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Admina Team
2025/09/24
「パソコンの動きが急に遅くなった」「見慣れない警告画面が表示される」といった経験はありませんか。もしかしたら、それはコンピューターウイルスが原因かもしれません。放置してしまうと、個人情報が盗まれたり、パソコンが動かなくなったりと、深刻な事態につながる恐れがあります。
この記事では、パソコンのウイルス感染が疑われるときの確認方法から、万が一感染した場合の具体的な対処法、そして二度と感染しないための予防策までわかりやすく解説します。
コンピューターウイルスとは
コンピューターウイルスとは、パソコンのプログラムに侵入し、様々な悪さをする不正なプログラムの総称です。これらはマルウェア(悪意のあるソフトウェア)とも呼ばれ、その目的は多岐にわたります。
代表的なウイルスの種類には、以下のようなものがあります。
ランサムウェア
パソコン内のファイルを勝手に暗号化し、元に戻すことと引き換えに金銭(身代金)を要求します。トロイの木馬
無害なソフトウェアを装ってパソコンに侵入し、後から情報を盗んだり、ウイルスを呼び込んだりします。ワーム
ネットワークを通じて、感染した端末から他端末へと自己増殖しながら感染を広げていきます。キーロガー
キーボードで入力した内容(ID、パスワード、クレジットカード情報など)を盗み取り、外部に送信します。
パソコンがウイルスに感染する原因
ウイルスは、主に次のような経路で私たちのパソコンに侵入してきます。原因を知ることで、効果的な予防が可能です。
怪しいメールや添付ファイル
宅配業者や公的機関、取引先などを装った巧妙なメールに添付されたファイルや、本文中のリンクを開くことで感染するケースが最も多い手口です。特に、拡張子が「.exe」や「.zip」のファイルには注意が必要です。心当たりのないメールは、むやみに開かないようにしましょう。
ソフトウェアの脆弱性
WindowsやmacOSといったOSや、インストール済みのソフトウェアに存在するセキュリティ上の欠陥(脆弱性)を突いてウイルスは侵入してきます。ソフトウェアの開発元は、脆弱性が発見されると修正プログラムを配布します。OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことが非常に重要です。
不審なWebサイトの閲覧
違法な動画配信サイトや、一部のアダルトサイトなどには、閲覧しただけでウイルスに感染するよう仕組まれたものがあります。また、正規のサイトが改ざんされ、ウイルスを拡散する踏み台にされている場合もあります。信頼性の低いサイトへのアクセスは避けましょう。
パソコンがウイルスに感染した場合の症状
「自分のパソコンは大丈夫だろうか」と不安に思う方もいるでしょう。ここでは、ウイルス感染を疑うべき具体的な症状と、その確認方法について詳しく見ていきます。
動作の異常
例えば、「パソコンの起動や動作が極端に遅くなる」「操作していないのに勝手に再起動する」「見慣れないファイルやフォルダが作成されている」「身に覚えのないツールバーがブラウザに追加される」といった現象が挙げられます。また、セキュリティソフトが勝手に無効化されることもあります。これらの症状が一つでも見られたら、注意が必要です。
警告画面の表示
突然「ウイルスに感染しました!」という警告画面が表示されることがあります。しかし、警告画面の中には、偽物が混じっている場合があります。
偽の警告は、不要なソフトウェアを買わせたり、高額なサポート契約を結ばせたりすることを目的としています。本物のセキュリティソフトの警告は、そのソフトの画面内で静かに表示されるのが一般的です。ブラウザのポップアップで表示され、電話番号への連絡を急かしたり、支払いを要求したりするものは、まず偽物と疑いましょう。決して画面をクリックしたり、表示された番号に電話したりしないでください。

パソコンがウイルスに感染する主な原因
どのような経路でウイルスは侵入してくるのでしょうか。感染の原因を知ることで、日々のパソコン利用における注意点が明確になります。
怪しいメールや添付ファイル
ウイルス感染の古典的かつ主要な原因の一つが、メールの添付ファイルや本文中のリンクです。宅配便の不在通知、請求書、公的機関からのお知らせなどを装った巧妙なメールで、受信者にファイルを開かせたり、リンクをクリックさせたりします。不審なメールや、心当たりのない送信者からのメールは、安易に開かないことが重要です。特に「.exe」や「.zip」といった拡張子のファイルには注意が必要です。
