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モバイル通信の歴史において、大きな転換期を迎えています。2026年3月31日をもってNTTドコモの3G(FOMA)サービスが完全に終了し、国内大手キャリアにおける3G回線はすべて停波しました。これにより、空いた周波数帯が4Gや5Gへと割り当てられる「リファーミング」が進み、インフラ環境は激変しています。
本記事では、一般ユーザーだけでなく法人のIT担当者に向けて、「4Gと5Gの違い」をテーマに、最新のスペック比較や両者の技術的な差異を整理しました。4G(LTE)の安定性と、進化を続ける5Gの真価について、正しい知識を身に付けましょう。

5Gとは
本記事のポイント
3Gの完全停波:2026年3月までに国内の大手3キャリアは3G回線を完全に終了し、周波数帯が4G・5Gへフル転用(リファーミング)されています。
真の5G(SA)へ:4Gの設備を流用しない「5G SA(スタンドアロン)」への移行が本格化しています。
最新の人口カバー率:携帯キャリア5社を合わせた全国の5G人口カバー率は98.4%に達しています。
パケ詰まり対策:5G表示で繋がりにくい場合は、一時的に端末を「4G固定」に設定することが実用的な解決策です。
5Gは日本のインフラにおいて完全に主流規格へと切り替わりました。
5G(第5世代移動通信システム)は、従来の4Gに続くモバイル通信規格です。かつては次世代技術と呼ばれた5Gですが、2026年現在、日本国内におけるモバイルインフラの主役に躍り出ています。その背景には、KDDI(2022年)、ソフトバンク(2024年)に続き、国内最大手のNTTドコモが2026年3月31日をもって3G(FOMA)サービスを完全に終了したことがあります。
3Gが完全に停波したことにより、これまで3G用として確保されていた「黄金の周波数帯」(Band 1やBand 19など)が4Gや5Gへ完全に開放(フル転用)されました。総務省が発表した令和6年度末(2025年3月末)時点のデータによると、携帯キャリア5社を重ね合わせた全国の5G人口カバー率は「98.4%」、全国の5G基地局数は302,118局に達しています(出典:総務省 情報通信統計データベース)。キャリア別ではソフトバンクが97.1%、KDDIが94.6%、NTTドコモが89.4%、楽天モバイルが61.1%のカバー率を誇り、もはや5Gはどこでも繋がる「当たり前のインフラ」として定着しています。
5Gの仕組みと通信方式の進化
4G依存から脱却した「真の5G」への移行が2026年現在急速に進んでいます。
5Gが驚異的な性能を発揮できる理由は、利用する周波数帯域の拡大と、ネットワークアーキテクチャの抜本的な進化にあります。これまでの5G普及期には、4Gのコアネットワーク(制御部)を流用して5G基地局を動かす「NSA(ノンスタンドアロン)方式」が主流でした。しかし2025年から2026年にかけて、制御部から基地局まですべてを5G専用設備で構築する「5G SA(スタンドアロン)方式」が本格的に普及しています。これにより、4Gに縛られない5G本来の超低遅延や多数同時接続のスペックがフルに発揮できるようになりました。
同じ5Gでも速さが違う?Sub6・ミリ波・4G転用の特徴
スマートフォンの画面上に「5G」と表示されていても、実は通信に使われている電波には以下の3種類があり、それぞれ特性が異なります。
Sub6(サブシックス / 3.7GHz帯・4.5GHz帯など):5Gの主力となる周波数帯です。4Gよりも通信速度が圧倒的に速く、障害物もある程度遮りながら電波が届きやすいため、実質的な高速化エリアの基盤となっています。総務省の最新データにおけるSub6展開率は75.5%に達しています。
ミリ波(28GHz帯):20Gbpsを超える超高速・大容量通信を実現する極めて高い周波数帯です。しかし、電波の直進性が強く、障害物(ガラスや雨、壁など)に非常に弱いため、2026年現在でも駅ホームやスタジアムなど限定的なスポットでの利用に留まっています。
4G転用5G(NR化):既存の4Gの周波数帯を5G向けに流用したものです。キャリアにとってはエリアを急速に広げられるメリットがある一方、通信速度は従来の4Gとほぼ同等です。ユーザーの間で「5Gなのに遅い」と感じる原因の多くは、この4G転用5Gに接続しているためです。
