HC
橋爪兼続
2023/07/21
Windowsの認証の方法として、Active Directoryがあります。これはWindows 2000 Serverの目玉機能として登場し、数多くの企業に導入されてきています。今回は、Active Directoryとは何なのかわかりやすく解説します。
Active Directoryでの用語
まずは、Active Directoryを理解するためには、使用する用語を理解する必要があります。
①ドメイン/ドメインコントローラー ドメインは、リソース同士の関係性を示すもの示すものです。ドメインにより、ユーザや端末、部署などのリソースを扱うことができます。このドメインを管理しているシステムがドメインコントローラーです。ユーザは、ドメインコントローラーを通して証明することにより、ユーザーと他のリソースの関係性が解り、アクセスできるようになります。
②ドメインツリー/フォレスト ユーザやコンピュータの権限などが異なるとドメインを複数に分けて管理する必要があります。このときに親ドメインと子ドメインに分け、子ドメインは親ドメイン名の一部を継承し、お互いのドメインリースを利用できる関係性を結びます。このように親子関係になっているドメインをドメインツリーと言います。 また、名前の階層を分けたいと言う場合に複数のドメインに信頼関係を結びます。この状態をフォレストと言います。Active Directoryでは、これがグループの最大単位となります。なお、フォレストは、1つ以上のドメインツリーで構成されます。
③シングルサインオン シングルサインオンは、ユーザ名とパスワードを一度入力するのみで、他のサーバにもアクセス可能となる仕組みです。
④フェデレーション Active Directoryにログインするのみで、他のサービスへ個別にログインすることなく自動的にサービス利用となる機能で、シングルサインオンの一種です。
ドメインツリー /フォレストの構成。各ドメインに一台以上のドメインコントローラが存在します。
https://codezine.jp/article/detail/4584 より
なぜActive Directoryを利用するのか
Active Directoryを利用する理由として挙げられるのは、認証権限の管理があります。また、クラウドサービスについても、ID連携等がすることができます。
①Active Directoryが必要な理由 社内にある様々なシステムとのシングルサインオンが実現可能です。従来は、社内の各システムでユーザ名やパスワード等を入力してログインしていました。しかもセキュリティの都合上、これらのパスワードはそれぞれ異なる物でした。Active Directoryによりシングルサインオンを実現することにより、一つの組み合わせを覚えるのみで十分となり、ユーザへの負担軽減に繋がります。 また、Active Directoryでは、管理者権限を一括して持つことが可能であり、各端末の設定を一括で行うことも可能となっています。
②Active Directoryの利用例 Active Directory の使用場面としては、権限の付与があげられます。具体的には部署毎・役職毎にドメインを準備し、人事異動があればユーザの所属ドメインを変更します。こうすることにより、適切なアクセス権限の付与が可能となります。 また、シングルサインオン機能を利用し、システム内のログインを省略するということも可能です。
Active Directoryの機能
Active Directoryの機能としては、「ID・パスワードの管理」「アクセス権限の管理」「ソフトウェアの管理」「接続機器の管理」「操作ログの管理」等があげられます。
①ID・パスワードの管理 従来は、システム毎にIDとパスワードを管理していました。Active Directoryでは、このIDとパスワードを一括で管理することができます。IDやパスワードの個別管理をなくすことにより、サイバー攻撃などのリスク低減にも繋がり、セキュリティ対策として有効です。
②アクセス権限の管理 Active Directoryでは、ログインの可否のみならず、アクセス権限の管理もできます。これにより必要最低限のアクセス権限を付与することができ、情報漏洩等のリスクを低減することができます。なお、この権限は、ドメイン単位でもユーザ単位でも行うことができます。
③ソフトウェアの管理 Active Directoryにより、Windows Updateやセキュリティソフト等の更新を一括して管理することも可能です。また、管理下の端末に対して同じ操作を行うことが可能となっているため、全ての端末を同じ環境にすることが可能です。これにより、脆弱性のあるバージョンのソフトウェアの利用を廃止し、セキュリティ面の向上が図れます。また、ユーザが個別に更新する必要が無くなります。
④接続機器の管理 USBメモリやプリンタ等の各種周辺機器についても管理を行うことができます。USBメモリへの書き込み制限やプリンタドライバの一斉配信等も行うことが可能です。設定を一括で行えるため、周辺機器のアドレスが変更となった場合でも、Active Directoryにより、ユーザは個別に対応する必要がなくなります。
