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監査対応を効率化する準備ガイド|IT監査・外部監査の対策と証跡管理のコツ

監査対応を効率化する準備ガイド|IT監査・外部監査の対策と証跡管理のコツ

監査対応を効率化する準備ガイド|IT監査・外部監査の対策と証跡管理のコツ

監査対応を効率化する準備ガイド|IT監査・外部監査の対策と証跡管理のコツ

監査対応を効率化する準備ガイド|IT監査・外部監査の対策と証跡管理のコツ

最終更新日

2026/01/22

監査対応とは、企業の業務執行や財務状況が法令・社内規程に則っているかを確認する「監査」に対し、必要な資料提供や説明を行う一連の実務を指します。本記事では、情シス(情報システム部門)や管理部門の担当者が直面する監査の負担を軽減し、スムーズに承認を得るための具体的な準備手順や効率化のポイントを詳しく解説します。

監査対応とは

監査対応とは、内部監査人や公認会計士などの外部監査人による評価に対し、業務の正当性を証明する証跡(エビデンス)を提示し、質疑応答を行うプロセス全体のことです。

監査には、自社で実施する「内部監査」と、監査法人などが行う「外部監査(法定監査や任意監査)」があります。特に近年のビジネス環境では、IT統制の重要性が高まっており、システムの操作ログやアクセス権限の管理状況を証明する「IT監査への対応」が、情シスやDX(デジタルトランスフォーメーション)推進部門にとって避けて通れない重要な業務となっています。

内部監査と外部監査の違い

監査はその目的や実施主体によって大きく2つの種類に分類されます。それぞれの特徴を理解することで、準備すべき資料の優先順位が明確になります。

区分

内部監査

外部監査

実施主体

社内の監査部門・担当者

監査法人、公認会計士、公的機関

主な目的

業務改善、不正防止、ガバナンス強化

財務諸表の信頼性確保、法令遵守の証明

法的拘束力

任意(社内規程による)

高い(金融商品取引法や会社法など)

主な対象

業務プロセス全般、リスク管理

財務会計、内部統制(J-SOXなど)

IT監査(IT全般統制)の重要性

現代の企業経営において、ITシステムは基盤そのものであるため、システムの信頼性を担保するIT監査の重要性が増しています。IT全般統制(ITGC:IT General Controls)では、システムの開発・保守、アクセス管理、運用管理などが適切に行われているかが厳しくチェックされます。

監査対応が形骸化・負担増になる原因と課題

監査対応が現場の負担になる主な原因は、日常的な証跡管理の不足と、監査直前になってから手動で資料を収集・作成する非効率な運用にあります。

多くの企業では、監査期間が近づくと通常業務を止めて過去のメールや申請書、操作ログを検索・整理する作業に追われます。このような「その場しのぎ」の対応は、担当者の心理的ストレスを高めるだけでなく、証跡の不備や漏れによる指摘事項の増加を招き、結果としてさらなる再確認作業が発生するという悪循環を生み出します。

証跡管理(エビデンス収集)の属人化

監査に必要なデータが特定の担当者のPC内や個別のスプレッドシート(Excelなど)に保管されている場合、情報の集約に多大な時間がかかります。

特に情シス部門では、SaaS(Software as a Service)の普及により、アカウントの発行・削除記録や権限変更の履歴が各サービスに分散してしまい、横断的な証跡確認が困難になっているケースが散見されます。実際の調査では、情報システム部門の47.2%が「各SaaSごとに個別管理が必要で手間がかかる」と回答しており、これが監査対応における「何が正解かわからない」という不安の正体です。

部門間連携のコミュニケーションコスト

監査対応は一つの部署で完結するものではなく、経理、総務、人事、ITなど複数の部門が連携して証跡を揃える必要があります。

しかし、依頼内容の解釈が部署間で異なっていたり、共有ルールが不明確であったりすると、何度も資料の出し直しが発生します。このコミュニケーションのズレが、組織全体の生産性を著しく低下させる要因となります。

監査対応をスムーズに進める準備手順

効率的な監査対応を実現するためには、監査当日だけを乗り切るのではなく、逆算して「日常的に証跡が溜まる仕組み」を構築することが最短のルートです。

準備不足のまま監査に臨むと、予期せぬ指摘によって追加調査が必要になり、かえって工数が増大します。以下の3つのステップを踏むことで、計画的かつ確実に監査をパスできる体制を整えることができます。

STEP1:監査項目の特定とリスクアセスメント

まずは、自社が受ける監査の対象範囲(スコープ)を明確にし、どの業務プロセスにリスクがあるかを特定します。

過去の監査報告書を確認し、指摘を受けた箇所や改善を促された項目を最優先で対策します。また、監査人と事前にコミュニケーションを取り、「どのような形式の証跡が求められるか」を握っておくことで、無駄な資料作成を防ぐことが可能です。

