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情報システム部門向けに、社内における生成AIの利用ルール策定手順を解説します。シャドーITを防ぎ安全な業務環境を構築するための必須知識と、そのまま使えるWord雛形を提供します。
✔ 社内ルールに含めるべき10項目
✔ 官公庁ガイドライン比較(経産省・総務省・JDLA)
✔ そのまま使えるWordテンプレート提供

AI利用ガイドラインとは?企業に必要な理由と背景
AI利用ガイドラインとは、従業員が生成AIを業務で扱う際の技術的・倫理的・法的な基準をまとめた内部統制文書を指します。国内の生成AI市場が急成長を遂げるなか、企業が法的リスクを回避しつつ競争力を維持するために、明確なルールの策定が求められています。
📌 本記事のポイント(結論まとめ)
国内企業の生成AI業務活用率はすでに87%に達しており、ガイドライン未整備の企業はリスクにさらされている
中小企業の62%が「社内ルールが不明確」を導入障壁と挙げており、雛形の活用が早期整備の鍵となる
2025年に施行された「AI推進法」は企業に対してAIガバナンス体制の構築を要請しており、社内規定の整備は法的対応としても急務となっている
本記事では10の必須項目・官公庁ガイドライン比較・そのまま使える雛形テンプレートを提供する
生成AI市場の成長とルールの必要性
近年、テキストや画像を自動生成するAI技術は目覚ましい速度で普及しています。IT専門調査会社のIDC Japanが2024年11月に発表した予測によれば、国内の生成AIシステム市場は2023年から2028年にかけてCAGR84.4%という急成長を遂げる見込みで、2028年には約8,000億円規模に達すると予測されています。このように市場が急速に拡大する中で、現場の従業員は日常業務を効率化するために次々と新しいAIツールを試し始めています。
しかし、従業員が手軽に高度な出力を得られる反面、企業の管理が及ばない状態で利用が進むと甚大なリスクを抱え込むことになります。顧客の個人情報や未公開の営業秘密をプロンプト(AIへの入力指示)に打ち込んでしまうことで生じる情報漏洩のリスクや、既存の著作物と類似したコンテンツを生成してしまう著作権侵害のリスクが代表的です。
特有のリスクと社内統制
さらに、生成AI特有の課題として「ハルシネーション」があります。これは、AIが確率論に基づいてもっともらしい虚偽の情報を生成する現象です。従業員がAIの出力を鵜呑みにし、事実確認(ファクトチェック)を行わずに社外向けの資料として発信してしまった場合、企業の社会的信用を著しく損なう事態に発展します。
こうした事態を防ぎ、企業のコンプライアンスを維持するためには、属人的な判断に委ねたままでは統制が取れません。全社共通の利用基準を文書化し、規程として運用することが解決策になります。
次は、実際に社内規程を整備する際に網羅すべき具体的な項目を見ていきましょう。
AI利用ガイドラインが必要な背景として、シャドーAIがもたらすリスクとその対策全般については、こちらの記事で整理しています→
ガイドライン策定の前提となる自社のガバナンス方針を固める際は、AIガバナンス体制の構築ステップと実装ガイドをあわせてご確認ください。
生成AI 社内ルールに含めるべき10項目
実効性のある社内ルールを構築するには、利用目的から罰則規定に至るまで、網羅的な10の項目を定義する必要があります。
ガバナンスを効かせる10の必須項目
ガイドラインを策定する際は、以下の10項目を漏れなく盛り込んでください。
1. 目的と基本方針
単なる禁止事項の羅列ではなく、業務効率化やイノベーション創出など、AIを活用するポジティブな意義を明記します。
2. 適用範囲
正規雇用者だけでなく、契約社員、派遣社員、業務委託先のパートナー企業まで含めるか対象を定めます。また、どの業務プロセスに適用されるかも明確にします。
3. 利用可能なツールの指定
会社がセキュリティ審査を行い、許可した法人向けサービスのみを使用するよう指定します。未承認ツールの利用は厳格に禁じます。
4. 入力禁止情報
顧客の個人情報、未公開の財務データ、技術ノウハウ、パスワードなどの機密データをプロンプトに入力することを禁じます。
5. 出力結果の確認義務(Human-in-the-Loop)
AIの出力をそのまま最終成果物として利用することを禁じます。必ず人間が内容の真偽(ファクトチェック)や論理性を確認するプロセスを義務付けます。特に、AIエージェントやAPI連携によって自動的に外部サービスへ出力・実行を行う仕組みを利用する場合は、処理の各段階において人間が承認・介在する「Human-in-the-Loop(人間の関与)」設計を必須とし、責任境界を明確にします。
6. 著作権等の権利侵害の防止
