All
SaaS管理
デバイス管理
セキュリティ対策
脅威・インシデント対策
IT基盤・インフラ
情シス業務・組織形成
AI / テクノロジー
プロダクト
イベントレポート
その他
ガバナンス

新着記事

もっと見る

>

>

【情シス向け】バックオフィス効率化の完全ガイド|SaaS比較とAI活用による課題解決策

【情シス向け】バックオフィス効率化の完全ガイド|SaaS比較とAI活用による課題解決策

【情シス向け】バックオフィス効率化の完全ガイド|SaaS比較とAI活用による課題解決策

【情シス向け】バックオフィス効率化の完全ガイド|SaaS比較とAI活用による課題解決策

最終更新日

情報システム部門の担当者・管理者に向けて、バックオフィス業務の具体的な改善戦略から最新テクノロジーの活用法までを詳細に解説します。現代企業においては業務の自動化やデジタル化が急務となっており、バックオフィス効率化はその中核テーマとなっています。本記事では、情シスとしての実務経験に基づく独自の視点を取り入れつつ、属人化や紙文化といった組織の課題を解決し、攻めの運用体制を構築するための実践的なノウハウをお届けします。

バックオフィス効率化とは

この記事でわかること

  • ① バックオフィス効率化で解決できる3つの課題と最新データ

  • SaaS・RPA・生成AIの適材適所での使い分け方

  • ③ 情シスが主導する段階的導入の進め方と現場を動かすコツ

企業の管理部門が担う事務プロセスを根本から見直し、IT技術を活用して全体の生産性を高める取り組みを指します。

経理や人事といった領域は、社内外の規則に基づいた定型作業が多く含まれています。そのため、デジタル技術の恩恵を受けやすく、投資に対するリターンが明確に出やすい領域と言えます。この取り組みを進めることで、業務量の削減や生産性の向上が期待でき、企業全体の競争力強化につながります。企業は限られた人的資源をより創造的で付加価値の高い業務へと再配置することが可能になります。

この組織変革を牽引する上で、情報システム部門の存在が極めて大きな比重を占めます。

バックオフィス業務の定義と情シスの役割

バックオフィスとは、直接的な売上を生み出さないものの、企業活動の基盤を支える管理・事務部門を総称する言葉です。

具体的には、経理、人事、総務、法務などが該当します。これらの部門は、従業員が円滑に働ける環境を整えるとともに、企業ガバナンスを維持する機能を担っています。特に業務の可視化が重要であり、属人化の解消とプロセス標準化が先決となります。しかし各部門は固有の業務フローを持っているため、部分最適のツール導入に走りがちという側面を持っています。

そこで、情シス バックオフィス連携の要として全社最適の視点から介入し、システム全体のアーキテクチャ設計やデータハブとして機能することが求められます。部門横断的な要件定義をまとめ上げ、高度なセキュリティ基準を満たしたシステムを選定することが、情シス担当者の本来のミッションとなります。

システム化が急務となる背景

労働人口の減少と度重なる法制度の変更により、従来の人海戦術による業務運営が限界を迎えている現状があります。

2023年開始のインボイス制度や2024年完全義務化の改正電子帳簿保存法への対応など、企業に求められるコンプライアンス要件は年々複雑化の一途を辿っています。紙ベースの処理や手入力に依存したままでは、ヒューマンエラーや法令対応コストの増加が避けられません。

さらに、株式会社アイ・ティ・アールが発表した『IT投資動向調査2024』(2023年11月)によれば、企業におけるAI・機械学習や電子請求書システムへの投資意欲が急速に高まっていることが示されています。過去の法令対応を単なるコスト増と捉えるのではなく、組織のIT基盤を刷新する絶好の機会として活用する企業が増加傾向にあります。

しかし、新しいツールを推し進める前に、現状の業務が抱える構造的な問題を正確に把握しておく必要があります。

バックオフィス効率化のメリット

バックオフィス業務の効率化は、企業の競争力を高めるうえで欠かせない取り組みです。例えば、経費精算システムと法人カードの連携により入力工数を月間80時間以上削減した事例や、クラウド契約システムの導入で印紙代と郵送費を年間数百万円規模で削減したケースなど、定量的なコスト削減効果が明確に表れます。

