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スターリンクの料金は、月額4,900円のホームLiteから、持ち運び向けのROAM、法人向けのBusinessまで用途で大きく変わります。特にStarlink Miniは本体価格が下がり、防災・車中泊・建設現場の通信手段として検討しやすくなりました。
本記事では、Starlink公式サイトの日本向けサービスプラン、総務省の携帯電話エリア整備関連資料、KDDI・NTTドコモ・ソフトバンクの公式発表、国内導入事例をもとに、スターリンクとは何か、スターリンク料金の選び方、導入前に見落としやすいデメリットを整理します。個人利用だけでなく、拠点のBCPや現場通信を任される情シス担当者にも役立つ内容です。

スターリンクとは
スターリンクとは、SpaceXが運用する低軌道衛星を使い、地上回線が届きにくい場所でもインターネット接続を提供する衛星通信サービスです。
この記事でわかること
スターリンク料金は、個人向けホームLiteが月額4,900円、持ち運び向けROAM 100GBが月額6,920円です。
Starlink Miniの月額は端末ではなく契約プランで決まり、本体価格は2026年8月時点の公式表示で34,800円です。
日本は携帯電話の人口カバー率が99.9%超でも、山間部や海上を含む面積ベースでは圏外が残るため、スターリンクの価値があります。
スターリンクのデメリットは、北側の空の遮蔽、屋外5GHz帯の電波法対応、停電時の電源確保に集中します。
スターリンクが必要になる場所
総務省の携帯電話エリア整備関連資料では、国内の携帯電話サービスは人口カバー率99.9%超まで整備されています。一方で、山林・海上・工事現場を含む面積ベースでは整備率が約60%にとどまり、国土の広い範囲で携帯電話が圏外になります。スターリンクは、この圏外エリアを衛星から補完する通信手段です。
この記事の対象読者
個人では、光回線を引けない住宅、別荘、車中泊、防災備蓄でスターリンクを検討する人が対象です。法人では、50名未満なら現場単位のROAMやMini、50〜300名なら拠点バックアップ、300名超ならBusinessやキャリア提供プランを含めたBCP設計が現実的です。
スターリンクの仕組みと通信速度
スターリンクの強みは、高度約550kmの低軌道衛星を使うことで、従来の静止衛星通信より遅延を大幅に抑えられる点です。
低軌道衛星による遅延の低減
従来型の静止衛星は高度約36,000kmに位置するため、地上との往復距離が長く、Web会議やVPNでは遅延が目立ちやすい仕組みでした。スターリンクは高度約550kmの低軌道衛星を多数使うため、衛星までの距離は約65分の1です。通信遅延はおおむね20〜40ms程度に収まり、オンライン会議、クラウド業務、地図アプリの利用に耐えます。
実測速度の目安
Starlink公式サイトの日本向け性能案内と公開計測値の傾向では、スターリンクの実効速度は下り100〜300Mbps、上り20〜40Mbpsが目安です。光回線の最大1Gbps表示には届きませんが、携帯電波が届かない現場で複数人がWeb会議や図面共有を行う用途では十分な速度です。
アンテナによる衛星の自動追尾
利用者はアンテナを屋外に設置し、電源を入れるとStarlinkアプリの案内に従って衛星を捕捉します。低軌道衛星は常に移動するため、アンテナは複数の衛星を切り替えながら通信します。遮蔽物があると切断が起きるため、速度よりも設置場所の見通しが安定性を左右します。
▲ 高度約550kmの低軌道衛星を活用するスターリンクの低遅延な通信仕組み
スターリンクの料金プランとMini月額
スターリンク料金は、固定利用ならホームLite、持ち運びならROAM、防災備蓄ならスタンバイを軸に選ぶと失敗しません。
以下はStarlink公式サイトの日本向けサービスプランをもとにした、2026年8月時点で新規申込可能な主なプランです。料金や提供条件は変更されるため、申し込み直前に公式の注文画面で確認してください。
プラン | 月額料金の目安 | 利用場所 | データ容量 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
ホームLite | 4,900円 | 登録した固定住所 | 無制限 | 光回線が引けない自宅、別荘、小規模事務所 |
ホーム | 7,100円 | 登録した固定住所 | 無制限 | 固定拠点のメイン回線、在宅勤務 |
ROAM 100GB | 6,920円 | 国内の陸上で持ち運び可 | 100GB | キャンプ、車中泊、短期現場、Starlink Mini |
