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最終更新日
2025/10/14
「動画がカクカクして止まる」「オンライン会議中に音声が途切れる」など、自宅のWi-Fi速度に不満を感じていませんか。インターネットが生活の中心となった今、Wi-Fiの通信速度は日々の快適さを大きく左右します。
しかし、どのくらいの速度があれば十分なのか、具体的な数値を把握していない方も多いでしょう。この記事では、Webサイトの閲覧やオンラインゲームといった使い方ごとに必要なWi-Fi速度の目安を分かりやすく整理します。さらに、ご自身のWi-Fi速度を正確に知る方法や、通信が遅い場合に考えられる原因と具体的な改善策まで、順を追って解説していきます。
自宅のWi-Fi速度の目安
インターネットを快適に使うために必要な通信速度は、何をするかによって大きく変わります。まずは、ご自身の使い方に合った速度の目安を確認してみましょう。
一般的に、Webサイトの閲覧などデータ量の少ない通信ではデータを受け取る速さである下りの速度が重要視されます。一方で、動画投稿やWeb会議など、こちらからデータを送る機会が多い場合は、データを送り出す速さである上りの速度も大切になります。
メッセージのやり取りやWebサイト閲覧
LINEやメールの送受信、ニュースサイトなどのテキスト中心のWebサイトを見る場合、1Mbps〜10Mbps程度の下り速度があれば十分です。これらの作業は通信量が少ないため、速度がそれほど出ていなくてもストレスを感じることは少ないでしょう。ただし、画像が多いWebサイトを頻繁に見る場合は、10Mbps以上あるとよりスムーズに表示できます。
YouTubeなど標準画質の動画視聴
YouTubeや各種動画配信サービスで標準画質(SD画質/480p)の動画を見るには、10Mbps〜30Mbpsの下り速度がひとつの目安です。この速度帯であれば、動画の読み込みで待たされることなく、安定した視聴が可能です。SNSで短い動画を見たり、音楽のストリーミングサービスを利用したりする場合も、この程度の速度があれば問題ありません。
4Kなど高画質の動画視聴・Web会議
4Kのような高画質の動画コンテンツを楽しんだり、在宅ワークでWeb会議に参加したりする場合は、30Mbps〜50Mbpsの下り速度が求められます。特にWeb会議では、映像と音声をリアルタイムでやり取りするため、安定した通信環境が欠かせません。速度が不足すると、映像が乱れたり音声が途切れたりする原因になるため、余裕を持った速度を確保したいところです。
オンラインゲームや大容量データの送受信
対戦型のオンラインゲームや、数GBに及ぶ大きなファイルをダウンロード・アップロードする場合は、100Mbps以上の高速通信が理想的です。特にオンラインゲームでは、速い下り速度だけでなく、後述する応答速度を示すPing値も非常に重要になります。大容量のデータを扱う作業は、通信速度が作業効率に直結するため、速ければ速いほど快適になります。
通信速度を測る3つの数値
通信速度には「下り」「上り」「Ping値」という3つの主要な指標があります。これらの意味を知ることで、ご自身のインターネット環境をより正確に把握できます。
下り(ダウンロード)速度
下り速度は、インターネット上からデータを受け取る際の速さを示します。単位はbps(ビーピーエス)で、数値が大きいほど高速です。Webサイトの表示、動画の視聴、アプリのダウンロードなど、私たちがインターネットを利用する多くの場面でこの下り速度が関係しており、一般的に最も重視される数値です。
上り(アップロード)速度
上り速度は、こちらからインターネット上へデータを送信する際の速さです。SNSへの写真や動画の投稿、メールの送信、Web会議での自分の映像送信などが当てはまります。在宅ワークで大きなファイルを共有したり、高画質でライブ配信を行ったりする場合には、この上り速度も重要になります。
Ping値とは
Ping値は、データ送受信の際の応答速度を表し、単位はms(ミリ秒)です。数値が小さいほど、サーバーからの応答が速く、遅延が少ないことを意味します。特に、一瞬の操作遅延が勝敗を分けるオンラインゲームや、リアルタイム性が求められるビデオ通話の快適さに大きく影響します。Web会議などでは50ms以下、オンラインゲームでは30ms以下であれば、ほとんどの用途で快適だといえるでしょう。
自宅のWi-Fiの通信速度を測定する方法
現在の通信環境を把握するために、まずは速度を測定してみましょう。特別な機材は必要なく、誰でも簡単に行えます。
Webサイトやアプリで手軽にチェック
インターネット上には、アクセスするだけで手軽に通信速度を測定できるWebサイトやスマートフォンアプリが数多く存在します。スピードテストなどのキーワードで検索すれば、複数のサービスが見つかります。ボタンをクリックするだけで、下り、上り、Ping値を自動で計測してくれるため、まずは試してみるのが良いでしょう。
正確に測るためのポイント