生成された文章や画像が、第三者の著作権や商標権を侵害していないか確認するフローを定めます。
7. 報告とインシデント対応
禁止事項に抵触する操作を誤って行った場合や、情報漏洩の疑いがある場合の連絡窓口(情報システム部など)を明記します。
8. 罰則規定
悪質な違反に対する就業規則上の扱いを示し、ルールの強制力を持たせます。
9. 教育・研修の受講義務
利用者が安全な使い方を理解できるよう、定期的なセキュリティ教育への参加を必須とします。
10. ガイドラインの改定プロセス
技術の進化や法改正に合わせたルールの定期的な見直し手順を定めます。
これらを網羅することで、現場の迷いをなくし、安全な利用環境を提供できます。
定着のカギはルールの「見せ方」にあります。
これらのルール項目の中でも特に重要な生成AI利用における情報漏洩を防ぐ具体的な技術対策については、こちらの記事で詳細をご確認いただけます。
入力禁止情報の明確化とあわせて、生成AI・ChatGPTによる情報漏洩事例と情シスの具体的な予防策を把握しておくことで実効性のある規定を作成できます。
社内ルールを定着させる項目別の策定ポイント
社内ルールを定着させる最大の秘訣は、「禁止」を並べるだけでなく、安全に利用できる「ガードレール」として設計することです。ルールが厳しすぎると従業員は隠れて未許可の無料ツールを利用するようになり、かえって情報漏洩の危険性が高まります。
「オプトアウト対応」ツールの提供
情報システム部門として最初に取り組むべきは、安全なツールの公式な提供です。一般的な無料版のAIツールは、入力したプロンプトがAIのモデル改善(学習)に利用される仕様になっています。そのため、API経由での利用や法人向けエンタープライズプランなど、入力データがAIの学習に利用されない(オプトアウト機能を持つ)ツールを契約し、現場に配備することが前提となります。
現場が迷わない利用判断基準の提示
ツールを提供した上で、「どのような状況であればAIを利用してよいか」という判断基準を現場にわかりやすく提示します。以下の表のような基準を設けることで、従業員は自身の業務がガイドラインに違反していないか自己判断できるようになります。
以下の表は「データ機密度」と「利用ツール種別」を組み合わせた階層型アクセス権限マトリクスです。この2軸で利用可否を判断することで、現場が迷わず自己判断できる基準を提供できます。
データ機密度 | 一般公開AIツール(無料版等) | 法人向けオプトアウト対応ツール | 自社オンプレ・閉域環境のAI |
|---|---|---|---|
公開情報(報道・白書等) | ○ 利用可(ファクトチェック必須) | ○ 利用可 | ○ 利用可 |
社内限定情報(議事録・業務資料等) | ✕ 禁止 | △ 条件付き可(匿名化処理後) | ○ 利用可 |
機密情報(顧客個人情報・財務データ等) | ✕ 禁止 | ✕ 原則禁止 | △ 条件付き可(責任者承認必須) |
極秘情報(未公開M&A・技術シークレット等) | ✕ 禁止 | ✕ 禁止 | ✕ 禁止 |
また、AIが生成したコンテンツを外部向けに使用する際は、文化庁「AIと著作権に関する考え方」に基づき、以下のチェックフローで著作権侵害リスクを確認してください。
類似性の確認:出力物が既存の著作物と表現上、実質的に類似していないか確認する(検索エンジン・類似コンテンツ検知ツールを活用)。
依拠性の確認:AIの学習データに当該著作物が含まれていた可能性を考慮し、類似する場合は利用を中止または大幅に改変する。
最終判断:疑義が残る場合は法務部門に相談し、使用可否の最終判断を仰ぐ。
現場が直感的に判断できる基準を設けることで、現場からの問い合わせ件数を減らし、担当者の対応負荷を下げることができます。
自社独自のルールをゼロから考えるのが難しい場合は、公的機関の指針を参考にするとスムーズです。
▲ 現場の従業員が迷わず自己判断できる、生成AIの業務利用フロー
シャドーAI検知の具体的な手法は、生成AIの利用状況を可視化しシャドーAIを検知する方法の記事で解説しています→
ガードレール設計と並行して現場の隠れ利用を防ぐために、シャドーAIのリスクと最新の検知・対策ガイドを参考に監視体制を整えましょう。
▲ 業務における生成AI利用の可否を判断するフロー
官公庁・専門機関のAIガイドライン比較
ルールの骨格を固める際は、経済産業省や総務省、専門機関が公開している公的ガイドラインをベースにする手法が確実です。国や専門家が策定した基準は法的・倫理的リスクを網羅しており、自社のポリシーに対する客観的な裏付けとなります。
主要な公的ガイドラインの特徴
日本国内においては、現時点で包括的な新法による一律のハードロー規制ではなく、実務上の考え方を整理した「ソフトロー(ガイドライン方式)」が採用されています。自社の業界や規模に合わせて、以下の指針を組み合わせることが有効です。なお、各ガイドラインは定期的に改訂されるため、参照の際は必ず最新版を確認してください。
