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IT用語の「エンドポイント」には、①APIの接続点、②PCやスマホなどのネットワーク端末という、全く異なる2つの意味があります。本記事ではこの2つの意味を明確に切り分け、前半ではAPIエンドポイントの仕組みやURLとの違いをわかりやすく図解します。後半では、セキュリティにおけるデバイスエンドポイントの管理方法について、企業規模別の目安を交えて解説します。
APIエンドポイントとは?意味・URLとの違い・管理方法を解説
この記事でわかること
IT分野のエンドポイントには「APIの接続点」と「ネットワーク端末」の2つの意味がある
APIエンドポイントは、特定の機能やデータにアクセスするための窓口として機能する
APIエンドポイントとURL・APIの概念の違い
エンドポイントとは、特定のサービスやデータに対して、外部からアクセスするための「窓口」となる要素です。
IT分野における「エンドポイント」の2つの意味
エンドポイントの意味を理解する上で最も重要なのが、文脈による使い分けです。ソフトウェア開発においてAPIエンドポイントと呼ぶ場合は、システム同士がデータをやり取りするための接続URLを指します。一方で、情シス部門が「エンドポイント管理」と呼ぶ場合は、従業員が使用するノートPCやスマートフォンといった物理的なデバイスそのものを指します。両者は全く異なる概念であるため、社内でコミュニケーションを取る際はどちらの意味で使っているかを明確にする必要があります。
APIエンドポイントの仕組み
APIのエンドポイントとは、クライアント(Webブラウザやスマホアプリなど)がサーバーにデータを要求する際の「宛先」となる接続ポイントです。APIエンドポイントとはわかりやすく言うと、レストランにおける「注文窓口(レジ)」のようなものです。クライアントは特定の窓口に対してリクエストを送信し、システム側はその窓口に対応した処理を行って結果を返却します。以下にテキスト図解で仕組みを示します。
【API通信の仕組みイメージ】
[クライアント(アプリ等)]
│ (1. リクエスト:GETメソッドでデータ要求)
▼
[APIエンドポイント] https://api.example.com/v1/users/123
│ (2. ユーザーID 123の情報を要求する処理)
▼
[サーバー・データベース]
│ (3. レスポンス:JSON形式でユーザーデータを返却)
▼
[クライアント]
エンドポイントの役割と種類
エンドポイントは、通信プロセスにおいて「どのデータに対して、どのような操作を行うか」を明確に定義する役割を持ちます。代表的な種類として、RESTful APIにおけるエンドポイントが挙げられます。REST APIでは、1つのエンドポイント(URL)に対してHTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を組み合わせることで、データの取得や作成などの操作を切り替えます。他にもSOAPやGraphQLといったプロトコルがあり、それぞれエンドポイントの設計思想が異なります。なお、GraphQLでは複数データの取得でも /graphql といった単一のエンドポイントしか使わない点は、REST APIとの大きな違いとして覚えておくとよいでしょう。
▲ 文脈による「エンドポイント」の意味の違い
エンドポイントとAPI・URLの違い
APIはシステム間の連携ルール全体を、エンドポイントは通信の窓口を、URLはその場所を示すインターネット上の住所を意味します。
URLとの違い
エンドポイントとはAPIの文脈において「特定の機能を提供するURL」を指すため、URLそのものと混同されがちです。しかし、APIエンドポイントとURLの違いを厳密に定義すると、URLはWeb上のリソースの場所を示す単なる「住所」であり、エンドポイントはその住所の中で特定の処理(データの取得や更新など)を受け付ける「窓口」です。例えば、企業トップページのURL「https://example.com/」は人がWebページを見るための場所ですが、システム連携用の窓口ではないため、通常はエンドポイントとは呼びません。
HTTPエンドポイントとは
