>
>
公開日
最終更新日
ZAICOは、中小企業向けのクラウド在庫管理システムです。スマートフォンなどから入出庫を記録し、現場と管理担当者が在庫情報を共有できます。
ZAICOの公式料金ページでは、税抜月額0円の無料プラン(フル1名・閲覧1名)、8,980円のスターター、49,800円のベーシックを掲載し、プロフェッショナルは導入規模に応じた見積もりとしています。運営元の案内では、旧無料プラン・ミニマム・ライト・proは2026年6月1日以降、新規契約を終了しました。
入出庫の記録を現場で回す担当者と、運用ルールを決める管理責任者の双方が判断できるよう、論点を順に並べます。料金とユーザー枠、AI機能に加え、スキャン漏れや権限設定による失敗パターンを整理します。酒田米菓の導入事例、ロジクラ・スマートマットクラウドとの用途別比較も取り上げ、自社で試す業務と導入前に決める運用ルールを具体化します。

ZAICO(ザイコ)とは
この記事でわかること:
概要:スマートフォンで入出庫を記録し、拠点や担当者間で在庫情報を共有できるクラウド在庫管理システムです(ZAICO公式サイトより)。
背景:荷主企業にも物流の効率化が求められるなか、入出庫を記録して在庫情報を共有し、在庫の適正化を進める手段になる。
料金:2026年6月1日にプランが全面刷新され、従来の無料プランは2026年5月31日で提供を終了しました。2026年10月時点の料金ページには、フル1名・閲覧1名で使える無料プラン(月額0円)が掲載されています。詳細はZAICO公式料金ページ参照。
補助金:ITツールの導入費用を対象とする補助制度として、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)があります。対象経費や申請要件は公募回ごとに変わります(デジタル化・AI導入補助金2026公式サイト参照)。
ZAICO(正式なサービス表記は「zaico」)は、株式会社ZAICO(山形県米沢市、2016年10月設立)が提供するクラウド型在庫管理システムです。スマートフォン、PC、タブレットから入出庫を記録・確認し、拠点や担当者間で在庫情報を共有できます。
2024年に顕在化した「物流の2024年問題」(トラックドライバーの時間外労働上限規制による輸送力不足)を受け、荷主企業にも効率化の取り組みを求める改正物流効率化法の整備が進んでいます。国土交通省の案内では、同法は荷主・物流事業者に物流効率化の努力義務を課し、一定規模以上の事業者には2026年4月から特定事業者として中長期計画や定期報告などを義務付けています。在庫の適正化や出荷ミス削減は、配送ドライバーの負担軽減(積載効率向上や待機時間の削減)に直結するため、スマートフォンで手軽に始められるクラウド在庫管理ツールへの関心が高まっています。
ZAICOの特徴と2026年最新のAI機能
基本操作は、スマートフォンでバーコードやQRコードを読み取り、入出庫を記録する方法です。加えて2024年12月以降、手書きの棚卸表などを撮影して登録する「おまかせAI登録」や「動画でAI棚卸」など、入力・棚卸を補助する機能が加わりました。
①「動画でAI棚卸」(2026年3月リリース・公式リリース情報)
在庫の棚をスマホのカメラで動画撮影してアップロードすると、AIが映像や音声から物品の識別と数量カウントを支援し、カウント結果は利用者が確認・修正して確定します。バーコードを1点ずつスキャンする作業を減らせる可能性があります。リリース時の案内では、対象は有料プランで、Webブラウザとモバイルアプリ(iOSのみ)で利用できます。対象品目や撮影条件に応じて、棚卸の精度と作業時間を事前に検証してください。
②自然言語で操作する「zaico MCP」(2026年6月リリース・公式リリース情報)
ChatGPTやClaudeなどのLLM(大規模言語モデル)と連携した、対話型データ更新・分析機能です。ZAICOの公式発表によると、チャット画面から普段の言葉で指示を出すことで、データの登録・更新・可視化といった在庫管理操作を行えます。操作できる機能は、契約中の料金プランに準じます。
③「おまかせAI登録」(2024年12月ベータ版リリース・公式リリース情報)
ZAICOの公式リリースによると、手書きの棚卸表などを撮影した写真をアップロードすると、AIが画像を読み込んで在庫データを自動作成します。手入力を減らし、転記ミスの抑制につながります。手書き文字のかすれや写り込みで誤読が起きうるため、登録前に元の在庫表の数量・品名と画面の読取結果を突き合わせる運用にすると、誤りを拾えます。
④重量計「ZAICON」による数えない在庫管理