機関名 | ガイドライン名 | 特徴と活用ポイント | 対象範囲 |
|---|---|---|---|
経済産業省・総務省 | 開発者から利用者まで全ての主体に向けた包括的な指針。リスクベースのアプローチを採用しており、AIエージェントや自律型AIへの対応についても言及している。2026年3月公表の最新版。 | AI開発・提供・利用の全主体 | |
日本ディープラーニング協会(JDLA) | 民間企業がそのまま自社の規程に組み込みやすい実践的な内容。具体的な禁止事項や実務上の留意点が詳細に書かれている。 | 企業のAI利用者・情シス部門 | |
IPA(情報処理推進機構) | テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン | セキュリティ・安全性の観点から実装上の注意点を整理。既存のISMSやセキュリティポリシーとの統合を検討する際の参考になる。 | 情報システム部門・セキュリティ担当 |
デジタル庁 | 行政機関の取り組みを参照でき、公共調達・行政サービスに関わる民間企業が自社規程の水準を確認する際に活用できる。 | 行政機関・公共サービス関係企業 | |
文化庁 | 生成AIが出力するコンテンツの著作権上の取り扱い(類似性・依拠性の判断基準)を解説。コンテンツ生成や外部公開を行う部門に必須の参照資料。 | コンテンツ制作・マーケティング・法務部門 |
これらの公的な指針を読み解き、自社の既存のセキュリティポリシーと照らし合わせることで、精度の高いルールを構築できます。AIガバナンス全体の体系的な整理については、AIガバナンスの構築と運用ガイドも参考にしてください。
▲ 主要な公的AIガイドラインの特徴と用途の比較
情シス向け:AI利用ガイドラインを短時間で策定する方法
業務多忙な情シス担当者が素早くルールを策定するには、既存の雛形を活用し、自社特有の要件だけをカスタマイズする手法が最適です。ゼロから文章を書き起こすと社内の実態調査から法務確認まで数ヶ月かかることもある一方、ベースとなる文書があれば数週間に短縮できます。
策定から運用までの5ステップ
短時間で策定し、現場に定着させるための具体的な手順は以下の通りです。
ステップ1:現状の利用実態の把握
現場でどのAIツールが使われているか、アンケートやネットワークログの分析を通じて実態を掴みます。この段階でシャドーITの存在を洗い出します。
ステップ2:雛形・公式ワークシートの取得
後述するテンプレートをコピーし、ベースとなる文書を用意します。あわせて、経済産業省・総務省が「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」とともに公開している公式ワークシート・チェックリストを取得し、自社のリスク評価と照合することで策定の抜け漏れを効率的に防ぐことができます。
ステップ3:自社要件のカスタマイズ
自社のセキュリティ規程(ISMSなど)との整合性を確認します。どの部門から先行導入するか、どのデータを入力禁止とするかを自社の業務に合わせて微調整します。
ステップ4:法務・コンプライアンス部門とのレビュー
作成した原案の法的リスクについて、専門部署による最終確認を依頼します。
ステップ5:全社への周知徹底
完成したルールを社内ポータルに掲載し、使い方に関するオンライン説明会などを実施します。意図せぬ違反に対しては不利益な扱いを行わず、迅速な報告を優先させる文化を醸成します。
雛形を最大限に活用し、承認プロセスを短縮することで、早期にガバナンスを効かせることが可能になります。
すぐに作業を始められるよう、実務で使えるテンプレートをご用意しました。
▲ 情シス担当者が短期間でAI利用ガイドラインを策定・運用するための5ステップ
社内ガイドラインの整備は単なるリスク回避にとどまらず、SCS評価制度においてSaaS・AI管理体制が重視される理由を理解し第三者評価への対応力を高めることにもつながります。
▲ AI利用ガイドライン策定から全社運用までの5ステップ
【雛形】コピーして使える生成AIガイドラインテンプレート
本記事では、自社の規定に合わせて編集可能な「生成AIガイドライン 雛形」を提供します。実践的な構成があらかじめ組み込まれており、項目の埋め合わせだけで即座に運用案を作成できます。
コピーして使えるガイドライン雛形
以下のテキストをコピーし、Wordや社内のドキュメント管理システムに貼り付けてご活用ください。括弧([ ])の部分を自社の情報に書き換えるだけで完成します。
【生成AI利用ガイドライン】
第1条(目的)