ROAM 無制限 | 15,600円 | 国内の陸上で持ち運び可 | 無制限 | イベント、長期出張、複数人利用 |
スタンバイ | 1,585円 | 待機用 | 最大0.5Mbps | 災害用の最低維持、オフシーズン保管 |
Business Priority | 国内代理店例で40GB月額9,800円から | 法人拠点・現場 | 契約容量による | BCP、建設現場、医療、海上通信 |
Starlink Miniの月額は契約プランで決まります
Starlink Miniは小型アンテナの名称であり、Mini専用の月額料金があるわけではありません。2026年8月時点の公式表示では本体価格は34,800円で、月額はROAM 100GBなら6,920円、固定住所で使うならホーム系プランの料金になります。サイズは約29.8cm×25.9cm、重量は約1.1kg、消費電力は25〜40Wで、USB-PD対応のポータブル電源から動かしやすい点が特徴です(仕様の詳細はStarlink公式ハードウェアページで確認できます)。
使わない月も維持費がかかります
以前可能だった「完全0円での休止」を前提にすると、年間費用の見積もりを誤る恐れがあります。たとえばMiniを防災用に購入し、12か月すべてスタンバイで維持する場合は、初年度の目安が34,800円+1,585円×12か月で53,820円です。夏の3か月だけROAM 100GBを使い、残り9か月をスタンバイにすると、初年度は34,800円+6,920円×3か月+1,585円×9か月で69,825円になります。
▲ 利用場所と用途に応じたスターリンク最適料金プランの選び方
他回線との料金・性能比較
都市部で光回線を引けるなら光回線が最優先ですが、圏外・短期現場・災害時のバックアップではスターリンクが有力です。
スターリンクの価格だけを見ると高く感じますが、比較すべき相手は通常の光回線だけではありません。携帯基地局が届かない場所では、5GホームルーターやポケットWi-Fiがそもそも使えないため、利用場所を含めて判断します。
回線種別 | 月額目安 | 初期費用目安 | 下り速度の目安 | 遅延の目安 | 弱点 |
|---|---|---|---|---|---|
スターリンク ホームLite | 4,900円 | 端末代が必要 | 100〜300Mbps | 20〜40ms | 空の見通しと電源が必要 |
Starlink Mini+ROAM 100GB | 6,920円 | 本体34,800円 | 利用環境により変動 | 20〜40ms | 100GBを超えると制限に注意 |
光回線 | 4,000〜6,000円 | 工事費0〜44,000円程度 | 200〜700Mbps | 5〜20ms | 提供エリア外や工事不可物件では使えない |
5Gホームルーター | 4,500〜5,500円 | 端末代0〜70,000円程度 | 50〜300Mbps | 30〜60ms | 山間部・屋内奥・災害時に弱い |
ポケットWi-Fi | 3,000〜5,000円 | 端末代0〜30,000円程度 | 10〜100Mbps | 40〜80ms | 容量制限とエリア制限が大きい |
個人利用の判断基準
自宅に光回線を引けるなら、日常利用は光回線のほうが安定します。スターリンクの個人利用で費用対効果が出るのは、山間部の住宅や別荘、キャンプ、車中泊、防災備蓄など、携帯電波や固定回線に依存できない場面です。
法人利用の判断基準
法人では、通常回線の代替ではなく、業務停止を避けるバックアップ回線として評価します。拠点が1つならホームまたはBusinessの小容量プラン、複数現場を巡回するならMiniとROAM、重要拠点ではBusiness Priorityを選ぶと運用しやすくなります。
スターリンクのメリットと国内導入事例
スターリンクの最大のメリットは、地上インフラに依存しない通信を短期間で用意できる点です。
国内では、建設、自治体、医療、海運、通信キャリアのバックアップで導入が進んでいます。料金だけで比較すると割高に見えますが、現場停止や災害時の通信断を避ける効果を含めて評価する必要があります。
企業・自治体 | 業種・規模 | 導入時期 | 課題 | 施策 | 成果 |
|---|---|---|---|---|---|
大林組 | 建設・インフラ | 2024年公開事例 | 青森県深浦町の風力発電建設現場で携帯電波が届きにくく、図面共有やWeb会議が難しい | Starlink Businessを現場通信として導入 | 圏外現場でWeb会議、図面共有、遠隔臨場を可能にし、現場DXの前提となる通信を確保 |
