>
>
公開日
社内ネットワークの構築は、従業員の生産性を大きく左右するだけでなく、巧妙化するサイバー攻撃から企業の重要資産を守るための重要な防壁です。近年、ハイブリッドワークの普及やクラウドサービスの活用が急速に進んだことで、従来の境界防御に基づく社内ネットワーク構築の考え方は大きな転換期を迎えています。
本記事では、オフィスネットワーク構築の基本知識から、2026年最新の規模別費用相場、コストを大幅に抑える「デジタル化・AI導入補助金2026」の活用方法までを徹底的に解説します。さらに、最新のワイヤレス規格であるWi-Fi 7や、脱VPNを実現するゼロトラストセキュリティといった最新のトレンドを網羅。有線LAN配線における「Cat6A」先行投資など、実務で後悔しないための具体的な選び方と、企業の成功事例を詳しく紹介します。
社内ネットワークの構築とは
本記事のポイント
2026年最新の費用相場は、小規模で20万〜50万円、中規模で50万〜180万円、大規模で200万〜500万円以上が目安。
Wi-Fi 7のMLO技術導入、脱VPNに伴うゼロトラストやSASEへの完全移行、2028年末のISDN完全終了が2026年現在の主要トレンド。
有線LANの配線工事時には、10Gbps対応のCat6A規格を先行採用し、将来の拡張に備えて2〜3割の予備配線を確保することが推奨される。
初期コストを大幅に削減するために、中小企業庁が公募するデジタル化・AI導入補助金(2026年度版)を有効活用できる。
社内ネットワーク構築は単なる機器の接続ではなく、企業の生産性とセキュリティを担保する重要な経営基盤です。
社内ネットワークの構築とは、PCやサーバー、スマートフォンといった様々な端末を相互に接続し、安全かつ円滑なデータ通信ができるインフラを整えることです。単にインターネット接続を可能にするだけでなく、社内の機密情報を外部の脅威から守り、業務に必要な共有フォルダやシステムへの安全な経路を提供する役割を担っています。近年では、物理的な管理負荷やIT人材不足を背景に、ネットワーク機器の購入・運用管理を自社で行うのではなく、クラウドを介して月額のサブスクリプション型で提供してもらうNaaS(ネットワーク・アズ・ア・サービス)という形態の導入事例も増えています。
ネットワークを構築する物理的な場所
インフラを配置する場所には、自社に物理的なリソースを配置するか、外部の仮想的なリソースを利用するかという選択肢があります。
オンプレミス:自社オフィス内や自社管理のデータセンターに、物理的なサーバーやルーター、スイッチなどの機器を直接設置して、専用のローカル環境を設計・自社運用する手法です。強固なセキュリティや自由度の高いカスタマイズ性が魅力です。
クラウド:外部事業者が用意した仮想的なインフラリソースをインターネット経由で利用する仕組みです。機器調達の手間や初期投資を抑えられ、ユーザー数の増減にも柔軟に対応できます。
ネットワーク設計を形作る2つのフェーズ
ネットワーク設計を行うにあたっては、物理設計と論理設計という二段階のアプローチで整合性を取っていきます。
物理設計:オフィス内に設置する機器の物理的な配置場所や、有線LANの配線ルートを決める設計です。
論理設計:ネットワーク内のデータの流れを制御するために、IPアドレスの割り当て規則や仮想ネットワーク分割(VLAN)、アクセス権限などを定義する論理的な作業です。
失敗しないネットワーク構築の進め方
ネットワーク構築の成功は、将来の拡張性を見越した要件定義と、通信のボトルネックを排除する先行投資で決まる。
最初の要件定義を怠ると、後から追加の物理配線工事や機器の買い替えが必要になり、余計なコストが発生します。ここでは、成功に導くための標準的な5ステップと、情シスが陥りやすい実務上の盲点を解説します。
ネットワーク構築を成功に導く5つのステップ
現状把握と要件定義:現在の通信における課題、例えば通信速度の低下や接続不良などを可視化し、将来の増員やシステムの追加予定を考慮してネットワークに求める要件を定義します。
ネットワーク設計:要件に基づき物理設計と論理設計を実施します。この際、基幹ネットワークとなるLAN配線には10G対応のCat6A規格のケーブルを指定して先行投資しておくことが、将来の配線やり直し工事を防ぐ最善策です。
機器選定と調達:要件を満たす適切なスペックのルーターやアクセスポイント、UTM(統合脅威管理)を選定し調達します。
物理構築と設定:調達した機器に設定を投入し、オフィス内にラッキングおよびケーブリングを行います。