IoT重量計の上に物品を載せておくと、重さの変動から実在庫数を算出してシステムに反映する機能です。1個あたりの重さが不揃いな物品や、校正がずれた状態の重量計では数量にずれが出るため、導入時に単品重量の登録と定期的な校正が必要です。

▲ 現場のAI機能やIoT重量計からZAICOへデータを集約する連携構成
【最新】ZAICOの新料金プランとコスト目安
2026年6月1日以降、同サービスの料金プランは以下の新体制へと移行しました。従来の無料プランは2026年5月31日で提供を終了しました。現在の料金ページには、個人利用・お試し向けの無料プラン(月額0円、フル1名・閲覧1名、ユーザー追加不可、コードスキャンでの在庫データ検索は月50回まで)が掲載されており、複数人で使う場合はスターター以上を選ぶ体系です。下表は有料の3プランです。
プラン名 | 月額料金(税抜) | ユーザー枠(フル/閲覧) | 主な機能・特徴 |
|---|---|---|---|
スターター | 8,980円 | フル:3名 | 小規模向け。スマホでのコードスキャンと在庫データのリアルタイム確認に対応。 |
ベーシック | 49,800円 | フル:10名 | 中規模・複数拠点向け。SAML認証は別途オプション契約で利用可能で、IPアドレス制限・多要素認証は有料オプションの追加で利用可能。 |
プロフェッショナル | 要見積もり | 要見積もり(個別相談) | 大規模向け。IPアドレス制限・多要素認証・SAML認証に対応。 |
※新設された「閲覧権限ユーザー」枠は、情報を編集しない他部署のスタッフへの割り当てに使え、社内での情報共有に役立ちます。フル権限ユーザーの追加は、スターターが1名あたり月額1,500円、ベーシックが4,500円(いずれも税抜)で、閲覧ユーザーは追加できません。
※上記料金・プラン仕様はZAICO公式料金ページに基づきます。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
導入前に知っておくべき注意点・失敗パターンと対策
操作はシンプルでも、入力担当と記録のタイミングを決めなければ在庫差異は残ります。導入前に確認したい失敗例と対策を見ます。
失敗パターン①:現場の入力漏れにより実在庫とズレる
入出庫時の記録が後回しになると、実在庫との差異が広がります。自動記録機能の適用と、担当者・記録タイミングの文書化をセットで進めます。
失敗パターン②:誤操作でデータが上書き・削除される
複数ユーザーが同時にデータを扱うため、誤った編集によるトラブルが発生することがあります。これに対しては、新プランに用意されている「閲覧権限ユーザー」枠を、情報を参照するだけのメンバーに割り当て、編集できる人を管理責任者などに絞る運用が考えられます。
留意点:登録データ数の目安とAPIのリクエスト上限
1契約における登録データ数は、約5万件が推奨の目安です(ZAICO公式料金・仕様ページ参照)。APIのリクエスト上限はユーザーごとに最大3リクエスト/秒のため、大量データを同期する場合は処理間隔を設計に組み込む形になります。
▼ZAICO導入・運用ルール策定チェックリスト
□ 1. 在庫操作(入出庫・棚卸)をどの端末(スマホ・PC・タブレット)で行うか決めているか
□ 2. スキャン作業を行う「担当者」と「タイミング(入荷直後、出荷時など)」は定義されているか
□ 3. 編集不要な閲覧のみのメンバーに「閲覧権限ユーザー」を正しく割り振っているか
□ 4. 重量計(ZAICON)やおまかせAI登録の導入が必要なアイテム(ネジ、液体、消耗品など)を仕分けているか
ZAICOの導入効果と国内企業の成功事例
酒田米菓が、棚卸差異と実地棚卸の期間をどう減らしたかを紹介します。
事例:酒田米菓株式会社(米菓の製造・販売)
業種・規模:米菓製造・販売業、原材料から梱包資材まで約1,250品目を約10名で管理
導入時期:2024年に利用開始(公式導入事例ページ)
課題:従来は在庫を紙の帳簿とエクセルで管理し、一人の担当者が管理していたため属人化していました。副資材の賞味期限はスプレッドシートに記録していたものの、期限ごとの数量までは管理していませんでした。実地棚卸には最大1週間かかり、棚卸差異は最大500万〜1,000万円程度に上っていました。
施策:倉庫の各棚にQRコードを配置し、スタッフはスマホカメラからその場でスキャンして入出庫を記録。同サービスの「バリエーション機能」をロット管理に活用し、同一アイテムの別ロットも手軽にスマホで識別・記録できるようにしました。
成果:棚卸差異は最大500万〜1,000万円程度から約50万円にまで減少。実地棚卸の期間は最大1週間から長くても3日に短縮されました(ZAICO公式導入事例ページより)。利用者の声として、同事例では、ZAICOを選んだ決め手は安価で契約期間の縛りがなく導入のハードルが低かったこと、導入時も大きなトラブルはなく、スマホで直感的に操作できるため現場に浸透したことが紹介されています。