▲ 4Gの仕組みを借りる「NSA方式」から、5G専用設備で動く「SA方式」への進化
5Gでできるようになることと導入事例
5G SAで可能になったネットワークスライシングが、業務用途の通信品質を根本から変えつつあります。
5G SAの普及により可能となった最たる技術が「ネットワークスライシング」です。これは、1つの物理的な回線を仮想的に分割(スライス)し、用途に合わせて帯域や優先度を最適に割り当てる技術です。一般のモバイル通信が混雑していても、特定のビジネスや緊急用途向けに「専用の優先車線」を確保できるようになりました。これにより、製造・物流・エンタメなど各領域で、有線設備に依存しない業務システムの構築が実際に動き始めています。
国内企業における5G SA・ローカル5G導入事例
日本国内における、5G技術を駆使した具体的な成功事例を3つ紹介します。
企業名・プロジェクト | 業種・規模 | 導入時期 | 課題 → 施策 → 成果 |
|---|---|---|---|
KDDI × 放送事業者 | 通信・メディア(大企業) | 2025年 | 【課題】スタジアム大混雑時の中継映像の遅延・途切れ。 |
株式会社ビッグサイトサービス × NEC | イベント運営・展示場(中堅企業) | 2024年 | 【課題】ブースごとの有線LAN敷設工事による多額のコスト、撤去廃棄物の環境負荷。 |
NTTドコモビジネス | 通信・法人ソリューション(大企業) | 2026年3月26日 | 【課題】工場ロボットや自動運転、高精細カメラ監視における通信遮断リスク。 |
自社専用の「ローカル5G」と「Wi-Fi 6 / 7」の使い分け基準
携帯キャリアの電波に依存せず、自社の敷地内だけでセキュアに独自の5G網を構築する「ローカル5G」への注目が集まっています。しかし、すべてのオフィスや工場にローカル5Gが必要なわけではありません。オフィス内など狭いエリアで高速通信を行いたい場合は「Wi-Fi 6」や「Wi-Fi 7」で十分対応可能です。
ただし、広大な工場の敷地、遮蔽物の多い倉庫、あるいは多数の移動体が同時接続する環境(AGV:無人搬送車の制御や、セキュリティ重視のスマート工場など)では、干渉に強く通信可能エリアが広い「ローカル5G」の導入が最適解となります。
4Gと5Gの違い(最新スペック比較)
通信速度だけでなく、遅延の少なさと混雑時の繋がりやすさが4Gとの決定的な違いです。
従来の4G(LTE)と2026年現在の5Gの違いについて、総務省発表の公式データや最新の実測動向に基づき、スペック比較表で整理しました。
比較項目 | 4G / LTE | 5G(理論値) | 5G(実測値・2026年最新) |
|---|---|---|---|
通信速度(ダウンロード) | 最大 1Gbps | 最大 20Gbps (4Gの20倍) | 都市部実測:100Mbps〜500Mbps超 |
遅延(レイテンシ) | 約 10ms | 約 1ms (4Gの1/10) | 実質数ms以下。オンライン会議やゲームでのラグが体感レベルで消失 |
同時接続数 | 数万台 / 1㎢ | 100万台 / 1㎢ (4Gの約10倍) | 駅やスタジアムなど密集地での接続安定性が大幅向上 |
通信技術の特徴 | LTE方式、MIMO | ミリ波/Sub6、ビームフォーミング | 5G SA(スタンドアロン)によるネットワークスライシングの本格運用 |
対応エリア | 全国(ほぼ100%カバー) | 全国人口カバー率98.4%(5社合計) | 都市部を中心にSub6展開率75.5%を誇り、実用エリアが急速に成熟 |
4Gは非常に安定した優れた規格であり、2026年現在でも基本的なウェブ閲覧やSNS、標準動画の視聴には全く問題ありません。しかし、大容量データの瞬時ダウンロードや、超低遅延を要するビジネス運用、数万人が密集する会場での快適な接続性——これらは現状、5Gにしか実現できない強みです。
▲ 4Gと5G(SA・理論値)におけるスペックと技術の決定的な違い
5Gの注意点とよくある誤解・失敗パターン
5Gの特性を過信せず、接続不良時の設定変更やコスト対効果の事前検証を必ず行いましょう。
