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フィッシングサイトとは?巧妙な手口と見分け方、被害に遭わないための対策を解説

フィッシングサイトとは?巧妙な手口と見分け方、被害に遭わないための対策を解説

フィッシングサイトとは?巧妙な手口と見分け方、被害に遭わないための対策を解説

HC

Admina Team

2025/07/16

フィッシングサイトによる被害は、年々巧妙化・多様化しており、今や誰にとっても他人事ではありません。本記事では、フィッシングサイトの基礎知識から最新の手口、誰でも実践できる見分け方、そして万が一の時の対処法まで分かりやすく解説します。

フィッシングサイトとは

フィッシングサイトとは、金融機関、クレジットカード会社、ECサイト、配送業者といった実在する正規の企業やサービスになりすまして作られた「偽のウェブサイト」のことです。その目的は、訪れたユーザーを巧みに騙し、ID、パスワード、クレジットカード番号、氏名、住所といった重要な個人情報を盗み出すことにあります。盗まれた情報は、不正送金や不正利用、なりすましによる更なる犯罪などに悪用され、深刻な金銭的・精神的被害につながります。

フィッシングサイトの巧妙な手口

犯人たちの手口は、日々巧妙になっています。ここでは、実際に報告されている代表的な手口を具体例とともに紹介します。どのような形で私たちを騙そうとしてくるのか、そのパターンを知っておきましょう。

実在する企業を騙るSMS・メール

最も一般的な手口が、宅配業者、電力会社、金融機関、通信キャリアなどを装ったSMS(ショートメッセージ)やメールです。「荷物のお届けにあがりましたが、不在でした」「未払いの料金があります」「アカウントがロックされました」といった、受信者の不安や関心を引く件名で、偽サイトへのアクセスを促すリンクが記載されています。文面も非常に巧妙で、一見しただけでは偽物と見抜くのは困難です。

本物そっくりのログインページ

SMSやメールのリンクをクリックすると、本物の公式サイトにそっくりのログインページが表示されます。ロゴやデザイン、レイアウトまで忠実に再現されているため、多くの人が本物だと信じ込み、IDやパスワードを入力してしまいます。しかし、そのページは情報を盗むためだけに作られた偽物であり、入力した情報を犯人が取得可能です。

不安を煽る緊急性の高い警告メッセージ

「お客様のアカウントで異常なアクティビティが検出されました」「セキュリティ保護のため、至急ご対応ください」といった、緊急性を強調し、ユーザーの冷静な判断力を奪うメッセージも典型的な手口です。人は「今すぐ対応しなければ」と焦ると、普段なら気付くはずの不審な点を見逃しがちになり、その心理を巧みに利用しているのです。

フィッシングサイトの見分け方

偽サイトは巧妙ですが、注意深く観察すれば見破れるサインが隠されています。怪しいと感じたら、情報を入力する前に必ず以下の7つのポイントをチェックしてください。

1. URLの文字列

最も重要で基本的な確認項目がURLです。アドレスバーに表示されているURLを注意深く見てください。例えば、正規のURLが example.com であるのに対し、偽サイトは example.co exanple.com example.com-〇〇.net のように、微妙に異なる文字列になっています。特に、ハイフンや無関係な単語が入っている場合は要注意です。

2. SSLサーバー証明書の有無

URLの左側にある鍵マークは、通信が暗号化されている(SSL/TLSが導入されている)ことを示す重要なサインです。ただし、近年ではフィッシングサイトもSSL化されていることが多いため、鍵マークがあるからといって100%安全とは言えません。鍵マークをクリックして証明書の発行先を確認し、アクセスしているサイトの運営者名と一致するかどうかまで確認すると、より安全です。

3. 日本語の表現に不自然な点はないか

海外の犯罪グループが作成したフィッシングサイトの場合、翻訳ソフトを使ったような不自然な日本語が見られることがあります。「てにをは」の使い方がおかしい、漢字の字体が普段見慣れないもの(旧字体など)である、句読点の使い方が不自然といった点があれば、フィッシングサイトを疑う有力な根拠となります。

4. 送信元のメールアドレスや電話番号は本物か

誘導元となったメールやSMSの送信元情報を確認しましょう。正規の企業が使用するドメイン(@以降の部分)と異なっていたり、明らかに個人のフリーメールアドレスだったりする場合は偽物です。ただし、送信元情報は偽装されている可能性もあるため、これだけで判断せず、他の要素と合わせて総合的に判断することが重要です。

5. 個人情報を入力させようとしていないか

正規の企業が、メールやSMSで直接パスワードやクレジットカード番号の全桁入力を求めることは、まずありません。「セキュリティ強化のため」といった理由をつけて、複数の個人情報を一度に入力させようとするサイトは、フィッシングサイトである可能性が非常に高いと言えます。