また、従業員の作業負担が軽減されることで、ミスやストレスの減少、業務品質の向上といった副次的な効果も期待できます。従業員の働きやすい環境が整うことで離職率の低下にもつながります。さらに、経営陣がリアルタイムに財務状況を把握できるようになり、意思決定のスピード向上にも直結します。

ただし、ツール導入だけでは効果は出ません。業務フローの抜本的な見直しとセットで進めることが大前提となります。

バックオフィスが抱える3つの課題とリスク

多くの企業において、属人化の常態化、アナログな作業環境の残存、そしてシステムのサイロ化が、生産性低下の主な要因となっています。

これらの要素は単独で存在するのではなく、相互に絡み合って業務のブラックボックス化を引き起こします。問題の根源を特定せずに最新のツールを導入しても、期待した成果を得ることは困難でしょう。

特に、長年の慣習によって形成された業務プロセスには、不要な確認作業や二重入力が隠れているケースが少なくありません。具体的なリスク要因について、一つずつ紐解いていきます。

業務の属人化と専門知識の偏在

特定の担当者しか業務の手順や例外対応のルールを把握していない状態は、事業継続の観点で非常に大きなリスクを伴います。

株式会社エイトレッド(ワークフロー総研)の『バックオフィス業務におけるAI活用に関する実態調査』(2025年12月発表)によれば、管理部門の担当者の57.3%が「特定の人しかわからない業務がある」と回答しています。退職や予期せぬ休職でキーマンが不在になると、請求書発行や給与計算といった中核業務が停止するリスクを抱えています。

このような属人化の温床となるのは、言語化・マニュアル化されていない「暗黙知」の存在です。担当者の頭の中にのみ存在する独自の判断基準や、個人が独自に構築した複雑な表計算ソフトのマクロなどがこれに該当します。情報システム部門は、各部署に対する詳細なヒアリングを通じてこれらのブラックボックスを洗い出し、業務の可視化を通じて特定個人のスキルへの依存から脱却することが、組織のレジリエンスを高める鍵となります。

アナログ業務の残留

株式会社インフォマートの『医療・介護機関のバックオフィス業務に関する実態調査』(2026年2月発表)では、約3割の機関が紙の帳票処理に月間50時間以上を費やしているという実態が報告されています。紙をベースとした業務は、印刷、押印、郵送、保管といった一連の煩雑な手間を生み出し続けています。

アナログな手法は単に時間がかかるだけでなく、手入力による転記ミスや重要書類の紛失といったヒューマンエラーを誘発しやすいという欠点も持ち合わせています。これらのリスクを防ぐためには、入力の初期段階からデジタルデータとして処理するペーパーレス化の推進が欠かせません。クラウドワークフローや電子契約システムへの完全移行が、直接的かつ即効性のある解決策となります。

部門間システムのサイロ化とデータ分断

部署ごとに最適なツールを場当たり的に導入した結果、システム間のデータ連携が分断される事態が多発しています。

経理部門は会計ソフト、人事部門は給与計算ソフトというように、異なるベンダーのシステムを導入している企業は珍しくありません。マスターデータが統合されていないため、同じ従業員情報を複数のシステムに手動で登録する二重入力の作業が常態化しています。

このサイロ化は、経営陣がリアルタイムに数値を把握する際の大きな障壁にもなります。情シス担当者は各システムのAPI連携の可否を厳密に評価し、データの一元管理を可能にするマスターデータマネジメント(MDM)の考え方を取り入れる必要があります。全社的な情報基盤を整備し直すことが、真の意味での生産性向上に直結します。

バックオフィス効率化に向けたIT・AI活用アプローチ

SaaS、RPA、生成AIの3つのテクノロジーを適材適所で組み合わせる手法が現在の主流となっています。

それぞれの技術は得意とする領域が異なるため、単一のソリューションに頼るのではなく、業務の特性に合わせてハイブリッドに構成することが最適解となります。最新の技術トレンドを把握し、自社のインフラにどう組み込むかを設計する力が問われます。

