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IPv4とIPv6の違いとは?仕組みから移行まで初心者にもわかりやすく解説

IPv4とIPv6の違いとは?仕組みから移行まで初心者にもわかりやすく解説

IPv4とIPv6の違いとは?仕組みから移行まで初心者にもわかりやすく解説

HC

Admina Team

2025/05/26

インターネットの根幹を支えるIPアドレスには、IPv4とIPv6の2つのバージョンがあります。それぞれの仕組みや特長を理解することで、ネットワークの未来を見据えることができるでしょう。特に、IPv4のアドレス枯渇が深刻化する中、次世代であるIPv6への移行が急務となっています。本記事では、IPv4とIPv6の基本的な違いや、移行が求められる理由、さらには移行の具体的な方法について、初心者にもわかりやすく解説します。

IPv4とIPv6とは?

IPv4(インターネットプロトコルバージョン4)はインターネットの初期から使用されているアドレス方式であり、IPv6はその進化版です。IPv4は32ビットのアドレス空間を持ち、約43億のユニークなアドレスを提供しますが、IPv6は128ビットのアドレス空間を持つため、約340澗(10の36乗)個という膨大な数のアドレスを利用可能にします。

IPv4の特徴

IPv4は、インターネットが普及し始めた1980年代から使用されており、アドレスは通常「192.168.1.1」のように表現されます。IPv4の主な特徴は、アドレスの数が限られている点です。特に最近では、インターネットの利用者が増加しているため、アドレス枯渇が問題になっています。

IPv6の特徴

IPv6(インターネットプロトコルバージョン6)は1990年代に開発され、アドレス方式が一新されました。IPv6アドレスは、通常「2400:abcd:1234:5678:0000:0000:9abc:def0」のような形式で表現され、各部分は16進数で記載されています。IPv6の特徴として、アドレス数が膨大であること、セキュリティ機能が強化されていること、そしてネットワークの効率が向上していることが挙げられます。

なぜIPv6が必要か

インターネットに接続するデバイスの急増により、IPv4アドレスの枯渇が進んでいるため、IPv6への移行が必要です。例えば、IoT(Internet of Things)デバイスの普及により、ますます多くのデバイスがインターネットに接続されています。IPv6は途方もない数のデバイスにアドレスを提供するため、オープンで便利なインターネットを維持できます。

IPv4とIPv6 の違い?

IPv4とIPv6の違いは、そのアドレスの構造と割り当て可能なアドレスの数にあります。具体的には、IPv4は32ビットのアドレスを使用し、最大で約43億のユニークなアドレスを提供します。一方、IPv6は128ビットのアドレスを使用しており、理論上は約340澗(10の36乗)のユニークなアドレスを生成することが可能です。

アドレスの形式の違い

IPv4アドレスは、通常、ドットで区切られた4つの数字(例:192.168.1.1)で表現されます。これに対して、IPv6アドレスはコロンで区切られた8つの数字で表現され、各々16進数の値(例:2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334)からなります。この違いにより、IPv6はより多くのデバイスやサービスがインターネットに接続できる環境を提供します。

アドレス空間の違い

前述のように、IPv4は約43億のユニークなアドレスを持ちますが、インターネットの急速な成長に伴い、十分なアドレスを確保できなくなっています。この問題に対し、IPv6では圧倒的に多くのアドレスを提供するため、今後のインターネット利用に対する持続可能な解決策となります。

ネットワーク機能の違い

さらに、IPv6はセキュリティやルーティングの効率性においても改善されています。例えば、IPv6はIPsecというセキュリティ機能を初めからサポートしており、データ通信の保護が容易に行えます。また、アドレスの自動設定機能によって、デバイスがネットワークに接続されると自動的にアドレスを割り当てることが可能です。

このように、IPv4とIPv6の違いは、単にアドレス数や形式の違いにとどまらず、今後のインターネットの使用環境やセキュリティに大きな影響を与える要因となります。

なぜ今、IPv6への移行が必要なのか?