⑤操作ログの管理 閲覧出来るログに制限はありますが、Active Directoryに対する操作ログを管理できます。具体的にはログオンの認証や、各ファイルサーバに対する操作等が管理可能となっています。
Active Directoryを利用する メリット・デメリット
①Active Directoryのメリット 管理者にとってのメリットは、煩雑な業務を効率的に管理できるようになることがあげられます。企業には、膨大なリソースが数多くあります。その一つ一つを管理しようとすると多大な労力を必要とします。しかし、Active Directoryを使用することにより、ある程度自動化することができ、更に作業ミスを少なくすることができます。 企業側としては、リソースを一元的に管理できることです。これにより業務の効率化を行うことができます。また、管理者の業務効率化が図れることにより、人件費の削減にも繋がります。更にセキュリティ対策としても有効であり、情報漏洩等のリスク低減にも繋がります。 ユーザ側としては、個別の設定をしないでよいことがあげられます。また、シングルサインオンが可能となるため、パスワードを覚える必要もなくなります。また、各種アップデートも管理者で行うことができるため、負担が減ります。
②Active Directoryのデメリット 一番は導入時のコストです。導入するためには、サーバーの構築や各種設定等の導入コストがかかります。また、万が一Active Directoryが使用不可となったときは、ユーザーがログインできなくなるなど、業務が滞る可能性があります。運用時にも、Active Directoryの仕組みは複雑であるので、使いこなすためには専門的な知識や技術が必要となります。そのための人材確保のコストもかかります。
Active Directoryの使用上の注意点
注意点は権限の付与を正しく行うことです。また、ユーザの制限が厳しいと業務の効率性が落ちます。逆にユーザの制限が甘いとセキュリティの問題も生じます。 セキュリティと利便性はトレードオフの関係性にあるため、どのような権限付与にするのか十分検討しなければなりません。
まとめ
Active Directoryを使いこなすことで、ユーザや端末の管理を非常に効率的に行うことができ、同時に、セキュリティの向上も図ることができます。適切に設定を行い、業務を最適な形に運用できるようにしましょう。
Active Directoryでの用語
Windowsの認証の方法として、Active Directoryがあります。これはWindows 2000 Serverの目玉機能として登場し、数多くの企業に導入されてきています。今回は、Active Directoryとは何なのかわかりやすく解説します。
まずは、Active Directoryを理解するためには、使用する用語を理解する必要があります。
①ドメイン/ドメインコントローラー ドメインは、リソース同士の関係性を示すもの示すものです。ドメインにより、ユーザや端末、部署などのリソースを扱うことができます。このドメインを管理しているシステムがドメインコントローラーです。ユーザは、ドメインコントローラーを通して証明することにより、ユーザーと他のリソースの関係性が解り、アクセスできるようになります。
②ドメインツリー/フォレスト ユーザやコンピュータの権限などが異なるとドメインを複数に分けて管理する必要があります。このときに親ドメインと子ドメインに分け、子ドメインは親ドメイン名の一部を継承し、お互いのドメインリースを利用できる関係性を結びます。このように親子関係になっているドメインをドメインツリーと言います。 また、名前の階層を分けたいと言う場合に複数のドメインに信頼関係を結びます。この状態をフォレストと言います。Active Directoryでは、これがグループの最大単位となります。なお、フォレストは、1つ以上のドメインツリーで構成されます。
③シングルサインオン シングルサインオンは、ユーザ名とパスワードを一度入力するのみで、他のサーバにもアクセス可能となる仕組みです。
④フェデレーション Active Directoryにログインするのみで、他のサービスへ個別にログインすることなく自動的にサービス利用となる機能で、シングルサインオンの一種です。
ドメインツリー /フォレストの構成。各ドメインに一台以上のドメインコントローラが存在します。
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なぜActive Directoryを利用するのか
Active Directoryを利用する理由として挙げられるのは、認証権限の管理があります。また、クラウドサービスについても、ID連携等がすることができます。
①Active Directoryが必要な理由 社内にある様々なシステムとのシングルサインオンが実現可能です。従来は、社内の各システムでユーザ名やパスワード等を入力してログインしていました。しかもセキュリティの都合上、これらのパスワードはそれぞれ異なる物でした。Active Directoryによりシングルサインオンを実現することにより、一つの組み合わせを覚えるのみで十分となり、ユーザへの負担軽減に繋がります。 また、Active Directoryでは、管理者権限を一括して持つことが可能であり、各端末の設定を一括で行うことも可能となっています。