SaaS導入によるペーパーレス・標準化

クラウド型のパッケージソフトを導入し、自社の業務フローをシステム側に合わせる手法です。

従来のオンプレミス開発では、社内の細かな独自ルールに合わせてシステムをカスタマイズすることが一般的でした。しかし、SaaSベンダーが提供するベストプラクティスをそのまま受け入れることで、無駄な社内ルールを強制的に撤廃し、業務の標準化を一気に推進することが可能になります。

情シスとしては、サーバーの保守運用やバージョンアップ対応から解放されるという大きなメリットを享受できます。インフラ管理の手間が削減された分、本来注力すべきIT戦略の立案やセキュリティ対策の強化にリソースを振り向けることができるようになります。

ペーパーレス化と同時に、社内ナレッジの検索性を高めるツールを導入することで、情報の属人化を根本から解消できます。「ナレッジマネジメントツール完全ガイド」でツール選定基準と運用定着のステップを解説しています。

RPAによる定型業務の自動化

既存システム間で発生する単純なデータ転記作業などを、ソフトウェアロボットに代替させるアプローチです。RPAは既存システム間のデータ転記など、APIで繋げないレガシー環境にも対応できるのが強みです。

クラウドサービス間のAPI連携が仕様上難しい場合や、レガシーシステムがまだ稼働している環境において、画面上のUI操作をロボットに覚えさせることで人の介入を極限まで減らすことができます。毎朝決まった時間に特定のサイトからデータをダウンロードし、社内システムに入力するといったルーチンワークに最適です。

ただし、業務フローの変更やシステムの画面レイアウト変更が頻繁に発生すると、ロボットが停止してしまう脆弱性も抱えています。そのため、野良ロボットを生み出さないよう、開発と稼働状況のモニタリングを一元管理する体制の構築が必須となります。

生成AIを活用した問い合わせ対応支援

社内規程の検索やヘルプデスク対応に大規模言語モデルを組み込み、非定型業務の工数を劇的に削減する取り組みが始まっています。

経理や人事の担当者は、「交通費の精算ルールを教えてほしい」「産休の手続きはどうすればよいか」といった社内からの定型的な質問対応に多くの時間を奪われています。情シス部門が主導して社内マニュアルを学習させたAIチャットボットを展開することで、自己解決率を大幅に引き上げることができます。

さらに、契約書のレビュー補助や議事録の要約など、従来は人間の高度な判断が必要とされていた領域へのAI適用も進んでいます。情報の機密性を担保しながら安全にAIを利用できる環境を整えることが、これからの情シスに課せられた新たな責務と言えます。

SaaS・RPA・生成AIの適材適所によるハイブリッド構成

▲ SaaS・RPA・生成AIの適材適所によるハイブリッド構成

生成AIを活用したチャットボットの導入を具体的に検討する場合は、AI型・シナリオ型・ハイブリッド型の違いと主要サービスの機能・費用を把握しておく必要があります。詳しくは「社内チャットボット比較と導入完全ガイド」をご覧ください。

情シスが現場を動かすための3つのコツ

新しいシステムを導入する際、最も高いハードルとなるのが「現場の抵抗」です。情シス担当者が技術的な正論を振りかざすだけではプロジェクトは頓挫します。ここでは、現場を円滑に動かすための実務的なノウハウを紹介します。

1. 現場のキーマンを味方につけ「痛み」を共有する

新しいツールへの拒否感を和らげるには、現場で最も発言力のある実務担当者(キーマン)を初期段階からプロジェクトに巻き込むことが重要です。情シスからのトップダウンではなく、「毎月の締め作業で深夜残業が発生している」といった現場のリアルな痛みに寄り添い、それを解決するための手段としてシステムを提案するアプローチが効果的です。