STEP2:運用ルールの整備と証跡の自動収集

監査で求められる証跡(承認済みの申請書、操作ログ、設定変更履歴など)を、日常の業務プロセスの中で自然に蓄積できる仕組みを作ります。

  • ワークフローシステムの活用: 口頭やメールでの承認を廃止し、システム上で履歴が残るようにします。

  • ログ保存の自動化: サーバーログやSaaSの操作ログを自動でアーカイブし、いつでも取り出せる状態にします。

  • マニュアルの更新: 実際の業務手順とマニュアルが乖離していないか定期的に確認します。

STEP3:内部予備監査(セルフチェック)の実施

本番の監査が始まる前に、自部署や他部署の協力のもと、模擬的な監査を実施して不備がないかを確認します。

予備監査を行うことで、「資料が見つからない」「承認印が漏れている」といった初歩的なミスを事前に発見・修正できます。この段階で課題を潰しておくことで、本番の監査対応時間を大幅に短縮でき、監査人からの信頼も高まります。

IT監査への具体的な対策:情シスが取り組むべきポイント

IT監査において特に厳しくチェックされるのは、「誰が・いつ・どの権限で・何をしたか」というアクセスコントロールと変更管理の整合性です。

情シス担当者は、単にシステムを安定稼働させるだけでなく、その運用がルールに基づいていることを客観的に証明する責任があります。特に以下の2点は、監査における「頻出事項」であり、重点的な対策が求められます。

アクセス権限管理とアカウント棚卸しの徹底

システムの不正利用を防ぐため、適切な権限付与が行われているか、不要なアカウントが削除されているかが厳しく問われます。

入社・異動・退職に伴う権限変更が申請書通りに行われているかを照合する作業(棚卸し)を定期的に実施しましょう。手動での確認はミスが起きやすいため、ID管理ツール(IdP:Identity Provider)やSaaS管理プラットフォームを活用し、アカウント一覧と権限状況を即座に出力できるようにしておくことが理想的です。

システム変更管理とドキュメントの整合性

プログラムの改修や設定変更を行う際、承認を得ずに実施することは「未承認変更」として重大な指摘事項になります。

変更作業においては、「変更要求(なぜやるか)」「承認(誰が許したか)」「テスト結果(正しく動くか)」「リリース(いつ反映したか)」の一連の流れを紐付けて記録しておく必要があります。Gitなどのバージョン管理システムや、Jiraなどのタスク管理ツールを使い、チケットとソースコードの変更履歴をリンクさせる運用が効果的です。

監査対応を効率化するツールの選び方とメリット・注意点

ツールを導入することで、手動でのデータ収集や整合性確認の工数を大幅に削減できる可能性がありますが、自社の規模や課題に合ったものを選ぶ必要があります。

監査対応の効率化には、ログ管理ツール、ワークフローシステム、資産管理ソフトなどが有効です。これらにより証跡の「改ざん防止(真正性)」と「検索性」が向上し、監査人に対しても高い透明性を示すことができます。

ログ管理・SaaS管理ツールの活用メリット

ツールを導入する最大のメリットは、散在する情報を一元管理し、必要な時に即座にレポート化できる点にあります。

例えば、複数のSaaSを利用している場合、各サービスの管理画面を個別に開いてログをダウンロードするのは非効率です。これらを統合管理するツールを使えば、ユーザーごとの利用状況や権限設定を一括で可視化でき、棚卸し作業の工数を劇的に減らすことができます。

ツール導入時の注意点

ツールの導入にはコストがかかるだけでなく、現場のオペレーション変更に伴う一時的な負荷が発生します。

「ツールを入れれば全て解決する」と考えるのではなく、まずは自社の業務フローを整理することが先決です。ツールの機能が複雑すぎると、逆に運用が定着せず、形骸化してしまうリスクがあります。自社のITリテラシーや管理対象の数に合わせ、スモールスタートできるツールを選ぶことが成功の秘訣です。

また、導入効果は企業の現状や運用体制により大きく異なるため、導入前に自社の業務フローを分析し、期待できる効果を具体的に試算することをお勧めします。

効率的な監査対応に向けた継続的な取り組み

監査対応は、一時的な「イベント」として捉えるのではなく、日々の業務品質を向上させるための「仕組みづくり」と考えるのが正解です。

適切な証跡管理とIT統制の整備は、単に監査をパスするためだけではなく、情報の漏洩防止や内部不正の抑止、そして業務の標準化による生産性向上に直結します。本記事で紹介した手順やポイントを参考に、まずは自社の現状を可視化することから始めてみてください。組織全体のガバナンスが強化されることで、結果として監査対応にかかる時間は最小限に抑えられ、本来注力すべきコア業務に時間を割けるようになります。

まずは、「直近の監査で指摘された事項」を1つだけピックアップし、その証跡が現在どこにあるか、誰でもすぐに取り出せる状態になっているかを確認してみましょう。

資料の所在を特定するだけでも、次の監査に向けた大きな前進となります。

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。
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