6. ドメインの作成日

少し上級者向けですが、「Whois情報検索」というサービスを使うと、そのウェブサイトのドメインがいつ登録されたかを調べることができます。もし、長年運営されているはずの大企業のサイトにもかかわらず、ドメインの作成日が数日前や数週間前だった場合、それは明らかにフィッシングサイトです。不審に思ったら調べてみる価値はあります。

7. 公式アプリやブックマークからアクセスする

そもそも、メールやSMS内のリンクから安易にアクセスしないことが最も効果的な自衛策です。金融機関やECサイトなどを利用する際は、事前にインストールしておいた公式アプリや、ブラウザに登録したブックマークからアクセスする習慣をつけましょう。これにより、フィッシングサイトに誘導されるリスクを根本から断つことができます。

フィッシングサイトにアクセスしてしまった場合の対応

どれだけ注意していても、騙されてしまう可能性はゼロではありません。万が一、フィッシングサイトに情報を入力してしまった場合、最初に行うべきは、入力してしまった情報が悪用されるのを防ぐことです。具体的には、すぐにWi-Fiやモバイルデータ通信を切断し、それ以上情報が送信されないようにします。その後、安全な別のデバイスを使って、以下の対応を進めてください。

パスワードやIDを入力した場合

すぐにそのサービスの本物の公式サイトにアクセスし、パスワードを変更してください。もし他のサービスでも同じIDとパスワードの組み合わせを使い回している場合は、危険が連鎖する可能性があるため、該当するすべてのサービスのパスワードを変更する対応が必要です。この機会に、サービスごとに異なる、推測されにくい複雑なパスワードを設定し直しましょう。

クレジットカード情報を入力した場合

直ちにクレジットカードの裏面に記載されている連絡先に電話し、カード会社に事情を説明してください。カード会社が不正利用の有無を確認し、カードの利用停止や再発行の手続きを行ってくれます。不正利用の被害に遭った場合でも、カード会社の補償制度によって被害額が補填されるケースが多く、迅速に連絡することが重要です。

フィッシング被害を未然に防ぐための対策

フィッシングサイトの被害は、日頃の少しの心がけと準備で、そのリスクを大幅に減らすことができます。ここでは、今日から始められる効果的な予防策を紹介します。

セキュリティソフトの導入と最新化

パソコンやスマートフォンに、信頼できる総合セキュリティソフトを導入しましょう。多くのセキュリティソフトには、危険なウェブサイトへのアクセスを検知し、ブロックしてくれる機能が搭載されています。また、ソフトの定義ファイル(ウイルスや脅威のパターン情報)は常に最新の状態にアップデートしておくことが極めて重要です。

多要素認証(MFA)の設定

多要素認証(MFA)または二段階認証は、非常に強力なセキュリティ対策です。これは、IDとパスワードによるログインに加えて、スマートフォンアプリへの通知やSMSで送られてくる確認コードなど、第二の認証要素を要求する仕組みです。万が一パスワードが盗まれても、第二の認証要素が不正ログインを防いでくれます。利用可能なサービスでは、必ず設定しておきましょう。

OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ

お使いのパソコンやスマートフォンのOS(Windows、 macOS、 Android、 iOSなど)や、ブラウザ、各種ソフトウェアは、常に最新のバージョンにアップデートしてください。ソフトウェアのアップデートには、機能追加だけでなく、発見された脆弱性を修正する重要な役割があります。アップデートを怠ることは、自ら危険に晒すことと同じです。

フィッシングサイトを発見した場合の報告先

もしフィッシングサイトと思われるサイトを発見したら、あなた自身が被害に遭わないようにすることはもちろん、次の被害者を出さないために、関係機関へ情報提供・通報することが社会貢献につながります。

フィッシング対策協議会

フィッシング対策協議会は、フィッシング詐欺に関する情報収集と注意喚起を行っている専門機関です。ウェブサイト上の報告フォームから、発見したフィッシングサイトのURLや、誘導に使われたメールの情報などを簡単に報告することができます。あなたの報告が、多くの人を救う一助となります。

警察

実際に金銭的な被害に遭ってしまった場合や、個人情報を入力してしまい具体的な犯罪被害の恐れがある場合は、速やかに最寄りの警察署、またはサイバー犯罪相談窓口に相談してください。相談する際は、フィッシングサイトのURL、メールの文面、被害の状況などをできるだけ具体的に伝えられるよう、情報を整理しておきましょう。

まとめ

本記事では、フィッシングサイトの基本から最新の手口、見分け方、対処法、そして予防策まで詳しく解説しました。フィッシング詐欺は、私たちの生活に潜む身近な脅威ですが、その手口を知り、正しい知識を持って冷静に対応すれば、被害に遭うケースは少ないです。この記事で得た知識を、ぜひ今日からお役立てください。

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