2. 既存の「エクセルマクロ職人」をプロジェクトに登用する

各部署には必ずと言っていいほど、独自の複雑なマクロを組んで業務を回している担当者がいます。彼らは属人化の要因とも言えますが、同時に自部門の業務ロジックを最も深く理解している人物でもあります。彼らをシステムの仕様検討メンバーとして登用し、その知見をシステム要件に変換(標準化)してもらうことで、現場の要件漏れを防ぎつつ、強力な推進者へと変えることができます。

属人化の解消には、社内ヘルプデスクの業務範囲と役割を明確にしたうえで、対応フローを標準化することが出発点になります。「社内ヘルプデスクとは?業務内容・課題・効率化の方法」で全体像を整理しています。

3. システムの「導入」をゴールに設定しない

よくある失敗事例として、カットオーバー(本番稼働)の時点で情シスが手を引いてしまい、現場が使いこなせずに元の紙運用に戻ってしまうケースがあります。導入後の1〜3ヶ月間は「定着化フェーズ」として手厚いサポート期間を設け、現場からのQ&Aに即座に答える伴走体制を構築することが、最終的なプロジェクト成功の分水嶺となります。

【比較表】主要バックオフィスSaaSの選定ポイント

自社の企業規模や既存のITインフラとの親和性を基準に、長期的な運用に耐えうるSaaS基盤を選定します。

ツール選びを誤ると、現場の業務フローに合致せず利用が定着しないばかりか、将来的なシステム拡張の足かせとなる恐れがあります。パッケージ化された統合型システムを利用するのか、特定の業務領域に特化した単一機能ツールを組み合わせるのかは、企業の成長フェーズや予算によって異なります。情シスは各ツールの仕様を詳細に比較検討し、自社のIT戦略に完全に合致したソリューションを見極める役割を担います。

日本国内で豊富な導入実績を持つ代表的なシステムについて、それぞれの特徴を整理しました。
※各製品の仕様・機能は各社公式サイトの2026年4月時点の情報を基に作成しています。導入検討時は最新情報をご確認ください。

統合型SaaS3社の総合比較

会計から人事労務までを包括的にカバーする統合型SaaSは、マスターデータの一元管理に非常に優れています。データの連携不備や手動での二重入力を防ぐためには、同一ベンダーが提供するシリーズ製品群で社内システムを統一するアプローチが理にかなっています。

代表的な製品である「マネーフォワード クラウド」「freee」「ジョブカン」の3サービスについて、情報システム部門が注視すべき評価軸で比較を行いました。以下の表を参考に、自社の要件に最も合致するプラットフォームを検討してください。

サービス名

料金体系の傾向

強みとなる機能

セキュリティ体制

ガバナンス・権限管理

マネーフォワード

従量課金と基本料金の組み合わせ

既存の業務フローを活かした柔軟な設定と連携の広さ

金融機関水準の暗号化通信・WAFの標準導入

細かな権限設定が可能・内部統制向け監査機能あり

freee

アカウント数に基づく段階的なプラン設計

簿記知識がなくても直感的に操作できる洗練されたUI

国際認証(ISMS等)の取得・IPアドレス制限対応

承認フローの明確な可視化・監査ログのエクスポート機能

ジョブカン

必要な機能単位で契約可能な柔軟な単価設定

勤怠管理やワークフローなど特定領域における深い機能群

二段階認証の対応・データセンターの堅牢な冗長化

部署ごとの階層的で複雑な承認ルート設計が容易

情シス視点での「導入OK/NG」判断基準

システム単体の要件だけでなく、運用体制や現場のITリテラシーを含めて総合的に導入可否をジャッジします。どれほど高機能なシステムであっても、毎日入力する現場社員が使いこなせなければ完全に形骸化してしまいます。

情報システム部門として、対象のクラウドサービスを全社に展開すべきかどうかの判断基準を以下のように設定します。状況に応じた冷静な見極めが、導入後のトラブルを未然に防ぎます。

判断結果

該当する社内状況・要件の例

導入OK

・既存システムからCSVやAPIを利用してマスターデータの移行が容易な場合
・SSO(シングルサインオン)に対応し、全社のアカウント管理が統合できる場合
・現場のキーマンがシステム移行に対して前向きで協力的な姿勢を示している場合