より正確な数値を把握するためには、いくつか注意点があります。Wi-Fiルーターと測定する端末(PCやスマホ)をできるだけ近づけ、他のアプリケーションは終了させておきましょう。また、可能であれば一度有線LANで接続して測定すると、回線本来の速度を知ることができます。時間帯によっても速度は変動するため、朝・昼・夜など複数回測定するのが理想です。
自宅のWi-Fiが遅いときに考えられる主な原因
測定した速度が目安よりも遅い場合、いくつかの原因が考えられます。原因を正しく特定することが、改善への第一歩です。
Wi-Fiルーター本体の問題
長年使用している古いWi-Fiルーターは、最新の通信規格に対応しておらず、速度が遅くなる原因になります。また、ルーターの設置場所が不適切な場合も電波が弱まります。家の隅や床の上、障害物に囲まれた場所、水槽や電子レンジの近くなどは電波が届きにくくなるため避けるべきです。
パソコンやスマホなど端末側の問題
通信速度の問題が、Wi-Fi環境ではなく接続している端末側にあるケースも少なくありません。パソコンやスマートフォンのOSやソフトウェアが古いバージョンのままだと、最適な通信ができないことがあります。また、同時に多数のアプリケーションを起動していると、端末の処理能力が追いつかず、結果として動作が遅く感じられることもあります。
利用している回線自体の問題
契約しているインターネット回線の種類(光回線、ホームルーター、モバイルWi-Fiなど)によって、最大通信速度は決まっています。また、マンションなどの集合住宅では、1本の回線を複数の世帯で共有するため、夜間など利用者が多い時間帯に速度が低下しやすくなる傾向があります。
自宅のWi-Fi速度を改善する具体策
Wi-Fiが遅いと感じた場合、機器の買い替えや契約変更の前に、ご自身で試せる改善策がいくつかあります。簡単なものから順に試してみましょう。
1. Wi-Fiルーターを再起動する
最も手軽で効果が期待できるのが、Wi-Fiルーターの再起動です。電子機器は長時間稼働し続けると、内部に熱がこもったり、一時的な不具合が発生したりすることがあります。一度電源を切り、数分待ってから再度電源を入れることで、これらの問題が解消され、通信状況が改善される場合があります。
2. ルーターの設置場所を見直す
Wi-Fiの電波は、ルーターを中心として球状に広がります。そのため、家の中心付近で、床から1〜2mほどの高さに設置するのが理想的です。また、電波を遮る壁や家具などの障害物から離れた、見通しの良い場所に置くことで、家中に電波が届きやすくなります。
3. Wi-Fiの周波数帯を変更する (2.4GHz / 5GHz)
Wi-Fiには主に「2.4GHz」と「5GHz」という2種類の周波数帯があります。「2.4GHz」は障害物に強く遠くまで届きやすい一方、電子レンジなど他の家電と電波干渉を起こしやすい性質があります。「5GHz」は他の電波と干渉しにくく通信が安定していますが、障害物に弱いのが特徴です。ルーターの近くで使う場合は「5GHz」に切り替えることで速度が改善することがあります。
4. ルーターやケーブルを新しい規格に交換する
数年以上同じWi-Fiルーターを使っている場合は、より高速な「Wi-Fi 6」や「Wi-Fi 6E」といった新しい通信規格に対応した製品への買い替えが有効です。また、ルーターと光回線の終端装置(ONU)を繋ぐLANケーブルが古い場合も速度低下の原因になります。高速通信に対応した「CAT6A」以上の規格のケーブルに交換することも検討しましょう。
5. Wi-Fi中継機やメッシュWi-Fiを導入する
家の構造上、どうしてもWi-Fiの電波が届きにくい部屋がある場合は、Wi-Fi中継機やメッシュWi-Fiの導入が解決策になります。中継機は電波の届く範囲を広げ、メッシュWi-Fiは家中に網の目のように電波を張り巡らせて、どこにいても安定した通信環境を構築します。
6. インターネット回線の契約を見直す
上記の方法を試しても改善が見られない場合、契約している回線プラン自体が原因かもしれません。現在契約しているプランの最大速度を確認し、より高速なプランへの変更や、利用者が多い時間帯でも速度が落ちにくい他の回線事業者への乗り換えも、最終的な選択肢として考えると良いでしょう。
まとめ
快適なインターネット環境を整えるためには、まずご自身の使い方に合った通信速度の目安を知ることが大切です。Webサイトの閲覧なら10Mbps、高画質動画の視聴やWeb会議なら30Mbps以上、オンラインゲームなら100Mbps以上を目安に、現在の速度を測定してみましょう。
もし速度が足りない場合は、ルーターの再起動や設置場所の見直しといった簡単な対策から試してみてください。それでも改善しない場合は、ルーターやケーブルの買い替え、あるいは契約している回線プランの見直しも視野に入れると良いでしょう。この記事で解説した内容を参考に、ご自宅のWi-Fi環境を一度点検し、より快適なデジタルライフを実現してください。
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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