスを手動で固定(静的割り当て)する運用も行われます。手動設定の利点は、他のデバイスから共有機器へのアクセスパス(IPアドレス指定)が変動しないため、通信エラーが発生しなくなることです。

しかし、手動設定によるデメリットも存在します。ネットワーク内で重複して同じプライベートIPを手動設定してしまう「IPアドレスの競合」が発生すると、対象の双方がネットワークに繋がらなくなる不具合が生じます。また、新しい機器が増えるたびにIT担当者が手作業で管理台帳を書き換える負荷があり、管理対象デバイスが何十台、何百台と増加した場合には、デバイスの所在を一元把握できる統合管理ツールの導入が求められます。

依然として強固な「IPv4」固定IPの需要(2026年最新データ)

2026年現在のGoogle IPv6統計によると、世界のIPv6普及率は45〜50%に達しています。しかし、企業ネットワーク内トラフィックの55〜70%は依然として従来の「IPv4」が占めています。さらに、Gartnerなどの調査会社のレポートによると、大手企業(エンタープライズ)アプリケーションの多くが2026年現在もIPv4専用のままで動作しており、互換性の問題から安易にIPv6への完全移行ができない状況が続いています。この現実が、今もなお多くの企業が「IPv4の固定IP」を強く求める主要因となっています。

【2026年最新】IPv6 IPoE普及に伴う固定IPのジレンマ

高速通信を実現するIPv6 IPoE方式は、標準仕様では固定IPアドレスを利用できないため、専用の法人プラン選定が必要となる点を理解する必要があります。

IPoE方式(IPv4 over IPv6)の特性と注意点

回線速度の改善を目的に、従来のPPPoE方式から混雑の少ない「IPv6 IPoE」方式に切り替える企業が近年急増しています。しかし、IPoE接続の「一般向け通常プラン(v6プラス、OCNバーチャルコネクトなど)」では、ネットワークの仕様上、利用可能なポートが制限され、本来のグローバル固定IPが利用できないというトラブルが多発しています。

対応策:専用の法人プランと機器選定

IPoE環境下で固定IPを使用するためには、プロバイダが提供する「IPoE対応の法人固定IPオプション(MAP-EやDS-Lite等の特定通信技術に準拠したサービス)」の契約が必要です。また、使用するルーターも「固定IP設定に対応したビジネスルーター」である必要があります。家庭用の一般的なIPoEルーターでは、この特殊なIPoE用固定IP設定を手動で適用できない可能性が高いため、必ず機器のスペックやメーカーの「動作確認済みルーター一覧」を確認しましょう。

IPv6 IPoE回線で固定IPアドレスを正常に導入するための確認フロー

▲ IPv6 IPoE回線で固定IPアドレスを正常に導入するための確認フロー

固定IPアドレスの活用シーンと国内企業導入事例

固定IPが実際にどう使われているか、代表的な活用シーンと国内企業の導入事例を紹介します。

ゼロトラストセキュリティと固定IPの掛け合わせ

「社内=安全、社外=危険」という従来の境界防御は、クラウドサービスの利用増加やリモートワークの浸透によって破綻し、「すべての通信を疑い検証する」ゼロトラストへの移行が急がれました。しかし、ゼロトラスト環境の完全構築(生体認証やデバイスの状態確認などをリアルタイムに監視するソリューションなど)は導入コストや設定難易度が極めて高いという現実があります。

そのため、現在の中小企業から大手企業においては、「多層防御」の一部として固定IPを組み合わせるハイブリッドアプローチが主流となっています。すなわち、多要素認証(MFA)をベースにしつつも、パブリッククラウド(AWSやGCPなど)のファイアウォール(セキュリティグループ)やSaaSへのアクセス条件において、固定IPによる「接続元ネットワークの絞り込み」を最終防御壁とする手法です。これにより、万が一IDやパスワードが流出したとしても、想定外のIPからの接続を物理的に遮断することが可能です。

国内企業の具体的導入事例

以下に、固定IPアドレスを効果的に活用してセキュリティと生産性を向上させた国内企業の具体的な事例を紹介します。

事例1:リモートワークでのセキュリティ強化

  • 【業種・規模】:神奈川県の建設設計会社(30名規模)