導入NG

・現場固有の非効率な「独自ルール」をシステム側に過度にカスタマイズしようとする場合
・サービス提供側のSLA(サービス品質保証)が自社の定めるセキュリティ基準を満たさない場合
ベンダーロックインのリスクが高く、将来的なデータ抽出や解約が困難な仕様である場合

ガバナンスと利便性のバランスが、SaaS選定における情シスの最重要判断軸となります。

失敗しないための段階的な導入手順

要件定義の段階から運用定着に至るまで、計画的な進行がプロジェクト成功の鍵を握ります。全社一斉に新しいシステムへ切り替えるビッグバン導入は、現場の混乱を招きやすく、システム障害時の影響範囲も甚大になります。そのため、段階的に範囲を広げていく堅実なアプローチが推奨されます。

ここでは、情シス担当者が主導して着実にシステムを浸透させるための3つのステップを紹介します。各フェーズでの確認事項を疎かにしないことが、後の手戻りを防ぎます。業務フローを根本から再構築する際には、ECRSの4原則(排除・結合・交換・簡素化)を指標とすることが重要です。

現状の棚卸しと要件定義

現行の業務フローを詳細に可視化し、各業務量や担当者ごとの負荷を明確に把握します。システム化の対象範囲と削減を期待する労働工数を明確に定めます。

まずは各部門の担当者にヒアリングを行い、どのような書類が、誰の承認を経て、どのシステムに入力されているのかをフローチャートとして書き出します。この過程で、長年放置されていた無駄な承認ステップや、形骸化したチェック作業が浮き彫りになります。

可視化された業務の中から、「システムに置き換える領域」と「あえて人間が判断を残す領域」を切り分け、新しい業務のあるべき姿(To-Beモデル)を設計することが、このフェーズの最大のミッションとなります。

スモールスタートによる検証と現場展開

影響範囲の比較的小さい部門や特定の業務プロセスから限定的にシステムを導入し、運用上の課題を早期に洗い出します。

例えば経費精算システムを導入する場合、まずは情シス部門や経営企画部門など、ITリテラシーの高い少人数のグループでテスト稼働を開始します。マニュアルの分かりにくさや、想定していなかったエラー表示など、実際の利用環境でしか判明しない課題を収集します。

パイロット部門での検証が完了したら、得られた知見をもとに全社説明会を実施し、段階的に展開します。一気に利用部門を拡大せず、スモールスタートを心がけることで、問い合わせの殺到を防ぎつつスムーズな移行を達成できます。

運用体制の構築とガバナンス維持

現場への適切な権限委譲と、情シスによる強固な監査体制の両立を図ります。

システムが本格稼働した後は、アカウントの追加・削除や細かな設定変更といった日々の運用が発生します。これら全てを情シスが引き受けるとボトルネックになるため、各部門の管理者に一定の管理権限を委譲し、自律的に運用できる体制を整えることが望ましいと言えます。

一方で、アクセス権限の定期的な棚卸しや、監査ログのモニタリングといった根幹のセキュリティ管理は情シスが継続して担います。利便性を損なわず、かつ情報漏洩のリスクを最小化する運用ルールの徹底がバックオフィス全体の品質を担保します。

ビッグバン導入を防ぐ段階的なプロジェクト進行手順

▲ ビッグバン導入を防ぐ段階的なプロジェクト進行手順

成果指標(KPI)の設定例

システムを導入した後は、「どれだけ業務が改善されたか」を客観的に評価する仕組みが不可欠です。感覚的な評価に頼るのではなく、導入前に設定したベースラインと比較して、定量的に効果測定を行います。ここでは、バックオフィス改善において情シスが追跡すべき代表的なKPI(重要業績評価指標)の例を紹介します。

  • 処理工数削減率(時間/月): 経費精算や給与計算などの特定業務にかかっていた総労働時間が、システム導入前後で何パーセント削減されたかを測定します。最も直接的な投資対効果の指標です。

  • エラー発生率の低下(件/月): 入力ミスや差し戻し、システム連携時のデータ不整合の件数をカウントします。SaaSやRPAの導入によって手入力が減ることで、この数値は劇的に改善する傾向があります。