高知県 | 自治体・医療BCP | 2024〜2025年 | 南海トラフ地震などで医療機関や行政拠点が孤立するリスク | 県内27の医療・救急関連拠点にStarlink Businessを配備 | 地上回線が途絶した場合でも、医療連携や災害対応の通信手段を維持できる体制を整備 |
商船三井 | 海運 | 2023年以降の公開発表 | 外航船では通信容量が限られ、船員の連絡手段や船陸間の情報共有に制約がある | 外航船にスターリンクを順次導入 | 船員の家族連絡やSNS利用、船陸間の運航情報共有を改善し、海上の働く環境を向上 |
出典は、KDDIのStarlink Business導入事例、高知県の災害医療・通信関連発表、商船三井の衛星通信導入発表、各社公式発表を参照しています。導入規模や料金は契約形態で変わるため、法人導入では端末台数、優先データ容量、保守窓口、設置工事を分けて見積もります。
スマホ直接通信の最新動向とアンテナ契約の違い
スマホ直接通信は圏外で最低限の連絡を可能にする仕組みであり、動画視聴やWeb会議を行うスターリンク契約の代替にはなりません。
2025〜2026年に3キャリアへ拡大しています
KDDIは2025年4月にau Starlink Directを開始し、2025年8月にはYAMAP、Googleマップ、ウェザーニュース、X、LINEなど一部アプリのデータ通信に対応しました。2026年にはNTTドコモとソフトバンクもStarlinkを用いたスマホ直接通信の商用化を進め、通常のスマートフォンで圏外を補う流れが広がっています。出典は、KDDIニュースリリース、NTTドコモ公式発表、ソフトバンク公式発表です。
比較軸 | スマホ直接通信 | アンテナ契約 |
|---|---|---|
必要機器 | 対応スマートフォン | Starlinkアンテナと電源 |
主な用途 | テキスト、位置情報、対応アプリの限定通信 | Web会議、動画、クラウド業務、複数端末Wi-Fi |
通信容量 | キャリアの提供条件に依存 | ホームは無制限、ROAMはプランに依存 |
災害時の強み | 端末だけで緊急連絡がしやすい | 避難所や拠点で複数人が通信できる |
限界 | 高速通信や常時接続には向かない | 設置場所、電源、電波法対応が必要 |
情シスでは役割を分けて設計します
従業員の安否確認はスマホ直接通信、拠点の業務継続はスターリンクのアンテナ契約という分担が現実的です。避難所、建設現場、港湾、山間部支店では、1台のアンテナで複数端末をWi-Fi接続できる点が大きな差になります。
スターリンクのデメリットと失敗パターン
スターリンクのデメリットは料金の高さよりも、設置条件、屋外Wi-Fiの法令対応、電源設計を誤ると通信が不安定になる点です。
北側の空が遮られると切断します
スターリンクのアンテナは衛星を自動で捕捉しますが、日本では設置場所によって北側の空の開け方が重要になります。南向きベランダ、ビルの谷間、北側に山や高層建物がある場所では、速度が出ても数分おきに通信が途切れます。購入前にStarlinkアプリの障害物スキャンを行い、遮蔽物が0%に近い場所を選びます。
窓越し・屋内設置は避けます
窓際に置けば使えると考えるのは、よくある失敗です。複層ガラスやLow-Eガラスは衛星電波を減衰させるため、アンテナは屋外設置が原則です。マンションではベランダの手すり、ひさし、上階の床が遮蔽物になりやすく、管理規約上の設置可否も確認が必要です。
屋外5GHz Wi-Fiは電波法の確認が必要です
総務省の無線LAN利用に関する案内では、5GHz帯のうちW52とW53は屋外利用が原則禁止されています。屋外でスターリンクのWi-Fiを使う場合は、Starlinkアプリで屋外モードを有効にする、2.4GHz帯に切り替える、またはW56対応の適法な無線LAN構成にします。キャンプ場や河川敷で初期設定のまま使うことは避けます。
停電時はポータブル電源が必要です
災害時にスターリンクがあっても、電源がなければ通信できません。標準アンテナは75〜100W程度、Starlink Miniは25〜40W程度を見込みます。500Whのポータブル電源で標準アンテナを動かすと、変換ロスを考慮して約4〜5時間が目安です。長時間運用では1,000Wh以上、MiniではUSB-PD 100W対応の電源を用意します。なお、スターリンクアンテナにAC電源を供給する場合は、純正弦波インバーター搭載のポータブル電源を使用してください。擬似正弦波(修正正弦波)出力の機器では誤動作や故障の原因になることがあります。
走行中利用は通常の個人プランだけでは判断しません
ROAMは場所を移して使えるプランですが、すべての契約で走行中通信が認められるわけではありません。車や船で移動中に使う場合は、In-Motion対応ハードウェア、対象プラン、設置方法を公式条件で確認します。