5Gは非常に優れたインフラですが、日常使いやビジネス導入において、いくつかの誤解や失敗パターンが存在します。これらを事前に把握しておくことで、トラブルを回避できます。
よくある失敗①:「5Gなのに全然繋がらない・遅い」パケ詰まり問題
アンテナピクトが5Gを示しているのにもかかわらず、ページが一切読み込まれない、または不自然に遅いという事象が多発しています。これは、4Gと5Gの境界付近で端末が弱い5G電波を無理に掴み続けてしまい、データの送受信がスタックする「パケ詰まり(パケ止まり)」が原因です。通勤時の混雑駅や高層ビル街などの混雑したネットワーク環境下で特に発生しやすくなります。
【パケ詰まり発生時の即効解決チェックリスト】
スマートフォンの設定アプリを開く
「モバイル通信」または「接続設定」を選択
「音声通話とデータ」または「優先ネットワークタイプ」をタップ
「5G」から一時的に「4G固定(LTEのみ)」に変更する
※成熟しきって安定している4G回線にあえて固定することで、多くのパケ詰まり問題は一瞬で解消します。状況に合わせて適宜切り替えを行いましょう。
よくある失敗②:ローカル5G導入における「オーバースペック」コスト問題
「次世代の高速回線だから」と、トレンドに乗って高額なローカル5Gを自社敷地内や工場に導入したものの、巨額の初期コストやライセンス保守費用(年間数百万円〜一千万円規模)に見合う効果が得られず、結果的に「Wi-Fi 6で十分だった」と後悔する企業が存在します。2026年現在では、高額なサーバー機器などを不要とし、年間のライセンス料が不要な安価な新型ローカル5Gシステム(ゲームチェンジャー無線機など)も登場し、ハードルは下がっています。しかし、そもそも自社の要件において「超低遅延」や「1平方キロメートルあたり100万台規模の同時接続(IoT)」が本当に必要かどうかの事前アセスメントは必須です。
▲ 5G表示なのにネットが繋がらない「パケ詰まり」時の対処フロー
よくある質問
Q:4Gから5Gへ切り替える際に追加料金は発生しますか?
A:現在提供されている大手キャリアの主力料金プラン(ahamo、povo、LINEMOなどを含む)では、基本料金内で4G・5Gのどちらも利用可能です。追加料金は発生しませんが、契約しているプランが非常に古い旧料金プランのままの場合、5G対応プランへの変更手続きが必要となることがあります。
Q:5G対応のスマートフォンは4Gエリアでも使えますか?
A:はい、問題なく利用できます。5G対応スマートフォンは「4G/5G自動切替方式」となっており、5G電波の届かない山間部や地下などでは、自動的に安定した4G回線にフォールバックして接続される仕組みになっています。
Q:5G対応スマホはバッテリーの消費が激しいと聞きましたが本当ですか?
A:5G普及の初期には頻繁な基地局の探索や切り替え処理によってバッテリー消費が増える傾向がありましたが、2026年現在の5G SAの普及やスマートフォンの省電力プロセッサの進化により、バッテリー消費の差は実用上ほとんど気にならないレベルまで改善されています。
Q:ローカル5Gのセキュリティが強固と言われるのはなぜですか?
A:キャリアが公衆に提供する「パブリック5G」とは異なり、ローカル5Gは自社の敷地内だけで電波が自己完結しているためです。SIMカードを用いて強固に認証された特定の端末しかアクセスを許可しない仕組みが取られており、Wi-Fiに比べて混信や傍受、乗っ取りの外部リスクを劇的に低減できます。
まとめ
3Gが完全に終了し、5G SA が本格的に普及する2026年、4Gと5Gの使い分けは個人・企業問わず次のフェーズへ移行しています。手元のスマートフォンの設定やオフィスのネットワーク環境を見直し、5Gの超高速通信を最大限活用しつつ、繋がりにくい時はスマートに「4G固定」へ切り替えるなど、最新インフラの特性に合わせた実践的なアプローチを今日から始めてみましょう。
✅ 手元のスマホが5G SA対応かを確認した
✅ パケ詰まり時の4G固定設定手順を把握した
✅ ローカル5G導入前に自社要件のアセスメントを実施した
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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