テストと運用・保守:通信接続テストやセキュリティ検証を行い、問題がなければ本番運用を開始。稼働後は日々の監視とトラブル発生時のサポート体制を構築します。
陥りがちな4つのリアルな失敗パターンと対策
① 物理配線:予備配線の不足
オフィスの配線工事の際、現在の在籍人数やデスク数に合わせた最小限の本数で発注してしまうケースが後を絶ちません。レイアウト変更やフリーアドレス化、会議室のWebブース増設時に有線LANポートが不足し、床を再度剥がす二重の工事費用が発生します。設計時に将来の拡張を見越して2〜3割程度の空きポートや予備配線を含めておくことが鉄則です。
② 家庭用機器の流用によるパケット詰まり
家庭用ルーターと、適当なハブを買い足していけば安く済むという誤解から、オフィスで家庭用機器を使用するケースがあります。しかし、接続人数が15〜20人を超えたあたりでパケット詰まりが発生し、Web会議が頻繁に途切れるようになります。また、管理されていないハブが乱立することでループ接続と呼ばれるネットワーク全体のダウンを引き起こすため、最初から法人向け機器を導入すべきです。
③ 冗長化の誤解:経路切替の設計漏れ
ルーターを2台置いたから絶対に通信は途切れないというのは誤解です。機器の二重化だけでは不十分で、メンテナンス時に1台を切り離した瞬間、もう1台が単一障害点、つまりそこが壊れたら全体が停止する箇所になります。機器の台数だけでなく、経路切替の仕組みまで設計しておかないと、機器が2台あっても切替が正常に動かないため、切り替えテストの実施が必要です。
④ マルチベンダー化と定期点検への過信
各機器で最も安価なメーカーをバラバラに選べば安上がりだと考えるのも危険です。障害が発生した際、どの機器が原因であるかがわからず、ベンダー各社が責任を押し付け合う状態に陥り復旧が大幅に遅れます。機器のメーカーを統一するか、窓口を一括で引き受けてくれるシステムインテグレーターを選びましょう。また、月に1回程度の定期点検や古い構成図に頼るだけでは、日々変化するクラウドとオンプレミスの設定ミスを検知できません。リアルタイムに自動監視するツールの併用が必須です。
▲ 失敗しない社内ネットワーク構築の5つの手順
2026年最新のネットワーク構築トレンド
現代のオフィスネットワークは、高速ワイヤレス通信とゼロトラストセキュリティを軸に刷新する必要がある。
通信の高速化やクラウドシフト、テレワークの定着により、従来のネットワーク構造は変化を余儀なくされています。2026年現在、企業が必ず押さえるべき主要トレンドは以下の通りです。
1. 次世代通信規格Wi-Fi 7のオフィス本格導入とMLO技術
2023年12月の電波法施行規則改正を経て、2026年現在は法人向けオフィスでもWi-Fi 7対応アクセスポイントの導入が標準化しています。Wi-Fi 7最大の特長は、2.4GHz、5GHz、6GHzの複数帯域を同時に用いて並行通信を行うMLO(Multi-Link Operation)技術です。Wi-Fi 6の約4.8倍にあたる理論値最大46Gbpsの通信速度を実現し、Web会議や大容量データのやり取りが重なる高密度環境でも、安定した通信を維持できます。NTT東日本もサポート付きWi-FiサービスであるギガらくWi-Fiにおいて、Wi-Fi 7に対応したプランの新規提供を開始するなど、本格的な導入期を迎えています。
2. 脱VPNとゼロトラストへの完全移行
ハイブリッドワークやSaaS利用の日常化に伴い、境界型防御であるVPNは限界を迎えています。2024年から2025年にかけてVPN機器を狙う致命的な脆弱性が急増したこと、また大手企業におけるランサムウェア被害の報道を受け、企業の間で脱VPNが現実的な課題となっています。そのため現在は、VPNを廃止してユーザーやデバイスごとにアクセス権を厳密に認可するZTNA(Zero Trust Network Access)や、ネットワーク機能とセキュリティ機能をクラウド上で統合するSASE(Secure Access Service Edge)への移行が事実上の標準となっています。国内でも4割近い企業がすでにゼロトラスト型アクセスサービスを利用開始しています(IDC Japan「国内ネットワークセキュリティ市場調査」等の各種調査より。詳細は各調査機関の公式サイトをご参照ください)。
3. 2028年末のISDN完全終了に伴うレガシー脱却のデッドライン