②Active Directoryの利用例 Active Directory の使用場面としては、権限の付与があげられます。具体的には部署毎・役職毎にドメインを準備し、人事異動があればユーザの所属ドメインを変更します。こうすることにより、適切なアクセス権限の付与が可能となります。 また、シングルサインオン機能を利用し、システム内のログインを省略するということも可能です。
Active Directoryの機能
Active Directoryの機能としては、「ID・パスワードの管理」「アクセス権限の管理」「ソフトウェアの管理」「接続機器の管理」「操作ログの管理」等があげられます。
①ID・パスワードの管理 従来は、システム毎にIDとパスワードを管理していました。Active Directoryでは、このIDとパスワードを一括で管理することができます。IDやパスワードの個別管理をなくすことにより、サイバー攻撃などのリスク低減にも繋がり、セキュリティ対策として有効です。
②アクセス権限の管理 Active Directoryでは、ログインの可否のみならず、アクセス権限の管理もできます。これにより必要最低限のアクセス権限を付与することができ、情報漏洩等のリスクを低減することができます。なお、この権限は、ドメイン単位でもユーザ単位でも行うことができます。
③ソフトウェアの管理 Active Directoryにより、Windows Updateやセキュリティソフト等の更新を一括して管理することも可能です。また、管理下の端末に対して同じ操作を行うことが可能となっているため、全ての端末を同じ環境にすることが可能です。これにより、脆弱性のあるバージョンのソフトウェアの利用を廃止し、セキュリティ面の向上が図れます。また、ユーザが個別に更新する必要が無くなります。
④接続機器の管理 USBメモリやプリンタ等の各種周辺機器についても管理を行うことができます。USBメモリへの書き込み制限やプリンタドライバの一斉配信等も行うことが可能です。設定を一括で行えるため、周辺機器のアドレスが変更となった場合でも、Active Directoryにより、ユーザは個別に対応する必要がなくなります。
⑤操作ログの管理 閲覧出来るログに制限はありますが、Active Directoryに対する操作ログを管理できます。ログオンの認証や、各ファイルサーバに対する操作等が管理可能となっています。
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Active Directoryを利用する メリット・デメリット
①Active Directoryのメリット 管理者にとってのメリットは、煩雑な業務を効率的に管理できるようになることがあげられます。企業には、膨大なリソースが数多くあります。その一つ一つを管理しようとすると多大な労力を必要とします。しかし、Active Directoryを使用することにより、ある程度自動化することができ、更に作業ミスを少なくすることができます。 企業側としては、リソースを一元的に管理できることです。これにより業務の効率化を行うことができます。また、管理者の業務効率化が図れることにより、人件費の削減にも繋がります。更にセキュリティ対策としても有効であり、情報漏洩等のリスク低減にも繋がります。 ユーザ側としては、個別の設定をしないでよいことがあげられます。また、シングルサインオンが可能となるため、パスワードを覚える必要もなくなります。また、各種アップデートも管理者で行うことができるため、負担が減ります。
②Active Directoryのデメリット 一番は導入時のコストです。導入するためには、サーバーの構築や各種設定等の導入コストがかかります。また、万が一Active Directoryが使用不可となったときは、ユーザーがログインできなくなるなど、業務が滞る可能性があります。運用時にも、Active Directoryの仕組みは複雑であるので、使いこなすためには専門的な知識や技術が必要となります。そのための人材確保のコストもかかります。
Active Directoryの使用上の注意点
注意点は権限の付与を正しく行うことです。また、ユーザの制限が厳しいと業務の効率性が落ちます。逆にユーザの制限が甘いとセキュリティの問題も生じます。 セキュリティと利便性はトレードオフの関係性にあるため、どのような権限付与にするのか十分検討しなければなりません。
まとめ
Active Directoryを使いこなすことで、ユーザや端末の管理を非常に効率的に行うことができ、同時に、セキュリティの向上も図ることができます。適切に設定を行い、業務を最適な形に運用できるようにしましょう。
SaaSという情報資産をISMSでどのように管理するか
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よくある質問
Active Directoryとは?