  • 【導入時期】:2024年秋

  • 【課題】:施工現場や出張先から図面ファイルやクラウドストレージへセキュアにアクセスするニーズが急増した。しかし、設計図面(知的財産)や個人情報を外部に開放することへのセキュリティ不安があり、従来の複雑なVPN構成ではIT専任者がいないために管理しきれないという悩みを抱えていた。

  • 【施策】:固定IPに対応した「OCN光 IPoEサービス」を導入。クラウドストレージ側の接続元制限を会社の固定IPのみに設定し、社外からの接続も会社のアクセスポイントを経由する形をとった。

  • 【成果】:現場のタブレットからの安全な図面確認が、安定したIPoE高速通信環境で可能になった。不正アクセスのリスクが低減し、運用管理の負荷も軽減されたと社内担当者から報告されています(※本事例は当編集部による社内担当者への直接取材をもとに構成しています)。

事例2:パブリッククラウド開発環境へのセキュア接続

  • 【業種・規模】:Webシステム開発会社

  • 【導入時期】:2025年春

  • 【課題】:開発メンバーが、在宅勤務中にAWS(Amazon Web Services)などのインフラに直接アクセスしてコーディング作業をしていた。動的IPアドレス環境ではクラウド側のファイアウォール設定を日々変更する必要があり、設定ミスや不要なIPが開放されたままになるセキュリティ上の隙(脆弱性)が生まれていた。

  • 【施策】:固定IPアドレスを付与する法人用モバイルSIMサービスである「イプシム for Business」を各開発者のリモート用ルーター/SIMスロットに導入。

  • 【成果】:在宅勤務中でも送信元IPが固定されたことで、AWS側のファイアウォール設定を変更する必要がなくなった。不特定多数からのポートスキャンを防御しつつ、ファイアウォール設定変更の工数が不要になり、セキュリティと開発効率を両立できる体制を整備できた(実際の相談事例をもとに構成)。

固定IPアドレスの取得と手動設定手順

固定IPアドレスの導入には、プロバイダからグローバル固定IPを取得するプロセスと、接続デバイスで手動設定を施すプロセスの両方が求められます。

1. グローバル固定IPアドレスの取得(インターネット用)

まずは現在契約中のインターネットプロバイダー(ISP)に、固定IPアドレスサービスの追加オプションがあるかを問い合わせ、申し込みを行います。近年は安価なVPN回線を利用して容易にグローバル固定IPを取得できる仕組みも登場しており、企業の通信費コスト削減に寄与しています。具体的なサービス名や料金は各プロバイダの公式ページで最新情報を確認してください。

2. プライベートIPアドレスの手動設定手順(OS別)

オフィス内の特定機器(ファイルサーバーなど)でプライベートIPアドレスを手動で固定する場合のOS別手順を以下に示します。

Windowsの場合(Windows 11)(Microsoft公式サポート

  1. 「スタート」メニューから「設定」>「ネットワークとインターネット」を開きます。

  2. 「イーサネット(またはWi-Fi)」を選択し、一番下の「IP割り当て」項目にある「編集」をクリックします。

  3. 「手動」を選択し、「IPv4」を「オン」にします。

  4. プロバイダや社内LANの設計に合わせ、「IPアドレス」「サブネットプレフィックスの長さ(例: 24)」「ゲートウェイ(ルーターのIP)」「優先DNSサーバー」を入力して「保存」します。

Macの場合(macOS Sequoia以降)(Apple公式サポート

  1. 画面左上の「Appleメニュー」から「システム設定」>「ネットワーク」を開きます。

  2. 設定を固定したいネットワーク(Wi-FiやUSBイーサネット等)を選択し、「詳細」をクリックします。

  3. 左側のタブメニューから「TCP/IP」を選択し、「IPv4の設定」で「手動」を選択します。

  4. 設定したい「IPv4アドレス」「サブネットマスク(例: 255.255.255.0)」「ルーター」を手動入力します。

  5. 必要に応じて「DNS」タブに移動し、DNSサーバーアドレスを追加してから「完了」をクリックし「適用」します。

グローバル固定IPの契約から社内デバイスへの設定までの3ステップ

▲ グローバル固定IPの契約から社内デバイスへの設定までの3ステップ

固定IP導入でよくある失敗パターンと対策チェックリスト

固定IPの運用トラブルを防ぐためには、機器選定段階における仕様確認と初期化時の設定再投入フローの標準化が欠かせません。

失敗パターン1:ルーターが「IPoE(MAP-E)の固定IP設定」に対応していなかった

IPoE用の固定IPプランを契約したものの、手持ちの家庭用ルーターが「IPoE(MAP-E)での固定IPアドレス手動指定」に対応していないケースです。この場合、ルーター側の設定欄でそもそも固定IPの接続情報を入力できないトラブルに陥ります。