2024年1月にISDNのディジタル通信モードが終了し、現在は暫定的な補完策が提供されていますが、この補完策も2028年12月31日をもって完全に終了します。企業の古いVPNバックアップ回線や警備通報、POSシステム、クレジットカード決済端末、固定電話がISDN回線のままになっている場合は注意が必要です。クラウドPBX、つまりインターネット網を使った電話システムをはじめ、光回線やモバイルSIMなどのIP環境への移行を2028年末までに完了させることが必須です。設計は今すぐ始める必要があります。
4. AIエージェントによる自律型ネットワークの商用実装
2026年現在、通信大手ではAIを活用したネットワーク運用の自動化が進んでいます。NTTドコモでは、AWS上に展開する5Gコアネットワークの設計・構築をAIに任せて自動化し、全国レベルの障害を検知して対処を提案するAIを商用稼働させています。また、ソフトバンクは、人の判断を介さず自律的に制御を行うレベル3の国際認定を国内で初めて取得し、運用の自動化を大きく前進させています。
ネットワーク構築にかかる費用相場
社内ネットワークの構築費用は、接続するデバイス数とセキュリティ要件によって決定される。
ネットワークの構築や刷新を外注する場合、初期コストだけでなく、運用のための月額費用も考慮に入れる必要があります。以下に、2026年時点の費用相場の目安をまとめました。
【2026年】オフィス規模別のネットワーク構築費用相場
オフィスの規模 | 想定人数 | 費用相場(設計・施工・機材代込) | 構成の目安 |
|---|---|---|---|
小規模 | 〜10名 | 20万〜50万円 | 法人用ルーター1台、Wi-Fi 7アクセスポイント1台、有線配線5〜10箇所 |
中規模 | 10〜50名 | 50万〜180万円 | UTM、L2/L3スイッチ、アクセスポイント3〜5台、VLAN構築 |
大規模 | 50〜100名 | 200万〜500万円以上 | 冗長化ルーター、10G対応コアスイッチ、アクセスポイント10台以上、認証サーバー連携 |
※上記費用は一般的な市場参考価格であり、オフィス環境・要件により変動します。現在、Wi-Fi 7対応の法人向けアクセスポイントは、1台あたり8万〜16万円程度が機器相場です。一方で、バッファローのVR-U500Xのように、10Gbps対応・VPN・UTM拡張ライセンスをセットにして約10万円から導入できる機器も登場しており、中小企業を中心にコストと高度セキュリティを両立させる選択肢として採用されています(メーカー公式サイトで最新スペック・価格をご確認ください)。
中堅・中小企業における一人あたりのIT投資の適正目安
日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)などの調査を参考に公開されているコンサルティング指標に基づくと、中堅・中小企業における従業員一人あたりの年間IT支出の一般的な目安は以下の通りです(調査時期・詳細データはJUAS公式サイトの最新版企業IT動向調査報告書等でご確認ください)。
年間20万〜50万円:基本的なIT環境、つまりPCやグループウェア、基本的なセキュリティ、ネットワーク等
年間50万〜80万円:上記に加え、業務システム、クラウド、ネットワーク保守・運用費等を含む
社員30名の企業であれば、年間600万〜2,400万円程度がIT総予算の目安となり、ネットワーク刷新の予算設計もこの枠内から逆算されます。
中小企業庁が公募するデジタル化・AI導入補助金(2026年度版)の活用手順
ネットワークやセキュリティの刷新には、中小企業庁が公募するデジタル化・AI導入補助金(2026年度版)を活用できます。通常枠を利用することで、UTM、ネットワーク監視システム、クラウドサービスなどのソフトウェア・クラウド関連費用の1/2〜2/3、最大450万円の補助を受けることができます。なお、物理的な配線工事費やハードウェア単体の購入費は原則補助対象外となるため注意が必要です。最新の公募要件や対象経費は中小企業庁の公式サイトでご確認ください。具体的な申請ステップは以下の通りです。
gBizIDプライムアカウントを早期に取得する。
補助金に登録されているIT導入支援事業者を選定し、導入プランの提案と見積もりを受ける。
支援事業者と共同で、公式サイトのマイページから交付申請を提出する。