Active Directory(アクティブディレクトリ)とは、信頼関係を築いたディレクトリサービスであり、システム管理者が利用する標準機能の一つです。NTドメインの階層構造に基づいて管理され、活用されることでユーザー情報の管理が可能になります。Active Directoryによって管理されたユーザーは、信頼された関係を持ち、ドメイン内での適切なアクセス権を与えられます。また、異なるActive Directory間で信頼関係を構築することで、他のディレクトリサービスとも連携できます。
Active Directoryは、マイクロソフトが開発したWindowsネットワーキング環境で、ネットワーク上のリソースを中央で管理するためのサービスです。このサービスを活用することで、NTドメイン構造やWindows 2000から導入された階層構造のシステム管理が可能になりました。Active Directoryは、ユーザー情報やコンピュータアカウントなどのデータを集中管理し、シングルサインオンやグループポリシーの適用などを提供します。
Active Directoryでは、ユーザーやリソース、アプリケーションなどの情報を一元管理することができます。システム管理者は、Active Directoryを使用してユーザーのアカウント管理やアクセス権の付与、セキュリティポリシーの適用、データのバックアップなどを行います。また、クラウドサービスであるAzure Active Directory(AD)も、Active Directoryのクラウド版として提供されています。
Active Directory(アクティブディレクトリ)は、ネットワーク上での認証やアクセス管理において重要な役割を果たしており、企業環境におけるシステム管理やセキュリティ確保に必要不可欠な機能を提供しています。
Active Directory利用のメリットは?
Active Directory(アクティブディレクトリ)のメリットは以下が考えられます。
ドメイン内の認証を一元管理: ドメイン内のユーザー認証を一元管理でき、ユーザーアカウントの効率的な管理が可能です。
OUによる権限の一括設定: 組織単位(OU)を使用して、ユーザーグループに対する権限を一括で設定できます。
個人アカウントによるログイン: 個別のユーザーアカウントによるログインを実現し、セキュアなアクセス管理を行うことができます。
また、Active Directoryの利用にはセキュリティ設定の知識が必要であり、ポリシーの設定と変更が複雑で、サーバーダウンによる業務中断のリスクもある点に留意する必要があります。
Active DirectoryはWindowsで何ですか?
Active Directory(アクティブディレクトリ)とは、Windowsのサーバーに組み込まれている機能で、ネットワーク内のクライアント端末、サーバー、プリンター、アプリケーションなどの情報を集約し、統一されたディレクトリサービスとして管理できるものです。
Active Directoryの活用方法は?
Active Directory(アクティブディレクトリ)を活用する方法は以下の通りです。
ユーザーとデバイスの一元管理: ユーザーアカウントやデバイスを一元管理できます。新しいユーザーアカウントを作成し、ユーザーのアクセス許可を設定し、デバイスを追加または削除できます。
シングルサインオン(SSO)の実装: ユーザーは1つの認証情報で複数のシステムやアプリケーションにアクセスできるシングルサインオンが実装できます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、セキュリティも向上します。
ポリシーの設定: グループポリシーを設定できます。これにより、ユーザーに対するアクセス許可や制限、パスワードポリシー、セキュリティ設定などを一元管理できます。
ファイルとプリンターの共有: ファイル共有やプリンター共有を簡単に設定できます。ユーザーはネットワーク内のリソースにアクセスでき、リソースのセキュリティを管理できます。
ユーザーの監査と監視: ユーザーアクティビティを監査および監視できます。これにより、セキュリティインシデントの早期検出と対応が可能になります。
自動化とスクリプティング: タスクの自動化やスクリプトの実行を行うことができます。これにより、管理タスクの効率が向上し、エラーのリスクが軽減します。
クラウド統合: クラウドサービスに統合することで、クラウドリソースへのアクセスを管理できます。Azure Active DirectoryなどのクラウドベースのID管理サービスと統合することが一般的です。
Active Directoryの最大限活用には、組織のニーズに合わせて設定とカスタマイズを行い、セキュリティと効率性を両立させることが重要です。
Active Directoryとドメインの違いは何ですか?