HTTPエンドポイントとは、REST APIなどにおいてHTTPプロトコルを介してアクセスする接続点のことです。Webアプリケーション開発において最も一般的に利用される形式であり、インターネットを経由してJSONやXMLなどのデータを送受信します。HTTPエンドポイントは、クライアントからのリクエストに対してステータスコード(200 OK、404 Not Found、500 Internal Server Errorなど)を返し、処理の結果を正確に伝達する役割を担っています。また、実務においてHTTPエンドポイントを設計・運用する際は、TLS(HTTPS)を利用した通信の暗号化が必須となります。平文での通信(HTTP)では、第三者による通信内容の盗聴や改ざんのリスクがあるため、現在ではAPIを公開する際の標準的なセキュリティ要件としてHTTPS化が強く推奨されています。
【比較表】API・エンドポイント・URLの違い
エンドポイントとは何かをより直感的に理解できるよう、それぞれの概念を日常生活に例えて比較表にまとめました。システム開発や他部門との連携時に、用語の認識を合わせるための参考にしてください。
用語 | 意味 | 日常生活に例えると | 具体例 |
|---|---|---|---|
API | システム同士を繋ぐためのルールや仕組み全体 | レストランのメニューと注文システム | REST API、GraphQL API |
エンドポイント | 特定の処理を受け付ける具体的な窓口 | 注文を受け付けるレジ | https://api.example.com/v1/users |
URL | ネットワーク上のリソースの場所(住所) | レストランの店舗の住所 | https://example.com/ |
▲ API・エンドポイント・URLの役割と概念の違い
APIエンドポイントの管理と設計
APIエンドポイントの設計や管理の不備は、重大な情報漏洩などのセキュリティインシデントや、システム全体のパフォーマンス低下に直結します。
APIエンドポイント設計の失敗パターン
APIエンドポイントの設計において、よくある失敗パターン(やってはいけないこと)の代表例が「バージョン管理の欠如」です。URLにバージョン情報(/v1/など)を含めずにAPIを公開してしまうと、将来仕様変更を行った際に、古いエンドポイントを利用しているクライアントのシステムが突然停止するリスクがあります。また、クライアントが必要としていない過剰なデータまでレスポンスに含めてしまう「オーバーフェッチ」も、通信量の無駄遣いとなりサーバーのパフォーマンスを悪化させる原因となります。さらに、認証なしで公開されたエンドポイントは、外部から自由にアクセスできる状態になるため、情報漏洩の直接的な原因となります。
APIエンドポイント管理のプロセス
企業が提供または利用するAPIエンドポイントを安全かつ効率的に管理するために、押さえておきたい主な管理プロセスは以下の4点です。
APIゲートウェイの導入:全てのエンドポイントへのアクセスを単一のゲートウェイで経由させ、トラフィックのルーティングやセキュリティポリシーを一元管理します。
認証と認可の設定:APIキーやOAuthなどのトークンを用いて、正当な権限を持つユーザーやシステムのみにアクセスを許可します。
レート制限(Rate Limiting):特定の時間内に許可するリクエスト回数の上限を設け、DDoS攻撃やシステムへの過負荷を防ぎます。
モニタリングとログ取得:アクセスの履歴やエラー発生率を常時監視し、異常を早期に検知してトラブルシューティングに役立てます。
セキュリティにおける「エンドポイント」とは
セキュリティ分野におけるエンドポイントとは、PCやスマートフォン、タブレットなどネットワークの末端に接続されるデバイス(端末)そのものを指します。
デバイスエンドポイント管理の重要性
現代の企業において、デバイスエンドポイントの管理は避けて通れない実務テーマです。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」の組織向け脅威において、第1位は11年連続で「ランサム攻撃(ランサムウェア)による被害」となっています。テレワークやクラウドサービスの普及により、従業員が社外から様々なデバイスで社内データにアクセスするようになりました。これにより、従来の「社内ネットワークの境界を守る(ファイアウォールなど)」というセキュリティ対策だけでは、外部ネットワークに直接接続されたデバイスへの攻撃やマルウェア感染を防ぎきれなくなっています。