交付決定の通知を受けた後に、補助対象となるサービス・ツールの契約・発注を締結する(物理的な配線工事は原則対象外のため、対象経費の内訳を事前に必ず確認すること)。交付決定前に契約・支払いを行うと補助対象外になります。必ず交付決定通知を受け取ってから手続きに進んでください。
構築完了後、実績報告を提出し、審査を経て補助金が交付される。
▲ 【2026年最新】オフィス規模別の費用相場と導入ネットワーク構成の比較
信頼できるネットワーク構築業者選びのポイント
信頼できるネットワーク構築業者は、自社のビジネス規模に応じた最適な構成案と、明確な内訳見積もりを提示する。
ネットワークは企業の業務を支える基盤です。単に安さだけで選ばず、以下の現代的な選択基準を満たしているか見極めましょう。
1. NaaSおよびアウトソーシングへの対応力
自社で物理機器を資産運用するだけでなく、運用の監視から対応までをパッケージ化した保守・監視のアウトソーシングや、先述のNaaSへの対応ができるか確認しましょう。特にIT人材不足に悩む企業やひとり情シスの環境では、構築後の障害対応やファームウェア更新に追われて疲弊するケースが後を絶ちません。運用保守まで一括で委託できる業者を選ぶことで、情シスの日常的な負担を大幅に減らせます。
2. ISDNからIP移行の実績が豊富か
2028年末のISDN補完策完全終了に向けて、ビジネスフォンやクレジットカード決済端末、POS、警備通報などの古いレガシー回線を光回線やモバイルSIM等のIP環境へスムーズに移行した実績があるか確認してください。レガシーインフラの移行には論理設計と物理配線の細かなノウハウが必要とされるため、移行実績の有無は業者の実力を示す強力な指標になります。
3. 見積もりの透明性と内訳の明記
見積書において、各ネットワーク機器の単価や、配線工事の設計費、部材費、施工費、設定費が一式と濁されず、個別に明記されているか確認してください。透明性の低い見積もりを提示する業者は、後から予期せぬ追加費用を請求するリスクがあります。
社内ネットワーク構築の最新導入事例
先進的なネットワーク構築事例は、安全性と利便性を両立させる構造改革の道標となる。
実際に境界防御からゼロトラストへの移行や、ネットワークのクラウド化・モバイルシフトに成功した国内企業の最新事例を紹介します。
事例①:NTTデータ先端技術(SASE・ゼロトラストの構築)
業種・規模:ITサービス・システムインテグレーター(大規模)
課題:急激なテレワーク移行に伴い、安全かつ回線混雑が生じない社外からのネットワークアクセス環境の整備が必要であった。
施策:統合ID管理にMicrosoft Entra ID、安全なインターネットアクセスにZscaler、端末管理にMicrosoft Intuneを組み合わせ、ゼロトラスト環境を構築。
成果:社内外を問わず厳密なセキュリティ制御とアクセスログの可視化を実現。全社員がどこからでもセキュアに業務を行えるようになった。
事例②:LIXIL(脱VPNによる混雑解消)
業種・規模:建材・住宅設備機器メーカー(大規模)
課題:在宅勤務者の増加により、従来のVPN接続がボトルネックとなり、日常的な通信遅延が全社的な業務効率を阻害していた。
施策:VPNを廃止し、インターネット経由でセキュアに社内アプリケーションに直接アクセスできるゼロトラストソリューションEnterprise Application Accessを導入。
成果:VPN起因の回線混雑が完全に解消され、ユーザーが遅延を感じることなく快適にテレワークを行えるようになり、生産性が劇的に向上した。
事例③:新日本製薬(Web系と基幹系の統合によるデータ利活用)
業種・規模:医薬品・化粧品製造販売(中規模〜大規模)
課題:セキュリティの観点からWeb系ネットワークと基幹系ネットワークを完全に分離していたため、両システム間の連携ができず、ビジネススピードが低下していた。
施策:先進的なSASEを導入することで、高度なセキュリティレベルを維持したまま、物理的に分離されていた両ネットワークの論理的な統合を断行。
成果:データの壁が取り払われ、安全性を担保したままデータベースや受発注システムに迅速にアクセス可能となり、データ分析や商品開発を加速させた。
事例④:アサヒグループホールディングス(ゼロトラストへの構造改革)
業種・規模:飲料・食品メーカー(大規模)
課題:2025年に国内大手企業が相次いで受けたランサムウェア被害の教訓を踏まえ、従来の社内は安全を前提とした境界型防御では、一度侵入された際の横展開を防げないことが業界全体で認識された。