類似サービス(ロジクラ・スマートマット)との比較
自社に最適な在庫管理システムを選ぶために、よく比較される競合クラウドシステム2社との違いを、表内リンク先の各社公式サイトの掲載内容をもとに2026年10月時点で整理しました。
比較項目 | |||
|---|---|---|---|
得意領域 | スマートフォンでの入出庫記録、AIやIoT機能によるデータ登録 | EC・店舗・卸など複数の販売チャネル向け。送り状・納品書の発行、Shopify・スマレジ・NEXT ENGINEとの連携 | 専用の重量計「スマートマット」に載せた在庫を、重さの変化から計測・記録。利用例として自動発注や補充指示を紹介 |
料金プラン(目安) | 月額8,980円〜(スターター・税抜) | 月額16,000円〜(Lite・年契約)。月300件を超える出荷は1件ごとに従量課金 | 公式サイトに料金の掲載なし(資料請求で確認) |
選定の基準:EC通販の出荷・検品・送り状発行の効率化が主目的なら、送り状発行や出荷連携を得意領域とする「ロジクラ」から比較を始める形になります。コピー用紙や消耗品など、バーコードスキャンすらしない物品管理に特化させたい場合は「スマートマットクラウド」が有利です。ロット管理や現場での入出庫記録が中心ならZAICO、EC出荷連携が中心ならロジクラ、消耗品の残量把握が中心ならスマートマットクラウドを優先して試します。自社の品目を登録して実際の入出庫で動かすと、画面の見やすさやスキャンの手数といった操作性の差が見えてきます。

▲ 自社の業務課題に応じた最適な在庫管理システムの選定フロー
よくある質問
Q:無料プランはありますか?
A:従来の無料プランは2026年5月31日で提供を終了しました。2026年10月時点の料金ページには、フル1名・閲覧1名(ユーザー追加不可)の無料プラン(月額0円)が掲載されています。複数人で使う場合は税抜月額8,980円のスターターからとなり、どのプランを選んでも、まずスタータープランの機能で30日間の無料お試しが始まります。
Q:複数拠点で在庫データを共有できますか?
A:ZAICOはスマートフォンやPCから入出庫を記録し、拠点や担当者間で在庫情報を共有できます。
Q:IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)は使えますか?
A:IT導入補助金は、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。補助の対象となる経費や申請要件は公募回ごとに変わるため、申込み前にデジタル化・AI導入補助金2026公式サイトの最新の公募要領で、ZAICOの利用料が対象経費に含まれるかを照合すれば、自己負担額を見積もれます。
まとめ
紙やExcelで在庫を管理している場合は、棚卸差異、入力時間、担当者依存の度合いを確認してください。その数値を基準に、クラウド型へ移行する効果を判断します。日本政策金融公庫の調査では、中小企業がデジタル化で抱える課題として「導入コストの負担が大きい」が56.2%、「費用対効果を測ることが難しい」が50.0%を占めており、導入可否は料金に加えて、入力ルール、必要な権限、管理する品目数によって左右されます。代表的な品目20〜50件を対象に、入荷から出荷までの1工程に絞って試す進め方があります。試用の前に現行の棚卸差異・入力所要時間・スタッフの教育時間を測っておくと、試行後の数値と並べて導入可否を判断できます。
✅ まずやること
✅ 代表的な品目20〜50件を選び、入荷から出荷までの1工程で記録する流れを書き出す
✅ デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の対象事業者・申請要件を事務局の公式サイトで確認する
✅ 本記事の「ZAICO導入・運用ルール策定チェックリスト」を印刷し、社内関係者と共有する
【記事について】本記事は、Admina Teamが、ZAICO公式サイト・公式導入事例・デジタル化・AI導入補助金事務局サイト等の一次情報をもとに作成しています。情報は2026年10月時点のものです。最新情報は各公式サイトにてご確認ください。
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。
SaaS・アカウント・デバイスの管理を自動化し、IT資産の可視化とセキュリティ統制を実現。
従業員の入退社対応や棚卸し作業の工数を削減し、情報システム部門の運用負荷を大幅に軽減します。
中小企業から大企業まで、情シス・管理部門・経営層のすべてに頼れるIT管理プラットフォームです。