IPv6への移行が急務である理由は、通信ネットワークの急激な成長とその持続可能性にあります。インターネットの利用者数が増加し、新しいデバイスやサービスが次々と登場する中で、従来のIPv4では対応しきれなくなっています。

IPv4アドレス枯渇の現状

IPv4は約43億のIPアドレスを提供していますが、すでに多くの地域でその枯渇が進んでいます。2011年には、主要な地域インターネットレジストリでIPv4アドレスの割り当てが終了しました。この状況により、新たにインターネットに接続するデバイスに対する十分なアドレスが確保できない事態が発生しています。データによれば、2024年にはIPv4アドレスの使用数は30億を超えています。

将来の技術への対応

IoT(Internet of Things)やスマートシティ、5Gなどの最新の技術は、ますます多くのデバイスがインターネットに接続されることを前提としています。これらの技術を活用するためには、IPv4ではなく、より多くのアドレスを提供できるIPv6が必要です。IPv6では、約340澗(10の36乗)のアドレスを提供できるため、ほぼ無限に近いアドレス空間を確保することができます。

セキュリティの向上

IPv6は、インターネット接続のセキュリティを向上させるための設計がなされています。IPv6には、IPsecと呼ばれるセキュリティ機能が標準で組み込まれており、データの暗号化や認証に使われます。このような機能は、特に企業にとって重要であり、データの保護が強化されることで、ビジネスのリスクが軽減されることが期待できます。

効率的なネットワークの構築

IPv6では、ネットワークの構成や管理が効率的に行えるように設計されています。アドレス自動設定機能や、ルーティングの効率化により、ネットワークの管理負担を大幅に減少させることが可能です。これにより、企業や個人が持続可能なインターネット利用を進めることができます。

IPv6への移行方法 - 個人から企業まで

IPv6への移行方法は、個人ユーザーから大規模な企業まで、それぞれに適したステップがあります。このセクションでは、個々のニーズに応じた具体的な方法を解説します。

個人ユーザーの移行ステップ

個人ユーザーがIPv6に移行するための方法は比較的シンプルです。まずは、インターネットサービスプロバイダー(ISP)にIPv6への移行が可能かを確認することが重要です。多くのISPは既にIPv6をサポートしていますが、自分の契約内容をしっかり確認しましょう。

次に、家庭内のネットワーク機器、特にルーターがIPv6に対応しているか確認する必要があります。最新の機器は通常、IPv6に対応していますが、古い機種では対応していないことがあります。必要に応じて、ルーターのファームウェアを更新したり、新しい機器に切り替えたりすることを検討すると良いでしょう。

さらに、パソコンやスマートフォンの設定を見直し、IPv6が有効になっているか確認します。OSやアプリケーションがIPv6をサポートしているかも確認することが、スムーズな移行には欠かせません。

中小企業の移行手順

中小企業がIPv6に移行する際には、まず、現状のネットワーク環境を調査することから始めます。特に、自社のネットワーク機器がIPv6に対応しているかどうかを確認することが重要です。サーバーやストレージ、ファイアウォールなど、全ての機器がIPv6をサポートしているか確認し、必要に応じて新しい機器の導入や、設定の変更を行います。

次に、自社のITチームや外部の専門家と協力して、移行プランを策定します。このプランには、段階的な切り替えスケジュールや、問題が発生した場合の対応策を盛り込むことが望ましいです。

また、従業員への教育も欠かせません。IPv6に関する基本知識や新たなコンフィギュレーションに関する教育を提供することで、スムーズな移行が実現できます。

大企業の戦略的な移行方法

大企業の場合、IPv6への移行はもっと高度な戦略が求められます。まず、全社的なテクノロジー戦略に基づき、IPv6移行のための専門チームを設置することが推奨されます。このチームは、全てのネットワーク機器の互換性の確認から、移行後のテストまでを管理する役割を担います。

さらに、企業内の各部門と連携し、ビジネスプロセスへの影響を考慮した移行計画を立てることが重要です。また、顧客やパートナーへの情報提供も忘れずに行い、スムーズな移行を支援します。

大規模なシステムを運用する場合は、リーダブルなマイグレーション戦略を立て、段階的にIPv6対応を行うことで、業務に与える影響を最小限に抑えることができます。

まとめ

IPv4とIPv6は、インターネット上の機器同士がやり取りを行うための基本的な通信プロトコルです。IPv4は長年にわたり広く利用されてきましたが、アドレス枯渇やセキュリティの問題が指摘されています。一方、IPv6はこれらの課題を克服し、より多くのデバイスを接続可能にします。

企業や個人が今後もインターネットを活用するためには、迅速にIPv6への移行を進めることが必要です。新たな技術を取り入れることで、持続可能なインターネット環境の構築に貢献していきましょう。

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