  • 社内問い合わせ件数(件/月): 情シスや管理部門に寄せられる「ツールの使い方がわからない」「社内規定を教えてほしい」といった定型的な質問の数です。AIチャットボットやFAQの整備により、この数値をどこまで減らせるかがポイントになります。

  • システム稼働率と定着率(%): 対象となる従業員のうち、実際にシステムにログインして操作しているアクティブユーザーの割合を測定します。ライセンスの無駄遣いを防ぐための重要な指標です。

これらの成果指標を定期的にモニタリングし、目標に達していない項目があれば追加のトレーニングや業務フローの再調整といった改善策を講じます。データに基づいたPDCAサイクルを回し続けることが、組織の持続的な進化につながります。

バックオフィス効率化の成果をKPIで測る際、社内問い合わせ件数の削減は最もわかりやすい指標の一つです。問い合わせ削減の全体設計とツール選定の手順は「社内問い合わせ削減の全手順とツール比較」で詳しくまとめています。

よくある質問

Q:バックオフィス効率化の具体的な対象業務は何ですか?

A:主に経理(請求書処理・経費精算)、人事(給与計算・勤怠管理)、総務(備品管理・契約書管理)といった管理部門の業務を指します。これらの領域は社内ルールが明確に定まっているため、ITツールによる自動化の恩恵を最も受けやすい特徴を持っています。

Q:ERPと個別SaaSのどちらを選ぶべきですか?

A:企業の規模と既存のシステム環境に大きく依存します。ベンチャー企業や中小企業であれば迅速に導入できる個別SaaSの組み合わせが適していますが、大企業で全社的なデータ統合と厳格な内部統制が必須の場合は、統合型ERPの導入が推奨されます。

Q:生成AIを導入する際のセキュリティ上の懸念事項は?

A:入力した機密データや個人情報が、AIモデルの外部学習に利用され情報漏洩につながるリスクが存在します。企業向けの閉域網サービスを利用するか、学習へのデータ利用を確実にオプトアウトできる法人向けプランを選定することが必須の対策となります。

企業要件と規模に基づくERP・個別SaaSの選定フロー

▲ 企業要件と規模に基づくERP・個別SaaSの選定フロー

バックオフィスの問い合わせ対応をAIで自動化したい方へ。Admina AIヘルプデスクは、社内規程やマニュアルをナレッジソースとして取り込み、人事・総務・経理への定型的な質問にAIがSlackやTeams上で自動回答します。情シスだけでなく、バックオフィス全体の問い合わせ工数を削減できます。

Admina AIヘルプデスクでバックオフィスの問い合わせを自動化する

まとめ

バックオフィス効率化は、単なる目の前のコスト削減にとどまらず、企業の長期的な競争力を高めるための戦略的なIT投資です。属人化の解消やペーパーレスの推進といった根深い課題に対し、SaaS・RPA・生成AIの技術を適材適所で組み合わせることで、変化に強い強固な業務基盤を構築できます。情報システム部門は、全社最適の視座から各部署の要望を整理し、ガバナンスを維持しながらシステム導入を牽引していく大きな使命を担っています。

情シスのための実務アクションチェックリスト

  • ✅ 各部門が抱えるアナログ業務と属人化の範囲を正確に特定した

  • ✅ システム化の目的(ペーパーレス、自動化など)と期待する効果を明確にした

  • ✅ 複数SaaSの機能比較を行い、自社のセキュリティ要件との整合性を確認した

  • ✅ スモールスタートで検証を行うためのパイロット部門を選定した

  • ✅ アカウント管理や監査ログのモニタリングに関する運用ルールを策定した

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。

SaaS・アカウント・デバイスの管理を自動化し、IT資産の可視化とセキュリティ統制を実現。

従業員の入退社対応や棚卸し作業の工数を削減し、情報システム部門の運用負荷を大幅に軽減します。

中小企業から大企業まで、情シス・管理部門・経営層のすべてに頼れるIT管理プラットフォームです。