失敗パターン2:機器交換時に自動設定のまま「動的IP」に戻ってしまった

回線終端装置(ONU)やルーターの障害に伴う交換時、初期化された新しいルーターが自動的にインターネットを認識して接続できた(動的IPで繋がってしまった)ため、担当者が「固定IP設定が未入力であること」に気づかないケースです。IPが変更されたことで、外部からのアクセス制限がすべて不通になり、一時的な業務停止へと追い込まれます。

固定IP 導入・運用対策チェックリスト

  • 契約するプロバイダの「動作確認済みルーター一覧」を確認し、固定IP対応モデルを選定したか

  • プライベートIPの手動設定時、DHCPの割り当て範囲外(重複が絶対に発生しないアドレス帯)のアドレスを指定しているか

  • ONUやルーターの交換、ファームウェアアップデート時に設定情報を再確認・手動再投入するマニュアル(運用手順書)が整備されているか

  • 固定IPアドレスを指定して外部に公開している機器において、ファイアウォールによるアクセス制限を厳密化し、パスワードポリシーを高めているか

よくある質問

Q:プライベートIPアドレスを手動で固定したら、インターネットに繋がらなくなってしまった理由は?

A:最も多い理由は、社内ネットワーク内の別デバイスとの「IPアドレスの重複(競合)」、あるいは「デフォルトゲートウェイやDNSサーバーのアドレスの入力ミス」です。DHCPサーバー(ルーター)が自動的に割り当てる範囲外のアドレス帯を選んで正しく再入力するか、機器が通信競合を起こしていないかネットワークから切断してテストしてください。

Q:固定IPアドレスの導入にかかる一般的な料金相場はどのくらいですか?

A:グローバル固定IPをプロバイダから取得する場合、一般消費者向けのオプションプランでは月額1,000円〜3,000円程度、法人のIPoE高速接続回線用のプランでは月額5,000円〜数万円が相場です。ただし、近年は月額500円以下で提供されるVPN型の固定IPサービスも登場しており、用途によってコストは大きく変動します。各プロバイダの最新料金は、例えばOCNビジネスNTTコミュニケーションズなど各社の公式ページでご確認ください。

Q:固定IPアドレスを使うと、動的IPよりサイバー攻撃を受ける危険性は上がりますか?

A:アドレスが一切変化しないため、悪意あるユーザーが「ターゲットとなるサーバーの弱点(セキュリティホール)を時間をかけて探し出しやすい」という意味では、ポートスキャンなどのリスクは上がります。ただし、危険性は上がるものの、適切なファイアウォール設定や多要素認証(MFA)を組み合わせた多層防御を整えれば、総合的なセキュリティレベルは動的IPより高くなります。

まとめ

固定IPアドレスのメリット・デメリットを用途ベースで把握し、自社のネットワーク環境に本当に必要かどうかを判断することが、無駄なコストとトラブルを防ぐ第一歩になります。2026年現在は、IPv6 IPoE普及による相性問題や、ゼロトラスト環境における多層防御としての送信元IP認証の再構築が大きなテーマとなっています。まず社内の固定IP必要機器(Webサーバー、VPN、ファイル共有など)を棚卸しすることから始めてください。

以下のチェックリストを活用して、導入準備を進めてください。

  • ✅ 社内の固定IP必要機器(サーバー・VPN・ファイル共有など)を洗い出した

  • ✅ 契約プロバイダのIPoE固定IP対応状況を確認した

  • ✅ 対応ルーターの機種をメーカーの動作確認済み一覧で確認した

  • ✅ プライベートIPの手動設定時にDHCP割り当て範囲外のアドレスを選定した

  • ✅ ファイアウォールおよびMFAによる多層防御の設定方針を決定した

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

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