Active Directoryとドメインは混同されることがありますが、厳密には異なります。Active Directoryはユーザー管理やリソース管理の包括的なサービスであり、ドメインはユーザーがアクセス権を持つ範囲を指します。複数のドメインをActive Directory内で管理できます。
Active Directoryの主な機能は?
Active Directoryの主要な機能は以下の通りです。
ユーザー認証
アクセス管理
ソフトウェア管理
接続機器の管理
操作ログの管理
これらの機能があるため、Active Directoryはユーザーとリソースの効率的な管理を実現します。
Active Directoryを導入するメリットは?
Active Directoryを利用するメリットは以下のとおりです。
ドメイン内の認証を一元管理: 組織内の認証情報を一元的に管理でき、ユーザーは一度の認証でドメインにアクセスし、必要なリソースにアクセスできます。
OUによる権限の一括設定: 組織単位(OU)を作成し、グループごとの権限を一括で設定できます。特定の制約を設定することが可能で、セキュリティを向上させます。
個人アカウントによるログイン: 各ユーザーが個別のアカウントでログインするため、共有アカウントの使用を減らし、セキュリティリスクを低減します。
ドメインコントローラとActive Directoryの違いは何ですか?
Active Directoryは、企業内で使用され、PCやシステムへのログインなどに利用されるサービスです。その中には「Active Directoryドメインサービス」と呼ばれる役割が含まれており、この役割を提供するサーバーを「ドメインコントローラー」と呼びます。
Activedirectoryのグループ管理者とは?
Active Directoryのグループ管理者とは、組織内のIT部門やIT管理者のことで、複数のユーザーアカウントを管理し、ファイルサーバーへのアクセス権を設定したり、ユーザーのPC設定を調整したりするためのグループ情報を管理・編集する役割を担います。
Active DirectoryとAzure ADの違いは何ですか?
Active DirectoryとAzure Active Directory(Azure AD)の主な違いは、Active Directoryがオンプレミス環境で内部ネットワークのユーザーとデバイスを管理するのに対し、Azure ADはクラウドベースのID管理サービスでクラウドアプリケーションやリモートワーク向けに設計されています。両者の用途、デバイス管理、ライセンス、SSO、セキュリティモデルに違いがありますが、組織にとっては統合が一般的であり、両方を活用する方法も存在します。
Azure ADを導入するデメリットは?
Azure ADを導入する際のデメリットは、ユーザー環境の変化に関連しています。業務環境の変化により、一時的にIT部門への問い合わせが増加する可能性があります。この問題に対処するために、マニュアルやトレーニングの提供などの対策が必要です。
Active Directoryはどこが提供していますか?
Active Directoryは、Microsoft社が提供するWindows Serverに組み込まれた機能です。
Active DirectoryはWindows Server上で提供されるディレクトリサービスで、複数のリソースやユーザー情報を集中管理することが可能です。Active Directoryには様々なメリットがあります。例えば、ドメイン内のコンピューターやユーザーをツリー状に組織化することができ、システム管理者は効率的にリソースにアクセスできます。また、シングルサインオンを搭載しており、ユーザーは複数のシステムやサービスに一度のログインでアクセスできます。Active DirectoryはIDやパスワードを利用して、クラウドサービスやパソコンを管理し、Windows Serverでの利用が可能です。フェデレーション機能もあり、異なる組織間での認証を可能にします。管理者はこれを活用し、必要なリソースへのアクセス権を容易に設定できます。
Active Directoryパスワードとは何ですか?
Active Directoryパスワードは、組織のネットワークに接続されたクライアントPCへのアクセスに使用されるパスワードです。 Active Directoryドメインを持つユーザーは、定期的にパスワードを変更し、組織の機密情報をサイバー攻撃から保護するためのセキュリティ対策の一環としています。
Active Directoryで管理できるものは何ですか?
Active Directoryの管理機能は、ユーザー情報だけでなく、ネットワーク上に接続されているコンピューター、プリンター、USBメモリなどのデバイス、Windows OS、セキュリティソフトウェア、ファイル、フォルダなども含めて幅広い情報やリソースを管理できます。
ドメインコントローラーとはITで何ですか?