本ガイドラインは、[自社名]における生成AIの安全かつ適切な利用を促進し、業務効率化を図るとともに、情報漏洩や権利侵害を防止することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本ガイドラインは、当社のすべての役員、従業員、および業務委託先等、当社の業務に従事するすべての者に適用される。なお、業務委託先が本ガイドラインの適用を受けるAI利用を行う場合は、事前に情報システム部へ申請し承認を受けなければならない。
第3条(利用可能なツール)
業務での利用が許可される生成AIは、情報システム部が承認した以下のツールのみとする。
・[承認ツール名1(例:ChatGPT Enterprise)]
未承認の無料AIツールの業務利用は原則として禁ずる。
第4条(禁止事項)
利用者は、以下の情報を生成AIのプロンプト(入力指示)に入力してはならない。
1. 個人情報(顧客、従業員などの識別可能な情報)
2. 営業秘密(未公開の財務情報、技術ノウハウ、パスワード、顧客リスト等)
3. その他、他社との秘密保持契約に基づき開示が制限されている情報
第5条(出力結果の確認および責任)
生成AIの出力結果には虚偽(ハルシネーション)や偏見が含まれる可能性がある。利用者は必ず内容の正確性を確認(ファクトチェック)し、他者の著作権を侵害していないことを検証した上で業務に使用すること。最終的な成果物の責任は利用者が負うものとする。
また、AIエージェントやAPI連携を通じて自動処理・外部実行を行う場合は、処理の各段階で担当者が内容を承認する「Human-in-the-Loop」プロセスを必ず設けること。AIエージェントが起こしたエラーや損害についても、利用を承認した担当者が責任を負うものとする。
第6条(インシデント発生時の対応)
本ガイドラインに違反する事象、または情報漏洩の疑いを発見した場合は、速やかに[報告窓口:情報システム部等]に報告しなければならない。
このベースをもとに、自社の社風やセキュリティ基準に合わせて微調整を行ってください。
ルールを定めた後は、それをシステム的に監視し、統制する仕組みを整えるフェーズに入ります。
シャドーAI対策と安全運用を支えるSaaS管理
ガイドラインの策定後、実効性を担保するにはシステムによる利用状況の可視化と制御が欠かせません。ルールを定めただけでは、意図せず未許可のSaaS型AIツールを使ってしまう従業員を完全に防ぐことは難しいからです。
ホワイトリスト運用とアカウント管理の課題
情報システム部門としては、許可したAIツールのみを社内ネットワークで利用できるようにする「ホワイトリスト運用」の導入が求められます。しかし、数多く存在するSaaSの利用状況を手動で追跡し、誰がどのアカウントを使っているかをスプレッドシート等で管理するのは非現実的です。
Adminaを活用したガバナンス強化
ここで有効なのが、SaaS管理ツール「マネーフォワード Admina」の活用です。Adminaを導入することで、社内で誰がどのAIツールのアカウントを持っているかを一元的に可視化できます。200+のAIサービス利用をブラウザアクセス単位で可視化できるプラットフォームとして、ガイドライン違反の早期検知が可能になります。
これにより、退職者のアカウント削除漏れを防ぎ、未承認のAIサービスにアクセスしているユーザーを検知する「アカウント管理」が自動化されます。規程だけでは網羅しきれない未承認ツールの利用を、Adminaのようなプラットフォームで補うことで、ガバナンスが実効性を持ちます。
加えて、技術統制の観点から以下の施策を組み合わせることで、さらに強固なシャドーAI対策が実現します。
DLP(データ損失防止)フィルターの導入:個人情報や機密キーワードを含むプロンプトの送信を自動的に検知・遮断する仕組みを整備します。
プロンプト制御ポリシーの設定:エンタープライズ向けAIツールのAPIまたは管理コンソールを通じて、入力できるデータカテゴリを制限します。
オプトアウト設定のシステム的担保:法人契約のAIサービスに対して、管理者設定でオプトアウト(学習利用拒否)が全ユーザーに適用されていることを定期的に確認・監査します。
最後に、社内ルールの運用にあたってよく寄せられる疑問にお答えします。
▲ SaaS管理ツール(Admina)を活用したシャドーAI対策とガバナンス強化のシステム構成
シャドーAI対策と安全運用を支えるシャドーAI対策におけるSaaS管理と完全ガバナンス構築の全容については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
システムによる制御や可視化を進める具体的なプロセスについては、シャドーAIの検知と生成AIの利用状況を可視化する手順で詳しく解説しています。
生成AI利用ガイドラインに関するよくある質問(FAQ)
Q:AI利用ガイドラインは全社員に適用すべきですか?