社外からアクセスするすべてのデバイスを可視化し、個別に保護することが現代のゼロトラストセキュリティの出発点となります。
企業規模別のデバイス管理・導入ツールの目安
デバイスのエンドポイント管理は、企業の規模やITリソースによって直面する課題と適切な対応策が異なります。例えば、PCのキッティング(初期設定やセキュリティソフトの導入など)には多大な工数がかかり、規模が大きくなるほど手動での管理は破綻します。以下の表を参考に、自社のフェーズに合った管理体制を構築してください。
企業規模 | 管理の課題と特徴 | 推奨されるツール・手法 |
|---|---|---|
50名未満 | 専任の情シス担当者が不在で、表計算ソフト等での手動管理が多い | IT資産管理ツールの導入、標準アンチウイルスの徹底 |
50〜300名 | デバイス数の増加によりキッティングやパッチ適用の工数が圧迫される | MDM(モバイルデバイス管理)による一元管理、EDR(脅威の検知と対応)の初期導入 |
300名超 | 多様な働き方によるシャドーITのリスク増大、インシデント対応の迅速化が急務 | 高度なEDR/XDRの導入、ゼロトラストアーキテクチャの構築、外部SOCとの連携 |
よくある質問
エンドポイントに関する実務上のよくある疑問にお答えします。
Q. カスタムエンドポイントとは何ですか?
A. 特定の顧客や特定のアプリケーションの要件に合わせて、独自に設計・提供されるAPIエンドポイントのことです。標準のAPIでは満たせない複雑なデータの集約処理などを、1回の通信で完結させたい場合などに利用されます。例えば、モバイルアプリの起動時に必要な初期データを複数集約して1回で取得するBFF(Backends For Frontends)向けのAPIなどが該当します。
Q. 1つのAPIにエンドポイントが複数ある理由は?
A. データの取得、作成、更新、削除など、目的や操作ごとに処理の窓口を分けるためです。例えば「/users」はユーザー一覧の取得、「/users/1」は特定ユーザー情報の取得といった形で役割を分割することで、保守性やセキュリティを高めています。
Q. APIエンドポイントとURLパラメータの違いは?
A. エンドポイントはアクセスする対象となるリソースの場所(例: /users)そのものを指します。一方、URLパラメータは、そのリソースに対して絞り込みや並び替えなどの条件を指定するための付加情報(例: ?age=20&sort=desc)です。
Q. エンドポイントセキュリティとアンチウイルスの違いは何ですか?
A. 従来のアンチウイルスは、既知のウイルスファイル(シグネチャ)を検知してブロックする点に特化しています。一方、エンドポイントセキュリティ(EDRなど)は、未知の脅威も含めたデバイス上の不審な「挙動」を監視し、感染後の迅速な検知と対応(ネットワークからの隔離など)までをカバーする包括的な仕組みです。
▲ 1つのAPIで複数のエンドポイントを使い分ける仕組み
まとめ
本記事では、IT分野で混同されがちな「APIエンドポイント」と「セキュリティ(デバイス)におけるエンドポイント」の2つの意味と、それぞれの管理手法について解説しました。
APIを利用したシステム連携を行う場合は、適切なエンドポイントの設計と認証管理が不可欠です。一方で、社内ネットワークの安全を守るためには、PCやスマートフォンといったデバイス自体のエンドポイント管理が求められます。特に近年はランサムウェアの被害が深刻化しており、デバイス管理の整備を後回しにするリスクは年々高まっている点に注意が必要です。
まずは、自社が利用・提供している外部APIの棚卸しと、従業員に貸与している全デバイスの現状把握(インベントリ管理)から着手し、安全なシステム運用体制の構築に向けた最初の一歩を踏み出しましょう。
✅ 社内で利用・提供しているAPIエンドポイントの一覧を棚卸しした
✅ 全デバイスのインベントリ管理(台数・OS・所有者)が完了している
✅ 企業規模に応じたMDM/EDRの導入を検討・着手している
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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