ソフトウェアの脆弱性
OS(WindowsやmacOSなど)や、インストールしているソフトウェアに存在するセキュリティ上の欠陥(脆弱性)も、ウイルス感染の大きな原因となります。攻撃者はこの脆弱性を突き、ウイルスを送り込んできます。ソフトウェアの提供元は、脆弱性が見つかった際に、その修正を目的とした更新プログラム(パッチ)をリリースします。OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことが、この種の脅威に対する有効なウイルス対策です。
不審なWebサイトの閲覧
アダルトサイトや違法な動画・音楽配信サイト、ソフトウェアのダウンロードサイトなどの中には、閲覧しただけでウイルスに感染するよう仕組まれたものがあります。これらのサイトでは、ユーザーが気づかないうちに不正なプログラムがダウンロード・実行されてしまいます。また、正規のサイトが改ざんされ、ウイルスを拡散する踏み台にされているケースもあります。信頼性の低いサイトへのアクセスは避けるべきです。
パソコンがウイルスに感染した場合の対処法
ウイルス感染が確実になった場合でも、慌てず冷静に対処することが被害を最小限に抑える鍵です。以下の手順で進めてください。
1. インターネットから切断する
まず、被害の拡大を防ぐため、パソコンをインターネットから切り離します。LANケーブルを抜くか、Wi-Fiをオフにしてください。これにより、通信を遮断することで被害拡大を防げる場合があります。
2. セキュリティソフトでスキャン・駆除する
次に、インストール済みのセキュリティソフトを使って、システム全体をスキャンします。スキャンを実行する前に、可能であれば定義ファイル(ウイルスの特徴を記録したデータ)を最新の状態に更新してください。ウイルスが検出された場合は、ソフトの指示に従って駆除(削除または隔離)を実行します。これが基本的なウイルスの消し方です。
3. 駆除できない場合は初期化を検討する
ウイルスソフトを使っても完全に駆除できない、またはパソコンの動作が不安定なままの場合、最終手段としてパソコンの初期化(リカバリー)を検討します。初期化を行うと、パソコンは工場出荷時の状態に戻り、保存されているデータや設定はすべて消えてしまいますが、潜伏しているウイルスも一掃できます。重要なデータを失わないためにも、日頃からバックアップを取っておくことが大切です。
4. 各種パスワードを変更する
ウイルス駆除後、特にパスワード盗難のリスクがあるマルウェア(キーロガー等)に感染した場合には、各種オンラインサービスのパスワードを変更することを推奨します。

パソコンがウイルスに感染しないための対策
最も重要なのは、ウイルスに感染させないことです。以下の対策を習慣づけ、パソコンと大切な情報を守りましょう。
信頼できるセキュリティソフトを導入する
これが最も効果的で基本的な対策です。有料ソフトは、無料ソフトに比べて検知率やサポート体制が充実している傾向にあります。自身の利用環境に合ったソフトを選び、常に最新の状態に保ちましょう。
OSとソフトウェアを常に最新に保つ
Windows UpdateやMacのソフトウェア・アップデートを有効にし、利用しているソフトウェアもこまめに更新して脆弱性をなくしましょう。
データのバックアップを定期的に取る
万が一、ランサムウェアの被害に遭ったり、パソコンを初期化したりする場合に備え、大切なデータは、外付けHDDやクラウドストレージに定期的に保存してバックアップを取るようにしましょう。
まとめ
パソコンのウイルスは、誰にでも感染するリスクがあります。しかし、その症状や原因、正しい対処法を知っていれば、冷静に対応し、被害を最小限に食い止めることが可能です。
最も重要なのは、信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態を保つという事前の対策です。それに加え、OSのアップデートを欠かさず、怪しいメールやサイトには近づかないという基本的な注意を払うことが、あなたのパソコンと大切な情報を守る最善の方法です。
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