スターリンクの契約・設置前チェックリスト
スターリンク契約は、料金プランを選ぶ前に設置場所と電源を確認すると失敗を減らせます。
導入前チェックリスト
Starlinkアプリで設置候補地の障害物スキャンを行い、北側の空が開けていることを確認します。
屋内ではなく屋外にアンテナを設置できる場所を確保します。
固定利用ならホームLiteまたはホーム、持ち運びならROAM、保管目的ならスタンバイを選びます。
屋外Wi-Fiを使う場合は、5GHz帯の屋外利用設定または2.4GHz帯運用を確認します。
停電・屋外利用を想定する場合は、標準アンテナなら1,000Wh以上、MiniならUSB-PD対応電源を目安に準備します。
法人では、端末管理者、請求先、障害時の連絡先、設置撤去の責任者を契約前に決めます。
契約までのタイムライン
タイミング | 実施内容 | 判断ポイント |
|---|---|---|
申し込み前 | アプリで障害物スキャン | 遮蔽物が多い場合は購入しない、または設置場所を変える |
申し込み時 | 住所、利用形態、端末を選ぶ | 固定ならホーム系、移動利用ならROAM、携帯性重視ならMini |
到着後 | 屋外設置、速度測定、Wi-Fi設定 | 屋外5GHz利用の設定を確認する |
運用開始後 | 月次料金と利用量を確認 | 使わない月はスタンバイへ切り替える |
会社規模別の選び方
50名未満の会社では、1台のMiniまたは標準アンテナを現場や防災倉庫に置く構成で始められます。50〜300名では、拠点ごとのバックアップ回線として設置場所と電源を標準化します。300名超では、Business Priority、キャリア提供の閉域・保守付きプラン、MDMによるスマホ直接通信の利用可否管理まで含めて設計します。
▲ 失敗を防ぐスターリンク契約・設置までの4ステップ手順
よくある質問
Q:スターリンクの料金はいくらですか?
A:2026年8月時点の日本向け公式プランでは、固定利用のホームLiteが月額4,900円、ホームが月額7,100円です。持ち運び向けはROAM 100GBが月額6,920円、ROAM 無制限が月額15,600円です。
Q:Starlink Miniの月額はいくらですか?
A:Starlink Miniは端末名であり、月額は契約するプランで決まります。2026年8月時点の本体価格は34,800円で、持ち運び利用ならROAM 100GBの月額6,920円が選択肢になります。
Q:スマホ直接通信があればアンテナ契約は不要ですか?
A:不要にはなりません。スマホ直接通信は圏外でのテキスト、位置情報、対応アプリの限定通信向けで、動画視聴、Web会議、複数端末のWi-Fi接続にはアンテナ契約が必要です。
Q:マンションのベランダや窓越しで使えますか?
A:ベランダ利用は北側を含む空が開けていれば可能ですが、ひさしや上階の床が遮ると通信が途切れます。窓越しや屋内設置はガラスで衛星電波が減衰するため推奨しません。
Q:スターリンクの解約費用や休止費用はありますか?
A:契約条件は公式の注文画面で確認が必要ですが、使わない期間を完全0円で維持する前提は避けます。防災備蓄やオフシーズン保管では、月額1,585円のスタンバイを最低維持費として見込むと安全です。
まとめ
本記事は、Starlink公式サイトの日本向けサービス情報、総務省の無線・通信エリア関連資料、KDDI・NTTドコモ・ソフトバンクの公式発表、および国内導入事例をもとに、通信インフラ・ICT導入を専門とする編集部が作成・監修しています。料金や仕様は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
スターリンクを検討する最初の一歩は、料金表を見ることではなく、設置予定場所でStarlinkアプリの障害物スキャンを行うことです。空が開けていなければ、どのプランでも安定しません。固定利用ならホームLite、持ち運びならStarlink MiniとROAM、防災備蓄ならスタンバイを軸に、電源と屋外Wi-Fi設定まで含めて準備すると導入後の失敗を減らせます。
✅ 設置予定場所でStarlinkアプリの障害物スキャンを行う
✅ 利用用途(固定・持ち運び・防災)に合ったプランを選ぶ
✅ 屋外設置できる場所を確保する
✅ 停電時の電源(標準アンテナなら1,000Wh以上、MiniならUSB-PD対応)を準備する
✅ 屋外Wi-Fiを使う場合は5GHz帯の屋外利用設定または2.4GHz帯運用を確認する
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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