施策:業界に先駆けて脱VPNを推進。IDベースでの多要素認証と、アクセス単位での制御を行うZTNAを取り入れたゼロトラスト型ネットワークへの移行を進めている。
成果:一度侵入されても他のシステムに被害が波及しにくい強固な構造へと改革を進め、社内ネットワーク全体のレジリエンス向上を図っている。
事例⑤:静岡銀行(SIM内蔵PCによるモバイルシフト)
業種・規模:地方銀行(大規模)
課題:店舗のフリーアドレス化や柔軟なレイアウト変更を志向していたが、従来の金融機関ネットワーク特有の堅牢な固定有線配線が足かせとなっていた。
施策:新OA基盤にて、キャリアの5G/4G通信網を利用したSIM内蔵PCとSASEを組み合わせたネットワークのモバイルシフトを実現。
成果:オフィスの完全フリーアドレス化とセキュリティの確保を両立し、固定回線の引き回しを減らすことで配線コストと維持管理の手間を大幅に削減した。
事例⑥:NEC(Zoom Phone化による通信ネットワークのクラウド化)
業種・規模:電機メーカー・ITサービス(大規模)
課題:PBX、つまり構内交換機をはじめとする自社内の固定電話インフラを抱えており、維持管理コストとオフィスの固定化が課題であった。
施策:従来のPBXネットワークをZoom Phoneへと変更し、音声インフラを完全にクラウド化。
成果:場所を問わずスマートフォンやPCで内線通話が可能な環境へ移行し、通信コストの削減とインフラ管理の手間を最小化することに成功した。
▲ 従来型(VPN)と最新トレンド(ゼロトラスト/SASE)のアクセス経路構成図
社内ネットワークの構築に関するよくある質問
Q:ネットワークの構築費用をできるだけ安く抑えるコツはありますか?
A:初期コストを抑えるためには、中小企業庁が公募するデジタル化・AI導入補助金(2026年度版)を活用して機器導入や構築費の補助を受けるのが非常に有効です。また、自社ですべての物理機器を資産として購入するのではなく、保守・監視がパッケージ化されたNaaSを月額利用することで、初期の調達コストと社内の運用負担を大幅に削減できます。
Q:オフィスや会議室で家庭用のWi-Fiルーターを使ってはいけない理由は何ですか?
A:家庭用ルーターは一般的に10〜20台程度の同時接続を想定して設計されており、オフィスのようにPC、スマートフォン、タブレットなど1人複数台の端末が同時接続する環境の負荷には耐えられません。接続上限台数が100台以上で、セキュリティ設定やVLANが行える法人用アクセスポイントを選定することが必須です。
Q:オフィスの有線LAN配線をCat6A規格にするべきなのはなぜですか?
A:Cat6Aは10Gbpsの高速通信に対応した規格です。Wi-Fi 7や10Gbps対応の高速光回線を導入しても、壁や床下の有線LANケーブルが古い規格のままだとそこが致命的なボトルネックとなり、高速通信の恩恵を一切受けられなくなります。配線の引き直しには多大なコストがかかるため、配線工事を行うタイミングで将来を見越してCat6Aを敷設しておくべきです。
まとめ
社内ネットワークの構築は、単にインターネットへ接続するための手段ではなく、企業のセキュリティ、生産性、そしてDXを根幹で支えるインフラです。Wi-Fi 7と脱VPNは、すでに先進企業では標準的な構成になっています。対応が遅れると、競合他社との生産性・セキュリティ格差が開いていきます。
まずは、自社の現在の回線スペック、ISDN補完策の残存、そして現在オフィスに接続されているルーターやスイッチの同時接続デバイス数を確認することから始めましょう。自社の現状を正確に把握することが、失敗のない最適なネットワーク刷新への第一歩となります。
ネットワーク刷新 着手前チェックリスト
✅ 現在のルーター・スイッチの同時接続デバイス数を確認した
✅ ISDN補完策(または旧来のISDN回線)の利用有無を確認した
✅ オフィスの有線LAN配線がCat6A規格かどうか確認した
✅ 補助金申請に必要なgBizIDプライムを取得済みか確認した
✅ VPN機器の脆弱性対応状況とゼロトラスト移行の検討を開始した
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。
SaaS・アカウント・デバイスの管理を自動化し、IT資産の可視化とセキュリティ統制を実現。
従業員の入退社対応や棚卸し作業の工数を削減し、情報システム部門の運用負荷を大幅に軽減します。
中小企業から大企業まで、情シス・管理部門・経営層のすべてに頼れるIT管理プラットフォームです。




