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Microsoft Intuneとは?機能やライセンス、実現できることなどをわかりやすく解説

Microsoft Intuneとは?機能やライセンス、実現できることなどをわかりやすく解説

Microsoft Intuneとは?機能やライセンス、実現できることなどをわかりやすく解説

HC

Admina Team

2025/07/16

テレワークやハイブリッドワークが当たり前となった現代、企業はPCやスマートフォン、タブレットなど、社内外に散在する多様なデバイスの管理という課題に直面しています。これらのデバイスをいかに効率よく、かつ安全に管理するかは、事業継続における最重要課題の一つです。

この記事では、こうした課題を解決する強力なソリューションとして注目される「Microsoft Intune」について詳しく解説します。

Microsoft Intuneとは

Microsoft Intuneとは、Microsoftが提供するクラウドベースの統合エンドポイント管理(UEM:Unified Endpoint Management)サービスです。簡単に言えば、社内外にあるPC、スマートフォン、タブレットといったあらゆる業務用デバイスを、場所を問わずに一元的に管理し、セキュリティを確保するための仕組みです。

従来のように社内サーバーで管理するのではなく、クラウド上で完結するため、オフィスにあるPCと同じように、テレワーク中の従業員PCや、スマートフォン、タブレットなどのモバイル端末も管理できるのが最大の特徴です。

Microsoft Intuneの強み

Microsoft Intuneの強みは、デバイス管理(MDM)とアプリケーション管理(MAM)の両方を、柔軟に使い分けられる点にあります。

MDM:デバイス全体を管理する

MDMは、デバイスそのものを管理する機能です。Microsoft Intuneの管理下にデバイスを登録することで、セキュリティポリシーの適用、必要なアプリの自動インストール、機能制限などを一括で実施できます。

MAM:アプリとデータをピンポイントで保護する

MAMとは、デバイス内の「アプリケーションとデータ」を管理する機能です。個人所有デバイスの業務利用(BYOD)などで活用され、業務アプリへのアクセス制御や、業務データと個人データの分離、コピー&ペーストの禁止といった制御を行います。

Microsoft Intuneの機能で実現できること

Microsoft Intuneが持つ豊富な機能は、企業の様々な課題を解決します。ここでは、代表的な機能と、その具体的な活用シーンを見ていきましょう。

構成プロファイルによるデバイス制御

Wi-FiやVPNの接続設定、パスワードの文字数や有効期限といったポリシー、特定の機能(カメラやUSBストレージなど)の利用制限などを「構成プロファイル」として作成し、対象のデバイスグループに一括で適用できます。これにより、全社のデバイス設定を標準化し、手作業による設定ミスを防ぎます。

コンプライアンスポリシーによる準拠チェック

「OSは最新バージョンか」「パスワードは設定されているか」「ウイルス対策ソフトは有効か」といった、組織が定めるセキュリティ基準をコンプライアンスポリシーとして定義します。このポリシーに準拠していないデバイスを非準拠と判定し、是正を促したり、社内リソースへのアクセスを制限したりすることが可能です。

アプリケーションの配布と管理

Microsoft 365 Apps(Office)や基幹システムなど、業務に必要なアプリケーションを、ユーザーやデバイスグループに対して自動でインストールできます。また、不要になったアプリのアンインストールも遠隔で実行可能です。これにより、従業員自身がアプリをインストールする手間を省き、ライセンス管理も効率化します。

Windows AutopilotによるPCキッティングの自動化

Windows AutopilotはPCの初期設定プロセスを自動化する画期的な機能です。IT管理者が事前に設定をクラウドに登録しておけば、ユーザーはPCの電源を入れてインターネットに接続するだけで、業務に必要な設定やアプリが自動的に構成されます。これにより、PCの調達から利用開始までの時間を大幅に短縮できます。

Microsoft 365の強力なエコシステム連携

Microsoft Intuneの真価は、単体で利用するよりも、他のMicrosoft 365サービスと連携させることで最大限に発揮されます。このエコシステムこそが、他のUEMツールに対する大きな優位性です。

Azure Active Directoryとの連携

Azure ADは、ユーザー認証とアクセス管理の基盤です。Microsoft IntuneはAzure ADと緊密に連携し、条件付きアクセスを実現します。例えば、「Microsoft Intuneに登録され、コンプライアンスポリシーに準拠しているデバイスからでなければ、Microsoft 365にサインインできない」といった制御が可能になり、認証とデバイス管理を組み合わせた強固なセキュリティを構築します。

Microsoft Defender for Endpointとの連携

Microsoft Defender for Endpointは、高度な脅威からデバイスを保護するEDR(Endpoint Detection and Response)ソリューションです。Microsoft Intuneと連携させることで、Defenderが検知したデバイスのリスクレベルに応じて、Microsoft Intuneが自動的にアクセス制限を行うといった動的な防御が可能になります。

Microsoft Intuneのライセンス

Microsoft Intuneを利用するには、対応するライセンスが必要です。単体のライセンスも存在しますが、多くの場合はMicrosoft 365やEnterprise Mobility + Security(EMS) といったスイート製品に含まれるライセンスを利用するのが一般的です。

  • Microsoft 365 Business Premium:中小企業向けのプランです。Microsoft Intuneの主要機能が含まれます。

  • Microsoft 365 E3/E5:大企業向けのプランです。E5ではより高度なセキュリティ機能と連携できます。

  • Enterprise Mobility + Security(EMS) E3/E5:Microsoft Intune、Azure AD Premiumなど、セキュリティと管理機能のみを追加したい場合に選択します。