A:正社員だけでなく、契約社員や業務委託先も含め、自社のネットワークやデータにアクセスするすべての関係者に適用してください。適用範囲に抜け漏れがあると、委託先経由の情報漏洩がインシデントの盲点になります。
Q:生成AIガイドライン 雛形を利用する際の注意点は何ですか?
A:雛形はあくまでベースとなる文書です。自社の既存の情報セキュリティポリシーや就業規則と矛盾が生じないよう、必ず法務部門やコンプライアンス担当者によるレビューを通してください。
Q:ガイドライン策定後、違反者が出た場合はどう対処すべきですか?
A:意図的な悪用でない限り、まずは速やかな報告を促し、被害の拡大を防ぐ初動対応を優先します。その後、ルールの周知不足が原因であれば再教育を実施し、社内体制の改善を図ります。
Q:AIエージェントや自律型AIを業務で使う場合もガイドラインの対象になりますか?
A:はい、対象になります。AIエージェントは人間の指示なしに複数の処理を自律的に実行するため、通常の生成AI利用よりもリスクが高くなります。ガイドラインの適用範囲にAIエージェント・API連携による自動処理を明示し、Human-in-the-Loopの設計と責任者の明確化を規定に盛り込んでください。
ガイドライン策定とあわせて自社のセキュリティガバナンス体制を網羅的に評価・強化したい方は、2026年版SCS評価制度★3取得チェックリスト(83項目)をぜひご活用ください。
まとめ
本記事では、企業における生成AIの安全な運用を支えるルールの作り方について、必須項目から実際のテンプレートまでを解説しました。2026年3月公表のAI事業者ガイドライン(第1.2版)のように、主要な指針は年1回ペースで更新されます。最低でも半年に1度は既存ルールを指針改定と照合し、内容を更新してください。
最後に、情シス担当者が実務で確実に動くためのチェックリストをまとめました。
✅ 社内で利用されているAIツールの現状把握を完了した
✅ 法人向けの安全なAIサービス(オプトアウト対応)を選定した
✅ 提供した雛形をもとに自社用ルールの原案を作成した
✅ 法務部門と連携して内容の法的レビューを実施した
✅ Admina等のSaaS管理ツールでアカウント監視体制を構築した
情報システム部門が主導して適切なガードレールを敷くことで、企業はリスクを抑えながらAIの恩恵を最大限に享受できるようになります。
ガイドライン策定後の実装フェーズへ進む方は、シャドーAI管理プラットフォームの詳細を見る →
なお、AI利用ガイドラインはSaaS全体のガバナンス体制(SCS評価制度)と組み合わせることで、より包括的なリスク管理が実現します。SaaS管理とAIガバナンスの全体像については、AIガバナンスの構築と運用ガイド → もあわせてご参照ください。
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。
SaaS・アカウント・デバイスの管理を自動化し、IT資産の可視化とセキュリティ統制を実現。
従業員の入退社対応や棚卸し作業の工数を削減し、情報システム部門の運用負荷を大幅に軽減します。
中小企業から大企業まで、情シス・管理部門・経営層のすべてに頼れるIT管理プラットフォームです。