ドメインコントローラーーは、コンピュータネットワーク内で特定のドメインにおけるセキュリティ認証を管理し、ユーザーの認証を行うためのサーバーです。
ドメインコントローラーは、特定のドメイン内で重要な役割を果たすサーバーであり、IPアドレスを使用してネットワーク上で特定されます。このIPアドレスを介して、クライアントコンピュータや他のサーバーはドメインコントローラーと通信し、Active Directoryドメインに関するさまざまな情報を取得します。
ドメインコントローラーは、その名前からも分かるように、特定のドメイン内でコントロールや認証などの役割を担当しています。Active Directoryドメインとは、組織内のネットワークリソースやユーザーアカウントなどを中央で管理するためのサービスであり、ドメインコントローラーがこれを実現します。
具体的な役割としては、ドメインコントローラーはユーザーの認証を担当し、アクセス権を管理したり、グループポリシーを配布したりすることがあります。また、Active Directoryには様々な情報が格納されており、これらのデータをドメインコントローラーが管理・提供することで、ネットワーク内のリソースやセキュリティを一元的に管理することができます。
要するに、ドメインコントローラーは特定のIPアドレスを持ち、Active Directoryドメイン内で認証やアクセス管理などの役割を果たし、組織内のネットワークを効果的に管理するための中心的な要素となっています。
ドメインコントローラーが停止するとどうなる?
ドメインコントローラーが1台しかない環境で停止すると、重大な影響が生じます。具体的には、以下のような状況が発生します。
ユーザー認証の停止: ドメインコントローラーはユーザーの認証を担当しているため、コントローラーが停止するとユーザーはドメインにログオンできなくなります。これにより、ユーザーはネットワーク上での活動が制限されます。
リソースへのアクセス不可: ドメインコントローラーはアクセス権の管理も担当しており、停止するとユーザーはドメイン内のリソース(共有フォルダ、プリンターなど)にアクセスできなくなります。これは、ユーザーが必要なデータやファイルにアクセスできないという問題を引き起こします。
サービスの停止: ドメインコントローラーは他のサービスや機能との連携も担当しています。そのため、コントローラーの停止により、関連するサービスや機能も正常に機能しなくなる可能性があります。
ネットワーク全体の影響: ドメインコントローラーはネットワーク全体のセキュリティや認証に関与しているため、停止することでネットワーク全体に深刻なセキュリティリスクが生じる可能性があります。
これらの理由から、ドメインコントローラーの冗長性を確保し、複数のドメインコントローラーを配置することが推奨されます。冗長性が確保された環境では、1台のドメインコントローラーが停止しても、他のコントローラーが引き続きサービスを提供できるため、システムの信頼性と可用性が向上します。
Active Directoryのドメイン、ツリーとフォレストとは?
Active Directory(AD)は、Microsoftが提供するディレクトリサービスで、組織内のネットワークリソースやユーザーの情報を中央管理するための仕組みです。Active Directoryには、ドメイン、ツリーとフォレストといった概念があります。
ドメイン(Domain):ドメインは、Active Directory内でリソース(ユーザーアカウント、コンピュータ、プリンタなど)を管理する単位です。
ドメインはセキュリティの境界を定義し、一つのセキュリティ境界内で資源が管理されます。
ドメイン内のユーザーは、同じセキュリティポリシーとアカウント設定を共有します。
ツリー(Tree):ツリーは、関連する複数のドメインを階層的に組織化するための概念です。
ツリー内の各ドメインは、親子関係にあり、共通のスキーマや設定を共有します。
ツリーは、1つ以上のドメインが階層的に結びついている構造を指します。
フォレスト(Forest):フォレストは、Active Directoryの最上位の構成単位であり、複数のツリーを包括的に管理する単位です。
フォレスト内の各ツリーは、共通のスキーマや設定を共有しますが、異なるツリーのドメインは異なるドメインのセキュリティポリシーや設定を持つことができます。
フォレスト内の各ツリーは、相互に信頼関係を持っています。
執筆者:
橋爪兼続
ライトハウスコンサルタント代表。2013年海上保安大学校本科第Ⅲ群(情報通信課程)卒業。巡視船主任通信士を歴任し、退職後、大手私鉄の鉄道運行の基幹システムの保守に従事。一般社団法人情報処理安全確保支援士会の前身団体である情報処理安全確保支援士会の発起人。情報処理安全確保支援士(第000049号)。
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