どのライセンスが自社に最適かわからない場合は、Microsoftの公式サイトを確認するか、販売パートナーに相談することをおすすめします。

Microsoft Intuneを導入するメリット

多くの企業がデバイス管理ツールとしてMicrosoft Intuneを選ぶのには、明確な理由があります。ここでは、Microsoft Intuneを導入することで得られる具体的なメリットを5つ紹介します。

ゼロトラストセキュリティの実現

Microsoft Intuneは、Azure Active Directory(Azure AD)と連携することで、条件付きアクセスという強力なセキュリティ機能を実現します。これは「誰が、どのデバイスから、どのアプリにアクセスしようとしているか」を評価し、安全性が確認された場合にのみアクセスを許可する仕組みです。これにより、社内だから安全という境界型防御から脱却し、ゼロトラストセキュリティモデルへの移行を促進します。

IT部門の運用負荷を大幅に削減

従来、一台ずつ手作業で行っていたPCの初期設定やソフトウェアのインストール作業は、IT部門にとって大きな負担でした。Microsoft Intuneの「Windows Autopilot」機能を使えば、PCを箱から出してインターネットに接続するだけで、自動的に初期設定が完了します。これにより、IT部門はより戦略的な業務に集中できるようになります。

多様な働き方への対応と生産性向上

Microsoft Intuneは、オフィス、自宅、外出先など、従業員がどこにいても安全で快適な業務環境を提供します。業務用デバイスに必要なアプリや設定が自動で適用されるため、従業員は場所を問わず、すぐに業務を開始できます。これにより、ハイブリッドワークやリモートワークといった多様な働き方を支援し、組織全体の生産性向上に貢献します。

マルチOS・多様なデバイスの一元管理

Windows、macOS、iOS、Androidなど、現代の企業では様々なOSのデバイスが混在しています。Microsoft Intuneはこれらの主要なOSすべてに対応しており、OSによって提供機能は異なりますが、単一の管理画面からすべてのデバイスの状況を把握し、ポリシーを適用できます。OSごとに異なる管理ツールを導入する必要がなく、管理の複雑化とコストの増大を防ぎます。

コンプライアンスと情報ガバナンスの強化

Microsoft Intuneを利用することで、組織が定めるセキュリティポリシーに準拠していないデバイスを検出し、ネットワークへのアクセスを自動的にブロックできます。また、デバイスのインベントリ情報(OSのバージョン、インストールされているアプリなど)を常に最新の状態で可視化できるため、脆弱性管理やライセンス管理が容易になり、企業のコンプライアンスと情報ガバナンス強化につながります。

Microsoft Intuneのデメリットと注意点

多くのメリットを持つMicrosoft Intuneですが、導入を検討する際にはいくつかの注意点も理解しておく必要があります。

多機能ゆえの学習コスト

Microsoft Intuneは非常に多機能なため、そのすべての機能を理解し、自社に合わせて最適に設定するには専門的な知識と時間が必要です。特に、これまでのオンプレミスでのデバイス管理に慣れている場合、クラウドベースの管理手法への考え方の転換が求められます。導入初期には、ある程度の学習コストがかかることを想定する必要があります。

詳細な設定には専門知識が必要

基本的な設定は直感的に行えますが、自社のセキュリティ要件に合わせた高度なポリシー設計や、他のMicrosoftサービスとの連携を最大限に活用するには、相応の専門知識が求められます。設計段階での考慮が不十分だと、ユーザーの利便性を損なったり、期待したセキュリティレベルを達成できなかったりする可能性があるため、注意が必要です。

Microsoft Intuneの導入を成功させるためのステップ

Microsoft Intuneの導入を成功させるには、計画的なアプローチが不可欠です。

  1. 要件定義:まず、何のためにMicrosoft Intuneを導入するのか、管理対象のデバイスやOS、実現したいセキュリティレベルなどの要件を明確にします。

  2. 設計:要件に基づき、Microsoft Intuneの各種ポリシー(構成、コンプライアンスなど)や、Azure ADとの連携、アプリの配布方法などを具体的に設計します。

  3. テスト(PoC):本格展開の前に、一部のユーザーやデバイスでテスト導入(PoC:Proof of Concept)を行い、設計通りに動作するか、ユーザーの利便性に問題はないかなどを検証します。

  4. 展開:テスト結果を元に計画を修正し、段階的に全社へ展開していきます。展開時には、ユーザーへの周知やマニュアルの整備も重要です。

  5. 運用・改善:導入後は、管理コンソールでデバイスの状態を監視し、新たな脅威やビジネス要件の変化に合わせて、継続的にポリシーを見直し、改善していくことが求められます。

まとめ

本記事では、Microsoft Intuneがどのようなサービスであり、現代の企業にとってなぜ重要なのかを多角的に解説しました。

Microsoft Intuneは、単なるデバイス管理ツールではありません。ゼロトラストセキュリティを中核に据え、IT部門の運用負荷を軽減し、従業員の生産性を向上させる、クラウド時代の統合エンドポイント管理プラットフォームです。

ハイブリッドワークが常態化し、サイバー攻撃が巧妙化し続ける今、Microsoft Intuneによる堅牢かつ柔軟なデバイス管理体制の構築は、もはや一部の先進企業だけのものではなく、すべての企業にとっての必須要件と言えるでしょう。この記事が、貴社のデバイス管理戦略を見直す一助となれば幸いです。

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